【特別企画】
ゼットンとウルトラマンが驚くほど間近に! 西武園ゆうえんちの新ライド「ウルトラマン・ザ・ライド」を体験
山崎貴監督×津野庄一郎氏インタビューも
2023年7月14日 15:15
- 【西武園ゆうえんち:ウルトラマン・ザ・ライド】
- 7月14日 オープン
7月14日より、西武園ゆうえんちにオープンしたウルトラマンをテーマにした新ライド・アトラクションの「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」(以下、ウルトラマン・ザ・ライド)。そのオープンに先駆けて、前日の7月13日にプレス向けの体験会が開催された。
同園では、2023年を「とびっきりスゴYEAR!」と称して、今年の3月にオープンした「食堂車レストラン 黄昏号」を皮切りに様々なアトラクションを展開している。今回のテーマに選ばれた「ウルトラマン」は、1966年から放映された特撮ヒーローテレビドラマだ。その人気は日本国内のみならず、世界中に拡大を続けている。
2021年の園のリニューアルと共に登場した大型ライド・アトラクションの「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」(以下、ゴジラ・ザ・ライド)は、顧客満足度97パーセントを達成しており、こちらを体験するために多くのファンが足を運んだという実績を持つ。今回の「ウルトラマン・ザ・ライド」でも、「ゴジラ・ザ・ライド」を手掛けた山崎貴監督と刀 クリエイティブチームの津野庄一郎氏をといったトップクリエイターたちがふたたび集結し、制作を担当している。
当日は、オープンを待ち望んでいる200名を超えるウルトラマンファンも園内に集合。巨大な火柱をバックに、記念撮影も行われた。本稿では、その模様をレポートする。
飛行訓練所に移動する乗り物の中で行われるブリーフィング
この「ウルトラマン・ザ・ライド」が体験できるのは、園内に建てられた夕陽館と呼ばれる施設だ。入り口のゲートをくぐると左手の高台に立っている大きな建物が見えるが、そちらで上映されている。ちなみにこの夕陽館では、「ウルトラマン・ザ・ライド」に加えて「ゴジラ・ザ・ライド」(7月14日から9月13日まで休止中)も上映されており、建物入り口付近にふたつの看板が大きく設置されているので、そちらを目印にするといいだろう。
アトラクションは、最初はブリーフィングルームのような場所からスタートする。ここは地下鉄のような乗り物を模した作りとなっており、現場となる飛行訓練所に移動するまでの時間、簡単な説明が行われるといった感じのストーリーになっている。
前後左右、あらゆる角度で映像が映し出されているため、まるで本物の乗り物に乗っているような気分にさせられる。また、聞こえてくる音響が立体的で、こちらもかなりリアルな雰囲気を演出してくれていた。
なによりも素晴らしいのが、実際に初代ウルトラマンに登場する科特隊の制服を身につけたキャストが登場して、状況の説明をしてくれるところだ。その演技も素晴らしく、ウルトラマンの世界に入り込んだかのような気分にさせてくれる。
この「ウルトラマン・ザ・ライド」では、参加するゲスト自身が科特隊の新人隊員として特殊訓練に参加することになる。そのときに着用するのがジェットパックのような個人用空中飛行装置の「F-022 フローター」である。ここで少しだけニヤリとさせられてしまったのが、その紹介映像だ。あえてテレビ番組放送当時の雰囲気を出すためか、その模型を吊るすピアノ線があえて見えるようになっている。
こちらは非常に細かい部分ではあるのだが、細部まで手を抜かずに作り込まれていることがわかるところでもあった。
ブリーフィングが終わると同時に、飛行訓練所に到着。ここで、実際にライド・アトラクションを体験する隣のエリアに移動することになる。
等身大のウルトラマンとゼットンのバトルをかすめるような近さで体験!
ライド・アトラクションのエリアは、横一列に座席が並んでいるようなスタイルだ。手に持っている荷物などは、椅子の下にしまっておくことができる。また、かなり激しい動きをするため、体験がスタートする前にシートベルトもしっかりと締めておく必要がある。
ちなみに、事前にどんな内容なのかあまり情報がなかったことや、「ゴジラ・ザ・ライド」自体も体験していなかったということもあり、正直甘く見ていた部分が少しあった。映像に合わせて椅子が動くというと、映画館の4DXを思い浮かべるが、せいぜいあの程度の臨場感だと思っていたのである。しかし実際は、それとは全く異なる体験が待ち構えていたのだ。
上映が始めると、スクリーンの手前にあった落下防止用の手すりが下がり、椅子自体がせり出していく。映画館とは異なり、スクリーン自体が曲面しているため、ゴーグルをかけないVRのような視界の広さになる。そのため足の下にも映像が回り込んでいるような臨場感があった。
そこで、いきなり高所から真下へ急降下していくシーンが流れるのだが、それに合わせて椅子が傾き強烈な風が吹き付けてくるのである。今回体験したのは、一般の人も含まれていたが左右両隣は一緒に取材に訪れたメディア陣であった。自分も含めて全員ウルトラマン世代ではあるものの、40~50代ぐらいのいい大人たちが、その全員が普段出したことないような叫び声を出していた。もはや体験としては、映画というよりもジェットコースターなどの絶叫マシンに乗っているときの感覚に近いものがあった。
ジェットパックのような飛行装備「フローター」を身に付けてウルトラマンと一緒に戦うというと、「進撃の巨人」の立体機動装置的なものを思い浮かべるかもしれないが、街中を移動しているシーンはどちらかというと映画「スパイダーマン」に近い印象だ。建物などにぶつかるかぶつからないかというギリギリの感覚と、疾走感が合わさったような感覚が味わえるのである。
最もテンションが上がったのが、宇宙恐竜ゼットンが突然目の前に現れたシーンだ。その攻撃をギリギリのところで避けながら空中を飛び回るのだが、こんなに間近で怪獣を見ることができるのかと感心させられた。それに続き、念願のウルトラマンも登場。こちらも等身大のサイズ感で、まさに間近でその戦いぶりを体験することができた。
上映時間そのものはそれほど長いわけではないのだが、かなり満足度の高い仕上がりとなっていた。映像作品としてのクオリティも高く、ライド・アトラクションとしても秀逸だ。ウルトラマンファンはもちろんのこと、それほど詳しくない人でも十分に楽しめるように作られているところも素晴らしいところである。
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