【特別企画】

「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」発売まであと2カ月! 発売6周年でも今なお色あせない「ブレス オブ ザ ワイルド」の魅力を振り返る

【ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】

2017年3月3日 発売

価格:7,678円(税込)

【ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム】

5月12日 発売予定

価格:7,900円(税込)〜

 任天堂が1986年にファミリーコンピュータのディスクシステム用ソフトとしてシリーズ第1弾を発売した、アクションアドベンチャーゲームの金字塔「ゼルダの伝説」。以後、歴代の任天堂プラットフォームの看板タイトルとして長らく人気を博していることは、もはや詳しい説明は不要だろう。

 きたる2023年5月12日、本シリーズ最新作となるNintendo Switch用ソフト「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が、いよいよ発売となる。Nintendo Switch本体のローンチタイトルでもあった前作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」以来、実に約6年ぶりとなる完全新作のリリースであり、多くのファンが本作の発売日を首を長くして待っていると思われる。

 本日2023年3月3日で発売6周年を迎える「ブレス オブ ザ ワイルド」の公式サイトでは、2月から「あなたの知らないハイラル」と題した、ゲームの舞台となるハイラルの世界の歴史や見どころ、名産品などを地域ごとに紹介したページが新たに公開された。2月27日時点でVOL.2までが公開中で、VOL.3は「COMING SOON(近日公開)」とのこと。発売されて久しいこのタイミングでサイトを更新したということは、「今のうちに復習をしておけば、もしかしたら次回作をプレイする際に役立つ情報があるのでは?」と妄想が膨らみ、次回作がますます楽しみになってしまう。

 以下、本稿では全世界で2,900万本(※)を売り上げ、国内外で数々のアウォーズを受賞した紛うことなき傑作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の発売6周年を記念し、本作の魅力や、本作が我々プレーヤーに提供したものは何だったのかを改めて振り返ったうえで、次回作の展望をまとめてみた。発売日が待ち切れない皆さんに、前作の思い出にひたりつつ、楽しくご一読いただけたら幸いだ。

※数字は任天堂のホームページに掲載された2022年12月末時点のもの。

【ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 3rd トレーラー】
【ゼルダの伝説BotW】

ただ、そこにいるだけも楽しい、新境地を開拓した「ブレス オブ ザ ワイルド」

 ゲームの舞台は、ハイラル王国を滅亡させた「大厄災」から100年後の世界。大厄災で深手を負い、長い眠りに就いていた主人公リンクが、剣も盾も鎧も持たない裸同然の姿で、回生の祠から目を覚ましたところから冒険が始まる。

 本作ならではの面白さは、シリーズ初のいわゆるオープンワールドの要素を取り入れ、プレーヤーが冒険の目的地、あるいは目的とする遊びを自由に決めて遊べるところにある(※ただし、ゲーム開始直後は「始まりの台地」から外の地域に出ようとすると、まだ体力が少ないため飛び降りて着地した際に即死する制約がある)。

 ゲームの最終目的は、もちろんラスボスにあたる厄災ガノンを倒すことである。だが本作は、メインチャレンジ(ストーリー)を度外視して、馬やイカダに乗って見知らぬ土地を走り回ったり、高い山の上から「パラセール」を広げて空中旅行をしたり、時には盾をスノーボード代わりにして(盾サーフィン)雪上を滑ったりなど、ただ散策して景色を眺めているだけも不思議と楽しくなってしまう。

 道中ではゾーラ族、リト族、ゴロン族、ゲルド族など、さまざまな出自を持つ人物に出会うこともあれば、敵のボコブリン、モリブリン、リザルフォスなどが住むシャレコウベ型のアジトや、河原などでバーベキューに興じる敵の群れに出くわすこともある。人が住んでいない地域に出掛け、体力回復やアイテムの調理・調合に使える野菜、果物、野草、野生動物、昆虫などを捕獲、採集するだけでも、まるで子供の頃に野山で遊んでいたかのような楽しさがある。

 たとえ厄災ガノン打倒を目指さなくても、ただハイラルの世界にいるだけでも楽しくなってしまう。ここに本作の最大の魅力があるように思われる。

馬や滑空できるパラセールなどを利用して、華鳥風月を愛でつつ散策するだけでも楽しい

 プレーヤーの冒険心をさらにくすぐり、ハイラル探索を楽しませてくれるのが、ゲーム開始直後に入手できる板状のアイテム「シーカーストーン」だ。

 シーカーストーンは、リンクが一度訪れた地域や施設を自動で記録する地図としての役割のほか、入手した装備品やアイテム、戦った敵のデータを掲載する図鑑や、望遠鏡、カメラとしても使用可能。歴代「ゼルダの伝説」シリーズの迷宮、あるいはダンジョンにあたる、各地の地中などに隠された「試練の祠」を発見するためのレーダーにも利用できる、まさにマルチ情報端末とも言うべきアイテムだ。

 シーカーストーンの反応を頼りに、新たな試練の祠を探し当てたときは実に快感だ。また敵の攻撃をかわしつつ、海や川を泳いだり、崖を登ったりすると消費する「がんばりゲージ」の限界とも戦いながら、各地に点在する高層建築物「シーカータワー」の最上部まで登り、シーカーストーンをセットすると周辺地域のマップがいっぺんに見られるようになる演出も素晴らしかった。

 「ゼルダの伝説」シリーズは、フィールドとダンジョンを交互に冒険するのが基本的な流れで、多くの場合ダンジョンはレベル(難易度)の低い順に入り口が開放される。だが本作は、4体の「神獣」と呼ばれる巨大なダンジョンも試練の祠も、探索する順番もなければ達成ノルマも決まっていない。いつ、どこの神獣や祠にチャレンジするのかは、すべてプレーヤーの意思に委ねられているのも、本作ならではの大きな特徴のひとつだ。

 神獣には、さまざまな仕掛けが用意されており、最終地点では手強いボス敵が待ち受ける。試練の祠は謎解き、パズルの要素が強いものもあれば、鉄球やトゲなどの障害物をかわすアクション重視、敵とひたすら戦うバトル重視のフロア構成など、全120種類もの豊富なバリエーションが用意されているのもうれしい。

回生の祠で入手できるシーカーストーン
シーカータワーの頂上にシーカーストーンをセットすると、以後周辺のマップがいつでも見られるようになる
シーカーストーンの反応を頼りに、試練の祠を探し出すのも実に楽しい
祠はバリエーションが豊富で、解法も1つとは限らない。同じ祠で、複数の攻略法を探しながらプレーするのもまた面白い
巨大な神獣の内部では、手強い謎解きとボス戦の両方が楽しめる

 歴代の「ゼルダの伝説」シリーズでは、リンクがメインの武器となる剣を手にするまでのシーンをオープニングに盛り込んだタイトルが多かった。だが本作では、回生の祠から外に出てから少し歩い所で見付かる、何の変哲もない「木の枝」が最初に手に入る武器であり、かつての相棒であるマスターソードは、しばらくの間入手することができない。

 しかも、本作には剣や斧、槍などを売る武器屋が存在せず(※防具屋は登場する)、武器のほとんどは何度か使っているうちに壊れて使えなくなる消耗品ゆえ、道中で拾う、敵から奪い取る、隠された宝箱から回収するなどの方法で、常にストックを用意する必要がある。攻撃力の高い武器を手に入れるためには、当然ながら強力な敵を倒す、またはスキを突いて奪うことが必要なので、自然といろいろな種類の武器を試しつつ、行く先々に現れる敵と片っ端から戦いたくなってしまう。

 バトルの場所や種類を問わず、さまざまな攻略法が存在するのも本作の楽しいところだ。剣を手に真っ向勝負を挑むだけでなく、背後から足音を消しつつ接近しての不意打ちも可能。また、敵の攻撃をタイミング良く側転やバックジャンプでかわすと、少しの間だけ一方的に反撃ができる「ラッシュ」状態が発動したり、敵の攻撃を受ける直前に盾で弾くと「ガードジャスト」となり反撃しやすくなったりするのも面白い。

 ほかにも、周囲の草に火を付けたり、蜂の巣を落としたりして敵を追い払う、見張り台にいる敵を遠方に身を隠しながら弓矢で倒す、崖の上から岩石や倒木、手持ちの爆弾を落とす、火薬の入ったタルに武器を当てて爆発させるなど、工夫次第でいろいろな戦い方が編み出せるので、ありとあらゆる武器やギミックを試したくなり、何度遊んでも飽きさせることがないのだ。

 「ティアーズ オブ ザ キングダム」は、現時点ではわずかな情報しか公開されておらず、断言はできないのだがが、オープンワールドで「ただ、そこにいるだけも楽しい」とプレーヤーに思わせる要素が継承され、「ブレス オブ ザ ワイルド」同等か、それ以上の探索ポイントが用意され、プレイヤーの冒険心を大いに煽る構成になっていることを期待せずにはいられない。

不意打ち、飛び道具、炎、爆弾などなど、敵の倒し方を工夫しながら遊ぶとさらに楽しさが増す

追加コンテンツとコラボタイトルも相次いで登場

 さらに2017年6月30日には、追加ダウンロードコンテンツ「エキスパンション・パス」の第1弾として「試練の覇者」が、12月8日には第2弾「英傑たちの詩(バラッド)」が発売された。

 第1弾を購入すると、マップ上に新たな装備品が入った宝箱が追加されるのをはじめ、すべて克服するとマスターソードが強化される試練、直近200時間の移動ルートをマップ上に記録する「足跡モード」、高難易度の「マスターモード」などが追加された。

 第2弾では、すべての試練を克服すると新たな乗り物、マスターバイク零式が入手できるほか、吟遊詩人の「カッシーワ」による、ゼルダ姫とストーリー上の重要人物である、4人の英傑たちとのエピソードを盛り込んだ詩が聞ける、新たな楽しみを提供してくれたのもこれまた嬉しかった。特に後者の詩は、本作をこれから遊ぼうと考えているプレーヤー、または未プレイの人にもぜひおすすめしたい。なお「エキスパンション・パス」は現在でも配信中だが、Wii U版は3月28日で販売終了となるので、くれぐれもご注意を。

 「ティアーズ オブ キングダム」でも同様に、今秋〜年末のタイミングで「エキスパンション・パス」が配信され、末永く遊べるタイトルとなるのかにも注目したいところだ。

【「エキスパンション・パス」で新たな楽しみを追加】
第1弾より。すべての試練を克服すると、マスターソードの攻撃力がさらにアップする
「マスターモード」が新たに登場。選択すると、敵がワンランクアップした状態でゲームが始まる
マップ上に、新たな装備品などが入った宝箱が追加される特典もある
第2弾に登場する追加装備品の一種「コログのお面」。隠れキャラのコログの居場所を検知するためのレーダーとしても使用できる
試練をすべて克服すると、荒れ地でも高速で走れる便利なマスターバイクが手に入る
第2弾では、美しい音楽と物語が堪能できるカッシーワの詩にもぜひご注目を!

 2020年には、本作のコラボタイトルが「本家」の任天堂ではなく、コーエーテクモゲームスから発売された。その名も「ゼルダ無双 厄災の黙示録」である。

 本作は「ブレス オブ ザ ワイルド」の前日譚、すなわち100年前の「大厄災」が起こったハイラルの地が舞台になっており、リンクやゼルダ姫をはじめ、当時は健在だった4人の英傑やハイラル王、若き日のインパ、プルア&ロベリー、さらには巨体の大妖精や、本編では悪役だったコーガ様などもプレーヤーキャラクターとして登場した(※プルア&ロベリーは追加ダウンロードコンテンツで登場)。

 おびただしい数の敵を蹴散らしまくる、「無双」シリーズならではの楽しさに加え、ステージによっては巨大兵器、四神をプレーヤー自身が操り、あの強敵ガーディアンをもビームで次々と瞬殺できるのも実に快感。本作も「無双」、「ゼルダの伝説」両シリーズのファンから支持を集めたことで、出荷本数は世界累計で400万本を超える人気を博した。

 「ティアーズ オブ ザ キングダム」でも、「ゼルダ無双」などのコラボタイトルが登場するのか、あるいは登場人物の誰かが「スマブラ」シリーズのファイターとして新たに参戦するのか? 今回も、メーカーやジャンルの垣根を超えたコラボ展開が実施されるのかが気になるところだ。

【「ゼルダ無双 厄災の黙示録」】
ゼルダ姫や若き日のインパなども使用可能。「大厄災」勃発当時の世界を堪能できる

 発売までおよそ2か月に迫った「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」。新たな舞台となる空の世界で、さまざまな謎解きや敵とのバトルが登場するだけでなく、プレーヤーが思いのままに冒険できる「ただ、そこにいるだけでも楽しい」作品になっていることを期待せずにはいられない。

【ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム 2nd トレーラー】