【特別企画】
バックパックからロケット連射!? 「ファークライ6」ハンズオンレポート
最初の”アミーゴ”はなんとワニ。島国を支配する独裁者へと挑め!
2021年9月1日 10:00
- 【ファークライ6】
- 10月7日 発売予定
- 価格:9,240円(税込)~
ユービーアイソフトが10月7日にプレイステーション 5/プレイステーション 4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Epic Games Store/Ubisoft Store)にて発売を予定している「ファークライ6」のメディア向けハンズオンがオンラインにて開催された。
同社のオープンワールドFPS「ファークライ」シリーズのナンバリング最新作としては3年ぶりの新作となる。絶大な権力を持つ独裁者に支配さたカリブ海の島国を舞台に、革命を起こすために暗躍するゲリラ達の物語が描かれている。
このハンズオンでは、プロローグとなる「エスペランサ」、最初ににたどり着く「サントアリオ島」、そして本土の地区の一つ「エル・エステ」を体験することができた。エスペランサはあくまでチュートリアル的なストーリー部分であり、本稿ではサントアリオ島とエル・エステで体験できた要素について触れていきたい。
主人公ダニーをはじめ、個性的なキャラクター達が革命へのドラマを繰り広げる
本作の舞台となるのは、独裁者アントン・カスティロに支配された島国ヤーラ。“真のヤーラ人を導く”という目的のもと、島を武力によって支配している。これに対するゲリラによる革命の炎は島のあちこちで燃え、世界から隔絶された混沌とした状態が長く続いているという。プレイヤーとなるのは、軍を抜け島から脱出することを願うヤーラ人のダニー・ロハス。しかしそのもくろみは外れ、カスティロ政権より追われる立場となる。逃亡の末に流れ着いたサントアリオ島でゲリラ組織「リベルタード」に助けを求めた結果、なし崩し的にゲリラ活動に参加することとなってしまう。
この主人公のダニーは今回かなりしっかりとしたキャラクターが設定されている。ゲームのムービーシーンでは序盤からダニーの活躍をフォーカスしていて、セリフも多く、前作の名もなき主人公を脇役のキャラクターが立てる方向性からは一転していることがわかった。前作の演出もゲーム的で嫌いではないが、主人公を強くフィーチャーした演出は映画的で実にドラマチックだ。またその脇を固めるキャラクター達もかなり個性的に描かれていて、中盤以降の彼らの活躍も実に楽しみなものとなった。
また「ファークライ」といえば、強烈な存在感を放つボスキャラクターにも注目が集まる。今回の敵となるカスティロは独裁者であり、ガンの特効薬となる植物を栽培していて、それをもとに強力な権力を手にしている。ゲームのメインビジュアルやディザー映像ではその息子ディエゴの存在も強調され、2人の関係が物語でどう描かれるのかも気になるところだ。
操作感覚などは従来の「ファークライ」シリーズを踏襲していて、触っていればすぐに感覚は身に付き、初めてでも多少のFPSの心得があれば進められるだろう。このあたりはシリーズを長く培ってきたゲームデザインにおける安定感を感じられる。オープンワールドとなったヤーラの島国は、その多くが文明より隔絶されていて、広大な熱帯のジャングルが広がっている。島の要所にはカスティロ軍の検問所や要塞が設置されていて、これらを制圧することでゲリラの拠点として使えるようになる仕組みだ。その移動手段として、車以外に、馬や戦車などに乗ることができたのも面白いところだった。
手持ちの物資を武装へと変換し、世に混乱をもたらす「リゾルバー」となれ
世界から隔絶されたこの島にある物資は乏しく、強力な軍隊に対抗するためには、限りある物資を活用したクラフト要素が重要となっている。プレイヤーは手持ちのものを活用して混乱をもたらす「リゾルバー」として、武器や装備品を作業台で自ら作り出していくというゲームシステムが備えられている。キャラクターの身体能力の成長ではなく、装備の充実による強化に重きを置いた仕様だ。
メインウエポンとなる銃器には「弾薬」や「マズル」などいくつかのソケットがあり、そこに対してパーツをクラフトし、改造を施して自らの戦闘スタイルを構築していくのだ。通常の銃器とは別に、「リゾルバー武器」というガラクタを寄せ集めた武器がその象徴であり、このハンズオンでは火炎放射器やネイル銃、大型のボウガン、大口径のリボルバーなどを試すことができた。リゾルバー武器は強力ながらクセが強く、使いどころを選ぶような手触りとなるようだ。
そしてもうひとつ、リゾルバーの装備としてインパクトがあったのが「スプレーモ」である。これはダニーが背負っているバックパックのような装備で、強力な効果をもたらす固有アビリティが使えるというもの。最初に入手できるスプレーモ「エクステルミナドール」は、背負っている何本もの筒からロックオンした敵に着弾するロケット弾を撃ち出すというとんでもない装備で、最初に使った演出を見たときは思わず「何これ!」と笑ってしまうほどのインパクトがあった。中盤のエル・エステへ行ってからのプレイでは、ECMを装備したスプレーモを背負っていて、こちらも戦況やプレイスタイルなどで装備を変えて進めていくスタイルとなるだろう。なおスプレーモのアビリティは、敵を倒すと溜まっていくパワーがフルになったときに使えるようになっている。
「ファークライ」シリーズは、ユニークなパートナーの存在がゲームの売りの一つになっていて、本作にももちろん登場している。本作で「アミーゴ」と呼ばれる相棒は動物であり、最初に仲間となるのが革ジャンを着たワニの「グアポ」というのも衝撃的だ。グアポはワニらしい攻撃力と耐久力を持ち、移動もことのほか素早いが、体が大きいため銃で集中攻撃されると弱いようだ。アミーゴは他にも、ドッグウォーカーを付けた愛らしい小型犬「チョリソー」や、気性の荒いニワトリ「チチャロン」といった動物たちがこのハンズオンのプレイ範囲では登場し、それぞれのスキルを持ってサポートをしてくれる。ミッションによって仲間のキャラクターが登場することもあるが、常に連れ添ってくれるアミーゴは、本編では心強い存在となるだろう。
豊富な装備とその改造によって戦況やプレイスタイルに合った戦闘が可能に
今回のハンズオンで印象深かったのは、やはりリゾルバーとしての主人公の活躍だろう。武器のカスタマイズは弾丸の種類にまで及び、改造の仕方により対象の敵への効果や使いどころなども変わるといった具合だ。本作で索敵をすると敵の兵種と弱点がわかるようになっていて、それにより装備を変えて挑むことが攻略の基本となるだろう。また装備によって見た目が大きく変わることに伴っているのか、エル・エステに移動してから拠点に入ると視点が客観視点になり、自分の姿が見えるようになるのも「ファークライ」シリーズとしては斬新であった。
舞台が南米という設定もあってか、カーラジオなどから聞こえる楽曲はラテン系でノリがよく、敵軍との戦闘時にその手のボーカル入り楽曲が流れる演出にはちょっと笑ってしまった。登場キャラクターに陽気な人物が多いのも、今回の世界観にマッチしている。その一方で、独裁者によって支配されたこの舞台で描かれるメインのストーリーは相変わらずハードで、カスティロ父子がリベルタードに対し一体どんな策を策を講じてくるのか、そしてリベルタードがどうやって対抗するのかのドラマも見どころとなるはずだ。なおハンズオンではまだ対応していなかったが、製品版は日本語吹き替えにも対応するそうだ。
オープンワールドならではの探索や臨機応変なミッション遂行など、シリーズ恒例の楽しさももちろん健在で、3時間のハンズオンでは最初に訪れるサントアリオ島さえ半分も巡ることができなかった。製品版で改めてこの場所を訪れ、リゾルバーとして活躍することを楽しみにしておきたい。
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