【特別企画】
「SYNDUALITY Echo of Ada」先行体験レポート
戦うだけじゃない! 終末世界で生きる実感を得るカスタムメカTPS
2024年3月5日 00:30
- 【SYNDUALITY Echo of Ada】
- 発売日・価格:未定
昨今、ロボットゲームが盛り上がっている。メカのカスタマイズに加えて、機体を自分の手で動かす喜び、飛び散る薬莢と焦げ臭さがほのかに香りそうな戦場の雰囲気など、ロボゲー好きには良い時代になったと実感する方も多いだろう。そんななかでも、自身がメカの乗り手として戦うだけでなく、その世界で確かに生活している“ライブ感”というものを、渇望するプレーヤーも多いことと思う。
本稿ではそんなニーズに応えられる新作ゲーム「SYNDUALITY Echo of Ada(シンデュアリティ エコー オブ エイダ)」についてのプレイレポートをお届けする。
本作は、バンダイナムコエンターテインメントから発売予定のプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Steam用のTPS。“バンダイナムコグループが挑む新規大型SFプロジェクト”として、2022年にソニー配信の公式情報番組「State of Play」で発表されたメディアミックスIPだ。2023年からはゲームより未来時間軸を描いたアニメ「SYNDUALITY Noir」が放映されている。
今回お届けするゲーム版「SYNDUALITY Echo of Ada」では、西暦2222年の荒廃した地球で、人型AI「メイガス」と共に二足歩行メカを運用しながら希少資源を集める1人の「ドリフター」として生きていくことになる。
広大なフィールドを舞台に、資源を巡ってドリフター同士の争いが巻き起こったり、時には協力し合って謎の生命体「エンダーズ」へ立ち向かったりなど、緊張感溢れる体験が特徴的なPvPvEシューターだ。
今回体験会では、製品版の仕様に近い環境のバージョンをプレイできた。メイガスのキャラクタークリエイトから始まり依頼の受注要素、拠点の改築要素に拠点内で武器・アイテムの製造を行なうクラフト要素など、一通りのシステムに触れることができた。
本稿では、そんな最新バージョンについてのプレイレポートをお届けしていく。なお、本体験会における試遊環境はPC版となっているのであらかじめご留意いただきたい。
プレーヤーとメイガスが織りなす唯一無二の体験こそが物語。メイガスのクリエイトはこだわりたくなること請け合い
本作は、前述したアニメの時間軸から20年前の世界が舞台。メディアミックス展開だが、メインストーリーのようなプロローグがあるわけではないのでとっつきやすい。
本作の主人公はまさしくプレーヤー自身であって、ゲーム内でどのようなドリフターとして生きていくのか、各々の遊び方次第となっているのが特徴。プレーヤーのゲーム体験こそが本作の“物語”になるのだ。
とはいえ、作中に全くシナリオ要素がないわけではない。製品版ではゲーム内の任務を通じて青年「アルバ」と、メイガス「エイダ」を中心とするストーリーも楽しめる。
ゲームを開始すると、世界観を簡単に紹介するイントロダクションが新米ドリフター向けのビデオプログラム風に挿入される。このビデオプログラムを終えた後、早々にプレーヤーが搭乗する二足歩行メカ「クレイドルコフィン」の操作チュートリアルがスタートする流れとなっていた。
チュートリアルを終えると、次はプレーヤーの冒険をサポートしてくれる存在「メイガス」のクリエイトへシフトする。メイガスは性別の選択から、得意なサポートのタイプ、体型や顔立ちといった外見の編集が可能となっていた。身長・顔の輪郭・目と鼻と口の位置など、外見は比較的細部にまでこだわれる印象だ。メイガスはプレーヤーが長い時間を過ごすことになる旅の相棒であるため、時間をたっぷりかけて編集できるのが素直に嬉しい。
サポートのタイプというのは、フィールド探索中にメイガスがそれぞれ得意とする特性だ。「天候適応型」、「クレイドル整備型」、「対エンダーズ型」が用意されている。
「天候適応型」であればマップに雨雲レーダーを表示できプレーヤーが探し求めるAO結晶の探知範囲も広い。「クレイドル整備型」ならメカの回復に優れている。「対エンダーズ型」はエンダーズの体力を表示することも可能。それぞれに特色があるのだ。これら選択した内容によって変化する「メイガススキル」というものもある。
また、本作のプロデューサー・二見鷹介氏の話によれば、プレイを重ねるたびにそのプレイスタイルがデータとして蓄積されていき、メイガスはユーザーのプレイ傾向に応じたアドバイスを状況に応じて行なってくれるという。例えば、他のドリフターを積極的に襲撃するプレーヤーであれば、その傾向にちなんだアドバイスをくれたりするなどだ。製品版では名実ともにパートナーAIに相応しい活躍が期待できそうである。
死の雨と異形の生物が跋扈する遠未来の地上を探索! 資源を求めて生計を立てるドリフターライフがいざ始まる
死に至る猛毒の雨が原因で荒廃した地上を探索する「ドリフター」たちは、残った人類が生活するために欠かせないエネルギー資源のAO結晶を集めている。地上は“終末世界”という言葉がピッタリなほどに荒れており、危険な生物「エンダーズ」の他、プレーヤーたちがリアルタイムに資源を求めて奔走している無秩序な空間と化すのだ。
このゲームでの大きな特徴といえば、探索中に自機が破壊されるとアイテムを“ロスト(消失)”してしまうというものだろう。他のプレーヤーと戦闘になり機体が破壊された場合には、そのとき所持していた武器、メカのパーツ、アイテムなどを相手プレーヤーに根こそぎ盗られてしまう。この要素こそがプレイの緊張感を生み出す主要因になっている。
さらに、フィールド探索中は「雨」にも注意をしなければならない。作中で人類の9割を死に追いやったという猛毒の雨がフィールド内で降り注ぎ、メカの「耐候性」を徐々に蝕んでいく。耐候性は雨に対する専用のシールド値で、これがゼロになると「HP」が消費されていく仕組みだ。天候の急な変化も考慮しながら、進むルートを模索する必要があって、雨が降り出したら物陰で雨宿りするといった行動も求められた。
メカである「クレイドルコフィン」のバッテリー残量と、持参してきた弾薬についても忘れてはならないポイント。どちらも探索には必要不可欠なリソースで、バッテリーはそのまま機体の稼働限界時間を示している。出撃するとマップ上に帰還用エレベーターの位置がマークされるので、AO結晶や資源を集めたらバッテリーが切れる前に地下へ帰還するのが基本的な流れだ。
弾薬については、仮に切らしてもフィールド内を探索していれば最悪コンテナから拾える場合がある。ただ、装備している武器カテゴリーに対応したものが必要なので、運が悪ければ「丸腰のまま探索......」という事態も十分あり得る。四足歩行で地上を移動するエンダーズ「チェイサー」程度であれば、近接攻撃で倒すことも容易だが、空を飛び回ってレーザー攻撃を仕掛ける「ゲイザー」、あるいは攻撃的な他のプレーヤーと会敵すると、さすがに弾薬なしで相手にするのは難しい。
本作は、出撃前にAO資源の回収・換金で得た資金を用いて、メカの各部位を修理したり、武器&リペアキットの弾薬を購入したりと、事前準備をする必要がある。資金がなければアイテムを拠点でクラフトするか、メカのパーツ・素材を換金する必要性もあるだろう。こういった戦う以外の場面こそが、「実際にドリフターとして生活している」という冒頭で述べた“ライブ感”に貢献している。
メカも頑丈とは言えず、「気がつけば各部位が大きく消耗していた」というケースもしばしばあるので、もし準備せずに出撃してしまった場合、探索失敗のリスクはぐんと上がってしまうのである。筆者は一度準備不足のまま出撃してしまい、痛い目を見た。
プレーヤーはレーダーの反応を頼りにAO結晶を探し集めていくワケだが、回収した結晶や道中で拾ったアイテム数によって、機体の重量が重くなるデメリットも存在する。機体重量が増えると、ブースト移動時のゲージ消費量が増大し、機動性が大きく落ちてしまうのだ。
帰還用エレベーターが近くにあれば、重量をそこまで気にせず多くのアイテム回収してしまうのも手。しかし、エレベーターまで距離がある際には、敵との戦闘を考えてなるべく運搬するアイテムを厳選する必要がある。また、機動性が落ちている場合、突然の雨にも苦しめられることになる。雨宿りできるポイントを急いで探すか、ダメージを覚悟してリペアしながら進むかなど、臨機応変に対処するサバイバビリティーが問われる。
体験会では主に2種類のフィールドマップが用意されていた。中でも体験会後半でプレイした「南方地帯」では、ゲームの醍醐味となる“PvPvE(プレーヤーvsプレーヤーvsエネミー)”なバトルを身を持って体験した。
フィールド探索中、指名手配されたプレーヤーにちょっかいを出したところ、運悪くエンダーズも現われ敵プレーヤーと挟撃され返り討ちに遭った。自業自得感はあるのだが、リザルト画面に表示されるロストしたアイテムを見た時には、悔しさがこみ上げてきた。
なお、出撃前、機体のパーツや武器などに「保険」をかけておくと、ロストした場合にお金が戻って来るシステムもあるので、生きて戻れるか不安な人は活用すべきだろう。
クライアントからの依頼を受けてドリフターの活動を確かなものに。拠点の改築で新しい装備のクラフトも
プレーヤーたちは、AO結晶を持ち帰る以外にも「ドリフター振興協会」などの依頼(ミッション)を受けて、より多くの報酬を獲得できるようになっている。探索中に指定されたエンダーズを倒したり、拠点で特定のアイテムを製造したりなど、依頼の内容自体は実にさまざまだ。
ここで面白いのは、「ドリフター振興協会」の意に反して、他のプレーヤーに対する積極的な探索の妨害活動を行なうと、協会から指名手配の認定を受けてしまい、別のプレーヤーたちから“賞金首”として狙われやすくなるというもの。今作はPK(プレーヤーキル)が合法的な作風ではあるが、殺伐とした世界の中にも相応の義とかルールが備わっていることをゲームシステム的に体現したユニークな部分だ。
フィールドから持ち帰った素材を活用すれば、拠点のアップグレードも行なえる。プレーヤーが活動する拠点は最初こそボロボロだが、メイガスと共に数々の依頼をこなすことにより、ドリフターの活動拠点に相応しい設備が充実していくのだ。拠点の開発が進めば、獲得した素材で新たな武器やクレイドルコフィンのパーツをクラフトすることだって可能になるだろう。
AO結晶の回収から依頼の積極的な達成、フィールド探索で得たアイテムの売却、賞金首の撃破、賞金首に身を落としての略奪など、世紀末の地球で活動するドリフターの生き方は十人十色だ。
今回の体験会では、過酷な世界を生きるスリリングで自由度の高い遊びの真髄が存分に感じ取れた。刺激に満ちたドリフターとしてのセカンドライフが今から待ち遠しくてたまらない。
(C)SYNDUALITY Noir Committee
(C)Bandai Namco Entertainment Inc.