インタビュー

オープンワールドの制作経験をメトロイドヴァニアに落とし込む! 「Venture to the Vile」プロデューサーインタビュー【#BitSummitLetsGo】

【Venture to the Vile】

2024年 発売予定

価格:未定

プロデューサーの小林正男氏

 アニプレックスは、京都府にて7月14日より16日にかけて開催されているインディーゲームの祭典「BitSummit Let's Go!!」にてPC用アクションアドベンチャー「Venture to the Vile(ベンチャー トゥ ザ ヴァイル)」を出展している。

【Venture to the Vile Announce Trailer】

 本作は奥行きのあるフィールドデザインが特徴的なメトロイドヴァニア。シカのお面を付けた主人公を操作し、左右に広がるフィールドを探索する形になるが、マップには奥行きが存在し遠近感を活用したギミックなども存在する。2024年にPC向けに発売を予定しているタイトルで、BitSummitでは製品版の発売に先駆けて体験版をプレイできる。

 今回はそんな本作を手掛けるプロデューサーの小林正男氏にインタビューをすることができた。メトロイドヴァニアに対する思いなども聞くことができたので合わせて紹介していく。

会場では本作の大きな看板とともに試遊台が設置!
新作ADV「マーダーミステリーパラドクス」の展示も行なわれている

 まず、本作を手掛けているのはカナダのゲーム開発スタジオのStudio Cut to Bits。現在は14名のスタッフで開発を行なっており、完成に向けて制作が進められている。アクション「Bioshock Infinite(2K)」や「Grand Theft Auto IV(Rockstar Games)」などオープンワールドゲームを手掛けていたスタッフが在籍しており、その経験を活かしつつ、小規模なスタジオでも完成度の高いゲームを作り上げるため、デビュー作のジャンルをメトロイドヴァニアにすると定めたそうだ。

 スタジオ内でもメトロイドヴァニアは有名な作品から最近発売された新作に至るまでかなり遊んでいるようで、良いメカニクスなどがあった場合はチーム内で共有し、ゲーム制作に活用しているという。影響を受けタイトルとしてはTeam Cherryの「Hollow Knight」や「悪魔城ドラキュラ」シリーズなどを挙げていた。

 本作では時間が経過すると太陽の位置が変わりライティングが変化する要素が存在するが、これらは過去にオープンワールドゲームの制作に携わった経験から来ているものだという。オープンワールドゲームでは自然環境による変化がプレーヤーに影響を及ぼすことがあるが、これをメトロイドヴァニアに落とし込んでいるという。

 加えて、インディーゲームではメトロイドヴァニアというジャンルは人気が高く、非常に多くの作品がリリースされているが、オリジナリティを生み出すべく、環境による変化を取り入れたともコメント。前述した時間の変化だけでなく、気候が変化する要素も採用されており、製品版ではこれらの要素によってステージにさらなる変化が加わるようだ。

時間が変化すると出現する敵の種類や配置が変わるなど、同じステージであっても多彩な違いが見られるという

 本作における要素について聞いた際にはNPCの豊富さに注目してほしいと語ってくれた。作中では拠点となる町が存在するが、そこには多数のNPCが存在し、彼らと関わることでサイドストーリーが楽しめる。もちろん、これとは別にメインストーリーが用意されているため、サイドストーリーはクリアにおける必須要素ではないが、NPCに力を入れていると紹介してくれた。

 そのほか、ゲーム本編では描かれないストーリーを収めたコミックス発売のためのクラウドファンディングが実施中で、英語版にはなるもののこちらを合わせて読むことでゲームがより楽しめるのではないかということも語った。発売日については未定だが、着々と制作が進んでいるようなので今後の続報に注目したい。

体験版はバトルにフォーカスしたものとなっているが、製品版ではNPCとのサイドストーリーがしっかり描かれるという