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ゼンハイザー、新しいゲーミングヘッドセット「GSP 500」を発表

本日から予約開始。5月24日に発売

5月24日 発売

価格:オープン価格(店頭予想価格:28,000円)

エントリー向けのプレミアムモデルとなる「GSP 500」

 ゼンハイザージャパンは2月6日に都内の会場で発表会を開催し、新しいプレミアムモデルとなるゲーミングヘッドセット「GSP 500」をワールドワイドで発売すると発表した。発売日は5月24日で、価格はオープン価格。店頭予想価格は28,000円。2月6日より予約の受付を開始した。

ゼンハイザーのDirector Gaming Sales & Marketingのティム・ボルカー氏

 発表会ではまず、ゼンハイザーのDirector Gaming Sales & Marketingのティム・ボルカー氏が登壇。同社の開発ポリシーなどについて紹介した。

 まずはゲーム市場について、グローバルレベルでの市場規模は1,160億ドル。そのうちほぼ半分がAPAC(アジア太平洋地域)とのこと。またAPACでは9%以上の急成長を遂げているという。その中で日本の市場規模は125億ドルで、アジア第2位の市場のため重要であるとボルカー氏は語る。

 またGfKの調べによると、ゲーミングPCとヘッドセットについて、APAC地域での売り上げが拡大中というデータが出ているという。モニターは154%、キーボードは9%、マウスは21%であるのに対して、ヘッドセットは29%の伸びを見せている。

 このような状況の中、なぜゼンハイザーがPCゲーマー向けに集中するようになったのかというと、PS4やXbox Oneでプレイしているユーザーは合計しても1,000万人弱なのに対して、Steamでプレイしているユーザーは2億7,800万人にも上っているため。こうしたユーザ-は周辺機器への投資意欲も高いとボルカー氏は語る。

 ここでボルカー氏は、同社の開発ポリシーを紹介。氏によるとサウンドクオリティ、通信のためのマイク、快適な装着感、信頼性と耐久性を念頭に、同社の製品は開発されているという。特にサウンドクオリティについては、オーディオメーカーとして70年以上の開発経験があるほか、マイク性能についても同様に長年開発してきた経験があるので、高機能な製品を送り出すことができていると自信を見せる。

 またPCゲーマーは5~7時間もの間ゲームをプレイするので、装着感が快適である必要があると指摘。そして最後の柱が信頼性と耐久性だ。多くの品質テストを経て市場に提供されているほか、グローバルで2年間の保証をしているのが同社の製品だという。

 そして同社のユーザーにアンケートを採ったところ、重要なのは音の明瞭さと快適さに加えて、マイクの性能を重視していることがわかったという。ボルカー氏は「この3つに合わせて、信頼性と耐久性を提供することで、よい製品作りを心がけた」と説明した。

 ゲームユーザーの階層をピラミッドで考えた場合、上位に位置するのはプロ、その下にインフルエンサーとも言えるストリーマー、そしてハードコア、コアと来て、底辺にはカジュアルゲーマーがいることになる。同社のターゲットはこの中でもコア層とハードコア層であるという。「プロとストリーマーはゲーム市場に大きな影響を与えている。ゲーマーにとってヒーローであるこうした層のユーザーをスポンサードすることにより、ブランド認知を高めている」のだそうだ。「こうした活動を続けることで、ゼンハイザーがゲーマーにとって重要なプレーヤーであることを認知してもらう」とボルカー氏。

 日本のeスポーツ事情について見ていくと、コアの年齢は25~34歳の人で、プレーヤーのうちの37%を占めているという。そのうちの7割が男性で、3割が女性というデータが出ている。この層がどのような楽しみ方をしているかというと、3割がエンターテイメント性を楽しみたいと回答し、29%はすごいゲーマーのプレイを見たいという声があるそうだ。このため同社はプロゲーマーチームと多くのスポンサー契約を結んでいる。「我々のヘッドセットはおもちゃでなく、プロ仕様のツールということ」とボルカー氏。

 最後にボルカー氏は、ゲーム開発会社とのコラボレーションも重要であると語り、スクウェア・エニックスとの取り組みについて紹介。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」で同社の製品が使われているビデオを紹介してプレゼンテーションを終了した。

ゲーミングヘッドセットのフルラインアップがそろった2018年

 続いて同社のBusiness Manager Gamingのミハエル・テンプチェック氏から、製品についての紹介が行なわれた。

Business Manager Gamingのミハエル・テンプチェック氏

 テンプチェック氏はまず同社のラインアップについて紹介。「GSP 500」が登場したことで、エントリーモデルとなる「GSP 300」からプレミアムモデルの「PC 373D」までの5製品がそろった2018年は特別な年だと語る。

 こうした製品の独自性、他社との差別化についてテンプチェック氏は、先ほどボルカー氏があげた4つの柱を改めて紹介しつつ、これらの価値観を実現することで高い耐久性を誇り、ゲームで生活をしているプロにも適したツールであると語る。「スクウェア・エニックスのサウンドデザインの担当者も言っているように、オーディオはゲーミング体験の非常に重要な要素。高性能であるだけでなく、快適さ、耐久性の高い商品作りをしている。おもちゃではなくゲーマーのためのツールである」(テンプチェック氏)。

 ここで今回発表された「GSP 500」の製品について紹介。「日本のゲーマーが求めている要件を満たしたモデルであると自負している」とテンプチェック氏。同製品は開放型のヘッドセットとなっており、イヤーパッドも通気性のあるスポンジ素材。このため構造的にも熱を放出する開放型なので、数時間以上ゲームをしても熱くならないようになっている。音場も広がっており、オープンな音場が再現できるとしている。なお、イヤーパッドは交換可能だ。

 本体右側には直感的に操作できるボリュームホイールを用意。そして高品質のマイクはプロシューマーやストリート、eスポーツのプレーヤーが十分楽しめるようになっている。

 なお「GSP 500」だが、マイクのアームが短くなっているのが特徴。口の横で終わるようになっており、パフノイズ(呼吸の際のノイズ)を低減する効果があるとのこと。ほかのモデルと同じく、アームをあげることでミュートが可能だ。

 そして本体にはあたらにメタルヒンジを採用。イヤーカップの中心をメタルヒンジで支えており、これにより圧力が分散できるのだそうだ。このためアゴの方での密着性が高まっているという。このほかヘッドバンドが分割型になっているので、スライダー機能を使うことでヘッドセットをきつめ、ゆるめにする調整が可能だ。だいたい30%暗いの接触圧を調整できる。

 また「GSP 500」には新しく開発されたトランデューサーが使われており、より自然な音を再現するために、低周波数体の再現性を高めたのだそう。音響インピーダンスも低めで、コンソール機のコントローラーなど、低出力なデバイスにも対応している。

 なお1月初旬に発表された「GSP 600」だが、発売日が3月21日に決定したことも紹介された。こちらも2月6日から予約を開始。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円。

ELTの伊藤一朗さんがゲーマー代表として登場

 次にゲストとしてEvery Little Thingの伊藤一朗さんが登場。「GSP 500」のサウンドを「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のデモプレイを通じて体験した。

Every Little Thingの伊藤一朗さん

 伊藤さんは普段、格闘ゲーム系を中心にカジュアルなものまで様々なゲームを楽しんでいるとか。「ストレスを発散したくて。日常から飛び出てゲームの世界を旅する。日常から脱却できるのがいいですね」と伊藤さん。

 そして「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のテストプレイに。冒頭のイグニスたちが車で移動するシーンは「音が楽しいですね。車のエンジンの音がすごくリアルで」と感想を漏らす。ほかにも電話がかかってくるところや、移動するシーンでは「電話の音がリアル。足音とか、生活の音がリアルですね」。またかけ心地についても満足したようで「何時間も装着できる軽さがありますね」とコメント。「車の振動や鳥のさえずりが聞こえてきて、そういう楽しみがありますね。また『FF』は楽曲が素晴らしいですよね」(伊藤さん)。

 ちなみに伊藤さんはゼンハイザーについて知っていたそうで、「(マイクの)441でないと不安になってしまうくらい愛している」と語る。また「揺るぎない安定感と想像以上の情報量を残してくれる入り口ですね、マイクは。ゼンハイザーは揺るぎない安定感と、使うたびに新しい発見がある。なので信頼している」とも。

 最後に伊藤さんは「ゼンハイザーはプロユースとしていろいろな機材を使っているが、ゲーム用の商品とかそういったもので、プロ以外の人もたくさん手に取って使ってもらえる商品がたくさんあるということで、新鮮な楽しみな気持ちで来ました。こういう商品を使って、日本では自宅からネットに配信する人もいるので、そういう人にもオススメだと思いました。いろいろな商品がでるのを楽しみにしています」とアピールした。