「ゴッド・オブ・ウォー」や「GTAV」など400以上のタイトルが遊び放題！「PlayStation Now」を試してみた

　ソニー・インタラクティブエンタテインメント（SIE）は、10月1日より定額制クラウドゲームサービス「PlayStation Now」（以下、PS Now）の価格を改定した。日本国内では10月2日から新価格でのサービス提供が始まっており、新たにCERO Zレーティング (対象年齢18歳以上）のタイトルも遊べるようになっている。

　400を超えるタイトルがPS4やWindows PC上で手軽に遊べる本サービス。今回の価格改定で、1カ月利用権は従来の半額以下の月額1,180円、新たに登場した12カ月利用権に至っては、月額換算で600円を切るという大盤振る舞いだ！これまでも興味はあったものの、何かと理由をつけては体験を先延ばしにしてきた筆者。PS Nowの存在は価格改定前から知っていたが、1カ月で税込2,500円だった価格帯や、ネット環境が整ってないと快適に遊べないのでは？などという思い込みもあり、これまで実際に触ることはなかった。だが、先述の価格改定を受けて重い腰を上げたところ、そのサービスの贅沢感に身も心も奪われ、今までの年月を後悔するレベルで感動してしまった。

　今回のレビューでは初めてPS Nowを体験した衝撃や、その快適さも含め、文字通りゲーム体験が一変するほどのサービスの詳細を、読者の皆様にお届けしたい。

幅広いジャンルのゲームを手頃な価格で遊べる贅沢感！

　PS Nowは、クラウドサーバーに格納されたPS4 、PS3の対象タイトルを、PS4本体やWindows PCからネットワーク経由で遊べるサービス。PS4を所有している方はホーム画面からPS Nowのアイコンを選択、PS4がない方でも「PlayStation Now for PC アプリ」をインストールすれば、Windows PC上で同じタイトルを遊ぶことができる。ストリーミングプレイのセーブデータはクラウド上に保存されるため、例えば自宅ではPS4、外出した際はノートPCで遊ぶ、といったプレイスタイルも可能だ。

　「バイオハザード」などの有名どころから、インディーズゲームに至るまで、そのラインナップは伊達ではなく、多種多様に富んでいる。筆者もプレイ初日は目移りしてしまい、気になったゲームをブックマークしていくだけで軽く1時間は経過！週末の土日は朝から夜までゲームを梯子しまくる有り様だった。PS4の名作だけでなく懐かしのPS3のゲームも遊べて、1カ月で1,000円ちょっとという価格設定は、どう考えても破格だ。今回のレビューに当たっては普段あまりやらない格闘ゲームやスポーツゲームも触ってみたが、慣れないジャンルでも遊んでみようと思えるハードルの低さは、定額サービスならでは、と言えるだろう。

「ジャンル」での検索も可能になっており、ますます便利に！

ストリーミングで遊べるPS3の「パペッティア」。人形劇の世界に入り込んだようなプレイ感覚がたまらない名作で、筆者も当時は随分とハマった

何年か前に購入したLenovoのノートPCでも動作が確認できた。公式の推奨スペックさえ満たせば、ゲーミングPCでなくとも遊べるのは有難い

Wi-Fi接続でも快適にプレイ！

　ストリーミングプレイはネットワーク環境の状態によって快適性が左右されるため、公式でも有線接続が推奨されている。ただ、PS NowはWi-Fi接続にも対応しており、自宅の環境によっては有線接続が難しい場合もあるだろう。そこで今回は両方の接続方式でプレイを試してみたが、有線は言うまでもなく、意外なことにWi-Fi接続でもストレスなく遊ぶことができた。

　参考までに申し添えると、筆者の自宅は4階建てのマンションで、平日の夜21時台にWi-Fi接続したPS4で回線速度を検証したところ、下り速度は6Mbpsと表示された。もちろん、利用権の購入前に試した「接続テスト」はクリアしていたものの、かなり心許ない数値だ。この環境で数日間プレイしてみた結果、ラグが発生しまくる……なんてことは一度もなかった！まさかのストレスフリー！！正直この結果には自分でも驚きを隠せないが、ネットワーク環境はWi-Fiルーターや使用機器の性能、住宅環境にも左右される。PS Nowでマルチプレイをやる場合などは、万全を期して有線接続のほうがよいだろう。今回は、あくまで筆者の自宅では問題が見られなかった、という点は強調しておきたい。

　とはいえ、光回線のモデムからPS4本体まで距離がある場合、正直LANケーブルを繋ぐことに抵抗がある読者も多いのではないだろうか。そう考えれば、Wi-Fi接続でも快適に遊べたという事実は、かなり嬉しい誤算だ。（筆者はそっとLANケーブルを押し入れにしまった。）なお、PS4の対象タイトルの一部はダウンロードプレイにも対応しているため、どうしても回線環境が心配な方はダウンロードできるタイトルで遊ぶのも手だ。

ストリーミングプレイには最低でも下り速度5Mbpsが必要。公式では12Mbps以上の安定した回線環境が推奨されている

画面に「ゲームをダウンロード」と表示されるタイトルは、ダウンロードプレイが可能

PS3のタイトルは、ストリーミングで楽しもう（「アトリエ」シリーズも充実しているぞ！）

期間限定のタイトルを堪能！

　今回の価格改定と同時に、2020年1月1日までの期間限定で「ゴッド・オブ・ウォー」や「inFAMOUS Second Son」などのタイトルもラインナップに追加されている。特に「ゴッド・オブ・ウォー」はシリーズ最新作にして、まだ発売から1年も経っていないため、未プレイの方にはぜひとも遊んでいただきたい。ベスト版でも定価で1,990円（税別）とお手頃だが、PS Nowの1カ月利用権はそれよりさらに安く、他のゲームまで遊べるので、何か裏があるんじゃないかと疑ってしまうほどのサービスっぷりだ。

アクション超大作の「ゴッド・オブ・ウォー」。主人公クレイトスの面構えは、まさにCERO Zに相応しい

本作では、息子のアトレウスも果敢にバトルに参加！なんていい子なんや……

さすがCERO Zだけあって、ボスのトドメ演出もなかなかエグいぜ！

　その他にも、超能力を持った主人公が活躍する「inFAMOUS Second Son」や、トレジャーハンターとなって大冒険を繰り広げる「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」など、SIEの名作が気軽に楽しめる。いずれも期間限定のため、今の内にどんどん遊んでおきたいところだ。

「inFAMOUS Second Son」では、ひょんなことから超能力を得た主人公デルシンを操り、シアトルを舞台に広大なオープンワールドを駆け回る

炎で攻撃したり、煙になって移動できたりと、本物の超能力者になった気分でプレイを楽しめる！ノーマークだったが、今回の体験ですっかりハマってしまった

「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」は、シリーズ4作目にして初のPS4向けタイトル

プロローグの時点で大勢の敵船に追われる主人公ネイト。またまた大冒険の始まりだ！

　CERO Zのタイトルでは、「グランド・セフト・オートV」の存在も忘れてはならない。筆者は今回がシリーズ初プレイとなったが、序盤から銀行強盗になって警官を撃ち殺したり、車を逆走させたりと、まさにやりたい放題。普段はR18の映画など怖くて観られない筆者でも、思わず自分のダークサイドが顔を覗かせるほど刺激に満ちたタイトルなので、これからプレイされる方は要注意だ。

シリーズ最大級のマップを誇る「グランド・セフト・オートV」で、悪の限りを尽くそう！？

現実では絶対にやっちゃいけない銀行強盗も、「GTA」ならできちゃう不思議

尽きることのないゲーム体験をお試しあれ！

　懐かしの名作や大作も面白いが、ずっと遊んでいると箸休めがほしくなるというもの。そんな需要も、PS Nowは完璧に満たしてくれる。ちょっとした隙間の時間に遊べるパズルゲームや、みんなで遊べるスポーツゲームも充実しているので、極端な言い方をすれば「遊べるゲームがない」状態など、あり得ない！定額サービスだからこそ次から次へと気になったゲームを遊ぶことができるので、筆者のように見逃していた「inFAMOUS Second Son」の存在を知ってハマるなど、思わぬ出会いがあったり、好みの幅が広がったりすることもある。そんな一期一会の楽しさ、新しいゲーム体験を、ぜひともPS Nowで体感してほしい。

　なお、現状では遊べるタイトルのメーカーに偏りが見られるなど、気になる点も一部あるものの、今後も毎月、期間限定で人気タイトルが提供される予定だ。価格的には12カ月利用権が一番お得だが、まずは1カ月利用権で様子見でも十分に楽しめるだろう。とはいえ、まだ数日しか遊んでいない筆者も既にPS Nowの沼から抜けられる気がせず、様子見では済まない予感……。読者の皆様もお気をつけて！！

夢遊病の患者をベッドまで誘導するパズルゲーム「Back to Bed」。インディーズゲームにも面白いものがたくさんあるので、いろいろ遊んでみよう

大勢でワイワイ遊べる「みんなのゴルフ」など、定番のスポーツゲームも充実！

島根を舞台にしたミステリーアドベンチャー「ルートレター」。話題を呼んだタイトルもあるあたり、絶妙なラインナップだ

利用権の自動更新は、PS4の「設定」→「アカウント管理」から無効にできる。来月は忙しいから再来月から再開したいなど、ライフスタイルに応じて切り替えるのもありだ