【特別企画】
生き残るか全滅させるか。1人vs4人の非対称対戦「バイオハザード レジスタンス」試遊レポート
2020年2月26日 01:00
- 4月3日 発売
- 【PS4パッケージ版】
- 価格:7,800円(税別)
- 【COLLECTOR'S EDITION】
- 価格:24,800円(税別、PS4のみ)
- 【DL版】
- 7,091円(税別、PS4/Xbox One/PC)
カプコンより4月3日に発売予定の「バイオハザード RE:3(以下、バイオRE:3)」。同作には非対称型対戦ゲーム「バイオハザード レジスタンス」が同時収録される。
本作は2019年の東京ゲームショウで「PROJECT RESISTANCE」としてブースが出され、10月にはCBTが行なわれるなどプレーヤーの期待も高かった作品だ。名前を「バイオハザード レジスタンス」に変え、「バイオ RE:3」と同時収録となることになったがその作品としての完成度は高く、1本の作品としても十分に楽しめるものになっている。
今回は「バイオ RE:3」のメディアツアーにて、本作をプレイすることができた。体験できたのはほぼ製品版に近い段階のものということで、本作に登場するマスターマインド4名とサバイバー6名、すべてのキャラクターが解放されていた。今回体験したことと、新しく追加された2人の「マスターマインド」と「サバイバー」について早速紹介していきたい。
メディアツアー記事一覧
・ 「バイオハザード RE:3」試遊レポート
https://game.watch.impress.co.jp/docs/kikaku/1236551.html
・「バイオハザード レジスタンス」試遊レポート (本稿)
https://game.watch.impress.co.jp/docs/kikaku/1236571.html
・「バイオ RE:3」&「レジスタンス」開発陣インタビュー
https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1236590.html
明るくごっちゃりした「カジノ」と不自然に楽しそうな「廃棄遊園地」
本作は「バイオハザード」の世界をベースに作られており、人気がなくなった密室の建物が舞台として選ばれている。煩雑にものが散らばっていて、パニックであっという間に人がいなくなったようなフィールドを見ていると、どこからゾンビが襲ってきてもおかしくないと思えてしまう。
世界観は正式な「バイオハザード」ヒストリーに繋がるものではないものの、「バイオ RE:3」より少し前の時間軸であり、まだたくさんの人がラクーンシティの中にいる世界。非人道的な実験のために攫われてきた普通の若者と、それを監視するマスターマインドとの熾烈な脱出攻防戦が描かれている。
本作はマスターマインド側1名、サバイバー側4名で対戦することとなる。1つのステージは3つのフロアで構成されており、脱出までの制限時間が設けられている。サバイバー側は制限時間内に3つのフロアをクリアして脱出しなくてはならない。ただし、ゾンビなどを倒したり、フロアをクリアするごとにボーナスとして残り時間が少し増えるようになっている。マスターマインド側は制限時間までサバイバーの脱出を防ぐことが目的となるが、サバイバーへの攻撃や戦闘不能にする事で残り時間を減らすこともできる。
今回体験できた新ステージは「カジノ」と「廃棄遊園地」の2つ。ほかにも、もう1マップ「ラボラトリー」というステージが存在するようで、東京ゲームショウで体験できた「ダウンタウン」を含め4つのステージが製品版ではプレイできることになる。
「カジノ」は全体的に明るく、そしてギャンブルの筐体が多いため全体的にごちゃごちゃした印象のステージ。フロアによって少しずつテイストの違うカジノになっている。
「廃棄遊園地」はスタートがバックヤードのようなところから始まるので、⼀瞬どこだろうと思ってしまうが、進んでいけばしっかり遊園地の中だ。フロアごとにギミックが凝っていて遊園地らしいとても楽しいステージとなっている
サバイバーの思考を先読みして、待ち構えるマスターマインド
本作においてマスターマインドはいわば"狩る側"。他のゲームで言う"殺人鬼側"といった立ち位置で、制限時間までサバイバーの脱出を防ぐのがゲームの目的となる。しかし、実は直接手を下す事はほとんどなく、サバイバーへの攻撃はフロア上にゾンビやゾンビ犬などのクリーチャー、トラバサミなどのトラップや、監視カメラに直接マシンガンを取り付けるなどの設置が基本となる。マスターマインドは基本的に監視カメラ越しにフロア上のサバイバーを見ることしかできないのだ。時にはスレイブ化というゾンビを直接操作するモードを使うこともできるが、クリーチャーによってできる攻撃が限られているので、状況を見てうまく使うことが重要となる印象を受けた。
また、マスターマインドは無限にクリーチャーや罠を仕掛けられるわけではない。本作のマスターマインドの行動はリアルタイムのカードゲームライクなシステムが採用されており、カードごとにコストが設定されている。そしてカード化されたクリーチャーや罠は、設置するために⼀定のコストを消費する。強力なクリーチャーや罠になるほど消費するコストが高くなるため、うまくコストを管理しながら設置していくことが重要となる。また、マスターマインドの各キャラクターには特殊なカードが用意されている。ダニエル・ファブロンにはタイラント、アネット・バーキンにはG-バーキンという、それぞれの特色に合わせたカードとなっている。
体験して気が付いたのは、フロア全体を見まわし、サバイバーの行動の先を読んで、クリーチャーや罠を設置していくという意味でも、フロア上のすべてを支配しているまさに「マスターマインド(支配者)」だということだ。
そんな「マスターマインド」たちは、歴代のバイオハザードシリーズで黒幕やマッドサイエンティストと呼ばれていたキャラクター達である。特に今回追加されたアレックス・ウェスカーとオズウェル・E・スペンサーはその最たる2人だ。
アレックスは「バイオハザード リベレーションズ2」で被験者を窮地に追い詰めて観察していたマッドサイエンティストの権化のような存在。本作ではこの実験の責任者もしている。特殊カードは自身が独自に開発した植物型のB.O.W.「ヤテベオ」となっている。
スペンサーはこの「バイオハザード」シリーズの諸悪の根源といえるアンブレラ社の総帥。退屈しのぎに実験に参加し、その老獪さでサバイバーを追い詰める。特殊カードは通過するものに大ダメージを与える分解フィールドとなっている。
マスターマインド側は選べるキャラクターは少ないものの、「バイオハザード」シリーズに出ていた重要なキャラクターが多い。そのためキャラクターの個性を反映したカードがあるなど、「バイオハザード」シリーズをプレイした人が楽しめる要素もあるのが嬉しいところだ。
協力は不可欠。サバイバーはいかにうまく連携するかが勝負のカギ
⼀方サバイバー側はキャラクターごとに特性が分かれており、「タンク」、「アタッカー」、「ハッカー」、「サポーター」などがある。特性ごとに得意分野があり、その得意分野を駆使してマスターマインド側が仕掛けた罠を潜り抜けて脱出することになる。また、1つの対戦で同じキャラクターを選ぶことはできないため、キャラクター選択の段階でパーティーにどのような役割が足りていないのか、プレーヤーが役割を判断しながら選ぶ必要がある。
サバイバー側はマスターマインドがフロアにどんな仕掛けをしているのか、罠を仕掛けているのか細心の注意を払いながらプレイしていくことになる。ちなみに筆者は自分がマスターマインドならこう妨害するなとか、ここにクリーチャーを配置するな、など考えながらプレイしていた。マスターマインドの心理を考えて行動すると新しい攻防戦ができて非常に楽しかった。
今回サバイバー側にも2人のキャラクターが追加された。射撃が得意な「ベッカ」とトラップが得意な「マーティン」だ。
ベッカは射撃技術に優れている典型的な中距離型アタッカー。ガンナーというポジションは彼女が初めてのキャラクターだ。安定した銃撃で女性キャラクターの中では攻撃的なポジションとなる。その可憐な容姿からメディアツアーで取り合いになるほどの人気だった。
マーティンは、ほかの男性キャラクターに⽐べて非力なタイプではある。しかし即席の地雷を作ったり、強いフラッシュを焚いてクリーチャーを⼀時的に行動不能にさせるなどのスキルを持つかなり積極的なサポータータイプといえる。
本作を体験していて1番驚いたのは、どの非対称対戦ゲームよりも仲間との連携が必要な作品ということだ。他の非対称対戦ゲームは個人プレイと協力プレイがそれぞれ半分くらいという感じだが、本作に関しては協力プレイ9割という感触を受けた。最終脱出まではとにかく4人のプレーヤーが⼀致団結することが不可欠となる。体験では膝を突き合わせて顔を見ながらのプレイということもあり、それだけでも十分わいわい盛り上がったが、もちろんオンラインで作戦を練りながらプレイするというというのも非常に楽しそうな印象を受けた。
体験終盤にはサバイバー4人揃って脱出することもできたのだが、コミュニケーションと連携がうまく取れるとこんなに気持ちがいいものかと身をもって体感できた。
体験を重ねていくうちに、マスターマインド、サバイバーともにいろいろな戦略が考えられるようになってきた。マスターマインドであればわざと各部屋ロックしていき、各サバイバーを孤⽴させてじわじわと追いつめてもいいし、反対に1つのところに集めて、強力なクリーチャーで一網打尽にするのものいいと感じた。サバイバー側は4人でまとまって行動してもいいし、アタッカーとサポーターのような組み合わせで2人2組、という分隊のようなプレイをしてもいいと思う。
新キャラクターが増えたことで、マスターマインド側もサバイバー側もいろいろなスタイルでプレイできるようになったという印象を強く受けた。特にサバイバー側はキャラクターの特性が増えたことで、組み合わせ次第でいろいろな戦い方が可能になったと感じる。
「バイオハザード レジスタンス」は従来の「バイオハザード」らしさを持ちながらも、全く新しい「バイオハザード」の楽しみ方だと感じた。みんなで楽しく遊ぶことができるタイトルなので、たくさんの人と何度も遊んでみたい作品だ。筆者は⼀足早く戦略を練って発売日当日にはマスターマインドとして他のプレーヤーの皆さんに襲い掛かりたいと思う。
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