【特別企画】

ARとAIに全振りのNiantic謹製ペットゲーム「Peridot」先行体験

ジョン・ハンケCEO「デジタルペットが現実世界に溶け込めるかの挑戦」

【Peridot】

5月9日 配信予定

価格:基本料金(アイテム課金制)

 先日、カプコンと共同で発表したスマートフォン用位置情報ゲーム「Monster Hunter Now(モンスターハンターナウ)」の情報公開をしたばかりのNianticだが、さっそく次作の配信が間近に控えている。それが「Peridot(ペリドット)」だ。配信予定日時は5月9日22時を予定。

 「Peridot」は、スマートフォンを使用してペットの「ペリドット」を育てる育成ゲーム。「モンハンNow」や「ポケモンGO」は位置情報を利用したゲームがメインとなっているが、「Peridot」はAR(拡張現実)をメインテーマに掲げているところに特徴がある。今回、配信に先駆けて本作を体験する機会を得たので、その模様をお伝えしたい。

「Peridot」の事前登録ページ

推奨スマートフォンスペック

iOS: iPhone 8+ or above on iOS 14 or higher.
Android: 以下のGPUチップセットを搭載しているもの
Adreno 730
Adreno 660
Adreno 650
Adreno 640
Adreno 630
Mali G78
Mali G77
Mali G76
Mali G72
Xclipse 920
およびSamsung Note 9 以降のもの
Galaxy S9 or above
Pixel 6 or above
*iPadやタブレット、WiFiのみの設定のものはご利用いただけません

【スクリーンショット】

現実世界に融合するARペット「ペリドット」を育成

 Nianticではデジタル世界をいかに現実世界に融合させ、豊かに彩れるかを目指してきた。体験会に登壇したNiantic創業者兼CEOのジョン・ハンケ氏は、本作を「今あるAR技術のすべてが込められたもの」だと語る。加えて、「デジタル世界の生き物が、現実世界に本当に生きているものとして溶け込めるかの挑戦」だとした。

Niantic創業者兼CEOのジョン・ハンケ氏

 「Peridot」は、簡単に言うと、卵から生まれるペリドットにエサを与えたり、なでたり、ボールを投げて取ってこさせたりして、ペリドットとプレーヤーが一緒に成長していく育成ゲームである。非常に特徴的なのは、ハンケ氏が語る通り、ペリドットの表現にAR技術とAI技術がふんだんに使われている点だ。

 まず、「Peridot」はスマートフォンのカメラ機能を利用して、レンズを通した現実世界を写しながらプレイしていく。画面を2回タップすると、床に自分のペリドットが登場し、自由に走り回る。

 カメラの画面は地面だけでなく机や椅子などの障害物を判定していて、ペリドットは障害物を避けたり、障害物の後ろ側に行った場合はしっかり裏に「回り込む」。動きがしっかり現実世界とリンクしているので、ペリドットが「すぐそこにいるかもしれない」という感覚が生まれてくる。

レンズ越しの現実世界を生き生きと動くペリドット

 本作はゲームなので、もちろんそれだけの要素ではない。ゲーム開始時、ペリドットは卵から生まれてくるが、どんなペリドットが生まれてくるかは様々な「DNA」(パラメーター要素)が混ざりあった完全ランダム。「同じペリドットは1匹としていない」もので、つまりプレーヤーはゲーム開始時点から世界で1匹のペリドットを育てていくことになる。

 ペリドットの育成は、指定される様々なアクティビティをこなすことで実施していく。たとえばエサは、スライド操作で地面に丸を描くことでペリドット自身が探してくれる。ここでのポイントは、丸を描いた地面の“種類”によってエサの種類も変わってくるということ。

3つある卵から、育てるペリドットを選ぶ
誕生!

 エサの種類に変化があるのは、土、芝生、植物、水など。たとえば芝生からは「たんぽぽ」というエサが見つかるが、裏を返せば芝生のある場所に行かないと「たんぽぽ」は見つけられない。

 アクティビティの中には、「たんぽぽ」をペリドットにおねだりされるような、エサの種類が指定される場合があり、もしクリアしたいと思ったら芝生のある場所に移動しないといけないというわけだ。自然と外に出たくなるゲームの仕掛けが、実にNiantic製の作品らしい。

ゲームを説明するNiantic UXデザイナーの篠原大河氏
アート シニアマネージャーのディビッド ホーリン氏
発表スライド

位置情報を活用。育成の幅を広げる要素も

 ペリドットは1匹を育てるところから始まるが、複数を育てたい場合は「巣」のアイテムを使用することで1匹増やすことができる。「巣」は有料販売を予定していて、特に購入の個数制限はない。発表会時点では育成中のペリドットと「お別れ」するようなシステムは入っておらず、1度育て始めたら、ずっと付き合っていくものとなるようだ。

 またペリドットは「子供」から「大人」へと成長する。どのようにして成長するかまでは今回はわからなかったが、目のクリクリとした赤ちゃんから落ち着いた姿へと変化するよう。ハンケ氏のペリドットを見せてもらうことができたが、デモ版のペリドットとはだいぶ印象が違っていた。

ハンケ氏のペリドット。かなり落ち着いた雰囲気がある

 本作では「Ingress」や「ポケモンGO」のように位置情報も活用される。実際の地図上にはいくつか「生息地」があり、ここは「周囲のペリドットが集まりやすい場所」になっているそう。プレイしていない間は自分のペリドットが周囲の生息地に足を運び、プレイに役立つアイテムを持って帰ってきたりする。また生息地に実際に行くことで、特別なアイテムももらえるという。

 またペリドットを育成していると、プレーヤー自身の「Keeper」(飼い主)としてのレベルも上がっていく。Keeperレベルが上がると、たとえばアニメーションするペリドットの肌など、育てられるペリドットのDNAの幅が広がっていく。本作には他のペリドットと交流して新たな卵を産むという機能もあり、新たなペリドットを育てるには「巣」が必要となるが、自分の好みのDNAを持つペリドットを目指していく、という遊び方もできるようだ。

 ちなみにペリドットが持つDNAについては世界で同基準であり、“エリア限定”のような要素は入れていない。むしろ世界的に標準にすることで、地域によってペリドットにどのような傾向が生まれるのか、どのように変化していくのかを見てみたいという意図もあるそうだ。

 配信日は5月9日のゴールデンウィーク明け。「ポケモンGO」や「モンハンNow」とはまた違ったNianticの育成ゲームとして、そのAR技術の新しさも含めて注目しておきたい。

生息地に行くと、他のプレーヤーのペリドットを見ることもできる
スクリーンショット例