【特別企画】

「FFCC リマスター」の4人マルチプレイを体験! MMORPGのような雰囲気すら感じる、独特の面白さ

合体魔法の”空気の読み合い”。ガッツリ遊べる無料体験版もあるぞ!

8月27日 発売予定

価格:
【PS4/Nintendo Switch版】
4,800円(税別)
【Android/iOS版】
2,820円(税込)

 8月27日に発売のアクションRPG「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター」(以下、「FFCC リマスター」)。本作は2003年に発売となったニンテンドー ゲームキューブ版のリマスター作品で、新たな形で生まれ変わった「FFCC」は、プレイステーション 4、Nintendo switch、スマートフォン(iOS/Android)という4つのハードで遊べる、異例の展開となる。

 「FFCC」は発売当時、GC本体に専用ケーブルを用いてゲームボーイアドバンスを繋ぐことで、最大で4人までマルチプレイで遊ぶことが出来たアクションRPGだ。プレーヤーはクリスタル・キャラバンの一員となり、世界を覆う瘴気から村を守るために、世界各地にある「ミルラの雫」を集めることになる。

 キャラバンはミルラの雫を貯める器である「クリスタルケージ」を常に携えていなければならない。ケージには瘴気からプレーヤーを守る役目があり、ダンジョン内ではケージの結界の中だけ瘴気の影響を受けないという、特有のシステムがある。なので、プレーヤーの1人は常にケージの運搬役になり、他のプレーヤーは全員ケージの結界の範囲内で戦ったりしなければならない。(運搬役も、ケージを地面に置けば戦闘に参加できる)。

 こういった「FFCC」は独特の世界観やプレイ感にハマった根強いファンが多く、長らく移植が待たれている作品のひとつだった。

 そして「FFCC リマスター」で驚かされるのは、PS4、Switch、スマホのセーブデータ移行に対応していることと、ハードの垣根を超えたオンラインプレイが可能であること、そして無料体験版というにはあまりに豪華すぎる「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター Lite」(以下、「FFCC リマスターLite」)の存在だ。(※スマホ版は最初からプレイは無料で、製品版相当のものを遊びたい場合、ゲーム内課金で一括アンロックするような形となる。)

 つまり「本当はPS4版がほしいけれど友達はSwitchで買うっていうから友達にあわせよう……」なんていう悩みもない。そして友達に本作の楽しさを知ってもらいたい時は、スッと「FFCC リマスターLite」のダウンロードURLを差し出すか、スマホ版のリンク先を教えてあげるだけで良い。

 今回は「FFCC リマスター」に生まれ変わってある意味一番進化したとも言えるマルチプレイを重点的にプレイしてきたので、その模様をお届けしよう。なお、本記事の画面写真は、注意書きがあるもの以外はPS4版のものを使用している。

【『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』ファイナルトレーラー】

マルチの温度感から”MMORPGっぽさ”をヒシヒシと感じる

 ゲームを始めると、まずはプレーヤーの代わりとなる主人公キャラクターを作成。

 オールマイティな“クラヴァット”、小柄ながら物理攻撃に長けた“リルティ”、魔法が得意な“ユーク”、スピード重視な“セルキー”の4種族がおり、一長一短はあるがどれを選んだからと言ってそこまで有利不利はない上に、キャラクターは合計8体まで作成可能なので、まずは好きな見た目とかで決めていい。

各種族とも、一番右側が本作で追加された新容姿。その中でもユークの男性は……ア、アミダテリオン!?(※「FFCCクリスタルベアラー」に登場したユーク族) もちろんアミダテリオンではないが、スクエニの担当氏曰く「意識はしている」とのことだ

 筆者はオリジナル版の「FFCC」もプレイしていたが、特にシリーズ作品の中の「FFCCクリスタルベアラー」のクァイスが好きなこともあり、今回はセルキー族の男性で「クァイス」という名前のキャラクターを作成。

親の職業は、商人か鍛冶屋だと村にお店を開いてもらえる利点はあるものの、そこまでこだわる必要もあまりない

 他の3人もそれぞれキャラクターを作成し(一応今回は、種族が被らないようにだけ注意した)、簡単にチュートリアルをこなす。

チュートリアルでは「FFCC」の世界観や基本的な操作の説明などを教えてもらえる
こちらはバトル。ひろった魔石はダンジョンから出ると消滅するため、毎回新たにひろい直す必要がある

 筆者も15年近くぶりのプレイとあって大分操作を忘れているため、チュートリアルでしっかりと操作を確認し、いざ一番最初に突入するダンジョン”リバーベル街道”に、4人で突入した。

メインテーマ「カゼノネ」を歌うYaeさんによるナレーションが心地良い。ナレーションは、すべて新録!

 今回は4人でのプレイのため、誰かひとりが必ず”クリスタルケージ”を持つ役割を担わなくてはならない。クリスタルケージは「瘴気を寄せ付けない」という役割があり、クリスタルケージの近くならばプレーヤーがダメージを受けずに行動できる。一方で、範囲外に出ると徐々にスリップダメージを受けてしまうので、注意が必要だ。

ケージ役のプレーヤーは誰でも良いが、ダンジョンは途中で道分かれしている箇所も多いので、既にクリアしたダンジョンで道に自信があるプレーヤーならばその人がクリスタルケージを持って道案内役を兼ねるのもいいだろう

 ……とは言っても、オリジナル版の時はマルチの場合4人で顔を合わせてのプレイだったので、誰が初めてここに訪れるのか、どういう目的で訪れたのかもはっきりしており、慣れた人がいればその人がケージを持つ、ということですんなりと決まっていたのだが、今回は遠く離れた――場合によっては顔も知らない相手とプレイをするため、互いがどんな状況かもわからないまま、なんとなく場に流れる「誰が持つ?」という、空気感。

 この「誰か察してくれ」という雰囲気が、妙にMMORPG(MORPG)らしさを感じる。一応定型文チャットはあるものの、「初めてなので、まったくわかりません」とも言えなければ、「周回なのでボスまでダッシュで」と伝えることも出来ない。

 なので、開始してすぐに直面するのは「一緒になった相手がどういう状態かを読む」ところから始まる。

定型文チャットの一部。だが、筆者も序盤のうちは、定型文チャットがあることにすら気づいていなかった

 この日、筆者たちは一応全員同じ室内ではプレイしていたのだが、ソーシャルディスタンスを保つため、席は離れ目。よって基本的には全員無言で画面に向かい合うプレイで、まさに”野良”と呼ぶにふさわしい状態だったのだが、だからこそ全員自由気ままに動く。筆者や他の参加者の一部も定型文の存在すら知らないので無言でうろうろしているうちに、1名がおもむろにケージを持った。

 「わーい」と子供のようにはしゃいで、全員がその後に続く。しかし、30秒と経たないうちに、「あれ? 私どこ????」と言いながらクリスタルケージの範囲から出て勝手にスリップダメージでHPを減らすプレーヤーも出現すれば(主に筆者)、敵を見つけたらクリスタルケージの範囲も構わずに敵に突っ込むバーサーカーのようなプレーヤーも出現する。(主に筆者)。

完全にケージの範囲外なのに、自分の居場所がわからずうろうろする筆者の図

 ひとりはそんなバーサーカーな筆者を介護するかのように、ひたすらケアルを打ち続けるだけのヒーラーと化す。内心「いやぁ、ごめんごめん」とは思っているのだが、なにせ定型文の存在を知らないので、無言。

 ……何故だろう。やはり「もう熟練の域に達し、開始とラストの挨拶しかしないMMORPG」を彷彿させる(実際は定型文を知らない、ただの初心者なのだが)。

 高難易度ダンジョンも3つ体験させてもらったのだが、高難易度になるとより一層「ヒーラーになる誰か」が重要だ。

 「FFCC」の場合、装備品で魔法を最初から使えるようにすることもできるのだが、基本的にはダンジョンで敵を倒した時に敵が落とす、魔法の力が込められた”魔石”を装備することで魔法が使えるようになる。

魔法の使用回数は無制限。MPなどもないので、魔石さえセットすれば、いくらでも連発できる

 魔法が得意なユークなら発動までの詠唱時間が早く、逆に魔法が苦手なリルティは発動までに時間がかかる。なので、基本的には魔法が得意な種族がいるならば、その種族に魔石を取らせたほうがいい。

ひとりで2個以上同じ魔法の魔石を持っていても仕方がないので、不要な魔石を地面に置くことで、他のプレーヤーに受け渡すことができる

 となると必然的にユークがいればユークがヒーラーの役割を担いそうだが、ユークは魔法攻撃も強力なため、ヒーラーにしておくにはもったいない、という考え方も出来る。だが、それらも全部「空気を読む」だけでの意思疎通だ。

 ユークを使っている人が全員ヒーラー志望なわけではない。「私は高火力魔法アタッカーになりたいんだ!」というプレーヤーもいる。よって誰がどういう思考なのか、その上で誰がどういう役割を担っていくのかを考えなければならない。そう、全部、空気感で。

高難易度ダンジョンで「アイスゴーレム」と戦った際、筆者はひたすらケアルを撃つヒーラーになっていたのだが、これでも回復が間に合わず、実際には2名のヒーラー体制で他の2人の戦いを支援していた。なお、高難易度に挑むには原作の終盤ダンジョンも苦にしない程度の強さは必要になるため、今回の高難易度ダンジョンは特別に用意してもらった装備データで戦っている

 ……この、空気感、本当にすごくイイ!

 2人体制でもなかなか回復が追い付かない場面もあったが、それでも若干余裕があるときはもちろん攻撃魔法を打つことも忘れない。

 なお、この時は魔石を拾わずとも最初から魔法が使えるリングを全員が装備していたので、全員がケアルを打てる状態ではあったが、実際にはこのリングは貴重品なのでそう簡単に手に入るものではない。

 よって、「そもそもヒーラーをやるつもりがないのであれば、ダンジョンでドロップしたケアルの魔石を拾わない」というのも重要だ。ダンジョンではどの敵がどの魔石を落とすかは決まっているので、必然的にどの魔石がいくつドロップするのかも決まっていることになる。数限りある魔石を、ヒーラーをやるつもりがないプレーヤーが拾ってしまっては、勝つものも勝てなくなる。この、全員が全員の役割を考えながら進んでいく点も、MMORPGっぽさを感じる。

 だが、MMORPGと大きく違うのは「全員が同じ画面を共有している」点だろう。

 「FFCC」で中心となるのは自分自身(プレーヤー)ではなく、ケージだ。なので、必然とケージを運ぶ人を中心に陣が展開されるような形になる。筆者がひとりで暴走したりもしていたが、それでも結局はうろうろしているうちにケージの元に戻る。(あるいは、死ぬ)そして敵を迎え討つべく、陣を形成する。

 ひとつの画面を全員で共有することが、より一層共闘感を高め、遠く離れたどこかの誰かとプレイをしていても「今、ひとつの目標に向かって、自分たちは一緒に頑張っている」という感覚を持たせてくれるのだ。

マルチの醍醐味は、合体魔法!

 「FFCC」の最大の特徴は、マジックパイルと呼ばれる合体魔法。「ファイア」と「ファイア」を重ねることで「ファイラ」や「ファイガ」に、そこに更にもうひとりが「ファイア」を重ねることで「ファイガ+1」というより強力なファイガになったりするというものだ。

オリジナル版とは発動のシステムが少し変わっており、ブリザドとブリザドのターゲットリングを重ねて一人が〇ボタンから指を離すと、もう片方の画面には左のような円グラフ的なものが表示される。3時あたりのゾーンでストップすればブリザラに、6時あたりのゾーンでストップすればブリザガが発動するようになっている。オリジナル版のように同時打ちではブリザラにならないので、注意が必要だ

 つまり、ターゲットリングを重ねてからは「どうする? どうする?」という、お互いの空気の読み合いが始まる。しかし「FFCC」はアクションゲームのため、そんなにのんびりしていると敵からの攻撃を食らってしまう。この空気の読み合いが、とにかく最高に楽しい。失敗しても楽しい。うまく狙った通りに発動すれば、もっと楽しい。

 なお、このマジックパイルについては、動画のほうがわかりやすいと思うため、ぜひプレイ動画を見てほしい(ホーリラ+1を出すまでに何回も失敗しているが、それも含めてぜひ成功までの道のりを見てほしい)。

【「ホーリラ+1」練習動画 ー GAME Watch】

 今回のプレイ範囲では出会えなかったものの、亡霊系モンスターを実体化させるには、ホーリー系の魔法がほぼ必須となる。ホーリーは魔石単体では発動できず、必ずマジックパイルで2人以上の魔法を合体させて発動させるため、発動条件は覚えておきたい(ソロプレイの場合でもきちんとホーリーが発動可能なシステムはあるので、そこは安心してほしい)。

 ちなみに実体化させずに倒すことも可能だそうだが、実体化させない場合は5倍くらいの削り量が必要になるとのことなので、やはり素直にマジックパイルでホーリーを出せるように修得しておくのが得策だろう。

「マジックパイルをねらおう!」という文章に対して「ブリザドするよ」と返しておけば、全員に「ブリザドでの合体を狙うんだな」ということが伝わる。もしもブリザドの魔石を持っていなければ「魔石ありません」の定型文をうつことで、余っている人が分けてくれることもある
水棲の魔物にはサンダーが有効……なことが多い「FF」シリーズだが、このカニにはサンダーが効かない。その割にダンジョン内でサンダーの魔石が多くドロップするのは罠だろう。前もって「ブリザドでマジックパイルするよ」と打ち合わせておけば安心だ

 また、もうひとつの注意点は、「FFCC」では「ラ」系魔法は範囲が狭い割に威力が高く、「ガ」系魔法は画面のほぼ全体に有効なのに対し威力は「ラ」系に少し劣るという特徴。なので、必ずしも「ブリザガ」や「ファイガ」などの「ガ」系魔法をうてばいいわけではないというところには注意してほしい。

 ちなみに筆者はセルキーを使用していたので、どちらかというと必殺技の発動速度が速い種族なのだが、マジックパイルが楽しすぎて、終始、魔法のターゲットリングを出しては「誰か重ねて、誰か重ねて」とわくわくしながら遊んでいた。

 だが、もちろんそれを待っているうちに敵からストップなどを食らい、魔法の発動を阻止されてしまうこともしばしば。それすら含めて、合体魔法が楽しすぎる点を強調したい。

マルチプレイへの配慮が素晴らしい!

 マルチプレイがめちゃくちゃ面白かったということもあり、ここで改めて本作のマルチプレイにおける様々な配慮をいくつか挙げておきたい。

改めて言うけれど、クロスプレイが可能。
→とにかく「FFCC リマスター」を遊んでいる人がいるなら「どの機種で遊んでいるの?」なんて聞く必要もなく遊べる!

改めて言うけれど、セーブデータの移行が可能。
→スマホでもオンラインプレイできるから、自宅ではPS4で遊んで、電車の中ではスマホで続きを遊ぶこともできる。しかもスマホだと、なんとオンラインプレイ料金(PS4の場合、Playstation Plus、Switchの場合Nintendo Switch Online)がかからない。

フレンドなどの機能は「FFCC リマスター」側でデータを持つので、機種依存はなし!
→地味なようで重要なポイント。自分はPS4で遊んでいるけれどスマホでのプレイの人とフレンドになりたい、という時でも安心。

万が一プレイ途中で回線落ちしても、他のメンバーがボス部屋に突入する前までならば同じパーティに復帰可能。
→つまり、回線落ちした人を少しだけ待ってあげる優しさとかもあると嬉しい。もちろん、回線落ちした人も復帰を試みよう。

マルチプレイの途中にメニューを開いても、みんなに着いていくだけならばオートで動いてくれる。
→魔石を拾ってつけかえたりするのに、いちいちみんなを待たせることがないので、とても便利! ただし攻撃はしてくれない。オートになるのは、あくまで着いていくだけ。

誰がどのハードで入ってきているかが、一目でわかる。
→例えば、スマホプレイの人が回線落ちした場合、「電波状況の悪いところに入ったのかな? 少し復帰を待ってみようか」といった、遊んでいる人の境遇を考えられる。

マルチプレイで一番ボーナス目標を達成した人から順番にご褒美がもらえる。
→これはオリジナル版にもあった要素。頑張ったらその分、いいアイテムがドロップした時にゲットできる確率が高くなる!

終了時に、ダンジョンでドロップしたアイテム(アーティファクト)の中から好きなものをひとつ選べる。1位のプレーヤーから順番に選んでいくため、あえて募集人数をひとりにして2名だけで出陣し、争奪戦枠を絞るという手段もある。ホストは自分の目的と戦力を考えて部屋を建てよう

 ゲームの本来の目的となる”ミルラの雫”だけはホストしか入手出来ないが、マルチプレイをできるだけみんなで楽しく遊べるように、様々な配慮がされている。無料体験版でも序盤の3ダンジョンまでならホストになることが可能だ。

”コントローラー派”から見てもスマホ版の操作が快適すぎる!

 正直に言おう。筆者はこの手のアクションゲームで、スマホ版の操作が良いと感じたことはあまりない。画面スワイプでの移動に違和感があったり、アクション動作のいちいちに違和感があったりとするのだが、「FFCC リマスター」については驚くくらいにスマホ版の操作が快適だった。

 筆者は今回ずっとPS4版でプレイし、最後に1つのダンジョンだけスマホ版でプレイさせてもらったのだが、大げさではなくスマホ版の操作が1番良いのでは、とすら感じた。

スマホ版の画面。画面左側をスワイプで移動、画面右側をトン、トンとタップすれば攻撃

 強いて言うならば画面の大きさ的にどうしてもメニューだけは文字が小さめになり見にくかったり、タップしにくかったりという部分はあるのだが、言うならばそれくらいしか欠点がない。

魔法の発動も、コントローラよりもやりやすいレベルだった

 しかもメニュー画面もスマホ版のみスワイプでアイテムの配置ができるようになっていたりするという、細やかな配慮。実に有り難い。

メニュー画面は、コンシューマ機とまったくUIが異なっている。さっさっと簡単操作でアイテムの入れ替えができるので、本当にコントローラより楽
ケージなどを持ちあげたいときは、近づくと「持つ」アイコンが表示されるので、それをタップするだけだ

そうだ、無料体験版「FFCC リマスターLite」やろう

 とはいっても、操作感は個人の好みもあるだろう。そこで改めて推すのが、「FFCC リマスターLite」の存在だ。

 そう、このゲームは「全機種とりあえず無料で遊んでみることができる」のだ。なので、どの機種でやるか迷ったら、素直に全部の無料体験版を触ってみるのが良いだろう。触る前からハードを決め打ちしてしまう必要はない。「FFCC リマスターLite」でどの機種が自分に合うかを見定めてから、改めて購入を考えても充分だ。

 「でも体験版って、どうせ序盤のちょびっとしか遊べないんでしょ?」そんな常識すら覆す、「FFCC リマスターLite」は、なんと、ラストダンジョン及び高難易度ダンジョン以外の全てのダンジョンについていくことが可能!(ただし、序盤3ダンジョン移行でホストになれるのは製品版を購入したユーザーのみ。無料体験版は、ストーリーの進行などはできない)。

 なので、まずは無料体験版で遊んでみて、ストーリーを進めてみたくなったり、高難易度ダンジョンに挑んでみたくなったら、製品版を購入すれば良い。これは開発チームの「遊んでもらえれば面白さが伝わる」という、本作への自信の表れではないだろうか。繰り返しになるが、スマホ版の操作性は実に素晴らしい。アクションでここまでスムーズな操作が出来るゲームを、筆者は他に知らない。

 しかもこの手のアクションゲームで気になる遅延も、ほぼないに等しい(もちろん回線環境にもよるので、同条件で比較した場合に限る)。「ゲームはやっぱり据え置き機に限るよね~」派の筆者が言うのだから、ここは騙されたと思ってスマホ版に触れてみてほしい。なんなら、据え置き機とスマホ版のどちらも買ってほしい。だってセーブデータの移行もできるもの。

 しかも無料体験版で進めたデータは製品版に引き継げるから、無駄になるものはない。

 文字チャットがないと不便そうなゲームデザインではあるが、実際のところ仲の良い友人と遊ぶのならば、外部SNSツールなどを使用して連絡を取り合うこともできるだろう。そして知らない人と遊ぶには、むしろこれくらいの温度感のマルチプレイのほうが良いとも言える。もちろん”空気を読む”ことを強調しているけれど、自分が必ずしも空気読まないといけないわけでもない。

 初心者は、空気なんて読めない。(実際筆者も読めていないし、定型文の存在すら気づいていなかった)。でも、慣れてきたら自分が空気読む側に回れることもある。そういうお互いの読み合い、或いは気遣いが、マルチプレイの醍醐味だ。 相手の状況を察してプレイを合わせる楽しさは、チャットがあろうとなかろうと、関係ない。

 とはいえど、早速待ちきれないファン有志による外部SNSでのコミュニティなども設立されているので、どうしてもボイスチャットでやりたい人はもちろんのこと、文字チャットだけでも使いたいプレーヤーや、マルチの相手を見つけたい人などは、そういった外部コミュニティも活用するといいだろう(ただし、外部コミュニティの利用は、くれぐれも自己責任で!)。

 まだまだ紹介しきれないほどの魅力あふれる、「FFCC リマスター」。谷岡久美氏による民族楽器をふんだんに取り入れた楽曲たちも、世界観にマッチ。ちなみにこのゲームは、アートを担当する板鼻利幸氏のタッチともあわさり、非常にほのぼのしたムードが漂っているが、実はそれなりにダークサイド的な部分がある内容なので、そちらはぜひ実際に遊んで感じてほしい。

 このほんのり暗い部分が楽曲の持つ優しい雰囲気とあわさって、より一層本作の魅力を高めていると言っても過言ではない。紹介しきれない魅力の数々は、無料体験版、プレイしてください!

ミルラの雫を持ち帰れないと瘴気でみんな倒れてしまうが、ミルラの雫を持ってかえってこれなくても生きて帰ってこいと言われる。深く考えると、非常に重い
クリスタルにミルラの雫を捧げたら、何事もなかったかのように始まる2年目の旅。だが一度ミルラの雫を取った木はしばらく経たないとまた雫を採取できないため、必然的にキャラバンは一年目よりも行動範囲を広げていかなければならない
キャラクターにはボイスが新たにつけられた。スティルツキン(序盤にチュートリアルをしてくれたモーグリ)が子安武人さんなのは比較的語られている話なのだが、個人的にはキャラバンが行く先々で何度も会うことになるソール=ラクトの声が関智一さんなのだと誇らしげに語ったスクエニ担当氏の顔が忘れられない