インタビュー

【特別企画】「Crazy Case BATMOBILE TUMBLER」企画担当K氏インタビュー

フィギュアじゃない! おもちゃとしてのギミックも追求

フィギュアじゃない! おもちゃとしてのギミックも追求

こちらのライトはイメージ映像。バットシグナルを投影できる
iPhoneのサイズに合わせて設計されている
各所にはLEDが仕込まれている

――ギミックに関してももう少し教えてください。

K氏: やはり1番は“バットシグナル”ですかね。バットモービル後部のノズル部分のライトは、発光させるとバットシグナルが浮かび上がります。本来はバットマンを呼び出すためのシグナルで、バットマン自身が使うわけではないのですが、バットマンと言えばバットシグナルだろうと。この投影技術は以前からあるものですね。他にも前面に4つのライトがあり、発光します。これらはそれぞれケースにLEDが仕込まれています。電池はケースの裏部分に入ります。

 さらにフロントライトは、iPhoneのフラッシュライトと連動しており、着信したときなどに点灯するようになってます。このライトの光をケース内で反射させてフロントライトに導くところは最も苦労した部分ですね。何度も試行錯誤をし、導く部分の設計や塗装を工夫しました。両方のライトにどう光を導くか、ここが最も苦労した部分ですね。

 また、前輪が可動することで、iPhoneの機能を使えます。各スイッチを操作できます。iPhoneの画面をこちらに向け、左車輪は横にスライドし、ボリュームの操作や、サイレントのスイッチの操作ができます。右の車輪は縦にスライドします。そうするとカメラのレンズが使える様になります。電源部分の操作も可能です。

 原作ではこのように前輪がスライドする機構はありませんが、この車輪が動くギミックは、映画の2作目「ダークナイト」でバットモービルが壊れ、前輪部分が分離しバットポッドとなるシーンを意識しました。iPhone全体を覆うデザインですが、機能はカバーをつけたまま使用できます。

――電話としての実用性も考えているのですね。

K氏: ちゃんと耳に当てての通話も意識したデザインになっていると思います。極論を言えば、iPhoneを持っていなくても、ミニカーとして楽しんでもらえる商品だとも考えています。ディスプレイしたり、持ち歩いて楽しめる商品です。

 例えば食事の時、おもむろにテーブルにミニカーにしか見えないこれを置くわけです。そのとき着信と同時にフロントライトが点滅し、私はこれを持ちあげて通話を始める。これってかなりイケていると思うんですよ。持ち歩けるおもちゃ、「遊び心を持ち歩ける」というコンセプトを実現できたと思います。

 持ち歩けるケースって、通常はここまでデザインとして作り込まないと思うんですよ。「Crazy Case BATMOBILE TUMBLER」はバットモービルのミニカーそのままに見えるほどに本気のデザインになっている。「ぶっとんでるなあ」と思ってもらえるレベルの精度だと思います。「ぶっとんでるかもしれないけど、いいなぁ」と思ってもらえるその瞬間を生み出すデザインだと思っています。

――こういったデザインは、Kさんがお1人で考えるのでしょうか? また、企画から商品化まで、どのくらい掛かるのでしょうか?

K氏: ギミックに関しては、企画は私ですが、設計と開発の担当者3人で話し合いました。何を盛り込むか、実現するにはどのギミックがいいかなど、試作品は10個ほど作りましたね。データを作り、3Dプリンタで出力し、試して改良を加えていく、という作業を繰り返していきます。

 企画は6月くらいから、商品化まではおよそ半年というところでしょうか。商品としては早いほうだと思います。ギミックを盛り込んでの完成を考えるとかなり早くできましたね。

――これだけよくできたケースですと、Android端末にも出して欲しい、という声も上がると思うのですが。サイズを変えた商品、ということも考えていますか?

K氏: 「Crazy Case BATMOBILE TUMBLER」ではそういったことは考えていません。サイズや使用感でiPhone 5 / 5sに合わせていますので。日本でのシェアも考えての設計です。Androidは様々な端末が出ていてサイズという所でも対応が難しい部分がありました。

――海外で「Crazy Case BATMOBILE TUMBLER」の販売は行なうのでしょうか。

K氏: 現在、「プレミアムバンダイ香港」というサイトもありまして、日本だけでなく香港からも買えます。欧米の窓口などはまだ無いですね、まずは香港からです。

――「Crazy Case BATMOBILE TUMBLER」はプレミアムバンダイ専売ですが、注文受付期間はどの位でしょうか?

K氏: 11月22日より、2014年1月7日までの予定です。お届けは3月になります。初回生産数は決まっていますので、3月に欲しい、というお客様は早めのご注文をお願いしたいですね。注文数によっては2次生産以降、ともなりかねないので。

――今後、「Crazy Case」シリーズはどのように展開していくのでしょうか。

K氏: 「Crazy Case」は1年に4種類、3カ月に1つを考えています。現在は“ビークル”をモチーフにする予定で、第2弾も乗り物を考えています。今後のラインナップも企画では決まっていますが、まだ秘密です。第2弾の発表は4月に行なう予定です。今後の発表にも期待してください。

――ありがとうございました。

【発光ギミック】
着信時など本体のフラッシュライトが点灯する際にフロントライトがつく
LEDによって、中央と後部のライトが点灯。電池ケースはケースの裏にある

(勝田哲也)