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【JAEPO 2018】空中戦がメインとなる新しいハイスピードロボットアクション「星と翼のパラドクス」2018年秋稼働
2018年2月9日 15:12
スクウェア・エニックスは、幕張で開催中のアーケードゲーム機器関連の展示会「ジャパンアミューズメントエキスポ2018」の同社ブースにおいてアーケード用ハイスピードメカアクション「星と翼のパラドクス」の発表セレモニーを開催した。セレモニーでは同社の丹沢悠一プロデューサーがゲーム内容などを発表した。
松田洋祐スクウェア・エニックス代表取締役社長は、「星と翼のパラドクス」について、「アーケードゲームならではのインターフェイスで、試遊したが素晴らしさを体感した。今後はメディア展開も行ないIPを育てていきたい」と、同社にとって力が入っているプロジェクトであることを示した。
ここで丹沢プロデューサーが登壇。新規IPを立ち上げることについて「新しいお客さんが入らないと市場が縮小する。何かのIPをアーケードに持ってくるのではなく、アーケードから発信したい」と意気込みを語る。そんな中なぜロボットアクションなのかというと、安定したファンが付いてくれるからだという。
ターゲットとするプレーヤー層は3つ。1つは大学生から若いサラリーマンといった男性層。ロボットアニメ好きや、ゲームファンにあたる。2つ目がキャラクターファンで、2次創作などに熱心な女性などを含んでいる。そして3つめがフラリと立ち寄ってゲームをプレイするカジュアル層だ。「星と翼のパラドクス」は稼働筐体になっており、プレイ内容によって筐体が激しく動く。若い開発者達が昔の稼働筐体を見て新鮮だったと感想を述べたことから、「(逆に)若い人には新鮮に映るのでは」と考えたのだという。
筐体は密閉型ではなく周りからプレイしている様子が見えるようになっている。稼働筐体ということもあるが、カジュアル層をターゲットとした場合、プレイしていて楽しそうであることが見えることは大きな宣伝効果となるため、わざと周りから見えやすいような筐体構造になっているのだという。ただ、実際にコクピットに座るとわかるのだが、ディスプレイがかなり大きく、没入感がすごい。丹沢氏はパイロット気分に浸れるという点も強調していた。
インターフェイスは左右にある2本のスティック(振動機能付き)と2つのフットペダル、そしてメインディスプレイの他、サブのタッチディスプレイも用意されている。このタッチディスプレイでは味方に指示を出したり、武装を変更することなどができる。また出撃時などに相棒とも言えるアズワンというキャラクターを選択することになるが、このタッチディスプレイで手を合わせるといったコミュニケーションを取る演出があるという。こういったコミュニケーションを通じてアズワンとの親密度が変化し、笑いかけてくれたりするようになるという。
PVなどでゲームシーンを見ると、地上を舞台にしたアクションというよりは、空中を中心とした空間でのハイスピードなバトルに仕上がっている。丹沢氏は「ターゲットの若い層が子供の頃に慣れ親しんだロボットアクションは、『機動戦士ガンダムSEED』などハイスピードでスタイリッシュに空を飛ぶアクションが主流だった時期」と分析。このため、ゲームのシステムもハイスピードアクションとなっている。ブーストにより一気に敵まで距離を詰めるシーンはかなりのスピード感と迫力だった。
対戦人数は8vs8だが、なぜ多人数対戦なのかというと、前述のカジュアル層に訴えかけるためだという。少人数になればなるほど緊張感は増しコア層に向けたゲームになってしまう。丹沢氏は「コア層にも向けて調整しているが、まずは入りやすくしたい」と語り、8vs8のシステムを採用した。
運営面でも様々な工夫を行なっていくという。丹沢氏は、ゲームの運営を続けるとプレーヤーがゲームを上手くなり、新しいプレーヤーが入りにくくなってしまう現象があると説明。これを打破するために、全国規模での指標を元にプレーヤーを評価するのではなく、スマートフォンを使い、各プレーヤーごとのレベルに応じて目標を分析し、ケアしていく予定だという。たとえば命中率の全国平均が50%で、プレーヤーの命中率が30%程度であっても、プレイの中で32%に上昇しただけでテクニックの向上を褒めるなどしてモチベーションを維持するようにするといった手法を考えているという。
このほかにも、初心者講習会や全国大会など、これまでの運営ノウハウを注ぎ込み、様々なイベントを行ない長く運営できるようにしたいとしている。
丹沢氏は、スクウェア・エニックスがこれまでロボットものをたくさん作ってきたわけではないため、ロボットアクションのノウハウが少ないということから、一流のスタッフを招集したのだと説明。ゲームの開発はバイキングで、アニメーションなどの制作はサンライズが行なっている。ゲーム中にはキャラクターのカットイン映像なども入るが、こういった細かいシーンのアニメも、目パチ口パクで済ませず、サンライズがきっちりとアニメーションとして仕上げているのだという。
もちろんその先にはアニメーション番組への展開なども見据えてのことだとは考えられるが、発表会に出席したサンライズの小出尚弘プロデューサーも「オリジナルのロボットものを作るというのはチャレンジで、今の時代なかなか難しい。新しいものを作れるのは大変嬉しいし、今後盛り上げていき、色々と展開していきたい」とコメントしていた。
丹沢氏は最後に「ゲームを体験してもらえるのが1番」とアピール。同社ブースには数台の試遊台が置かれているが、発表会終了と同時に数時間待ちといった状況で、来場したオペレーター陣の期待度の高さもうかがわせる。すでにコトブキヤによるプラモデルの開発も進められているようで、メディア展開も進んでいくかもしれない。秋稼働開始ということで非常に楽しみな1作だ。
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