【特別企画】

【#ウォーハンマー】「Space Marine 2」ファンに贈る、超楽しいミニチュアの世界

ミニチュアはほとんどがプラモデル。どの武器が欲しい?

 さて、前置きがだいぶ長くなったが、ようやく本題であるミニチュアの世界に入っていきたい。

 まずは「タイタス」が所属するスペースマリーンから。「タイタス」自身は駿河屋が販売する「スペースマリーン:ボードゲーム」で手に入り、ヘルメットの有無でパーツを選択して組み立てられる。価格は6,600円だ。

 「スペースマリーン:ボードゲーム」はタイタスがそのものズバリで入っているほか、敵対する「ティラニッド」の軍勢としてターマガントが20体、リッパースウォームが2体入っている。このセットだけでも遊ぶことができるので、「Space Marine 2」ファンが入るなら適した商品と言える。ミニチュアが一気に手に入るので、飾って無双しているタイタスを演出するのにもおすすめできる。

 ただ、「スペースマリーン:ボードゲーム」をゲームとして見ると「Space Marine 2」ファンほど面白さに欠けるかもしれない。盤面としてはタイタス1人VSティラニッド軍団になり、バランス的にはタイタスが不利。つまり、「Space Marine 2」のようにタイタスが無双できるとは限らないからだ。

 一方で、タイタスの頭部は他の「スペースマリーン」と入れ替え可能となっている。少しずつでもミニチュアを集めていくことで、「ボルトライフル」や「メルタライフル」、「プラズマインシネレイター」、さらには「パワーソード」や「ストームシールド」など、様々な武器を持った「タイタス」を作ることも可能だ。

追加購入で広がる「ウォーハンマー40K」沼。やりたいことはどんどん増える

 では他のミニチュアはどう揃えていけばいいのだろうか。他の「ウォーハンマー」ミニチュアなどは、基本的にはヨドバシカメラや地域の正規販売店に加え、首都圏、名古屋、大阪、福岡などに店舗を構える「ウォーハンマーストア」、ECサイトが取り扱っている。住んでいる地域に合わせて、気になる店舗を訪ねてみるとよいだろう。

ウォーハンマー公式ECサイト

 「Space Marine 2」の登場キャラクターをピンポイントに絞るのであれば、「教戒官」は単体商品「プライマリス・チャプレイン」(5,600円)という商品、「アケラン中隊長」は単体商品「キャプテン(フォボスアーマー装備)」(5,900円)でそのままの姿が手に入る。

 スペースマリーンの武器バリエーションを求めるなら、「ヘヴィボルトライフル」以外の「ボルトライフル」はセット商品「プライマリス・インターセッサー」(8,950円)の武器にパーツがある程度同梱されており、そこに「オート・ボルトライフル」、「ストーカー・ボルトライフル」がある。

アケラン中隊長はそのまま「キャプテン(フォボスアーマー装備)」だ
プライマリス・チャプレイン
プライマリス・インターセッサー

 オペレーションモードなどで使う「スナイパー」は「プライマリス・エリミネイター・スカッド」(8,100円)の装備、「ブルワーク」は「ブレイドガード・ベテラン」(8,100円)の装備がそれに当たる。どちらも初期状態やエピック装備を纏ったものではなく、ある程度成長した状態が再現できる。また「マルネウス・カルガー」もプラモデルになっているし、隊旗を持ったタイタスは素顔のヘッドパーツを「プライマリス・エインシェント」(6,000円)に装着すれば再現できる。

エリミネイター・スカッド(8,100円)
ブレイドガード・ベテラン(8,100円)
マルネウス・カルガーはオナーガードとセットで立体化:「マルネウス・カルガー&ヴィクトリクス・オナーガード」(8,800円)
プライマリス・エインシェント。ボルトピストルを持った状態に組み替えられる(6,000円)

 ちなみに、もしミニチュアゲームとしての「ウォーハンマー40K」そのものに興味が持てたならば、思い切って一気に「スターターセット」を買ってしまうのがおすすめだ。

 「Space Marine 2」で戦ったスペースマリーンとティラニッド両方のスターターキット全体が手に入る「アルティメット・スターターセット」(21,200円)、ユニット数は減るがお得な「スターターセット」(11,600円)、ユニット数は少ないものの、ペイントや組み立てに使うツールやカラーも付属する「イントロダクトリー・セット」(7,300円)と、松竹梅のセットが揃っている。

 アルティメット、スターターともに一緒にゲームを遊んでくれる友人がいれば、半分に分けて購入するのもいい。興味の度合いに合わせて選ぶといいだろう。

 「Space Marine 2」の再現を求めるなら、できることはまだまだある。例えば「タイタス」たちが乗った「サンダーホーク・ガンシップ」も立体化されている。

 ただしこれはレジンキットで、さらに全長40センチほどの巨大なサイズ。レジンキットはプラモデルとは異なる樹脂で製造されており、通常のプラモデル用接着剤ではなく瞬間接着剤などを使用する。加えてレジンを注型したときにできるバリや湯口を削ったり、必要であれば接着時の剛性を高めるために金属線を差し込むこともあり、組み立てる難易度はプラモデルより1段上がる。

 もし実物が見たい場合は、東京都秋葉原の「ウォーハンマーストア&カフェ 東京」で「ブラッドエンジェル」仕様にペイントされた姿を見られる。小スケールでよいならば、「Legions Imperialis」という極小スケールで遊ぶシリーズの同機が販売中だ。

サンダーホーク・ガンシップ。ビッグサイズだし価格もビッグスケールだ
「Legions Imperialis」版のサンダーホーク・ガンシップ。卓上に置くには少し大きいが、取りあえず小スケールだ

「ウォーハンマー」真の醍醐味は“ホビーの総合格闘技”的サイクル

 ここまで書いてきて、ミニチュアの価格について気になっている方もいるかと思う。どれも1,000円前後で買えないため、気軽に揃えることはなかなか難しい。

 だが、ミニチュアゲームを遊ばずコレクションするだけなら大量にミニチュアを買わなくてもいいし、先に述べた1体だけのミニチュアをいくつか並べているだけで迫力が出るのだ。特に「エインシェント」や「タイタス」、「マルネウス・カルガー」は全高40mm近いミニチュアのため、組み立てた状態で置いておくのも楽しい。

 筆者はいきなり「ゲームをやるぞ!」と覚悟を決めて勢力「タウ・エンパイア」の「コンバットパトロール」(各勢力のミニチュアが一斉に揃うセット。どれも2万円を超える)を買った人間だが、ゲームは3カ月に1回程度しか遊ばない。一方で、デスクのいつも見える位置にお気に入りのスペースマリーンや魔神がいて、目を楽しませてくれているので満足度はかなり高い。

 筆者に限って言えば、並べて楽しいというのもあるし、そもそも各ミニチュアの造形が好きすぎていつの間にか買っているというのもある。筆者はペイントも楽しんでいるが、ペイントに関しては特にルールがないので、自分の好きな色で塗っていいという楽しみがある。

 「ウォーハンマー」はミニチュアを買う・作る・塗る、ボードゲームを遊ぶ、ストーリーを読むというサイクルで回る、言わば“ホビーの総合格闘技”みたいなところがあり、ミニチュア1つを買うだけでもかなり遊び尽くせるし、もちろんボードゲームの幅も広がる。そのため、8,000円超えのミニチュア単体でも、それに見合う以上の満足度を持って遊べるわけだ。

 筆者の場合は「ウォーハンマー」のために英語を勉強するようになったし、アクリル絵の具の扱い方や戦車の迷彩も資料集を買って調べるようになった。この充実感が楽しみで、どんどん「ウォーハンマー」の世界が広がっているような状態だ。

 ともかく、「ウォーハンマー」のミニチュアはミニチュアらしく飾ってあげるだけでも十分に楽しめるのがいい。筆者個人的には「ペイントまでで100%、ゲームをすると150%遊べる趣味」と感じているので、ぜひペイントも合わせて検討していただきたい。

開発チームのこだわりを強く感じさせる「アストラ・ミリタルム」の面々

 こうして知見が集まっていくと、「Space Marine 2」の再現という点ではもっと深いところまで入り込んでいける。ここで一旦、「アストラ・ミリタルム」に注目したい。

 「スペースマリーン」の半分程度のサイズしかない、一般モブ兵士たちである「アストラ・ミリタルム」は、「Space Marine 2」で名前が出てこない兵器ばかりだが、特徴的な活躍をしたものであれば「レマン・ラス・バトルタンク」がある。

 「レマン・ラス・バトルタンク」は「Space Marine 2」に出てきたそのままの姿を再現するのは手間が掛かる。しかしキット1つ(9,700円)に「タンク・アクセサリーズ」(2,200円)を加えて工作すると、ドーザーブレードや通信機、増加装甲にジェリ缶、そして強力な「ハンターキラー・ミサイル」という武装が手に入る、自分なりのカスタマイズが楽しくなる遊び心あるキットだ。「レマン・ラス」単体でも5種の装備違いを選んで組み立てられる。

 ちなみに「レマン・ラス」という名前は、スペースマリーンのリーダーの1人である「レマン・ラス」が元だ。彼が戦車の設計図を見つけたことでミリタルムには強力な戦力が加わり、敬意を込めて「レマン・ラス戦車」と呼ばれるようになったのだ。

ゲームで使用することのみを考えて作った「レマン・ラス」のバリエーション、「レマン・ラス・ヴァンキッシャー」。スモークディスチャージャーやライトは標準で付属する
ゲーム内の「レマン・ラス・バトルタンク」。かなりのカスタマイズが加わっている
砲塔や車体前面にもアクセサリーが装着されている
タンク・アクセサリーズ
ケイディア・ショックトループの装備バリエーション、フレイマー装備
コミッサー
「キメラ」という装甲戦車。兵員輸送が主な役目
「バジリスク」の「アースシェイカー・キャノン」部分をレジンキットの「ヘヴィアーティラリー・キャリッジ」に乗せたもの。両方のキットを買わなければ再現できない
超重戦車「ベインブレイド」。側面装甲板をアクィラのないものに組み替えれば再現可能だ。演説のために立てられている旗は「ケイディア・コマンド・スカッド」のもので再現できる
実際に建造中の「ベインブレイド」の車体。あまりに巨大すぎて撮影ブースぎりぎりになった
組み立て終わった「ベインブレイド」。これからペイントに進む
ヒドラ対空戦車

 「ミリタルム」は大量のモブ兵士とモブ兵器による人海戦術で厳しい戦いを生き延びてきているので、「Space Marine 2」でも大量の兵士が現れては倒れていく。そのため、ミニチュアでも大量にコレクションすると「40K」世界の彼らを表わすようでカッコいい。余裕があったり気分が乗ったら、多めのミニチュアをコレクションに加えることをおすすめしたい。

 そして再現では鬼門になるのが「サーカナ」という存在だ。ゲーム中で何度も話をする彼女は「ケイディア・コマンド・スカッド」の一員であるようだが、両肩の装甲が「ケイディア・ショックトループ」のものだし、胸アーマーを装着していない上、両足の装甲は「カサーキン」のものとかなり複雑な服装をしている。

 特に「カサーキン」は2024年10月現在「キルチーム」という小規模ゲームのリニューアルのために購入できない状態となっており、精密に再現するにはかなり手間が掛かりそうだ。

サーカナの全身。さらにいうと頭部パーツも「ケイディア・コマンド・スカッド」に収録されている女性のものとはインカムの位置が左右逆だ

 「Space Marine 2」を遊んでみてスペースマリーンたちやアストラ・ミリタルムの面々に興味を持ったなら、ぜひミニチュアを買ってみてほしい。ゲームに使うコマなので複数のミニチュアが1度に手に入り、1パッケージを組み立てるだけで10体近い兵士がデスクに並ぶ。説明書には1体ずつ組み立てるように指示があるため、気に入ったポーズの兵士1人だけを組み立てておくのもいい。

 そして、色を付けるとさらにカッコよくなる。初めのうちはミニチュア全体のペイントは気が引けると思うが、やればやっただけ、確実に上達していく。自分が組み立てたミニチュアを、どうペイントすればカッコよくなるのか、どこがうまくいったのか、ポジティブな感想で埋め尽くしていくのがポイントだ。次では、実際に組み立てからペイントするまでの様子を見ていきたい。

2023年5月に初めてペイントしたミニチュアの一部。最初はこれだけ塗るのに2時間かかっていた
2023年7月のペイント。5時間ほどかけて、細かい部分を塗るのが楽しくなっていった時期
コントラストカラーという塗料にハマっていた時期。ミニチュアの凹凸に染みこむように色が付くので、手軽に塗れる
2024年4月のペイント。コントラストカラーだけではできない、陰影のついた塗り方に気付いた時期
8月のペイント。深い色から塗り始め、スミ入れも駆使して油彩風の塗り方をし始めた時期