【特別企画】
大自然を動き回る爽快感。「アバター:フロンティア・オブ・パンドラ」プレビュー
“果実もぎ”にイクランでの飛行。バトルのバランスも絶妙な調整に
2023年10月31日 01:00
- 【アバター:フロンティア・オブ・パンドラ】
- 12月7日 発売予定
- 価格:9,780円
ユービーアイソフトより、12月7日に発売されるオープンワールドのプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用アクションアドベンチャー「アバター:フロンティア・オブ・パンドラ」。本作は、映画「アバター」の世界観をベースに、惑星パンドラに住む種族「ナヴィ」の1人になりきる一人称視点のオリジナルストーリー作品となっている。
プレーヤーは民間軍事会社RDAに拉致され15年もの間故郷から隔離されていたナヴィとなり、パンドラの世界を冒険していく。故郷のことはほとんど何も分からない状態から、徐々にこの世界での生き方を学んでいくといった成長要素が物語的に盛り込まれているあたりも、まさにゲーム的にピッタリな設定である。
また、映画の劇中でもあった先住民族であるナヴィたちと、資源開発を巡って対立する人類たちとの対立構造もそのまま再現されている。そのため映画を観た人ならば、より感情移入して楽しめるような作りになっている。
今回、本作のリリースに先駆けて、プレビュー版をひと足お先に体験することができた。こちらは製品版とは異なり、4つのクエスト部分を抜き出す形でゲームのポイントがわかるようなものとなっていた。本稿では、そこからわかったゲームの魅力や特徴についてご紹介していく。
プレーヤーを強力にサポートしてくれる能力「ナヴィの感覚」
ゲームをスタートして真っ先に感じたことは、このパンドラという惑星の息吹があちらこちらから感じ取れるということだ。プレビュー版ということもあり冒頭からゲームが始まったわけではなかったこともあるが、スタートした直後に近くにいた動物たちから攻撃されるといった洗礼を受けた。また、この世界を移動しているときに、あちらこちらから動物たちの鳴き声が聞こえてくるなど、リアルな野生での生活を体験しているかのようであった。
パンドラは、地球でいうところこのジャングルのような場所で、どこを見ても草木で覆われている。そこに生息している動物や植物たちの種類も様々で、いずれも個性的なものばかりだ。なかでも目を見張ったのは、この星の夜の世界である。植物たちがまるでブラックライトで照らしたように蛍光色に輝いており、幻想的な世界が広がっている。ゲームとしてはクエストというかたちで目的が用意されているが、自由気ままに動き回ることができるので、目的を忘れてついつい冒険したくなってしまった。
本作では、オープンワールドでジャングルのような場所を探索することになるため、何もなければすぐに迷ってしまいがちだ。そこでプレーヤーの強い味方となってくれるのが「ナヴィの感覚」である。こちらはナヴィが持つ超能力のようなもので、一般的なオープンワールドのゲームに出てくるシステムに例えるならば、スキャン機能のようなものだと思えばいいだろう。
「ナヴィの感覚」を使えば、クエストの目的地が青い柱で表示されるようになる。目的に地に近づくとイナヅマのような表示に変わるので、鬱蒼としたジャングルの中でも行くべき場所がわかりやすい。この「ナヴィの感覚」は、単純にクエストの場所を調べる以外にも、様々な能力を兼ね備えている。たとえば、近くに生息している植物について調べることも可能だ。そこで得られた情報は、「狩野手引き書」に追加されていく。
もうひとつ、敵の弱点を調べたいときにも「ナヴィの感覚」が役に立つ。例えばヘリのような乗り物ならばプロペラが弱点となるが、そうした弱い部分が黄色く表示されるのだ。より効率よく敵を倒したいときには、相手の弱点を知ることで戦闘を有利にすることができるのである。
自然の摂理!? 環境を存分に活かしたギミックも満載
オープンワールドでは、多くの時間を移動に費やされる。それを回避するために、本作では様々な乗り物などが用意されているが、何も無い状態は基本は足を使っての移動となる。少し離れた場所に移動したいときには、ジャンプが便利だ。ボタンを長押ししてより高くジャンプすることができるほか、空中でさらにボタンを押すことでエアブースト(2段ジャンプのようなもの)を発動して、さらに飛距離を伸ばすこともできる。
それに加えて、本作ならではの自然を利用した移動要素があちらこちらに用意されている。たとえば高台に登っていくときに便利なのが、「リフトツタ」と呼ばれる植物だ。その名の通り、ツタのような形をしていて、掴むとぐいーっと上に引き上げてくれる。また、まるでトランポリンのように勢いを付けてジャンプすることができるのが、「人魚の尾」である。これらを組みあわせることで、慣れてくるとパルクールのような爽快な移動も可能になる。
もうひとつ、移動に関係するというよりも行く手を阻むギミックのようなものがある。それが「ゲートウェイリリー」だ。こちらはピンク色がかった大きな葉っぱになっており、それがゲートの役割を果たして行く手を阻んでいる。近くに同じ色をした小さな植物を見つけて、触れるか矢などでいくつか撃つことで開けることができるというものだ。
翼竜イクランと絆を深めて大空を自由に飛び回ろう
今回のプレビュー版では4つのクエストに挑戦することができた。ひとつ目のクエストである「エイワの目」は、キングラーの女王の儀式に使うための「マングローブハイブのネクタル」を集めるというものだ。こちらは、いわゆるお使いクエストのようなもので、指定された果実を見つけてもぎ取りそれを届けるといった内容だ。
果実をもぎ取る動作にはワンステップ必要で、R2ボタンを押しながら(果実を掴む)Lスティックをどこかの方向に倒す(その方向に引っ張る)ことで成功する。引っ張る方向には「正解」があり、正しい方向に引っ張ると果実をより良い状態で獲得できる。違う方向でも獲得はできるが、品質が劣化してしまう。
少し凝った操作だが、パンドラには様々な植物が生えており、果実のもぎ取って活用する場面が数多く登場する。もぎ取る操作が入ることで、「パンドラで暮らしている」感覚が強く印象に残る。
それが完了すると、ふたつ目のクエスト「飛翔」に挑むことになった。こちらは、映画「アバター」の中で高所にいる翼竜のイクランの中から気の合う相棒を見つけ出し、絆を深めて空飛ぶ相棒にするといったシーンをゲーム的に再現したようなクエストだ。映画の中で描かれていたほどの無茶振りはなかったのだが、それでもイクランを追いかけて、どんどん高所に登っていくことになる。
イクランは1度では捕まえることができず、2度近づいたが2度とも逃げられてしまった。このまま捕まえることができないのかと思いつつ、さらに高台に追いかけていき、ようやく絆を深めることに成功した。
イクランは近づいて直接乗ることもできるが、高台から飛びおりながら十字ボタンの上を押すことで呼び寄せて乗ることも可能だ。ただ飛ぶだけではなく、飛行しながら食べ物を与えることもできる。また、イクラン自体にも体力ゲージが設定されているので、戦闘に巻き込まれたときはそちらにも注意したい。
クッキングでアイテム作成! スキルツリーで能力強化も可能
冒険をサポートする要素もいくつか用意されているが、そのひとつがクラフトやクッキングだ。これらは、キャンプに設置されている施設で利用出来る。クッキングを例に取ると、かまどのような場所で手持ちの素材の中からふたつを選び料理をすることが可能だ。できあがった食料は、食べることでバフ効果を得られる。どの素材を組み合わせることでどんな料理を作ることができるのか? といったところも、本作の楽しみ方のひとつだ。
料理とは別に、キャラクターの能力を高める要素としてスキルツリーが用意されている。こちらはサバイバー、ウォリアー、ハンター、ライダー、メーカーといった5つの項目があり、それぞれ異なる能力を伸ばしていくことができる。スキルツリーはアンロック方式だが、それを開放するためのスキルポイントはマップを探索したりクエストをクリアしていったりすることで貯めていくことが可能だ。
こちらも激しい戦闘に挑む前に、できるだけ生存率を上げるためにも適した能力を伸ばしておいた方がいいだろう。ちなみに、スキル自体は、ナヴィ本人以外にもイクランの能力を向上させるようなものもある。いずれにせよ、ゲームのやりこみ要素としても重要なものであることは間違いない。
弓矢や銃を駆使した戦闘も可能! ちょっとしたパズル要素もあり
先ほどのクエストでイクランに乗ってエトゥーワに会うと、3つの目のクエストである「我らを導く者」は完了。その後、プレビュー最後のクエストである「反撃」に挑んで行くことになった。こちらは、本作のもうひとつの醍醐味でもあるRDAとの戦闘を繰り広げるといったものだ。クエスト自体は必ずしも戦う事がメインではないのだが、ハッキングなど新たな要素も登場する楽しいミッションとなっていた。
ここで初めて体験したのが、空中戦だ。空に浮かぶ施設に映り込みハッキングを仕掛けるのだが、そのときに周りにいるヘリが邪魔をしてくる。それらを空中戦で倒していくことになる。小型のヘリそのものはドローンのようにそれほど強力ではないため、初めての戦闘経験にも持って来いといった感じだった。
ちなみにハッキング自体は端末に向けてSID(システム・インタロゲーション・デバイス)という光線銃のようなデバイスを使って行うのだが、これがなかなか癖のある仕様になっている。ボタンを押すと円が表示され、それがちょうどいいサイズになるようにボタンの加減を調整しながら合わしていくといった感じなのだ。
ハッキングが成功すると、今度はパズルのような画面が表示され、ルートをナビゲーションして時間内にゴールにたどり着くことができると成功だ。中には途中で鍵を拾ったり電気が流れて通れない時間があったりするなど、複雑なものも登場する。
前哨地に乗り込み、アンテナをハッキングしていくのだが、ここでは多くの兵士が守りを固めている。ステルスでこっそりとミッションを成し遂げるか、あるいは戦闘で敵を蹴散らしながら進んでいくかは、プレーヤー次第である。今回はあくまでも戦闘を楽しんでみたかったということもあり、殲滅しながら進んでいく方を選んでみた。
この前哨地では、武器を所有した兵士のほか、ロボットのようなAMPスーツを操るものなど、様々な敵が攻撃を仕掛けてくる。これに対して、弓矢や銃で対抗していくことになるのだ。ちなみに弓矢で攻撃する場合は、遠くの敵を狙うとかなり弾落ちしてしまうため、偏差撃ちする必要がある。
もうひとつ重要な要素として、弾丸や弓矢は戦闘中でもクラフトで補充することが可能だ。もちろん現地で入手できるものもあるのだが、弾切れしないように適宜補充していきながら戦っていく必要がある。
前哨地で敵を倒していきながらすべてのアンテナをハッキングしたあと、ホームツリーに戻りカッナと話すことで、今回のプレビューでのクエストはすべて完了となった。ちなみに、この間ゲームオーバーになってしまったのは1回のみだった。アクションゲームとしてそれほど難しいというわけでもなく、ちょうどいいバランスになっているといえるだろう。
「アバター」ファンはもちろんのことだが、映画自体を見たことがなくとも、こうしたオープンワールドでファンタジックな冒険を楽しみたいという人にもオススメの作品である。もちろん、今回紹介したのはわずか4つのクエストの要素にすぎないため、まだまだ楽しめる要素も詰め込まれていそうだ。いずれにせよ、フルで遊べるゲームの発売が待ち遠しくてたまらない。
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