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【WF2017冬】1/1フィギュアというビジネスに挑戦するプルクラ
“実物大”のノウハウは社外秘、この分野で先端を進みたい!
2017年2月20日 20:57
今回のワンフェスで注目を集めていたのがフィギュアメーカー・プルクラの「1/1フィギュア」だ。様々なキャラクターを“実物大”でフィギュア化、その技術をアピールしていた。
会場で展示されていたのは、小説「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の新垣あやせ、「VOCALOID」の結月ゆかり、コミック「のんのんびより」の宮内れんげ、小説「Re:ゼロから始める異世界生活」のレム。さらに1/2スケールで、「超次元ゲイム ネプチューヌ」のノワールが展示されていた。
どのフィギュアもかなりの存在感で、多くの人が写真を撮っていた。「頭大きいな」、「すごい」、「だいたいこのくらいの大きさなのか……」といったような会話が聞こえてきた。フィギュア技術は発達しているが、やはり1/1となると感覚が違う。「アニメキャラクターが目の前にいる」というのは、古い話だがアニメーションと実写の人物がふれあう映画「ロジャー・ラビット」や、「ルーニー・テューンズ」を思い出させる、独特の雰囲気は、しかし間違いなく魅力的だ。
今回はあくまで参考出展のようで、購入方法や注文方法、値段などは提示されなかった。プルクラのページでは泉精器製作所の広報キャラクター「松本イズミ」の1/1フィギュアが提示されており、価格は100万円。今回展示されたキャラクターも販売されるとなればこれ以上ということだろう。「企業向け」を意識しているようで、Bluetoothを活用した集客システムもアピールし、「看板娘」としての活用も提示していた。
今回は広報の方に話を聞けたのだが、これらのフィギュアは、もし販売されるなら抽選で、生産数は10体前後だという。3Dプリンターが普及し始めている中で、プルクラはフィギュアメーカーとしてのアドバンテージを活かし、実物大フィギュアメーカーとしてアピールしていきたいとのこと。
フィギュアは中は格子状になっており、見た目より軽く、それでいながらしっかりと強度も確保している。持ち運びは女性1人でも可能で、ある程度パーツが分割できるとのこと。塗装も出荷時点で行ない、ユーザーはすぐにフィギュアを飾ることができる。
プルクラの大きなセールスポイントは「技術の蓄積」にある。フィギュアキャラクターは等身が大きくてもやはり常人と比べて頭が大きい。このバランスを実際に見たとき違和感ではなく、キャラクターとしての親しみを感じさせるバランスなどは、試作を重ね常に模索しているという。「作ってみなくてはわからないノウハウ」を追求しているとのこと。
それでもやはり、ライバルは多い。誰もが安価で3Dプリンターが入手できるようになった中、ノウハウを盗まれず、高めていくにはどうしていくかを常に考えているとのこと。会場の反応を見ても集客効果はかなりのものだ。実際、ただフィギュアを大きくしているだけではなく、この大きさだから求めrたれる造形や、塗装などは蓄積が必要だと感じられた。実際に運用すると子供のいたずらなど、保守や運用も大変そうだ。
しかし、それでも、ただの展示用のとして完結するのではなく、ビジネスとして続けていこう、この分野で1歩先に出よう、1/1フィギュアをきちんと実現させようというプルクラの姿勢は応援したい。ユニークな挑戦だ。