【特別企画】

「R-TYPE」誕生から36年! その後のアーケードゲームに数多くの影響を与えた傑作を振り返る

【R-TYPE】

1987年7月 稼働

 1987年7月にアーケードゲームとしてデビューし、今年で36周年を迎えたアイレムの「R-TYPE」は、それまでの作品ではあまり見られなかった新たなシステムや演出を取り入れ、後のタイトルに数々の影響を及ぼした傑作だ。本作以前のアイレム作品といえば、「ムーンパトロール」や「スパルタンX」、そして「ロードランナー」シリーズなどがあったが、どちらかというと少々地味目で、派手な印象はなかった感がある。

 そんななかで登場した「R-TYPE」は、自機の前後に合体できる無敵(一部を除く)のフォース、溜め撃ちの波動砲、そして画面内に入りきらないほどの巨大な戦艦との戦いなど、それまでのアーケードゲームには見られなかった斬新さを引っさげてきたこともあり、非常に強烈な印象を当時のプレイヤーに与えた。

 それでいて難易度も非常に高かったわけではなく(それなりには難しかったが)、1周目をクリアするのであれば何とかなる手応えだったということもあり、当時通っていたゲームセンターでは、稼働開始からしばらくは大勢のプレイヤーが筐体前に詰めかけたのを覚えている。ハイスコアを目指すわけではないものの、1コインクリアは達成したいと思った筆者は、しばらくは遠征していたハイスコアラーのプレイをギャラリーとして眺めつつ、攻略方法を脳内で構築していたものだ。

 本稿では、そんな「R-TYPE」の36周年を記念し、本作の魅力を振り返っていく。

今回は、画面の撮影にX68000版の「R-TYPE」を使用している。移植を担当したのはアイレムで、実機で動作させた映像をコンバータを通してHDMIキャプチャで撮影し、その動画より切り出した写真を使用している。ここで取り上げた初代「R-TYPE」をプレイできるソフトとしてはPCエンジンミニ収録の「R-TYPE」や「R-type Dimensions」などがあるが、見た目がアーケード版と若干異なるということで、静止画を撮影したときに一番アーケード版に近いX68000版を採用した
「R-TYPE」を象徴するシーンといえば、やはりステージ1のボスやステージ3の巨大戦艦などだろう

溜め撃ち・フォースなど斬新なパワーアップシステム!

 この時代のアーケードゲームと言えば、インストラクションカードとデモ画面で得られる以上のストーリーなどは不明だったため、「R-TYPE」に関しては何やらおどろおどろしい敵を相手に戦っているのだな……ということくらいしかわからなかった。後に、ファンクラブの会報やシリーズ作品などの中で解説が行われたことで、ストーリーやバックグラウンドが明かされていくのだが、このときは翌年に発売されたX68000版のマニュアルに書かれていた物語で、その内容を軽く知った程度。ちなみに、そこには以下のように書かれていた。

 “220X年、人類は神の暗黒を見た!! ”宇宙史に残る初の地球外生命との遭遇。宇宙歴220X年……数百光年の彼方の異次元空間“バイド帝国”。しかし人類がそこでみたものは憎悪と殺気がみなぎる異形生物だった。生存か絶滅か人類の存亡をかけていま、最強兵器フォースをひきつれ死闘は始まった!

 プレイヤーは自機であるR-9を操作し、ショットボタンとフォース操作ボタンを使い全8ステージを戦い抜いていく。2周エンドで、16ステージをクリアするとゲームオーバーとなる。自機には、ショットボタンを押しっぱなしにすることでBEAMゲージがアップし、離した時点で溜めただけのエネルギーがショットとして放たれる“波動砲”が搭載されていた。いわゆる“溜め撃ち”攻撃だが、この当時は非常に斬新な攻撃方法で驚かされたものだ。“溜め撃ち”自体はすでに他のゲームで採用されていたものの、メジャーにしたのは間違いなく「R-TYPE」と言えるだろう。

 また、この時代のアーケードゲームは連射装置が付いているということは稀で、プレイヤーが自らショットボタンを連打してプレイを進めていくという作品が多かった。1987年前半に登場した作品でも、カプコンの「1943」やナムコの「ドラゴンスピリット」、タイトーの「飛翔鮫」などが例として挙げられる。そんななかで、“連打をせずとも溜め撃ちすれば耐久力のある固い敵を倒せる”という波動砲は、非常に大きなインパクトをもたらしてくれた。

溜め撃ちは、溜めた段階によって通常ショットの2倍、4倍、8倍、16倍、20倍の5段階に分かれ、かつ敵を貫通する利点も持っている。とはいえ、今の時代では連射装置に頼ってしまうと活躍する場面はそれほど多くないかもしれない

 さらに驚かされたのが、ほぼ無敵の力を誇ったフォース。ボタンひとつで自機の前または後に合体や分離させることができ、一部を除いて敵弾を防ぎ耐久度の低い敵をも破壊するという、それまでは見なかったオプションの類いだった。「グラディウス」で有名になったオプションとは違って敵弾を消しまくれたり、敵に撃ち込んで弱点を攻撃するなど、それまでにはなかった用途があるというのに驚かされたものだ。しかも、自機はスピードアップと誘導ミサイルが撃てるようになる以外は強化されず、代わりにこのフォースがパワーアップしていくというのも、なかなかに新鮮さをもたらしてくれた。

最初は丸腰の自機だが、いずれかのレーザーユニットを1つ取ると、画面後方からフォースが飛んでくる。自機と合体している間は何もしないが、分離するとフォースからも前方に通常弾が発射される
2つ目のレーザーユニットを回収すると、それに対応した攻撃がフォースから発射されるようになる。分離中は、前方へ“<”のように2方向に通常弾を撃つ。
レーザーユニットを3つ取ることで、フォースは最大限のパワーアップとなる。この状態でフォースを分離させると、フォースの上下+前方2方向の合計4方向へ通常弾を発射。特に上下弾は、自機からの攻撃では死角になりやすい場所を攻撃してくれるので、場面によっては重宝する
他に、ビットと呼ばれるパワーアップも存在し、これを回収すると1つ目は自機の上に、2つ目は自機の下に装備され、敵の体当たりを防いでくれる。ただし、敵弾は消せないので注意しよう。最終面は、ビットを2つ装備しておけば最後がかなり楽にクリアできるということもあり、必ず2つ回収したい装備

 これら以外のパワーアップとしては、画面内に出現するPOWアーマーを破壊すると出現する各種パワーユニットを回収することで行えるようになっている。出現する敵やステージを考慮して、どのパワーアップを選ぶかも攻略する上での重要なポイントだ。

青のレーザーユニットは反射レーザーで障害物に当たるたびに反射し続ける。入り組んだステージで効果を発揮し、使いどころを間違わなければ便利
黄色のレーザーユニットは対地レーザー。フォースの上下に発射され、障害物上を這って進む。ステージ3の一部では役に立つが、それ以外の場所では使いどころが難しい
赤のレーザーユニットを取ると、リング上の対空レーザーが発射される。前方に対して絶大な攻撃力を発揮するだけでなく、ビットを装備している場合はそこから援護ショットも放たれる。使い勝手に優れたパワーアップ
Mと書かれた追撃ミサイルユニットを回収すると、自機から上下に追撃ミサイルが発射される。速度は遅く、弾数も2発と多くないので、過剰な期待は禁物。Sはスピードユニットで、取るたびに自機がスピードアップする(最高4段階まで)。通常は1つ、多くても2つが限度で、ミスをする以外に速度を落とす手段はない

多彩なステージと特徴あるボスが、プレイヤーを飽きさせない

 前述の通り、用意されているのは8ステージで、いずれも特徴ある内容に仕上がっている。特筆すべきなのは、やはりステージ3の巨大戦艦面だろう。それまでも、巨大なボスキャラが登場していたことはあったが、1画面に収まりきれず、しかも1ステージを通して戦い続けるという仕様を採用したのは本作が初。最初に見た時には、スケールの大きさと巨体を利用した攻撃方法に本当に驚かされたものだ。同じ程度にインパクトを受けた演出は、今振り返ってもそう多くはなかったと思う。

 また、ステージ7のラストではゴミが降ってくる中でボスと戦うという演出も、最初に見た時はなかなかに印象が強かった。安地(=安全地帯)を見つけるまでは、思った以上に緊張感のある戦いを強いられたが、それもまたチャレンジ精神をかき立ててくれた1要素だったと言える。

 ステージも全体的に、生物的な面と機械的な面に分かれているのも特徴だ。個人的には、そこまでグロテスクな演出があるとは思っていないのだが、ステージ2のちょっとした気持ち悪さやボスのコアが開閉するエフェクトを見て当時は、なかなかに気合の入った気味悪さだなと感心していた。

 今回は、そんな各ステージを紹介しつつ、この機会に「R-TYPE」をクリアしてみようという人の助けになるよう簡単な攻略法も記載してみた。ぜひ役立てて欲しい。

ステージ1

 ステージ1は、崩壊したスペースコロニーが舞台。最初ということもあり難しくはなく、演出も控え目。ここで、波動砲の使い方などをマスターしておきたいところ。上下の壁に砲台が備え付けられていたり、通常弾30発分の耐久度を持つモビルスーツのようなスキャントといった敵が待ち構えている。こちらもさまざまなアイテムをゲットしてパワーアップし、先へと進んでいこう。

中盤に登場する、通路を円状に塞いでいるゴンドランは、波動砲でコアの部分を狙って撃てばOK
「エイリアン」に出てきそうなデザインのボス・ドブケラドプス。顔を覗かせたところに波動砲を2発撃ち込めば倒せる。または、そこへフォースを撃ち込んで連射するのもアリだ

ステージ2

 上下から敵・ガウバーが襲ってくるステージ2は、非常に不気味な印象を与える。オタマジャクシのようなウッキーや、花のように開いてゾイドを出してくるバルドルといった気味の悪い敵と戦っていかなければならない。両頭のヘビ・インスルーは不死身で、慣れるまではわかりづらい軌道で移動してくる。最後に待ち受けるのは、ボスのゴマンダーだ。

ガウバーは、地面や天井から出てくる前に対空レーザーや反射レーザーで先制攻撃するのがコツだ
ゴマンダーの弱点はコアだが、左下で点数稼ぎをしながら時間切れを待つのが楽。操作に自信があれば、写真のようにコアの左上ギリギリに自機をめり込ませるという方法も

ステージ3

 一画面に収まりきらない巨大戦艦と戦い続けるステージ3は、初めて見た時はそのスケールに度肝を抜かれるだろう。本作以降は、1ステージどころか1ゲームを通して同じ敵と戦うといった演出も見られるようになった。

 この巨大戦艦に対して自機は、後方→下部→前方と順番に戦っていくこととなる。ステージ滞在時間はやや短いものの、最後は前方から回り込んでコアに近づく必要があるので、フォースの扱いに慣れていないと厳しい戦いになるかもしれない。

慣れてきて油断しがちなステージ3では、開始してすぐに見える後部メインエンジンに波動砲を撃ち込もうとして被弾してしまう事故を起こしてしまうことが良くある。焦らず、敵弾を一度かわしてから攻撃しよう
戦艦前部に装備されている砲台は、破壊しても時間経過で復活する。自機が戦艦下部にいるうちにフォースを飛ばして攻撃し、前方下部の砲台を破壊してから後ろにフォースを装着して残った砲台を壊しつつ上へ移動。最後は、フォースを後に飛ばしてコア付近の砲台を破壊してから近づき、無防備なコアに撃ち込めばクリアだ

ステージ4

 ステージ4では、胞子を出しながら移動する敵・スカルトロンが多数出現する。放置しておくと移動できる場所がドンドン狭くなってしまうので、早めの対処が肝心に。敵の攻撃が一瞬止んだと思って油断すると、前後からスカルトロンが出現するというシーンもあるので、少しでも気を抜くと即座にミスしてしまう。しかし、ボスのコンバイラーは簡単に倒せるので心配なし。

スカルトロンは通常弾1発では倒せないので、対空レーザーか波動砲を活用したい。胞子は通常弾で消せるが、装備が整ってないときは波動砲のほうがまとめて処分できて便利
この場面では、フォースを付け替えているうちにスカルトロンに体当たりされてしまうことも多い。自分なりのタイミングを見つけてフォースの前後入れ替えを行おう
あらかじめフォースを後に合体させておき、コンバイラー出現と同時にフォースを重ねて撃ち込めば、パーツ1つをすぐに壊せる。続けて、下向きのコアにビットで攻撃すれば、残ったパーツに正面から攻撃するだけ

ステージ5

 ステージ5に何匹も登場するヘビ状の敵はムーラ。ここはヤツラの巣窟になっているだけでなく、上下が見えづらいため非常に危険度が高い。ここも全体的に生物感が前面に出ているが、ムーラとボスのタコ以外は比較的機械的な印象なので、そこまで気持ち悪い感じはしない。が、ボスのベルメイトを守っている周囲のタコは、ウネウネと動いて気味悪し。

ムーラは、点数稼ぎをしたい人にとってはおいしい敵。ただし安全に進みたいだけであれば、必要以上に破壊せずに進むのが吉。間違えて胴体部分を撃って分割させてしまうと、それぞれがトリッキーな動きをするため、それに惑わされてミスしてしまう恐れも。なお、胴体1つは通常弾6発分の耐久力を持つ
耐久力のあるジータに対しては、画面中央に陣取り上下に装備したビットで攻撃すると安全。スピードアップを運んでくるPOWアーマーが数多く出現するので、間違えて取ってしまわないように
タコは自機目がけて突っ込んでくるので、それに合わせて波動砲で撃破しつつ、近づいてくる本体を避けるようにぐるりと回り込んで再び正面に戻る。タコは1つにつきノーマルショット14発分の耐久力があるので、なかなかの強敵。ある程度のタコを倒せば本体のベルメイトが見えてくるので、それを破壊すればクリアだ

ステージ6

 最初から最後まで、通路をドップが移動するステージ6。輸送通路と思しき場所を舞台に、何かを運んでいるようだ。ここは、完全にパターン化しておかないと厳しい場所なので、何度もプレイして動きを頭に叩き込もう。気味の悪い敵が出てこないのが救いか。

通路を塞ぐほどの大きさがある黄色の敵がドップ
このような感じで、壁とドップの間に自機を位置させてくぐり抜けていく。ドップには必ず、左右どちらかに弱点となるコアがある。そこに通常ショット10発分を撃ち込めば破壊可能だ
ドップが大量に出現するラストは、フォースを後に装着して、コアが右にあるドップはフォースの攻撃で、左にあるときは波動砲で倒すようにすれば問題ない

ステージ7

 ロボットの廃棄場が舞台となるステージ7は、さまざまな場所から敵が同時に出現して攻撃を仕掛けてくる。さらに、一部の壁は爆発に当たり判定があるので、そこに触れてしまえば当然ミスに。非常にゴミゴミした印象を受けるが、襲ってくる敵の多さがさらにそのインパクトを強くしているのかもしれない。最後のシーンではゴミが降ってくるという、シューティングゲーム史上でもあまり見ないシチュエーションが待っている。

道中を完全にパターン化しないと、とにかく厳しい戦いを強いられる。特に、ミスをしてからの復活は難しいので、ノーミス前提で進んでいきたい。中盤に出現する中型戦艦ボルドは、通常弾200発分の耐久度があるとはいえ放置しておけば非常に邪魔なので、何とかして倒したいところ
ボス戦はフォースを後に装着して、降ってくるゴミとゴミの間に自機を位置させれば時間切れまで点数を稼げる。アーケード版では、前方1/4にある壁の縦ラインに自機の前を合わせれば安地となるが、写真のX68000版では壁の縦ラインがアーケード版とは違う場所に描かれているので、素直に避けるのがいい

 最終ステージは、バイド帝星。不気味な雰囲気の中、あちこちから出現するミックンと青い渦がR-9の行く手を阻む。最後までたどり着ければ最終ボスであるバイドが待っているのだが、肉の壁に守られて攻撃を思うように当てることができない。残された手段は、肉の壁が空いた瞬間に、これまで戦いを共にしてきたフォースを撃ち込むことのみ……。

ビットを2つ装備していれば、道中はそこまで苦労しない。対ボス戦は画面左端中央部に陣取り、肉の壁が空いたタイミングで波動砲と同時にフォースを撃ち込めばOKだ。ミックンは上下のビットが防いでくれるが、時にはレバーを左に入力してビットの位置をずらさないとダメなときもあるので注意

今年も最新作が発売され、その人気は衰え知らず

 その後のシューティングゲームに大きな影響を与えた「R-TYPE」の内容を、全ステージ攻略という形で紹介していった。この後「R-TYPE」の名前を冠するシリーズ作品としては、アーケードゲームとして「R-TYPE II」、「R-TYPE LEO」が登場したほか、コンソール機ではシューティングだけでなくシミュレーションゲームとしても発売されるなど、非常に高い人気を博していく。その盛り上がりは現代でも健在で、その熱はまだまだ冷めそうにない。

 最新作としては現在、「R-TYPE FINAL3 EVOLVED」がプレイステーション 5用タイトルとして発売されているほか、プレイステーション 3用「R-TYPE DIMENSIONS」と、プレイステーション 4/Nintendo Switch/Steam/iOSでプレイ可能な「R-TYPE DIMENSIONS EX」には、今回取り上げた初代「R-TYPE」も収録されている。ここで解説したテクニックを試したくなった時だけでなく、現代シューティングゲームが盛り込んでいる要素の、いくつかの原点を体験したくなったという人は、ぜひ購入して遊んでみてほしい。