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ネクソン モバイルゲーム事業説明会を開催
オープンワールドMMORPG「DURANGO」は2018年配信!gloopsの新作タイトルも発表
2018年3月23日 07:50
ネクソンは3月22日、同社の六本木オフィスにて、2018年のスマートフォン向けタイトルを発表する「NEXON Mobile Media Day」を開催した。
今回壇上でスピーチを行なったのは、モバイル事業本部本部長の金起漢氏。発表の中ではすでに韓国で配信され高い評価を得ている「DURANGO」など4タイトルが発表されたが、まずは2017年のスマートフォンアプリ市場を振り返るところから始まった。
2017年の国内市場について金氏は、「IPタイトルの存在感」、「海外タイトルの台頭」という2つのキーワードを挙げた。2018年1月~2月のセールスランキングトップ100を見ても、IPタイトルは45本と約半数を占め、海外タイトルも2015年の9本から17本と倍増している。特に海外タイトルに関しては、中国・韓国のタイトルが13本と大きな存在感を示している。日本国内のメーカーからすると危機感を感じる現象だが、中国や韓国のタイトルを抱えるネクソンとしては、むしろ追い風と考えているそうだ。
そんなネクソンは2017年に多数のタイトルをリリースしたが、下期に限ってみると「StraStella」、「三國志曹操伝」の2タイトルにとどまっている。金氏によると日本市場は競争が激しいため、ひとつひとつのクオリティを上げる方向性へ舵を切った結果だという。クオリティの上げ方もさまざまだが、ネクソンとしてはローカライズ、カルチャライズに対して特に力を入れているという。
加えて2017年は、既存タイトルの安定運用も大きなテーマだった。昨年9月に1周年を迎えたガンシューティングゲーム「HIDE AND FIRE」は、1周年記念として「バイオハザード」とのコラボレーションを実施。「HIDE AND FIRE」と「バイオハザード」は世界観にも共通点が多く、ユーザーからの評価も高かったと金氏は手応えを口にする。また公式生放送「ハイファイLIVE!」を行ない、ユーザーとのコミュニケーションの活性化にも成功していると述べた。
続いて12月に1周年を迎えたばかりの「HIT」だが、こちらは記念ファンブックを制作するなど、「HIDE AND FIRE」は違ったアプローチを見せているのが特徴だ。公式オフライントーナメントも開催しており、こちらは予選・本大会を通して約500名を動員。e-Sportsではなく、カジュアルなイベントとして開催したことが成功につながったと金氏は分析している。
オープンワールドMMORPG「DURANGO」など4作品の詳細が発表
続いては2018年にリリース予定のタイトルとして、4作品が一挙に発表となった。まずは「HIT」を開発したNAT GAMESが手掛ける新規タイトル「OVERHIT」。こちらは韓国ではすでに配信されており、無料ランキングで最高1位、売り上げランキングでも最高2位にランクインしたヒットタイトルだ。
ゲームシステムは120人を超えるキャラクターが登場するヒーロー収集型RPG。NAT GAMESが得意としているUnreal Engine4を使って開発されており、美麗なグラフィックス、演出も持ち味のひとつだ。現在は日本配信に向けてローカライズが進行中で、日本のゲームファンに合ったシナリオをゼロベースから制作、またキャラクタービジュアルも日本向けに修正を加えているという。詳しい配信日などは未定だが、近日新情報を発表予定とのこと。
続いて、こちらも韓国で配信され、事前登録の段階で250万人を突破、ダウンロード数も累計500万ダウンロードに達するなど絶大な支持を得ている「DURANGO」の詳細も明らかに。本作はネクソングループのゲーム開発スタジオ「What!Studio」が送り出す、オープンワールド型のMMORPG。住居の建設はもちろん、狩りや釣り、料理といった多様な生活コンテンツを楽しめる。もちろんMMORPGということで、他プレーヤーと共同生活を送ったり、対戦したりといった楽しみ方も用意されている。
本作も2018年の配信を目指してローカライズが進行中だ。その一方で、本作が持つ独特の世界観を活かすべく、「カルチャライズはかけず極力そのままの状態で出したい」と金氏は語った。
3本目に発表された「GIGANT SHOCK」は、先日事前登録の受付が始まったばかりの“超巨大ボスハンティングRPG”。ジャンル名からもわかる通り、巨大なボス「ギガント」と他プレーヤーとともに討伐するという内容になっている。縦画面でも手軽に照準を合わせて敵に攻撃できる新感覚の3Dアクションを目指していると金氏。
また作中には溜め攻撃や遠距離攻撃を巧みに使い分けるアタッカー、フリーズで敵の動きを止めるなど補助攻撃が得意なアシスター、シールドを展開したりと仲間を助ける役割のプロテクターと、3種類の職業が登場する。職業の組み合わせによって、まったく異なるゲームプレイが可能になるという。
本作は韓国を始めとした海外でも配信されておらず、日本での先行配信を予定している。日本先行配信を決めた理由として金氏は「縦画面でのプレイは日本市場との親和性が高いのでは」と考えたと話す。まず日本で成功させて、海外へ発展させていく狙いがあるとのことだ。
なお、「GIGANT SHOCK」を手掛けるのは2014年に創業されたCarbon Eyed。「ドラゴンネスト」「LINE POP」などを開発したメンバーが在籍するスタジオだ。これらの作品に触れた経験がある人は、今後の情報に注目しておくといいだろう。
最後はgloopsが開発し、ネクソンがパブリッシングを担当する「ドラゴン騎士団」が発表。かつてgloopsが配信した「大進撃!!ドラゴン騎士団」の世界観、キャラクターを引き継ぐ新タイトルで、日本人に馴染みのある、役割分担がはっきりしているJRPGに仕上がっているとのこと。近日中に事前登録もスタートする予定だ。
会場では金氏から、最近鳴りを潜めていたgloopsに関する近況も明かされた。2017年に李仁氏がCEOに就任し、さらに開発体制をスタジオ制に変更。またネクソンとの業務統合・役割分担を行なうことで、グループとしてのシナジーを活かせる状況になったという。
最後に金氏は今後のリリース予定として、年内に10タイトルをリリースできるよう準備を進めているとコメント。10タイトルの中には、もちろんgloopsのタイトルも含まれている。他にも有名IPを使った作品や、「HIDE AND FIRE」に続くガンシューティング、ネクソンが元来得意とするMMORPGも用意されているそうだ。詳細が明かされた4タイトルにとどまらず、ネクソンとgloopsに対する期待が高まる発表会となった。