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「バイオハザード7」最後のシナリオ「End of Zoe」のプレイデモを公開!

コンセプト映像から制作秘話も披露!

12月8日 開催

 カプコンは、12月14日の配信を予定しているプレイステーション 4/Xbox One/Windows用サバイバルホラー「バイオハザード7 レジデント イービル ゴールドエディション」の発売記念トークショウを開催した。トークショウには開発スタッフとして川田将央シリーズプロデューサー、神田 剛プロデューサー、地 宏之アートディレクター、鉢迫 渉サウンドディレクターが登場。「バイオハザードアンバサダー」のてんちむさんも交えて、開発秘話を披露した。

 「バイオハザード7 レジデント イービル ゴールドエディション」には、ゲーム本編のほか、DLC「Banned Footage Vol.1&Vol.2」、DLC「End of Zoe」を収録。価格は、PS4/STEAM版は4,620円(税別)、Xbox One版は4,680円(税別)、Windows Store版が4,630円(税別)。パッケージ版はPS4版のみで4,990円(税別)。

川田将央シリーズプロデューサー
神田 剛プロデューサー
地 宏之アートディレクター(右)、鉢迫 渉サウンドディレクター(左)
「バイオハザードアンバサダー」のてんちむさんも様々なコンテンツを体験した

最後のシナリオ「End of Zoe」のプレイデモを公開!

 「End of Zoe」は、ゲーム本編の後日談となり最後のシナリオとなる。トレーラーが上映されただけでなく、いち早くプレイでもが公開された。このシナリオは、ジョーがゾイを助けるべく立ち上がる物語。舞台となるのはベイカー邸の近くにある沼地で、映画「悪魔の沼」を彷彿とさせる、巨大なワニが生息する雰囲気たっぷりの場所だ。そんな不気味な沼地の中にある小屋には石化したゾイが横たわる。状態を直すためには薬が必要で、それを探しに目的地に向かうジョー。しかし、あちこちに異形のモンスター“モールデッド”がうろついている。

 ちなみにジョーの攻撃方法は、銃なども使用するが、中心となる攻撃手段は素手によるパンチと、怯んだ敵に浴びせかける強烈なストンプだ。ジョーはモールデッドに対して「素手で十分だ!」と自信たっぷりに立ち向かっていく。さらに、スニーキングの要素もあり、静かに敵の後ろから忍び寄り、モールデッドの首を掴み一撃でひねり殺すこともできる。かなりパワフルで、あまりの強さに笑ってしまうほどだ。わりとあっさりと薬を見つけゾイに処方するも、回復する兆しが見えない。薬の量が足りないということを知るが、さらなる強大なモンスターが忍び寄っていた……。

 以降はプレイしてのお楽しみだが、今回も存分にホラーテイストあふれる展開が楽しめそうだ。

 前述の通りこれまでよりパワフルなジョーの戦闘シーンにも注目だが、ゾイのグラフィックスには非常に力が入っており、可愛らしいだけでなく色っぽい雰囲気も併せ持っている。川田シリーズプロデューサーは「本編より可愛くない?」とプロデューサーに確認するほど。スタッフ陣のダウンロードコンテンツに入れる力の入れようがうかがい知れる仕上がりだ。神田プロデューサーは「クリエイティブでアリ、チャレンジングな作品」とアピールした。

「End of Zoe」は、本編の後日談となる
モールデッドを握り拳1つで殴り倒していく!
モールデッドの後ろから近づいて首をひねり殺すというかなりハードな描写も!
てんちむさんも「End of Zoe」をプレイ。ゾイを抱きかかえ「現実にはゾイが居ないのに、ここに居るんですよ!」と興奮気味。右写真はPS VRでゾイに顔を近づけるてんちむさん。しかしプレイ自体は、開始早々ワニにぱくりと食べられて終了となってしまった……
【スクリーンショット】

「NOT A HERO」。プレーヤーを絶望の淵に落とすかなりの強敵が登場

 12月14日から無料配信が開始となるダウンロードコンテンツ「NOT A HERO」も話題に上がった。本編ではほとんど出番のないクリス・レッドフィールドが登場する、ファンには堪らない追加コンテンツだ。今回クリスはアンブレラの軍事顧問としてルーカスを確保するためにベイカー一家の地に訪れる。

 「NOT A HERO」でもトールハンマーをはじめとした強力な武器と、格闘技術に長けたクリスならではのパンチとストンプによる攻撃でモールデッドを蹴散らしていく。ところが今回は一筋縄ではいかない新たなる脅威が立ちはだかる。制作陣によると「絶望感しかない」というほどで、謎解きあり、ホラー感ありの様々な攻撃を繰り出してくると言う。これに対してクリスがどう挑むのかが見所だという。

 もちろん、PlayStation VRで楽しむことができるが、VRで体験するとさらに臨場感がすごく、細かくスキャニングして描かれたという自分のバトルスーツなどかなりリアルだという。「ゴールドエディション」の発売と同時配信開始となるので、こちらも同時に楽しみたいところ。

「NOT A HERO」ではバイオテロのプロフェッショナルであるクリスが登場する。新たなる脅威となる敵が、かなりの強敵だとか
【スクリーンショット】

開発者トークショウでは、プロトタイプの映像なども披露!

 開発者トークショウでは、まずは「バイオハザード7」のコンセプトから振り返った。川田氏は「コンセプトは、これまで以上に恐怖に着目しようということ。実際にプレイしてもらい、『すごく恐かった』という声があり、(ホラーにこだわった)真摯な作りが、各賞の受賞に繋がるなど評価に繋がったと思う」と語り、コンセプトに会わせゲームエンジンから作り直すなど、徹底した開発体制がクオリティに結びついていると振り返った。神田プロデューサーも「VR完全対応が大きかった。血のにじむような開発陣の努力があった」と振り返る。

 ここで公開されたのが、開発当初に数人で作り上げられたコンセプト映像。荒れ果てた屋敷の中は規制線が張られており、凄惨な雰囲気が漂う。そんな屋敷の廊下を進んでいき、振り返ると遠くには女性が立っている。しかし次の瞬間、その女性は一気に間を詰めて恐ろしい顔で近くに寄ってくる。これを見ていたてんちむさんは、驚きのあまり悲鳴を上げたほど。

 川田シリーズプロデューサーは「コンセプト映像もゲーム本編も差異はなく、そういった意味ではキープコンセプトを達成できた」と制作が成功した要因としてあげた。

「HARAWATA Prototype Video」と題された1本のビデオ。ラストの怖さがハンパない!

 地 宏之アートディレクターは「徹底的に細部にこだわった」と語る。制作してテストしたときに開発陣で「奥に行ったらハシゴがあっておどろいた!」と話しているのを聞いて、開発陣が驚けるほどの没入感に、VRの成功を確信したようだ。川田シリーズプロデューサーはこの状況を「新しい世界がモニタの奥に広がっている」表現していた。

 鉢迫 渉サウンドディレクターは「サウンドの制作は、見えない敵を演出している。音でプレーヤーの周りに敵が居るとプレッシャーを掛けていく」と説明すると、川田シリーズプロデューサーも「恐怖の表現の中でサウンドの役割は大きい」と重要性を認めていた。

 中でもサウンドでこだわったのが、ドアの開け閉めのサウンドだったとか。川田シリーズプロデューサーは「100種類ぐらい作ってたんじゃない?」と言うほど。「バイオハザード」シリーズ1作目からドアの開閉に関する演出のこだわりはすごい。今回もかなりのこだわりを持って制作されたようだ。こういった点に注目して再度プレイしてみるのも良いだろう。

 キャラクターの造形については、ジャックなどベイカー家については、髭や髪の毛などの表現にこだわったのだとか。地味ながらも、キャラクターが動くと揺れる髪の毛の表現に関しては、処理量が増えるため苦労が絶えない分野だ。冒頭、プレーヤーの奥さんであるミアが髪を振り乱して襲いかかってくるシーンもかなりの苦労だったとか。

 それでもベイカー家にキャラクターはしわやほくろなどで顔を表現しやすかったと言うが、女性キャラクターのミアやゾイの表現はかなり難しかったのだとか。綺麗すぎてもリアルではない部分が出てきてしまい、そのバランスが難しいのだとか。肌がスベスベでありながらその質感を出すのはかなり難しく、アートディレクター泣かせだったようだ。

 鉢迫サウンドディレクターはキャラクターの声について「ミアとゾイは『バイオハザード7』のヒロイン。プレーヤーから助けたくなる存在であり、そのキャラクターのバックグラウンドを感じられる声質や言い回しを考えながら、俳優と演技を作っていった」という。また、サウンドについては「説明しすぎない」ことを重要視したとか。音楽が流れるとそこに“意味ができてしまう”ため、サウンドは自然音や効果音などで雰囲気を出すことを優先し、没入感を大切にした。

 「バイオハザード7」では1人称視点であるため、イーサン=プレーヤーとなる。このため、イーサンの個性はできる限り感じさせないようにしたという。実はベイカー邸などにある鏡もすべて割られており、プレーヤーの姿は一切見せない工夫がされている。そんな中、1つだけこだわって作られたのが、“手”なのだという。手に出てくるタイミングやその動きなどは、専門のプログラマーが用意されたほどで、モーションキャプチャー用の高価なグローブまで購入してデータの収録が行なわれたのだとか。

 このほかにも、ホラーを起点としながらも、「家族愛」などこれまでの「バイオハザード」シリーズでは語られなかったテーマが盛り込まれたことで、今まで以上にユーザー満足度の高い作品に仕上がっていると、アンケートの結果にも現われているという。

 さらに、「バイオハザード」は銃を使用すると何度は下がるが、きちんと弾数の管理を行なわなければクリアが難しくなる傾向があり、その絶妙なバランス感覚がゲームのキモとなっている。「バイオハザード7」では3人称視点から1人称視点に変わっているため、HP管理をバーなどのインターフェイスではなく見た目のグラフィックスで管理できるようにするなどの工夫も行なわれており、これらがリアルさにも繋がっている。様々なチャレンジで新たな試みが盛り込まれているが、同時にゲームの根幹となる「サバイバル」という点ではシリーズの大切な根幹となるホラー表現を磨き上げている。

 「ゴールドエディション」では最後のシナリオ「End of Zoe」も収録され、価格的にもお得になるので、これまでプレイできなかった人も今一度注目してプレイしてみると良いだろう。

6つのテーマについてトークが繰り広げられた。記事で書いた意外にも面白い話題があった。モールデッドのアイディアの一端として、鉢迫サウンドディレクターがお風呂掃除をしているときに、排水溝に溜まった髪の毛を見て思いついたのだとか!
イベント会場となったのは、ダイバーシティにあるコニカミノルタのアトラクション施設「VirtuaLink」。現在カプコンとタッグを組んでイベントが開催されている
会場に一角にはジャックが!
イベントでは、同施設のプロジェクトリーダー川中子悠介氏が、「『VirtuaLink』ではVRをいつでも体験できる」とアピール