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オンデマンド印刷のカードで遊べるサッカーゲームがゲーセンに登場! 「WCCF FOOTISTA 2019」ロケテストレポート

8月3日 開催

ロケテストが行なわれたセガ秋葉原3号館。早朝から入場整理券の配布を待つプレーヤーが続々と駆け付けた

 セガ・インタラクティブは、アーケード用スポーツカードゲームの最新作、「WCCF FOOTISTA 2019」の期間限定ロケテストを東京・秋葉原のゲームセンター、セガ秋葉原3号館にて8月3日より開始した。

 「WCCF FOOTISTA 2019」(以下、「FOOTISTA」)は、世界中の有名サッカー選手の写真をプリントしたトレーディングカードを使用して遊ぶサッカーゲーム。2002年にシリーズ第1弾が登場し、現在も稼働中の「WCCF」こと「WORLD CLUB Champion Football」シリーズの後継タイトルにあたる。

 ロケテストの初日となった3日は、開店前から多くのプレーヤーが駆け付け、なんと開店前の段階で当日分の入場整理券の配布がほぼ終了するという盛況ぶり。プレイするとロケテスト限定のカードが入手できるということもあり、情報を聞きつけたプレーヤーたちが早朝から殺到した。

 以下、本作の基本ルールやファーストインプレッション、および現地で入手したロケテスト版のカードをご紹介しよう。

現行の「WCCF」から、ゲームシステム、演出、カードのすべてを一新

 本作は、現行の「WCCF」と同様に、選手カードを筐体のフラットリーダー上に並べてデータを読み込ませて、サッカーチームのデッキを作ったうえでプレイする。デッキは1チームにつき最大16人で、試合中はプレーヤーがカードを動かすことで、選手のポジションを任意に変えることが可能。全選手の動き方はAIによって制御され、自動的にパスやドリブル、タックルなどを選択して行動し、シュートやゴールキーパーを飛び出させる場合には、ボタンを押して直接指示をする基本システムも従来と同じだ。

 「WCCF」と「FOOTISTA」との大きな違いは、各選手の適性ポジションが画面とカード上にはっきり明示されるようになったこと。カードの裏面には、各種能力値以外にも選手のメイン、サブポジションのほか、安定度やケガ耐性などの詳細なデータが書かれている。また、使用できるフォーメーションは、試合を繰り返して監督レベルをアップさせることによって増えていく。ロケテ版では、デフォルトで4-3-3システムが、監督レベルが2に上がると、新たに4-4-2が使えるようになっていた(※1)。

 プレイデータの保存には「WCCF」をはじめ、セガのアーケードゲームではおなじみとなっている、別売りのAime(アイミー)カードを使用する。開発スタッフのお話によると、現在の「WCCF」ではAime1枚につき10チームまで登録が可能だが、「FOOTISTA」では1枚につき1チームのみの登録となる。

※筆者注1:正確に言うと、試合中のフォーメーションはいつでも自由に変えながらプレイできる。ただし、選手を適性がないポジションに置いた場合は、能力が著しく低下するデメリットが生じる。

「FOOTISTA」の筐体は現在の「WCCF」よりも大きくなり、屋根と外枠で覆われ、充電用のUSB端子とヘッドフォンジャックも搭載されている
こちらはサテライト筐体。ロケテ版ではデモ画面を流すだけであったが、公式ブログによると、ここで選手カードとAimeカードとの関連付けが可能になるとのこと
フラットリーダー上にカードを並べ、フォーメーションを組んで遊ぶ基本システムは今の「WCCF」と同じだ。画面は、初回プレイ時のチュートリアル中のひとコマ
同じく、チュートリアル画面より。カードの裏面には、選手のメイン・サブポジションと、配置した際の能力値などが詳しく書かれるようになった
クラブのオーナーと思しき人物が登場し、監督就任の記者会見シーンなどのムービーも登場。監督であるプレーヤーのプレイ内容に沿ったストーリーが用意されている

 ボタン操作は、従来の「WCCF」から大幅に変更された。「FOOTISTA」においては、右手側にある5つのボタンを使用して選手たちに指示をする。Aボタンがシュート&ゴールキーパーの飛び出し、Bボタンはプレスで、以下C、D、Eボタンの順にスキル、ホットライン、マンマークの指示が出せる。これらの指示を出すごとに指示コストが消費され、コストのストックがない場合は使用することができなくなる。コストは時間の経過とともに回復し、選手たちを適性ポジションどおりに配置しておくと回復速度がアップする仕組みだ。

 シュートおよびゴールキーパーの飛び出しは今の「WCCF」と同じで、これらのアクションを行ないたい場合は、プレーヤーがボタンを押して直接指示出すことが必須となる。プレスは、相手ボールホルダーに対して2人でプレスを掛けることで、ボールがより奪いやすくなる効果があるが、使用時はスタミナの消耗が激しくなるデメリットもある。

 上記のボタンの中でも、試合の勝敗を左右する最重要ポイントとなりそうなのがホットラインの設定だ。最大3人までの選手カードをこすってからボタンを押すと、選手間にホットラインが設定されて能力がアップし、チーム全体でホットラインの選手たちを中心に攻撃を組み立てるようになる効果が得られる。

 逆に、ディフェンスの際は相手チームのホットラインを断つ守り方を考えることが必要となる。例えば、相手のホットラインを形成したFWにマンマークを仕掛け、そこでボールを奪えれば相手のホットラインを強制的に遮断することが可能となり、より有利に試合を進められるようになる。

 一部の選手カードが持つ、スキルの使い方も大きなポイントになりそうだ。筆者も試してみたところ、FWのアグエロが持つスキル「カウンターターゲット」を発動させた直後、後方の味方がダイレクトパスを立て続けにつないでからアグエロにボールを回し、鮮やかに敵陣を崩してゴールを決めることに成功した。ただし、スキルはカード裏面に書かれた発動エリアに選手を配置した場合にのみ使用可能となる。

右手側には、A~Eまでの5種類のボタンがある
左手側のボタンは、試合中のレーダー表示の切り替えや、ヘッドフォンのボリューム調整に使用する
中盤のアンカー(DM)役のデ・ロッシ、左ウィング(LW)のザネ、センターフォワード(CF)のアグエロの3人でホットラインを形成したところ。3人の間に、ホットライン化を示すラインが表示される

 選手の顔やスタジアムなどのグラフィックスが、現在の「WCCF」よりもリアルに描かれているのも魅力と言えるだろう。また、実況のボイスはフジテレビ系列のサッカー中継でおなじみの青嶋達也アナウンサーが担当しているのも聞き逃せないポイントだ。ゴールが決まると、筐体のLEDランプが点滅するとともに、「ゴォーーール!」という青嶋アナの甲高い声が周囲に響き渡り、プレーヤーの爽快感をますます高めてくれる。

 本作のカードは、「艦これアーケード」や「三国志大戦」と同様に、筐体内に設置されたプリンターによるオンデマンド印刷方式で排出される。試合開始前に追加クレジットを投入すると、画面内にはチームスタッフが選手をスカウトするシーンが流れ、ランダムで入手できるカードが決定される(※2)。

 今回のロケテスト版では、1プレイにつき最大4枚までカードを印刷することが可能で、カードのレアリティは1番下のLOCAL CLASSから最上級のSPECIAL ONEまで、全7段階に分けられていた。さらに、試合終了後には選手たちの経験値がアップし、MAXになった選手はレアリティと能力がアップした新たなカードを印刷できるという、従来の「WCCF」には存在しない進化システムも導入されていた。

※筆者注2:本作の公式ブログによると、製品版では別の仕様になる予定とのこと。上記の内容は、あくまでロケテ版のものであることをあらかじめお断りしておく。

選手のグラフィックスも一新。写真は左から順に、F・トーレス、モドリッチとアグエロ(が、スキル発動中にゴールを決めたところ)
試合前にスカウトを選択し、クレジットを投入するとカードを引く(印刷する)ことができる
筆者が取材当日に入手したカード。先のW杯で活躍したモドリッチ(下段左から2番め)のカードは、4番目のレアリティにあたるWORLD CLASSということもあり、他のカードに比べてより光沢のあるデザインになっている

「WCCF」プレーヤーに朗報! 現行の「WCCF」から「FOOTISTA」への引き継ぎ要素もあり

 現地で開発スタッフにお話を伺ったところ、「『FOOTISTA』は、駆け引きの要素がしっかりあるゲームにしようと思っています。プレーヤー同士でのマッチングによって、どちらかと言えば育成ゲームから対戦ゲームへシフトするような形ですね。難しくならないように、反射神経を問われるような操作は一切やめつつ、自分で考えるプレイがどこまで受け入れられたのか、今回のロケテでの評価を見たうえで調整します」とのことだった。

 本作においては、「メインストリームはリーグ戦」(開発スタッフ談)であることから、プレーヤーはリーグ戦の最上位カテゴリーへと昇格し、最強監督の座を目指すことが究極の目標となる。また、ロケテ版では実装されていなかったが、リーグ戦とは別にCPU戦が基本となるカップ戦も用意され、もしリーグ戦でつまづいてしまった場合は、ここで選手たちの育成が可能になるそうだ。つまり、「FOOTISTA」では主戦場がリーグ戦であり、カップ戦がサブクエスト的な位置づけとなる。

 カードは新たにオンデマンド印刷となったが、本作のために専用のインクや紙を開発し、クオリティにとことんまでこだわっているという点も注目に値する。「製品版では、もうちょっとクオリティを上げられそうです」(同)というから楽しみだ。ちなみに、登場する選手やクラブチームは、現段階では未定とのこと。

 そして、現「WCCF」プレーヤーにとって最も気になるのは、現行のカードを次回作でも継続して使用できるかどうかであろう。スタッフに伺ったところ、「FOOTISTA」ではそのまま使用することはできないが、機械にカードを1度読み取らせた後に、「FOOTISTA」用のカードを新たにプリントし直す形で使えるようにしたいとのこと。製品版ではこのシステムが変わるかもしれないが、「カードは確実に使えるようにしたいです」と明言していたので、これまでに集めた「WCCF」シリーズのカードは捨てずにとっておきたい。

 なお、稼働開始の時期については、「できれば、暖かくなる頃までには出したいですね……」とのスタッフコメントと、タイトルに「2019」の表記があることから、来春が有力とみていいだろう。なお、ロケテストは8月5日までの予定なので、プレイしたい人は早めに現地へ足を運ぶことをおすすめする。

「FOOTISTA」では、プレーヤー同士での対戦によるリーグ戦がメインストリームに。リーグは全5クラスあり、リーグごとに4つのディビジョンに分かれ、それぞれ昇・降格条件やカードの総コストの上限などのルールが設定されているようだ