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「REALFORCE」の東プレ、初のゲーミングキーボードと変態的アナログ入力キーボード、ついに本当に発売へ

9月15日~18日開催

会場:幕張メッセ

入場料:
一般前売券 1,000円(税込)
一般当日券 1,200円(税込)
小学生以下無料

 昨年の東京ゲームショウで、老舗キーボードメーカーの東プレが初出展を果たし、ゲーミングキーボードに参入することを発表した東プレ。話題を集めたのは、ゲーミングキーボードではなく、その奥にこっそり置かれていた1台5役のアナログ入力キーボードだったが、ともあれ日本のゲームファンに“キーボードの東プレ”を認知させることには成功した。

 ただ、「2016年春」と告知していた発売時期は守られず、2016年に入って参考出展やテストなどは行われたものの、未だ発売には至っていない。なかなか発売時期が定まらない理由は、東プレの本業はキーボードではなく、車部品の製造販売であるためだ。とりわけ東プレのキーボードには、車向けの部材の一部が転用されており、常に部材の調達が難しいという。

 そうした中、東プレは再び東京ゲームショウに出展し、ほぼ同じ製品群を出展。昨年と同じ担当者に挨拶すると、「本当に発売します」と苦笑いしながら取材に応じてくれた。昨年話題を集めた2製品が最終的にどのような製品となったのかまとめておきたい。

【東プレブース】
「REALFORCE RGB」は、ネットカフェ風の展示で、暗いボックスでRGBイルミネーションを楽しみながらゲームがプレイできるようになっている
アナログ入力対応キーボード「REALFORCE 108UH-ANLG」は、MIDIにゲームと、様々なコンテンツを試せるようになっている
歴代/現行の「REALFORCE」も展示。テンキーレスモデルやPS/2端子版などレアモデルも展示されている
「REALFORCE」と共にキーボードブームの立役者となった「Happy Hacking Keyboard」は、Bluetooth対応でスマホ向けとして鮮やかに復活している

「REALFORCE RGB」

 まず、ゲーミングキーボードについては、昨年参考出展していた海外向けゲーミングキーボードブランド「TYPE HEAVEN」の路線は破棄し、「REALFORCE RGB」として日本向けに再設計されたものが改めて出展されていた。

 もっとも大きな違いはデザインだ。「TYPE HEAVEN」は、フルサイズの「REALFORCE」を黒く塗りつぶしたようなオーソドックスなデザインだったが、「REALFORCE RGB」は新たにデザイナーを立てて一から再設計されている。「REALFORCE」は良かれ悪しかれ、デザインにはまったくこだわらない“ザ・オフィスキーボード”だったが、「REALFORCE RGB」は、上部を切り落としたようなコンパクトなデザインとなり、右上に4つのメディアキーボードが新設され、さらに全キーが2色成形のキートップになったことにより、まさにゲーミンググレードらしい逸品となった。

 キースイッチは、「REALFORCE」伝統の静電容量無接点方式を採用し、5,000万回の耐久性と無接点による極上のキータッチを実現。1,680万色に輝くLEDバックライトによるRGBイルミネーションは非常に美しく、「LEDとLED制御用のチップの選定にはこだわりぬいた」ということで、白は青みが残らず、真っ白な発色が自慢だ。

 また「REALFORCE RGB」には、ゲーミングキーボードらしく専用アプリケーションが付属し、LEDライトの設定や、使わないキーの指定、そしてAPC(Actuation Point Changer)の設定などが行なえる。APCは、要するにキー入力が有効になる深さを設定する機能で、1.5mm、2.2mm、3mmの3段階で、キーが有効になる深さを設定できる。W、A、S、Dキーなど、可能な限り早く入力したいキーは浅く設定し、逆に誤押下が発生すると困るキーは深めに設定することで、より有利にプレイする事ができるというわけだ。

 気になる価格は28,000円前後を想定し、年内発売を予定。数量は限定せず、基本的に「REALFORCE」を置いている量販店であれば購入することができるようだ。価格設定は「REALFORCE」のベース価格2万円前後に、LEDバックライトとLED制御用のチップ代とのこと。

 注意点としては、年内に発売される「REALFORCE RGB」は“英語配列のキーボード”という点。まずはアメリカで勝負を賭けたいということで、英語配列のみを先行して発売する。日本語配列は2017年発売ということで、日本語配列の「REALFORCE RGB」が買えるのは残念ながらもうしばらく先になりそうだ……。

【「REALFORCE RGB」】
LEDのRGBイルミネーションはかなりクッキリ強い色が出る
入力位置の指定やRGBカラーの設定は、

「REALFORCE 108UH-ANLG」
キートップの刻印は昨年のモデルから変わっているが、これは手付けでコストが嵩むため、製品版は転写式に変わるという

 そしてアナログ入力対応キーボードは無事「REALFORCE 108UH-ANLG」と正式名称が決定し、発売時期は11月、価格は30,000円以下を想定。ただし、11月の初期出荷は、アナログ入力を制御するためのCPUをはじめ基板に使われている部材が少量しか調達できなかったため、わずか数百台のみの出荷となるという。あまりにも少量しか確保できないため、販路をどうするか検討中だという。

 基本仕様は、昨年のレポートでお伝えしたとおり、1台5役(キーボード、マウス、MIDI、ゲームコントローラー(Dinput)、ゲームコントローラー(Xinput))の機能を備え、それらをワンタッチで切り替えられるアナログ入力対応キーボード。

 昨年の参考出展バージョンと大きく異なるのは、複数回のユーザーテストを経て、各モードがより使いやすいように改良が加えられているところ。たとえば、マウスモードは、カーソルキーでのマウスカーソル操作を丸ごと別のキーに置き換えて、カーソルキーは従来通りカーソル移動に使いながら、別のキーでマウスカーソルの操作が可能になっていたり、アナログキ入力対応ーボードのゆえんである256段階で設定可能なキーの入力位置設定については、あまりに設定した値が小さいと軽く触れるだけで誤入力が発生してしまうことから0~19の値は設定不可とし、255はキー入力そのものを無効にできるオフとし、20~254、つまり235段階での設定になっていたりなど、とにかく非常に細かいリファインが加えられている。

 キー毎の入力位置や、キーのオンオフなどの設定は、キーボード内のメモリに記憶でき、ワンキーで呼び出すことができるほか、2つ以上の保存データはPC上にファイルとして保存していつでも呼び出して使うことができる。

 さらに、MIDIモードやゲームコントローラーモードでは、打鍵の強さで強弱を付けて演奏できるピアノをはじめ、フライトシミュレーターのジョイスティック操作やスロットル入力や、レーシングゲームのハンドル操作やアクセル入力など、あらゆる操作をアナログ入力で行なえる。MIDIキーボードを手元に置いておくのは大変だし、ジョイスティックやホイールなどのデバイスの発売も年々減ってきており、1台で様々な代用が可能なキーボードは大変貴重だ。

 アナログ入力対応キーボード「REALFORCE 108UH-ANLG」は、他では代替が効かない、完全にオンリーワンの製品となるため、初期出荷の数百台は、予約開始と共に瞬殺は間違いなく、しばらくは数倍のプレミアムが付いた状態で流通することになりそうだ。販売経路は未定とのことだが、まずは東プレブースで試してみるのが先決だ。東プレブースは、ホール10の「Game Device Area」にあるので、ぜひ実際に体験してみてはいかがだろうか。

【REALFORCE 108UH-ANLG】
キースイッチ
MIDIモードはかなり本格的な運用が可能になっているとのこと
ソフトウェアも改善されている
ゲームコントローラーモード。ドライバ毎差し替え、完全にゲームコントローラーとして機能する