【特別企画】
「ゼルダの伝説 時のオカリナ」25周年。現在の「ゼルダ」に繋がる3Dゼルダの誕生
エポナで草原を駆け巡るという強い憧れを抱いた作品
2023年11月21日 00:00
- 【ゼルダの伝説 時のオカリナ】
- 1998年11月21日 発売
1998年11月21日にNINTENDO64用アクションアドベンチャーゲーム「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が発売され、本日で25周年を迎える。
「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は、主人公のリンクを操作して物語の舞台となるハイラルにあるさまざまな場所を巡り、ハイラルを襲う悪しき者から守るための冒険をしていくアクションアドベンチャーゲーム。コキリの森に住んでいる少年リンクが、コキリの森の守護神「デクの樹サマ」にハイラル城に行くように命じられるところから物語が始まる。
本作は前作までの2D見下ろし型アクションから3Dアクションへと変更され、広大にひろがるワールドを駆け回れる。ダンジョンでの謎解きなどにも奥行きや高さを使ったものも登場した。また、本作からリンクが馬に乗れるようになっている。馬を使って広大なワールドを高速で移動でき、移動範囲もかなり広くなった。
また本作ではリンクやゼルダのほか、様々な種族のキャラクターが登場する。ハイラルに住むハイリア人や、今までのボスだったガノンの前身であるゲルド族の男「ガノンドロフ」、岩を主食とするゴロン族、魚のような姿をしたゾーラ族、ハイラル王家を陰から支えるシーカー族と現在の「ゼルダの伝説」シリーズに登場する種族が数多く登場している作品となっている。
そんな「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は、現在Nintendo Switchの「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」でプレイすることが可能となっている。最近はじめて、ないしは改めてプレイした人もいるのではないだろうか。本稿では、25周年を記念して、本作「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を振り返っていこう。
なお、一部ネタバレも含んでいるため、未プレイの方は注意してほしい。
また、同シリーズ作「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」も11月21日に発売された。こちらは1991年発売で32周年。こちらも本日記事を掲載したのであわせて読んでいただきたい。
7年という年月を行ったり来たり。大人リンクと子どもリンク
本作はコキリ族が住むコキリの森に暮らす少年リンクが、コキリの森も守護神「デクの樹サマ」に命じられて、森からハイラル城を目指すところから物語が始まる。
いざハイラル城へ向かうと、ゼルダ姫から“魔盗賊「ガノンドロフ」がトライフォースの力を手に入れるという野望”と“リンクがデクの樹サマから託された精霊石”について告げられる。リンクはガノンドロフの野望を阻止するために精霊石を集め、聖地の扉を開ける鍵マスターソードを引き抜こうとした瞬間にリンクの身体が封印されてしまう。
そこから7年後、体が成長したリンクは封印から解かれるが、すでにガノンドロフは力のトライフォースを手に入れハイラルを手中に収めていた。リンクはガノンドロフを倒す伝説の賢者の力を手に入れるためにマスターソードを手に冒険へと旅立つ……というのが本作のあらすじだ。
本作ではマスターソードが1つの鍵となっており、マスターソードを台座から引き抜くと大人の姿に、台座に戻すと子どもの姿にとリンクの姿が変わる。リンクの姿が変わるだけではなく、7年もの年月を実際に行ったり来たりしているので、ハイラルの世界も変わっている。子どもリンクの時に土に植えた種が大人リンクの時には登れるほど大きなツタに成長していたりと、ゲーム内で時間の流れをしっかり感じることができるようになっている。
また、タイトルにもある“オカリナ”も本作の重要なアイテムとなっており、リンクがコキリの森から出る際に妖精のオカリナを渡される。オカリナでメロディーを奏でることで、嵐を呼んだり、移動の相棒である愛馬エポナを呼びよせたり、リーデットなど特定の敵を一定時間行動不能状態にしたりなど、さまざま効果を得ることができる。
コントローラーのボタンに音階が割り振られており、対応したボタンを押すことでオカリナを演奏するというシステムであった。当時プレイした人でも、今でもメロディを覚えている人は多いのではないだろうか。
エポナと草原を駆け巡りたい! 解放感への憧れが募りすぎて買った作品
筆者が本作と出会ったのは発売して1カ月ほどした1998年の12月下旬で、弟が冬休みに友達から本作を借りてきた時だ。とはいえ、その時は弟が借りてきたもので、筆者自体はプレイせずに遠目に見ていた程度だった。1998年の暮れは筆者は高校受験のための冬期講習に通っていたため、ゲームどころではなかった、というのもある。ただ、小学生の頃に「ゼルダの伝説 夢を見る島」にめちゃくちゃハマっていた筆者には本作をプレイしている弟がとてもうらやましかったのを覚えている。
そんな冬を超えて、高校受験の終わりの合格発表の日に「合格祝いに欲しいものを買ってやろう」という父に買ってもらったのが本作だ。合格発表から入学まで約20日ほどしかなかったがその間とにかく夢中になってプレイした。
前述した通り、本作ではリンクが子ども時代と大人時代を行ったり来たりすることで攻略できるようになっている。使用できるアイテムも妖精のパチンコやブーメランなどの子どもリンク専用のものと、妖精の弓やフックショットなど大人リンク専用のものがあり、攻略時にどちらの姿で行くのがいいのか考えるのも楽しかった。
しかし、筆者の中で一番楽しかったのは馬のエポナに乗って草原を駆け巡った時だ。筆者が弟越しに画面で見ていた、というか記憶に残っていたのがこの映像だった。毎日朝から夜遅くまで冬期講習で机に向かって受験対策に勤しんでいた筆者は、馬に乗って草原を駆け回っているリンクがとても楽しそうに見えた。筆者が本作を買ってもらったのは間違いなくエポナに乗ってハイラルを駆け巡るためと断言していい。それぐらいエポナに乗って走り回るのがとても楽しそうに見えたし、実際乗って走り回った時の楽しさは人一倍だった。
また本作では目的物をロックオンできる「Z注目システム」でエポナに乗った状態でも弓を使って流鏑馬のように的に当てたり、敵を攻撃したりすることができる。今までには無かった体験なだけに難しさも当然あったが、できるようになってくるとかなり快適。エポナに乗りながら颯爽と敵を攻撃したりもできるので、爽快感が格段に上がった。
本作では今までの「ゼルダの伝説」シリーズでのダンジョンの攻略やストーリーのほかに、ハイラル中を駆け巡る爽快感が筆者にとっては何よりも大好きなポイントだった。広いワールド内をエポナと一緒に駆け巡りたい一心で購入した本作だが、物語も含めて高校入学までの間にしっかり楽しめた作品だった。現在では、「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」にて、Nintendo Switchでプレイ可能な作品なので、興味がある方はぜひプレイしてみてほしい。
(C)Nintendo