【特別企画】

当たる楽しさ! 東京マルイ「ハイキャパ D.O.R」、「マイクロプロサイト」体験レポート。本格的なエアガンを初めて持つことで得られる様々な感触

4月19日発売

15,800円(税別)

 「本格的なエアガンが欲しい」筆者はずっとそういう想いを抱えていた。しかし結局購入する踏ん切りがつかなかった。しかし「これなら欲しいかも」と強く思わせてくれるきっかけがあった。「東京マルイフェスティバル5」を取材したときに見た、「マイクロプロサイト」だ。ハンドガンに取り付け可能なドットサイトで、これにより銃はより当てやすくなるという。

 「マイクロプロサイト」はレンズに光点を投射することで銃口の向きをわかりやすく提示し、対象を狙いやすくする。小さなそのメカが拳銃に装着されている雰囲気もカッコ良かった。「CoD」シリーズのカスタマイズで、ドットサイトをつけると戦いやすかった、というのも興味を惹かれた理由の1つだ。子供の時に友人のエアガンを借りて撃ったとき、狙ったところにうまく当てられなかった筆者にとって、その装備はとても魅力的に感じた。

 そして今回、この「マイクロプロサイト」を東京マルイの人気シリーズ「ハイキャパ5.1ガバメントモデル」に対応させたハイキャパ D.O.R」のインタビューを行なって、「ぜひ手に持ち、撃ってみたい」と考えた。今回は実際に「ハイキャパ D.O.R」と「マイクロプロサイト」を購入した。初めて本格エアガンを自分のものとして手にし、撃ってみた体験を語っていきたい。

 実際にエアガンを撃ち、的に当てるという体験はとても楽しかった。特に「マイクロプロサイト」は狙いやすさと言うところで、初心者向けであるということを強く実感した。本記事でエアガンに興味を持って貰えれば幸いだ。

ドットサイト「マイクロプロサイト」を搭載したガス・ブローバックガン「ハイキャパ D.O.R」

本格的なエアガンを手に! 重量感とディテール、そして衝撃的なガス・ブローバック

 今回は出来るだけ早く体験するために、発売より少し前に東京マルイからサンプルをお借りし、その後自分が購入した商品も試すというとてもリッチな環境で「ハイキャパ D.O.R」と「マイクロプロサイト」を体験することができた。

 この銃のこだわりや背景などはインタビューで読んでいただきたい。インタビューでも銃は触ったのだが、やはりいざ実物を手に取り、触ると印象が強くなる。特に楽しいのは“重さ”だ、無骨さを感じさせるグリップは、多弾数の「ダブルカラムマガジン」を収納するため大きい。

今回東京マルイからサンプルを借りて機構を試すだけでなく発売前に体験もしたのだが、発売後今後のために実際購入した。パッケージの高級感が楽しい。中には「マイクロプロサイト」用の部品も同梱されており、本商品が「マイクロプロサイト」の搭載を前提にしているのが一目見てわかる

 その重さをより強くさせてくれるのが“金属感”である。「ハイキャパ D.O.R」は、「M1911」の特徴の1つであるグリップセイフティや、ハンマーを“起こした”状態で固定できるサムセーフティ、トリガーガードを含む銃の下部が金属パーツとなっている。このため、グリップを握った部分に金属パーツが当たり、どっしりとした重みにより、金属の塊を手に持っているような気持ちにさせる。銃の上部分を覆うスライドや、スライドを引くと現れるマズル(砲口)などは樹脂製なのだが、質感や塗装で金属かもと思わせる演出も楽しい。

「マイクロプロサイト」を装着していない「ハイキャパ D.O.R」。「M1911」をベースにした東京マルイオリジナルデザインの「ハイキャパ5.1ガバメントモデル」シリーズ最新作だ
「M1911」ならではの形をした銃後部。グリップセイフティ、サムセイフティ、そしてトリガーガード周辺のフレームが金属であり、手に持つと金属の冷たい感触がある
開発者こだわりの丸みを帯びた銃身

 ひとしきり銃の外見や感触を楽しんだ後、銃の射撃システムを試してみた。マガジンを外してからマガジンにガスを注入、再び銃に戻す。スライドを引き、BB弾を入れない“空撃ち”をやってみることにした。スライドを引いたときのガチャリと言うメカが動く感触。ここでマガジンにBB弾が入っているとスライドは戻り、後は引き金を引くことで弾が飛び出るのだが、筆者は弾を入れずにスライドを引いたため、スライドストップが働き、スライドがオープンした形で固定された。

スライドがオープンした形。スライドストップにより固定されている
薬室内をのぞき込むこともできる

 スライドストップを動かすと、ジャコッという音と共にスライドが戻り、フルコック状態のハンマーが現われる。実銃の場合はトリガーを引くとハンマーが元の位置に戻り、薬室内にセットされている薬莢の尻を叩くことで薬莢内の火薬が炸裂し、弾丸が発射される。BB弾がマガジンに入っている場合はこの動作に連動しBB弾がマガジンから発射位置に送り込まれ、ハンマーがダウンするのと連動しガスが噴出されBB弾が勢いよく飛び出るわけだ。

 トリガーを引く。バンという音と共にガスが噴出され、そしてスライドが勢いよく後ろに下がる。初めて撃ったとき、その音とスライドが後退する強い衝撃にちょっとビビってしまった。「ハイキャパ D.O.R」は“ガス・ブローバック”システムを採用している。ガスを噴出させスライドを動かすことで、まるで実弾を撃ったかのような衝撃をユーザーに与えるのである。

 これは、初めてだと結構ビビル。今回はマガジンにBB弾を入れて、外で撃ってみた映像を用意してみた。マイクがかなり大きく風の音を拾ってしまっているため射撃音が小さく聞こえるが、ガスが発射されるバンという音は結構大きいし、手の中で作動するブローバックは、かなり強く、そして楽しい。ちなみにBB弾が入っていない場合は、1発撃つとスライドはオープンした状態で固定されてしまう。ブローバックの感触だけを連続で楽し見たい場合はマガジンに「フォロアストッパー」という部品を取り付けることで、連続してブローバックを楽しめるようになる。室内などBB弾を飛ばしたくない場所でもエアガンのメカニズムを楽しめるのだ。

【東京マルイ、「ハイキャパ D.O.R」を撃ってみる】
マイクがかなり風の音を拾ってしまっているが、結構大きな発射音がする。作動の衝撃も強く、銃を撃っている感触を体験できる
互い違いのダブルカラムにより、30発のBB弾を収納できる
マガジンに「フォロアストッパー」を装着することで弾を込めなくても連続射撃の感触が楽しめる

マイクロプロサイトの搭載を前提とした改修、速射性、安定性を重視したカスタマイズ

 「ガス・ブローバックガンを楽しみたい!」ということで、筆者は今回、「ハイキャパ D.O.R」と「マイクロプロサイト」の他、様々な付属品を買い集めた。BB弾のパック、撃つための的「プロターゲット」、さらに手軽にマガジンに給弾できる「BBローダー」も購入した。数日後メンテナンスのシリコンスプレーや予備のマガジンまで購入してしまった。こういった“道具”を揃えるのも、趣味の楽しさだろう。

 ちなみに「ハイキャパ D.O.R」で使用されているマガジンは弾を押し上げるスライドの溝が下の方は大きくなっているので、「BBローダー」がなくても容易に給弾できる。しかし道具を使うとさらにやりやすく、BB弾がこぼれることもなくなる。道具を使うことで改めてユーザーと共に進化しているこの世界を感じることができたと思う。

今回、「マイクロプロサイト」以外にも様々な付属品を購入した
こちらが通常のリアサイト。前方のフロントサイトと合わせて対象を狙う
リアサイトを外し、「マイクロプロサイト」を装着する。工具は「マイクロプロサイト」に付属している

 「マイクロプロサイト」はリアサイトを取り外し、六角レンチでネジを回して取り付ける。「ハイキャパ D.O.R」は専用の取り付けねじ、ツメのついた電池蓋とプレートが同梱されており、しっかりと銃本体に取り付け、そしてずれない。

 前述したとおり「マイクロプロサイト」を取り付けるスライドは激しく動き、その衝撃も大きい。このスライドにきちんと固定できる専用の設計というのはとても心強い。「マイクロプロサイト」の搭載はより低い、重心に近い位置に取り付けるローマウントと、バックアップサイトが使用できるハイマウントの2種類で取り付けられる。

 筆者の好みはローマウント。銃身とレンズが近いので、見た目が楽しい。ハイマウントはプレートにリアサイトとフロントサイトが造形されているので、これまで銃のサイトで狙っていた人向けだと感じた。レンズ越しの視界はクリアで、光点により自分がどこを狙うかがはっきり目に見えるのがいい。「そこに当てるぞ」というメッセージを発信しているような雰囲気が良いのだ。

「マイクロプロサイト」は前方の爪をくぼみに引っかけ、ネジを止めて固定する
プレートを使用したハイマウント。バックアップサイトが使用できる
こちらはより銃身と距離が近くなるローマウント
カメラでちょっとぼやけているが、肉眼ではもっとはっきり点を認識できる。この光点がどこを狙っているかを表示してくれるのだ

初めてでも“当たる”楽しさ、初心者にもこだわりのシューターにも有用な「マイクロプロサイト」

 いよいよ外で「ハイキャパ D.O.R」を撃ってみることにした。筆者は現在、東京から電車で2時間近くかかる千葉の田舎に住んでおり、家の畑の隣にある空き地を使った。10から13mほどの距離で的を狙って撃ってみることにした。

今回は畑に的を置いて狙ってみた

 撃って気がついたのは「弾が上にずれてしまう」こと。弾道が上に曲がってしまうのだ。このため的の下を狙うことで当たるという感じだった。これは「ホップ」が強すぎるためだ。「ハイキャパ D.O.R」では発射する弾にバックスピンを加えることで弾を浮き上がらせ、重力によって下に下がろうとする弾道をまっすぐにさせている。このバックスピンが強すぎるのだ。弾にスピンを掛けている「ホップアップシステム」の調整が必要なのである。

 ホップを調整するには、一度銃を分解しなくてはならない。スライドをずらし、溝の部分をスライドストップの裏の金具の出っ張りに合わせ、反対側からスライドストップの裏の支柱部分を押し出すことでスライドストップを引き抜き、銃の上部分、スライドアッセンブルを取り外すことができる。初めての時は苦戦したが、一度外し方を覚えれば簡単に外せるようになった。

 スライドアッセンブル内部に「ホップダイアル」がある。このダイアルによってホップを調整できる。少し弱め、銃を元に戻したところ弾がまっすぐに飛ぶようになった。このホップは天候、湿度、気温などで変化するという。また、どの距離で当てるかでも調整が必要となるだろう。パッと分解してすぐ調整、というのは覚えたいと感じた。

スライドにあるくぼみ。右の小さなくぼみから、スライドストップの出っ張りを引き出す
反対からスライドストップの軸を押し出し、引き抜き、スライドアッセンブルを前方にスライドさせて外す
スライドアッセンブル内部にあるホップダイヤルで調整を行なう

 離れた的を狙って、撃つ。楽しいのはきちんと弾が的に当たるその感触だ。正直弾が早すぎて数発撃たないと弾道は見えないのだが、的に弾が当たると、はっきりと紙製の的に穴が開き、弾が当たったのが確認できる。購入した「プロターゲット」は後ろが袋になっており、BB弾を回収できるようになっている。またBB弾そのものも「ベアリングバイオ」というものを使い、地面で分解する素材とのことで、少し外れても安心というわけだ。こういった付属品の工夫も感心させられた。

 「マイクロプロサイト」はやはり使うことできちんと当たるのが楽しい。それは実は「ハイキャパ D.O.R」の精度そのものが良いのだからだと思う。正直、リアサイトで狙っても的には当たるのだ。弾がまっすぐ飛び、狙ったところに当てられる、そういう銃の精度があるからこそ「マイクロプロサイト」の恩恵が大きくなる。撃ってみてそれがわかった。

 「マイクロプロサイト」がなくても当たるならば必要ないのではないか? というのは、筆者においてははっきりNOだ。ちゃんと狙っている、ここに当たるという情報が目の前できちんと提示される、その安心感はとても大きい。自分がどこを狙っているか、銃がどう向いているかがわかる、その安定感が射撃の楽しさ、面白さを生んでいる。

離れた距離から撃っても面白いくらい的に当たる。筆者のクセで右側にぶれてしまう傾向があるようだ。ここら辺は数をこなして改善していきたいところ
さらに分解も進めてみた。この状態で各機構をメンテナンスすると言うことで、こちらもチャレンジしていきたい

 マガジンに入る30発のBB弾はあっという間に撃ち尽くしてしまう。筆者は喜々として再び弾を込め、ボンベにガスを詰めてひたすら撃った。以前エアガンの試射をしたことがあるし、友人から借りて撃ったこともあるが、やはり所有した銃、たっぷり撃てる場所を準備したことでの気持ちは違う。そしてちゃんと当たるというのが何よりも楽しいのだ。

 調子に乗った筆者は、スペアマガジンまで購入してしまった。天気が良い休日、道具を鞄に詰めて、再び「ハイキャパ D.O.R」を撃ちに行こうと思っている。今回本格的なガスガンを手にしたことで、銃への興味も増した。他の銃の感触や構造に興味が出てきたし、メインウエポンも欲しいな、と思うようにもなった。本格的なエアガン、そして「マイクロプロサイト」による射撃は、やはり初心者にオススメである。手にしてみてはいかがだろうか?