「みんなで牧場物語」開発・運営スタッフインタビュー
かわいいコロボックルと過ごす、のんびり牧場ライフ


10月26日 収録

マーベラスエンターテイメント本社


元祖農場経営シミュレーションが、気軽に遊べるブラウザゲームに

 株式会社マーベラスエンターテイメントは同社の人気シリーズ「牧場物語」をモチーフにしたブラウザゲーム「みんなで牧場物語」のオープンサービスを11月25日から開始した。

 「牧場物語」と言えば、荒れ地を開拓して牧場を作り、そこでNPCたちと一緒に暮らすほのぼのシミュレーションゲームとしてスーパーファミコン版の第1作以来、数多くのプラットフォームにタイトルを発表してきた。その「牧場物語」をブラウザで遊べるソーシャルゲームにしたのが「みんなで牧場物語」だ。

 「みんなで牧場物語」はその名の通り大勢のプレーヤーが同時にプレイするオンラインゲームで、コンシューマのような主人公キャラクターはいない。代わりに農場を作っていくのは、プレーヤーの指示で働いてくれる可愛い「コロボックル」たちだ。

 プレーヤーは自分だけの島を持っている。そこでコロボックルに指示を出して、畑を作ったり、動物を育てたり、木を切ったりして牧場を育てていく。周囲には、同じようにプレイしている人の島があるので、人の島を訪ねたり時には共同で作業をしたりしながらタイトル通りみんなで助け合うことがプレイの重要なカギとなる。

 この「牧場物語」を開発した経緯や、楽しさについて、マーベラスエンターテイメントの「みんなで牧場物語」プロデューサー平田真氏と、実際の開発にあたったONE-UPの「みんなで牧場物語」プロデューサーの廣田隆行氏、「みんなで牧場物語」ディレクターの稲本崇氏の3人にじっくり語っていただいた。


オンライン版の「牧場物語」ではコロボックルと一緒に島の牧場を育てていく




■ 「牧場物語」の優しさをブラウザゲームでも継承

マーベラスエンターテイメント「みんなで牧場物語」プロデューサー 平田真氏
ONE-UP「みんなで牧場物語」プロデューサー 廣田隆行氏

編: 牧場物語をブラウザゲームとして開発することになった経緯を教えてください

平田真氏: マーベラスはずっとコンシューマゲームばかりを作っていました。ですが「牧場物語」のオンライン化は何度も課題として挙がっていて、トライしては上手くいかずという時期がありました。そんな時にONE-UPの椎葉さんとお話しする機会があったのですね。実は、最初はブラウザゲームではなく、ダウンロードしてインストールするオンラインゲームを考えていたのです。

 そのころはまだそれほど日本にはブラウザゲームはなかったのですが、海外を見ているとそういう動きがあるよということで、ブラウザゲームにしようかと。ちょうど「ブラウザ三国志」を作られていた実績があったので、ONE-UPさんにお願いしようということで話が決まりました。

編: 今まで作ろうと思っていたオンラインゲームは、今回のものとは違ったものだったのですか?

平田氏: また別ですね。もちろん「牧場物語」をネットワーク上で楽しむという基本的なコンセプトは全く変わらないのですが、ブラウザゲームになったことでより遊ぶための障害が少なくなって、誰にでもできるものになりました。

編: ブラウザで遊べるソーシャルゲームには「農場系」のゲームがたくさんありますが、そういうものの影響はありますか?

平田氏: もちろんあります。ただ当時中国やアメリカに農場系のゲームがたくさんありましたが、日本にはまだそれほど来ていなかったですね。

編:企画が立ちあがったのはいつごろですか?

平田氏: 企画が立ちあがったのは2008年10月ですが、ブラウザゲームになったのはもう少し後で、去年の11月くらいです。そこから直接開発を始めたわけではなくて、そこから研究が始まったという感じです。

編: ブラウザゲームにするうえで、難しかったのはどういったところですか?

平田氏: 「牧場物語」の場合はもともとのコンシューマタイトルがあるのでどんな風にオンラインに、ソーシャルにするかというところが1番難しかったですね。完全に別ものにしてしまっても牧場物語ではなくなってしまうし、かといってオフラインの「牧場物語」とまったく同じものを作っても仕方がないので、そこの葛藤がかなり大きかったです。取捨選択をしつつ、ONE-UPさんに無茶を言ったり、無茶を言われたりしながら現在の形に収まってきました。

「みん牧」のホームページ上から会員登録をして遊ぶ形でテストが進められた(注:CBTは現在は終了)
自分のオリジナルな牧場を作れる

編: マーベラスとONE-UPの役割分担はどうなっているのですか?

廣田隆行氏: オンラインゲームとしてのゲーム部分はONE-UPの方で担当させていただいています。マーベラスさんには、より牧場らしさだったりとか、「これは牧場じゃないよ」とか「これを入れたら牧場らしくなるよ」と言ったところを監修していただいています。やはり長くやってきた方でないとわからない部分がどうしてもありますから。

編: 以前に1度伺った時には、ギルド島と呼ばれる島があったりと、今回の発表されたものとはかなり異なったものでしたが、なぜこれだけ大きく変わったのですか?

稲本氏: 以前に考えていた仕様は、プレイの面でも仕様の面でも複雑になりすぎていたというのがありまして、そこをシンプルにした結果魅力的にするにはどうすればいいかということで、現状の仕様になっています。

平田氏: 海外の農場系ゲームをみていると、サービス開始時は単純なゲームでしたが、今から始める方にはもうアップデートがされていたり、他のゲームとの差別化が図られていたりするので、結構複雑になっているものも多いのではと思います。僕らが最初に作っていたゲームはそれよりももっともっと複雑だったのです。僕らはずっと農場系のゲームで遊んでアップデートに対応してきているから、これだけ複雑になっても遊べるんだなと少し引いた視点で考えたのです。僕らのゲームはもう少し誰でも楽しめないと意味がないよねと、それこそお子様からお年寄りまで遊べるゲームにするためには抜本的に中身を変えないといけないのかなという判断が入ってこうなりました。たぶん「牧場物語」もコンテンツを追加していくとだんだん複雑になっていくと思うのですが、最初のハードルはもう少し下げようと相談して、こうなりました。

編: このゲームの「牧場物語」らしさはどういったところなのでしょうか? この要素は絶対に残そうと思った部分はありますか?

平田氏: 「牧場物語」は他の農場系ゲームに比べると、動物とのふれあいとかNPCとの心のやりとりを大切に扱ってきた作品なので、このブラウザゲームにもそれがにじみ出てくれればいいなと思っています。

「NPCとの心の触れ合いを大切にしてきた」と平田氏

廣田氏: 僕らが作っている最中にも、そのあたりはかなり厳しく言われた部分です(笑)。大前提としてコンシューマの「牧場物語」はほのぼのとしていて、何かを壊したりとか命を粗末にしたりと言った表現が一切なかったのです。例えばブタを飼って豚肉にしているということを匂わせるだけでも「牧場物語」らしさを失ってしまうことになるので、そう言ったところを監修を受けつつ注意して作っていくというかたちです。

平田氏: 他の農場ブラウザゲームはゲームの都合上ウシやブタを売ったりということがよくあります。それが絶対にダメとは言いませんが、あまり推奨したくないのが「牧場物語」の世界観なのかなと思っています。そこにこだわらないといけないのはいい部分だと思いますが、未だに苦労しているところでもあります。

編: リアルな農場シミュレーション系のゲームとは違うということですね

平田氏: かなりマイルドで、ほのぼのした感じにはなっていますね。

編: ユーザーとして想定しているのは、コンシューマーの「牧場物語」を遊んでいたユーザーなのですか?

平田氏: 特にこのシリーズのユーザーに向けてとは考えていません。もちろん「牧場物語」をすでに遊んでくれている人の期待を裏切らないようにしたいですし、今まで「牧場物語」を遊んだことがない人が遊べるようにも色々と考えています。




■ たくさんのコロボックルたちと一緒に自分だけの牧場作り

ONE-UPの「みんなで牧場物語」ディレクター 稲本崇氏
ワラワラと出てくるコロボックルは仕草を見ているだけでも可愛い

編: ブラウザゲーム版の「牧場物語」にはコロボックルがワラワラでるということですが、具体的にはどのようなシステムになっているのですか?

稲本崇氏: プレーヤーは1人1つの島を持っていて、それが牧場になっています。そこに畑や果樹や動物を配置して、そのお世話をコロボックルにしてもらいます。ショップに苗や動物のこどもが売っているので、それを買って牧場に配置してあげます。するとコロボックルハウスからコロボックルが出てきてお世話を開始します。お世話は一定の時間が来ると完了します。それぞれの動物や植物に必要な世話の回数をこなすと収穫ができるようになっていて、お金が手に入ります。そのお金でさらに新しい植物や動物を買って配置して……と、どんどん牧場を広げていくわけです。これが基本の流れになります。

 他には、牧場の周りには木が生えているのですが、その木をコロボックルに切ってもらうことができます。そうすると木を入手できます。同じように牧場に岩が転がっているのですが、その岩から石を採ることもできます。木と石とお金を集めて色々なものを買うことができます。例えば牧場を飾るベンチとか、柵とかそういう設置物であったりコロボックルの家自体もグレードアップする事ができます。コロボックルの数はクエストをこなすことでどんどん増えていきますよ。

 1人のコロボックルは1つの仕事しかできないので、コロボックルの数が増えると色々な作業を並行して行なえるようになります。木を切るコロボックル、畑を耕すコロボックル、コロボックルハウスを増築するコロボックルというような形で、数が増えれば同時にやれることが増えていくというわけです。例えば果樹だと3回お世話をしなければ作物が成らないのですが、合間合間にコロボックルが休憩するのです。それを見つけて、もう1度、次のステップへの指示を出す必要があります。

編: コロボックル自身にはなにか成長要素はあるのですか?

稲本氏: コロボックル自身は成長しません。プレーヤーがコロボックルに対して指示を出すというよりは、プレーヤーの操作にあわせてコロボックルが働いてくれるという感じです。


コロボックルが仕事を始める時にしゃべる言葉はコロボックル語なのだそうだ

編: いろいろなデザインのコロボックルがいますが、デザインは自分で選べるのですか?

稲本氏: お世話をする対象によって違う種類のコロボックルが出てきます。畑や果樹だと黄色いのが出てきて、動物を育てる時にはオレンジ色の、木を切る時には緑のコロボックルが出てきます。

編: クエストはどういった内容ですか?

稲本氏: 何を何個育てるとか、何かを買って牧場に配置しろとか、育てていると時々コレクションアイテムというものが出てくるのですが、それを手に入れろとかいうクエストがあります。

クエスト画面。線で結ばれたクエストを順にこなしていくことで、新しい要素が遊べるようになる
コンシューマ版でもお馴染みのキャラクター「女神さま」がクエストをナビゲートしてくれる

編: クエスト画面を見ると、線でつながっていますね

稲本氏: クエストは大きなツリー構造になっていて、つながっている前のクエストを終了しないと、次のクエストを受けることができません。どのルートをこなしていくかをプレーヤー自身が選んで進めることができます。アイコンについているマークは、そのクエストでもらえる報酬です。「?」マークのクエストは受領するまで何がもらえるかわからないものです。報酬が豪華な場合もあれば、少し難しい場合もあります。クエスト画面の後ろにいるのは「牧場物語」でお馴染みの「女神さま」というキャラクターです。今回はゲームのガイド役として登場してもらっています。

編: 今後実装予定の「コレクション合成」について教えてください

稲本氏: 育てている動物や植物によって違うコレクションアイテムが出てくるのですが、その中から2種類をピックアップして合成します。合成前に何ができるのか、パーセンテージで表示されていて、その中からどれかができます。大成功するとすごくいいものができたりしますが、反対に失敗すると素材がなくなってしまうこともあります。

編: かなりやりこみ要素として深そうですね

稲本氏: そうですね。合成の結果手に入るものを目指していただければと思います。

編: どんなものが手に入るのですか?

稲本氏: 課金でしか手に入らないものなども、合成でも手に入るようにしようかと思っています。たくさんプレイして何回も合成してもらって手に入れることもできますし、面倒であれば有料ポイントで購入することもできるというかたちにしようと思っています。

編: コロボックルが作る家というのは、コロボックルの家のことですか?

稲本氏: そうです。コロボックルハウスは、牧場に登場するコロボックルの所有数を管理していて、初めは4人しか出せませんがハウスのレベルを上げると10人になったり20人になったりしていきます。

編: では、ハウスの上限がいっぱいの時に、コロボックルをもらえるクエストを受けるとどうなるのですか?

稲本氏: 受けてクリアもできますが、コロボックルの数はハウスのレベルが上がるまで保留状態になります。画面上ではコロボックルハウスのレベルを上げてくださいという注意が出ます。ハウスのグラフィックは、レベルがいくつか上がった時に変わります。

編: コロボックルの数に上限はあるのですか?

稲本氏: 上限は一応は設定するのですが、この上限はゲームバランスというよりはパソコンのスペックの問題なのです。並行作業をするということは、画面上にたくさんのコロボックルを1度に表示することになりますから。オプション機能として、表示のクオリティを落とすこともできるので、本当にどこまで出せるのかというところです。

 ゲームがどんどん進行していくとプレーヤーの方もゲームに慣れてきますから、そうするとコロボックルをたくさんだして多少重い状態でプレイしていただくか、何度もコロボックルを出したり入れたりしてもらうか、そのあたりはプレイスタイルとしてプレーヤーの方に選んでいただけると思います。

編: 他のプレーヤーとのコミュニケーションはどのように取るのですか?

稲本氏: まずすべてのプレーヤーが配置される全体マップがあります。そこからほかの牧場にいって、お世話のお手伝いをすることができます。人の牧場でクリックすると作業時間を短縮できたりします。そうやってお手伝いした痕跡を履歴として残すことができるので、誰が手伝ってくれたかわかりますので、それをきっかけにフレンドになる仕組みもあります。フレンドになれば、画面の下のフレンドリストに表示されるので、常に存在を気にするような形になります。

 それとこれはまだ実装のタイミングが決まっていないのですが、常に同じ場所にいるわけではなく、設定しておけばランダムで場所を変えたり、自分と同じくらいの進行度で集まったりということも検討しています。そういったことが新しいフレンドを作る上で有効なのではないかと思っています。

話を聞いていると、既に今後の拡張についてもいろいろと考えている様子だ

編: 正式サービスで入るのですか?

稲本氏: 今はまだ実装のタイミングを測っている段階で、検討中です。

編: 全体マップでは、まったく知らない人の島が見えるのですか?

稲本氏: そうですね。自分の島を中心にして、他の人の島が見えるという感じです。

編: お手伝いをしに来る人には、なにかメリットがあるのですか?

稲本氏: お手伝いをした人は経験値の他に、コレクションアイテムが手に入る可能性があります。動物や植物には、種類ごとにグレードというレベルがあります。コレクションアイテムはこのグレードによって出るものが変わってきます。お手伝いをすると、自分の島からではなかなか手に入らないコレクションアイテムが手に入るかもしれません。

編: 全体マップでほかの島の情報はわかるのですか?

廣田氏: だいたいの目安程度はわかるようになっています。細かい部分は中に入って確認していただくことになります。

稲本氏: プレーヤーのレベルと、その島の中で1番グレードが高い作物は全体マップ上でわかります。

編: 今後実装予定の「おじゃまコロボックル」はどういう存在なのですか?

稲本氏: 人によってはお邪魔だと感じないかもしれません。役に立つことをやってくれることもあるキャラクターです。勝手に自分の牧場に手を加えてしまうのであまり放っておくと邪魔になってくる、という感じですね。そこで退治するのではなく、説得して帰ってもらうのですが、この時他のプレーヤーと一緒に説得するようなシチュエーションを作ります。みんなでクリックしてクリック数が一定量たまると説得成功となり、帰ってくれます。

編: どんな邪魔をするのですか?

稲本氏: 雑草を勝手に抜いてしまったりするのです。雑草って本当に邪魔なものなのですが、プレーヤーがクリックすると経験値やお金が手に入ったりするものなので、自分でクリックしたいのにおじゃまコロボックルが勝手に抜いてしまうのが嫌な人もいるかもしれません。帰ってもらう時にアイテムが手に入ったりもするので、それを狙う人が多いのではないでしょうか。アイテムは一緒にクリックしてくれた友達も手に入ります。




■ オープンサービス後は複数のプラットフォームから提供する予定

オンライン版のキャラクターイラストはコンシューマー版「牧場物語」と同じ人が手掛けている
「動く壁紙」のように、眺めているだけでも楽しいと廣田氏

編: すでに農場系のソーシャルゲームはたくさん出ていて、その中で戦うのは大変そうですね。

廣田氏: 「牧場物語」はほかの農場ゲームと比べて動きを出せたと思っています。ほかのゲームですと、植えると「8時間後に収穫できます」と出るだけで、じゃああと8時間何してようかなという感じじゃないですか。「牧場物語」はコロボックルがずっとお世話をしてくれていて、本当に動く壁紙のように眺めているだけでも楽しいので、そういった部分で差別化はできていると思います。

 それに僕も1プレーヤーとして思うのですが、農場系と言えば「牧場物語」ははずせないよね、という気持ちがありますから。

編: ソーシャルゲームでは後発は伸び悩むことも多いようですが、勝算はありますか?

廣田氏: 後発だからこそ下地がしっかりしているところはあると思います。ユーザーさんにも、他の農場系ゲームで遊ばれている方がいまして、農場系のゲームがどういうものがよくわかってらっしゃいます。だからといってもう農場系はいいやという流れにはなっていません。新しい農場系のゲームが出れば遊んでいただけると思います。触れていただければ、面白いゲームだとわかってもらえると思いますので。すでにたくさん出ているから勝ち目がないとは思っていません。逆に下地を作ってくれてありがとうと思いますね。

編: 正式サービス後は、どういったプラットフォームからサービスを提供していくのですか?

平田氏: もういくつかはすでにチャネリング先として決まっておりますが、現在はどこに出すかを検討中です。

編: 今後このゲームはどんな展開をしていく予定ですか?

稲本氏: これも検討中のところではあるのですが、牧場そものが広がっていったり牧場が増えたり、まだ現状でははっきりとしたことは言えませんが何かしら広がりを持てるようにしたいと思います。まずは1つめの牧場も飾っていこうとするとそれなりに手ごたえのある広さだと思います。まずはそこを魅力的にするための要素を先に入れて行きたいなと考えています。

編: デコレーションアイテムで牧場を飾っていくのですね

稲本氏: お金を貯めて、あとは木や石を使うものもあるのですが、そういったもので購入してもらって牧場を華やかにしていって欲しいと思います。コロボックルがその島で幸せになりそうな感じに飾っていってもらえればと思っています。

編: オンラインの「牧場物語」の要素がコンシューマーにフィードバックされる可能性はあるのですか?

平田氏: その辺りはやれることがあれば、やっていきたいですね。うちの強みはオンラインもできるし、コンシューマーのタイトルも出せるということですから。もちろんやってみたいですし、「みん牧」からコンシューマーの「牧場物語」に入ってきてくださる方もいらっしゃると思います。どちらもよろしくお願いしますということで、盛り上げていければいいなと思っています。

編: コンシューマーにある要素が将来オンラインゲームにも入る可能性はありますか?

平田氏: そうですね。いろいろと検討中ではあるのですが、よく聞かれるのが恋愛や結婚、それと釣りでしょうか。今回は主人公キャラクターや恋愛相手のNPCキャラクターがいないので、恋愛などのストーリーはもともと入れない予定だったのですが、もちろん僕もオンライン上の結婚とか釣りを見てみたいので要素としては入れたいですね。ただ、ストーリーを入れれば入れるほどゲームがゴツゴツしたものに近づいていくでしょうし、またコンシューマーの「牧場物語」とまったく同じになってしまうのかなという気もするので、逆にNPCとではなく、そこで出会った他のプレーヤーさんと一緒に遊んでいただくというほうがオンラインのスタイルに合っているのかなと思っています。

編: みんなで一緒に遊ぶというのは具体的にはどういった遊び方を指すのですか?

稲本氏: 結婚って2人だけの問題なので、最終的に2人きりになってしまうじゃないですか。どうせならもっとたくさんの人たちで、同じ要素を楽しんだほうが面白いかと思うのです。そうなると2人しか参加できないのではなく、もっと大勢の人が参加できるような要素を入れていきたいです。

コンシューマ版とのコラボレーションは可能ならどんどんやっていきたいと3氏

編: コンシューマにある商売の要素なども、オンラインに向いてそうですね

稲本氏: 誰かの牧場に遊びに行きたいという要素として、お店が魅力的なものに育ちそうであれば十分検討したいかなと思います。

編: 最後にファンへのメッセージをお願いします。

稲本氏: CBTに参加してくださった皆様ありがとうございます。「牧場物語」のオンライン版を作るにあたりまして、ほのぼのとした安らぎや癒しをどうやって盛り込んでいくかが苦労したところです。そういったところを楽しんでもらえるといいなあと思っています。

平田氏: オンラインの「牧場物語」はマーベラスとしては初めての試みになります。コンシューマーの「牧場物語」のファンの方も、初めて「牧場物語」で遊んでいただける方にも楽しんでいただけるようなものになっていると思いますのでぜひ1度遊んでみていただければと思います。

廣田氏: 農場系とひとくくりにしてしまうと、明らかに違う部分が満載です。その1つとして動きがあるということ。見ているだけで楽しいというものを目指してやっていますので、1回でいいので、実際に動いている画面を見てみてください。記事などでは、中々動いているところを見ることができないと思います。実際にアクセスして、プレイして生き生きと動く牧場を見ていただきたいです。


(C) Marvelous Entertainment Inc.

(2010年 11月 25日)

[Reported by 石井聡]