【特別企画】
オグリキャップゆかりの地を堪能! 「ウマ娘×笠松けいば」コラボイベントレポート
2023年4月30日 00:00
- 【ウマ娘 プリティダービー×笠松けいばコラボイベント】
- 4月26日~4月28日実施
- 会場:笠松競馬場
Cygamesは4月26日から4月28日にかけて「ウマ娘 プリティダービー」と岐阜県にある「笠松競馬場」とのコラボイベント「ウマ娘 プリティーダービー×笠松けいばコラボイベント」を実施した。
「ウマ娘 プリティダービー」は、競走馬をモチーフとしたキャラクターが登場するクロスメディアコンテンツであり、2016年の同プロジェクト発表からコミック、CD、アニメ、ライブ、そしてゲームと多岐にわたり展開されており、魅力溢れるキャラクターが織りなす重厚なストーリー、手に汗を握りながら推しウマを応援してしまう迫力のあるレース模様、秀逸な楽曲と共に繰り広げられるウイニングライブなどなど、「ウマ娘」の魅力は枚挙にいとまがなく、多くのファンを魅了している作品だ。
昨年に続き2度目となる「ウマ娘」と「笠松けいば」とのコラボレーションだが、今回は更にパワーアップし、来場者特典のクリアうちわの配布、ウマ娘「オグリキャップ」をはじめとした4キャラもの等身大パネル、場内にポップアップストアが展開、場内の各売店では購入者特典である「ウマ娘」ポストカードプレゼント、コラボレーション記念レースを2つ開催、更には「ウマ娘」声優によるトークショーなどなど、「オグリキャップ」もお腹一杯・盛沢山の内容だった。
ウマ娘は様々なコラボレーションを行っているが、繰り返しになるが「ウマ娘 プリティダービー」のキャラクターは競走馬をモチーフとしているので、競馬界とのコラボレーションはまさに一丁目一番地と言えよう。それだけに非常に気合の入ったコラボイベントとなった。本稿では最終日である4月28日の朝の開場から、最終レース後に行われたトークショーまで、終日活気に溢れ続けた様子をお届けしたい。
最初に、「ウマ娘 プリティダービー」と「笠松けいば」のコラボレーションについて説明しておきたいが、そのためには「ウマ娘 シンデレラグレイ」について触れておく必要があるだろう。
「ウマ娘 シンデレラグレイ」は、ウマ娘「オグリキャップ」の活躍を描いたコミカライズ作品である。「岐阜ウマ娘カサマツトレーニングセンター学園」に入学し、競争ウマ娘としてデビュー後数々のレースで華々しい戦績を挙げた「オグリキャップ」は、更なる頂を求めて「日本ウマ娘トレーニングセンター学園(通称トレセン学園)」へ編入し、ライバルのウマ娘達と鎬を削っていくストーリーとなっている。
ド迫力のレースシーンと、日常時折見せる「オグリキャップ」の天然がかった「愛嬌〇」(そのせいか、周りのウマ娘達はツッコミに回ることが多い)、そして「オグリキャップ」を取り囲むライバル達の群像劇が描かれている。その「オグリキャップ」がデビューし、活躍していたのが「カサマツレース場」であり、そのモチーフとなっているのが「笠松競馬場」だ。
また、ウマ娘「オグリキャップ」のモチーフとなった、史実の競走馬オグリキャップ号も笠松競馬場でデビューしている。今回のコラボレーションも「オグリキャップ」が中心になっており、日程も笠松けいばで開催されている重賞(※1)のひとつである「オグリキャップ記念」と併せているというまさに水魚のようなコラボレーションと言えよう。
※1:重賞……毎年定期的に繰り返される目玉レースのこと。「重」は重いというよりも重ねるという意味合いが強い。
開場を待ちきれないファンが列を成した開場前
まずは開場前の様子からレポートしていきたい。笠松競馬場は最寄り駅である名鉄笠松駅から徒歩約3分、名鉄笠松駅は快速特急も停車するという非常に交通の便が良い場所にある。車での来場も可能で、第3駐車場まで用意されている。
4月28日の笠松競馬場の開門は10:00となっていたが、開場前の早い時間から待機列が形成されていた。その列は笠松競馬場南西にある第2駐車場まで伸びており、距離にしておおよそ2ハロン(ざっくり400m)。少なくとも1,000人以上が並んでおり、この待機列は11時ごろまで続いたが、スタッフの的確な誘導により、しっかりとした待機列が形成されていた。
開門は30分前倒しの9:30となり、スタッフが来場者特典をひとつひとつ入場者へ手渡ししていった。その後、当初の待機列が解消され、午後を回った時点でも入場者はあとを絶たなかったが、入念な準備をしており、スムーズな特典の配布が行われていた。当日は好天に恵まれ、朝から気温も上がっていたので、早速受け取ったうちわをあおいで涼をとる姿も見かけられた。
正門を入るとすぐ左に、競走馬オグリキャップ号の銅像と、その両隣に、ウマ娘「イナリワン」と「スーパークリーク」が揃ってお出迎えしてくれた。「イナリワン」は「オグリキャップ」同様、地方のいち拠点である大井でデビューし、中央(※2)に乗り込んできたべらんめえ口調のウマ娘である。「スーパークリーク」は、トレセン学園のウマ娘で、底なしのスタミナが持ち味であり、「オグリキャップ」を含めたこの3人は何度もレースでぶつかることになり、のちに「永世三強」と呼ばれることになる。
そこからさらに奥へ進むと、特設ステージがあり、ここに「オグリキャップ」と「タマモクロス」が鎮座していた。「タマモクロス」は、「オグリキャップ」と同じ髪の色の系統(芦毛)で、「オグリキャップ」のライバルとして幾度となく死闘を演じている。前回のコラボイベントでは「オグリキャップ」と「タマモクロス」の2人だったが、「イナリワン」と「スーパークリーク」を加え、さらに賑やかになっていた。
※2:中央……「トゥインクル・シリーズ」の通称。トレセン学園所属のウマ娘達はこの「トゥインクル・シリーズ」主催のレースに出走することになる。対してカサマツレース場や大井レース場などの各地方で開催されるレースは「ローカルシリーズ(通称"地方")」と呼ばれている。
開場直後から場内は大賑わい!
開場後、今度は場内の各売店が活気づくことになった。各売店では購入者へのプレゼントとしてウマ娘ポストカード全11種類を用意。売店ごとに種類が異なっており、スタンプラリーのようにポストカードを求めて場内の売店をハシゴするファンが続出、各売店前には購入者の列が出来上がった。ポストカードは開場後ほどなくして予定枚数の配布を終了。ポストカードの配布が終了となっても列が全く途切れないあまりの盛況ぶりに、腹ペコの「オグリキャップ」が訪れた食堂よろしく食材が底をつくのではないかという懸念を抱いたが、こちらも入念な準備をしていたようだ。
更には休憩コーナーの一角に展開された、ウマ娘ポップアップストアもウマ娘グッズを求めて長いファンの列が出来ており、多い時には約300人もの列となっていた。この列は午後を回っても続くという大盛況ぶりだった。
コラボレーションレース、開催!
開場後しばらくして笠松けいばのレースが始まり、来場者がレース結果を予想し、思い思いの勝馬投票券(馬券)を購入、レース後は結果について感想を述べあったりとレースに興じている姿がそこかしこで見受けられ、とても賑やかな風景が見受けられた。そしてレースプログラムが進み、10レース目と12レース目に連携事業記念レースである、「ウマ娘ベルノライト賞」「ウマ娘シンデレラグレイ賞」が行われた。
まずは10レースの「ウマ娘ベルノライト賞」。「ベルノライト」は「ウマ娘シンデレラグレイ」に登場するウマ娘で、「オグリキャップ」と同じくカサマツレース場でデビュー、競争ウマ娘としての結果こそ芳しいものでは無かったが、「オグリキャップ」のサポートに於いて非凡な才能を発揮、そして「オグリキャップ」のトレセン学園編入を機にオグリキャップのサポートを続けるべくトレセン学園スタッフ研修生の編入試験を見事突破し、中央の頂点であるトレセン学園生徒会長の「シンボリルドルフ」をして「流石」と言わしめた才媛であり、「オグリキャップ」の相棒とも言えよう。その第1回目となる本レースは「ベルノライト」の髪の色にちなんで、栗毛馬で構成されたレースとなった。
ここでレースの流れを簡単に説明させていただくと、レース出走馬は諸々の準備を整えたのち、「パドック」と呼ばれる場所で、スタッフにひかれてパドックを周回する。ここで馬の状態を観察することが出来る。その後、騎手が騎乗し、パドックからコースに出ていきウォーミングアップを行う(返し馬と呼ばれる)。出走時刻前にはスタート地点となる発馬機(ゲート)付近で待機し、出走時刻を迎えるとスターターの合図でゲートに入り、スタートとなる。
その返し馬の際に場内アナウンスで各出走馬の紹介が行われるのだが、「ウマ娘ベルノライト賞」では特別に、「イナリワン」役の声優、井上遥乃氏がアナウンスを担当。場内に井上さんの美声が響き渡った。出走時刻を迎え、スタートのファンファーレが鳴り響くと同時にコース中央にある大型ビジョンに「ベルノライト」の姿とレース名が映し出され、スタンドに詰めかけた多くの来場者から大きな拍手が沸き起こった。ゴールの際にも固唾を飲んで見守っていた来場者から歓声と拍手が起き、大きな盛り上がりを見せた。
そして最終12レースはメインレースとなる第2回「ウマ娘シンデレラグレイ賞」。こちらは「ウマ娘 シンデレラグレイ」の主人公である「オグリキャップ」の髪の色にちなんで芦毛もしくは白毛の馬で構成されたレースとなった。昨年行われた第1回も大きな盛り上がりを見せていたが、今回は返し馬時の出走馬紹介アナウンスを「オグリキャップ」役の声優、高柳 知葉氏が担当、「オグリキャップ」はやや低めでクールな声なのだが、高柳さんはそれよりも幾分高いトーンで朗々とアナウンスをしていた。「ウマ娘シンデレラグレイ賞」も全馬無事完走、大きな拍手を以て全レースのプログラムを終えた。
笑いと拍手に満ち溢れたウマ娘声優によるトークショー
最終レース終了後、コラボイベントのトリとして、「ウマ娘」声優によるトークショーが行われた。ゴール近くのコース上にステージカーが登場、時間になると司会進行を務めた長谷川満氏の紹介で、声優の高柳知葉さん、井上遥乃さんが観客の大きな拍手に迎えられて登壇、両氏は挨拶代わりとばかりに「オグリキャップ」、「イナリワン」としてのセリフを披露、会場はのっけからボルテージMAXとなった。
まずは笠松競馬場の雰囲気を聞かれると、高柳さんは建物や競馬場の周囲の環境含めて、「ウマ娘 シンデレラグレイ」で読んだ雰囲気のままだとハイテンション気味に答えていた。コースと観戦場所が近いという臨場感にも言及、観客もそれに拍手で同意していた。
また、競馬場グルメについて高柳さんは、「ウマ娘 シンデレラグレイ」で、「タマモクロス」がカサマツレース場内の売店できしめんを食べているシーンがあったため、うどんが好きなことも相まってきしめんを食べたという。
続いて「ウマ娘ベルノライト賞」、「ウマ娘シンデレラグレイ賞」における出走馬紹介アナウンスをはじめとした今回のコラボイベントの振り返りについて長谷川氏からコメントを求められると、井上さんは、貴重な体験に感謝しつつ「ウマ娘ベルノライト賞」で緊張のあまり『栗毛馬(くりげば)』と読み上げるところで噛んでしまったとのこと。すぐさま長谷川氏に「もう一度『栗毛馬』と言ってみて」というリクエストを受けて井上さんが再チャレンジするも、またもや噛んでしまい会場は爆笑の渦に包まれた。高柳さんはコラボイベント1回目に参加できなかったことを残念に思いつつも、続けて2回目の開催が実現したことに対して喜びのコメントをしていた。
続いて高柳さん、井上さんがそれぞれ演じているウマ娘のモチーフとなった競走馬オグリキャップ号、競走馬イナリワン号の戦歴を披露、両号と並んで「三強」を形成した競走馬スーパークリーク号にも言及しつつ、それぞれの対決結果についても触れていった。その後、ウマ娘ポップアップストアについての話題となり、高柳さんはダイカットクッションを挙げ、「タマモクロス」のダイカットクッションを「タマモクロス」役の声優、大空 直美氏にプレゼントしたいとのこと。一方、井上さんはOSMOスタンプが気になっており、スタンプの可愛らしさとその様々な使い道に思いを馳せていた。
トークショーも終盤。出演者からの質問コーナーということで井上さんから、どこの地域から来場したのか質問を観客へ投げかけた。関東、関西、東海エリアが大多数を占めたが、九州、北海道からの参加者もちらほら見掛けられた。中には東北から車で来たり、海外から参加したという剛の者もおり、出演者達も目を丸くしていた。初めて笠松競馬場を訪れたというファンも多く、長谷川氏からの「笠松けいば良かった?」という質問に会場全体から大きな拍手が起こっていた。
最後に高柳さん、井上さんからの一言があり、これで終わりかと思いきや、井上さんに最後の試練が訪れた。長谷川氏からトークショーの締めとして『栗毛馬限定』を読み上げるというの3度目のチャレンジを促され、井上さんは「くりげばげんてェ!」と淀みなく叫び、見事三度目の正直を達成。会場からも暖かい拍手と声援が飛び、大盛況の中トークショーは幕となり、今回のコラボイベントは終了となった。
今回のコラボイベントを振り返り、笠松競馬場で地方競馬を主催している岐阜県地方競馬組合の企画広報課からも「沢山の若い世代に来場していただいたことは大きな成果だった」と、手ごたえを感じているコメントをいただいており、今回のコラボイベントは総じて大成功と言えよう。しかしながら、その成功の陰には来場者をはじめとした参加者の協力、笠松競馬場をはじめとした関係各位のコラボレーションに対しての好意的な受け入れ、そしてこれまでの経験を踏まえて段取りに段取りを重ねたであろうスタッフの並々ならぬ努力があったのは言うまでもないだろう。これからも以上のことを踏まえつつ、コラボイベントを楽しんでいきたい。