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「ガンプラビルダーズワールドカップ 2017」世界大会決勝戦が開催

ジュニアコースの畑めいさん、7年越しの悲願達成!

12月17日開催

会場:THE GUNDAM BASE TOKYO

 バンダイが主催するガンプラ作りの世界一を決めるコンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ(GBWC) 2017 世界大会決勝戦」の表彰式が、2017年12月17日に東京台場のTHE GUNDAM BASE TOKYOにて開催された。

会場となったのは今年オープンしたばかりのTHE GUNDAM BASE TOKYO

 今年で7回目の開催となるこの大会は、14歳以下の「ジュニアコース」と15歳以上の「オープンコース」の2部門が設けられ、世界の16の国と地域(日本・中国・韓国・台湾・香港・タイ・シンガポール・マレーシア・フィリピン・インドネシア・オーストラリア・イタリア・フランス・ベトナム・アメリカ・カナダ)での予選を勝ち抜いた28名が製作した作品を4人の審査員が審査し、各部門上位3名がこの表彰式にて決定する。

 また今回は「GUNDAM docs at TOKYO JAPAN賞」と「特別審査員賞」の2つの特別賞が設けられ、本戦とは別の審査による受賞者も発表された。後者は、ガンダムの生みの親の1人であるメカニックデザイナー大河原邦男氏の選考によって決定。大河原氏は「メカデザインは夢の種を蒔く仕事。(作品を指して)それがこのような形で花開いた」とコメント。また同氏が選んだ作品については「敢えてシンプルなザクを選んで、安彦良和さんのイラストをあしらったデザインに、懐かしい時代を思い出した」と語っている。

進行をつとめた京極雅美さん(左)と、バンダイホビー事業部の川口克己氏
特別審査員の大河原邦男氏
「GUNDAM docs at TOKYO JAPAN賞」のキリン レイ リュジュア ハンさん(オーストラリア)と、作品「Koumajutsu(コウマジュツ)」
「特別審査員賞」のチェン ジェン イさん(台湾)と、作品「Sieg Zeon(ジーク ジオン)」

 そしてメインとなる本大会は、バンダイホビー事業部の川口克己氏と安永亮彦氏、そして「ホビージャパン」編集長の木村学氏、「モデルグラフィックス」編集長の古屋智康氏の4名の審査員が、作品ごとに工作・塗装・アイデアの3つの各項目を100点満点で採点し、その合計点が一番高かった作品が優勝となる。

念願の世界一に、目に涙を浮かべてトロフィーを受け取った畑めいさん
ジュニアコース各作品の順位と採点

 今年は7歳のときからジュニアコースに参戦し、圧倒的なクオリティでこれまでの全大会で日本一に輝きながらも、世界大会ではチャンピオンを逃していたいた畑めいさんが、年齢的にジュニアコースでは最後の参戦となり、大きな注目が集まった。その結果は、念願の世界一に決定。涙ながら登壇し、トロフィーを受け取った。審査員の古屋氏は「このコースにおいては、一歩も二歩も抜きん出た作品。ウェザリングやダメージ表現も多彩で、非常に楽しく見られました」と賞賛。そして来年以降、オープンコースにもぜひ挑戦してほしいと伝えている。

 チャンピオンとなった畑さんは「7年間ずっと出してきて、最後の最後にチャンピオンになれて本当によかった」と涙ながらにコメント。去年まではガンダム作品のシーン再現をしてきたが、今年はそのシーンを自分のアイデアから構想したとのこと。そのイメージは、図書館で見かけた「赤ずきん」の絵本だったそうだ。そして次回以降のオープンコースへの挑戦については、そのハードルの高さゆえ「一次予選突破が目標」と語るものの、来年は受験があるので勉強に専念するのだとか。

【GBWC 2017 ジュニアコース入賞作品】
ジュニアコースチャンピオン作品「Devil's contract - the final redemption(デビルズ コントラクト - ザ ファイナル リデンプション)」。制作者・畑めいさん(日本)
ジュニアコース2位作品「Endeavour(インデバー)」。制作者・ジェームス リムさん(マレーシア)
ジュニアコース3位作品「破狼撃(FATAL ATTACK/フェイタル アタック)」。制作者・ラウ ジュン ヘイーさん(香港)

 そしてオープンコース世界一となったのは、フィリピンのマーク メディアヴィロさん。作品はいわゆる「ミキシングビルド」の手法で、ガンプラを中心とした様々なパーツによって作りあげられたもので、審査員の木村氏は「禍々しい異様な形態を上手く再現したバランスにセンスを感じました。いろいろなキットのパーツを適材適所に上手く使っているところもポイントでした」と評している。

 メディアヴィロさんは本作を「天使と悪魔の戦いがコンセプト」だと語る。昨年フィリピンチャンピオンに選ばれた自身の作品をベースに、それをさらに洗練させる気持ちで今年の作品を制作したという。

得票数1005点を獲得し世界一となったマーク メディアヴィロさん
オープコース各作品の順位と採点

【GBWC 2017 オープンコース入賞作品】
オープンコースチャンピオン作品「Enemy Spotted(エネミー スポッテッド)」。制作者・マーク メディアヴィロさん(フィリピン)
オープンコース2位作品「FRX-300 Gundam Leonidas(エフアールエックス スリーハンドレッド ガンダム レオニダス)」。制作者・ルイ ジュンさん(香港)
オープンコース3位作品「SADNESS'S IN THE PAIN FELT(サッドネス イン ザ ペイン フェルト)」。制作者・ウ ショー ヒさん(中国)

 最後に川口氏は「今回の入賞作品のように、ガンダムの作品世界をよく理解して、自分がこういうものを作りたい、そしてこう見てもらいたい、という気持ちを大事にした作品を作ることを目標に、また来年も挑んでもらいたいと思います」と、来年のGBWCに向けて作品を作ろうと考えているビルダーに向けてメッセージを送った。

 なお今大会の参加作品は、会場となったTHE GUNDAM BASE TOKYOに2018年1月29日まで展示されているので、ぜひ実物を見て、その完成度を確かめてみよう。

GBWC 2017チャンピオンと、手掛けた作品
GBWC 2017ファイナリスト一同

【GBWC 2017 ジュニアコース ファイナリスト作品】
「The Demons Throne(ザ デモンズ スローン)」。制作者・ベニー マーさん(オーストラリア)
「Virgo(ヴァーゴー)」。制作者・ぺン チュショさん(中国)
「JINSEI NO HANA("THE FLOWER OF LIFE")(ジンセイ ノ ハナ("ザ フラワー オブ ライフ"))」。制作者・ジェディディア サクスマタヤ フソドさん(インドネシア)
「CLONED: METAMORPHOSIS(クローンド:メタモルフォーシス)」。制作者・マーロン ケージー カリオンさん(フィリピン)
「Rescue(レスキュー)」。制作者・リニー テオ エン ルイさん(シンガポール)
「Dual Personality(デュアル パーソナリティ)」。制作者・ホン ジェヒョクさん(韓国)
「WITH FULL FIREPOWER(ウィズ フル ファイアパワー)」。制作者・チェン ウェイ ポさん(台湾)
「Waiting for the revival(ウェイティング フォー ザ リバイバル)」。制作者・パチャラ オランリクスパックさん(タイ)
「The Rival(ザ ライバル)」。制作者・ル コック アンさん(ベトナム)

【GBWC 2017 オープンコース ファイナリスト作品】
「The Sorcerer(ザ ソーサラー)」。制作者・ジミン ガオさん(アメリカ)
「Flower After War(フラワー アフター ウォー)。制作者・グエン ホン ハイさん(ベトナム)
「Journey to heaven(ジャーニー トゥー ヘブン)」。制作者・ベンチャロン アウタラチョンさん(タイ)
「SINANJU(シナンジュ)」。制作者・パク ジョンフンさん(韓国)
「Cardinal - The light bringer(カーディナル - ザ ライト ブリンガー)」。制作者・デイビッド リウ シー ウェイさん(シンガポール)
「THE LAST STAND(ザ ラストスタンド)」。制作者・モハマッド ノジュー アミンさん(マレーシア)
「RX-78GP03 DENDROBIUM(アールエックス セブンティエイト ジーピーゼロスリー デンドロビウム)」。制作者・下田広己さん(日本)
「CRIMSON TITAN(クリムゾン タイタン)」。制作者・リカルド フォルニさん(イタリア)
「Final Bullet(ファイナル バレット)」。制作者・ムハンマド アデリー リザさん(インドネシア)
「Manhunt(マンハント)」。制作者・クレスピー ジャン フィリップさん(フランス)
「The Crimson Ogre(ザ クリムゾン オーガ)」。制作者・ラム タク タイさん(カナダ)