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サードウェーブ、eスポーツに3年間で20億円の大型投資を発表
新GALLERIAは「eスポーツマシン」。“圧力冷却”ケース採用の2018年モデルを披露
2018年4月3日 20:17
サードウェーブは4月3日、eスポーツ事業戦略発表会を開催し、2018年度以降、同社事業の新たな柱のひとつとなるeスポーツ事業について、3カ年の計画を発表した。
ゲーミングPCブランド「GALLERIA」と共に、秋葉原PCゲームフェスタや、GALLERIA LOUNGE、GALLERIA GAMEMASTERファンフェスティバル、GALLERIA GAMEMASTER CUPといったPCゲーミング、その先にあるeスポーツへの取り組みを進めてきたサードウェーブだが、2018年度からは、ついに表看板に“eスポーツ”を掲げ、3年間で20億という大規模な投資を行なっていく方針を明らかにした。
発表を行なったのは、代表取締役社長尾崎健介氏が“三顧の礼”で迎え入れた常務取締役の榎本一郎氏。直近ではFREETELを手がけたプラスワンの取締役を務め、FREETELの顔として知られるが、本来のフィールドはPC。新卒でIBMに入社し、レノボ、デル、Acerなど、PCメーカーで30年以上にわたって営業を担当し、日本のPC販売の全盛期を支えた人物だ。
榎本氏は就任してまだ2カ月ということだが、GALLERIAブランドを含めたeスポーツ事業担当として登壇し、今期以降のサードウェーブとしてのeスポーツの取り組み、そしてその中核となるハイエンドゲーミングPCブランド「GALLERIA GAMEMASTER」の2018年モデルをお披露目した。
榎本氏が、世界的なeスポーツ市場の成長、eスポーツ団体を統合をはじめとした日本のeスポーツ環境の整備具合を踏まえながら、ゲーミングPC「GALLERIA」を通じて、日本のPCゲームファンに、PCゲームの楽しさ、eスポーツの楽しさを提案してきたサードウェーブとして、eスポーツの分野に思い切った投資を行ない、eスポーツのバリューチェーンを生み出していきたい、と抱負を語った。
具体的にはこの3年間で20億円の投資を行なう。この金額には、GALLERIAの研究開発費やマーケティング費用などは含まれておらず、純粋にeスポーツに投資する金額となる。この中には、4月15日に正式オープンするeスポーツ施設「LFS 池袋 eSports Arena」の運営、LFSの多店舗展開、eスポーツ大会「GALLERIA GAMEMASTER CUP」の定期開催、LFS 池袋でのイベント開催、eスポーツアスリートへのスポンサード費用などが含まれている。
現時点では、eスポーツそのものでの収益化というのは考えず、eスポーツへの取り組みによる波及効果としてGALLERIAのビジネス規模を3年間で1.5倍に成長させ、150億ほどの売り上げ増を見込む。20億の原資は、そこで得る利益の先行投資だという。PC市場そのものは、スマートフォンやIoTにより減少しているなか、非常に大胆かつ強気の計画といえる。
ただ、今回の発表会は、あくまでGALLERIA GAMEMASTERの新モデルということで、eスポーツ事業そのものとなるLFS 池袋の運営計画や第2回GALLERIA GAMEMASTER CUPの内容については別途発表の機会を設けるという。
さて、そのGALLERIA GAMEMASTERは、キャッチコピーを「The esports standard」とし、GALLERIAブランドで初めてeスポーツを明確に意識したモデルとなる。既報のようにフルタワーとミニタワー4モデルずつ、計8モデル。2017年モデルまで存在していたコンパクトケースを採用したスリムモデルは、ハイエンドPCを望むPCゲーマーには支持されなかったことから、2018年モデルから取り扱いがなくなっている。
2017年モデルとの違いは、マザーボードがH370チップセットに刷新されたことと、タワー/ミニタワーのシャーシを一新し、冷却効率をさらに追求したエアフローと、高品質&高効率電源の採用によるさらなる安定性の確保、そして側面に全面ガラスパネル採用によるビジュアル的な楽しさの追求。ハイエンドモデルらしい重箱の隅をつつくようなこだわりに満ちたモデルとなっている。
伝統的に“ビックリするほど地味”なフロントパネルは、5インチベイを光学ドライブ用の1スロットだけ残して全面排除し、USB 3.0ポートを4つ、オーディオ端子、電源ボタンだけとなり、ソリッドなデザインに磨きが掛かっている。ゲーミング部の瀧吉佑介氏は、これを「静」と呼び、アピールポイントのひとつとしている。
「動」となるのがサイドパネルだ。2017年モデルでサイドパネルを透明なアクリル素材を採用し、中が見えるようになったが、2018年モデルではそれを全面に拡大し、素材もガラスにパワーアップさせている。これで凝ったLEDライトを装着したデバイスを付けてそのイルミネーションをプレイしながら楽しんだり、LANパーティーなどの持ち込みイベントでは、自慢のマイマシンをアピールしやすくなる。
そしてもっともこだわったのがエアフローの改善による冷却性能の強化だ。ゲーミングPCでもっとも求められるのは長時間の安定駆動ということで、40度のようなタフな環境でも安定動作し続けられるように内部構造を見直し、CPUファンや電源ユニットなどエアフローに関連するパーツに高品質なものを採用。さらに2017年モデルと比較して、あまり使われていない5インチ/3.5インチベイを減らしつつ、風の圧力で冷却する「圧力冷却」と呼ばれる独自の冷却方法で従来モデルを上回る冷却性能と静穏性を実現したという。
価格は、Core i7-8700およびGeForce GTX 1080 Tiを搭載したハイエンドモデル「GALLERIA GAMEMASTER GMZ」で279,980円(税別)と、ゲーミングPCとしてもかなり高額となる。コミュニケーション開発部部長の大浦豊弘氏は、「eスポーツのためにすべての面において最高を目指したモデルで、その価値はあると思っています。LFS 池袋には、このマシンを採用しているのでぜひ1度触ってその良さを確かめて欲しい」と語る。初の“eスポーツ向けゲーミングPC”となるGALLERIA GAMEMASTER 2018年モデル。その実力をLFS 池袋でたっぷり確かめて見てはいかがだろうか。