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あの「TES」がスマホで遊べる時代に! 「The Elder Scrolls: Blades」プレビュー

縦持ち横持ちどっちでもいける柔軟なゲームデザイン。エンカウントバトルが新鮮

6月12日~14日開催

会場:Los Angeles Convention Center

 Bethesda Softworksの人気RPGシリーズ「The Elder Scrolls」。E3 2018ではシリーズ最新作「The Elder Scrolls VI」が正式発表され、「Fallout」と「The Elder Scrolls」がそろい踏みした年として話題を集めたが、モバイル版も忘れてはならないトピックだ。初のモバイル版「The Elder Scrolls」となる「The Elder Scrolls: Blades」は、「Fallout」のモバイル版となる「Fallout Shelter」のようにモバイル向けにゲームデザインを改めたものではなく、「The Elder Scrolls」そのものがモバイルで楽しめるという意欲作だ。「Skyrim」の開発チームが開発を担当しており、その点でも期待大だ。今回、Bethesdaブースで体験することができたのでインプレッションをお届けしたい。配信時期はiOS/Android向けにグローバルで2018年秋が予定されている。

「The Elder Scrolls: Blades」体験コーナー

 「The Elder Scrolls」は、「The Blades」と呼ばれる帝国の精鋭部隊に所属していた主人公が、組織から追放され、故郷まで逃げ戻るも、その故郷も破壊し尽くされているという悲惨な境遇から幕を開ける。

 今回デモでプレイできたのは、そのプロローグシーンではなく、「Castle」と「Forest」というデモ専用の2つのモード。「Castle」はいわゆる城砦をモチーフにしたダンジョン、「Forest」は通常フィールドだ。

 触ってみて驚かされるのは、グラフィックスの美しさだ。アセットの多くは「The Elder Scrolls V: Skyrim」から流用していると見られるが、さすがにHD化されたPS4/Xbox One版ほどのクオリティはないものの、初代のPS3/Xbox 360版程度は出ている感じで、2010年にEpic Gamesがリリースした3Dアクションゲーム「Infinity Blade」を初めて見たときに近い衝撃がある。「これがスマホで遊べるのか」という。

 もう1つ驚いたのは、縦持ち、横持ち、どちらでも行けるところだ。持ち方によってその都度UIがリアルタイムで最適化され、縦持ちなら片手操作がし易いように、バーチャルボタンが中央下部にまとめられ、横持ちなら左右に配置される。キャラクターの操作は、地面を直接タップでもいいし、バーチャルパッドを使って直接キャラ移動させてもいい。このあたりは無数のAAAランクのゲームを生み出してきたデベロッパーの手による作品だけに非常に洗練されている。

【縦持ち横持ち両対応】
ご覧の通り、縦持ち、横持ち、どちらでも遊べるようになっている。再起動の必要もなく瞬時に表示が切り替わる

バトルはこのような感じで中央をタップしながら進めていく
Forestは、オープンワールドではなくフィールド型のダンジョンだった

 デモ機は、スマートデバイスとしては最高峰のスペックを誇るiPhone Xで、その美しいグラフィックスでヌルヌル動いていた。逆に言うと、現時点では「iPhone Xならヌルヌル動く」としか言えず、少し型落ちのマシンだとカク付いてしまうかもしれない。

 さて、まず「Castle」では、「Skyrim」で言うと、プロローグの砦のシーンほどのボリュームの城砦型のダンジョンを楽しむことができた。部屋には、スケルトンタイプのモンスターが点在し、一定の距離までいずれかが近づくと1対1のバトルがエンカウントする。つまり、バトルシーンに移行する。ここは移動とバトルの区別のないフリースタイルの「Skyrim」とは大きく異なるところだ。

 バトルシステムは、モバイル向けに最適化されており、中央をタップして武器を振るような感覚でフリック(弾く)したり、面倒な場合は、ロングタップしたままでもゲージが堪れば自動的に攻撃してくれる。ただ、当然敵も反撃してくるため、適宜シールドで受けながら攻撃を繰り出していかないとかなり消耗してしまう。

 これが「Skyrim」の場合、そもそもバトルシーンに移行しないため、面倒な時はそのまま逃げても良いし、距離を取って弓やスペルで攻撃を仕掛けてもいいが、「Castle」ではバトルシーンに移行し、がっぷり四つで組むため、しっかり剣と盾で戦う必要がある。

 実際には今回のデモの場合、マナがどんどん貯まる仕様になっていて、強力なスペル攻撃を連発することができたため、コツを掴むとクリアするのは簡単だったが、実際はそうはいかないはずで、この専用のバトルシーンによる剣劇アクションが本作の魅力のひとつだ。

 ちなみに敵を倒しても、装備をルートすることはできず、少量のゴールドが手に入るだけだった。部屋の隅に配置されているツボを割ると、ゴールドとジェムが手に入った。最奥の部屋にいるスケルトンの兵士を倒すとクリアとなった。

 続いてプレイした「Forest」は、地上フィールドを舞台にしたステージで、遊び初めてすぐ気づいたが、オープンワールドではない。一見、オープンフィールドのように見えるが、実際には左右にある人間の背丈ほどの壁は乗り越えることができず、フィールド型のダンジョンになっている。「Forest」では、ここで大型のスパイダーやゴブリンと戦うことができた。

 これはこのゲーム自体がオープンワールドではないのか、ゲーム自体はオープンワールドで、フィールド型のダンジョンも別にあるのかはわからなかったが、いずれにしても単なる「The Elder Scrolls」シリーズの移植ではなく、モバイル向けに当たってかなり遊びの部分を変化させているのは間違いないようだ。

 今回のデモでは、グラフィックスの美しさとエンカウントバトル、実質この2つのみに体験を集約させた印象だったが、実際にはダンジョンバトル以外にも、クエストを求めて冒険する要素や、街を作る要素、アイテム作成、そして先述したバトルシーンを使ったPvPモードが用意される予定だ。

 今回プレイした限りでは、「The Elder Scrolls」そのものがスマホで遊べるというわけではなく、スマホに最適化された「The Elder Scrolls」の一部が体験できるという感じだったが、個々のクオリティは非常に高く、今や最大勢力を持つスマホゲーマーがこのゲームに殺到するのは想像に難くない。今秋の配信開始が楽しみだ。

【Forestで出会ったモンスター】

【「The Elder Scrolls: Blades」のその他の要素】