インタビュー

【TGS2022】今後20年戦える「ソニック」とは。「ソニックフロンティア」開発者インタビュー

テストプレイを繰り返し、1歩ずつ「面白さ」を重ねた次世代のソニック

【ソニックフロンティア】

11月8日 発売予定

価格: 通常版 6,589円(税込)

デジタルデラックス版 7,689円(税込)

 本稿では、東京ゲームショウ2022の会場にて実施した「ソニックフロンティア」の開発者インタビューの模様をお届けしたい。

 「ソニックフロンティア」は、謎に満ちた未開の「スターフォール諸島」を舞台に、従来のステージクリア型だった「ソニック」のゲームシステムを“オープンゾーン”と呼ぶ遊べるワールドマップへと進化させた、次世代のステージクリア型アクションアドベンチャーだ。

 TGS2022では試遊台の展示も行なわれており、その評価も高いため、セガブースの「ソニックフロンティア」試遊台には長い行列ができていた。

 インタビューに応じてくれたのは、「ソニック」シリーズのプロデューサーである飯塚隆氏と、「ソニックフロンティア」ディレクターの岸本守央氏。さっそくご紹介しよう。

【『ソニックフロンティア』TOKYO GAME SHOW トレーラー】
左から、「ソニックフロンティア」ディレクターの岸本守央氏、「ソニック」シリーズプロデューサーの飯塚隆氏
9月17日(一般日)の「ソニックフロンティア」試遊の行列

速さと面白さは両立しないといけない

――前作から5年ぶりとなりますが、まずは感想をお聞かせください。

岸本氏:今回は、オープンゾーンという新しいアプローチで、従来の「ソニック」ファンだけでなくアクションゲームのファンの方々にも響くようなものを、5年かけてみなさんにお見せできる、プレイしていただけるところまできました。今回セガブースで「ソニック」タイトルを大きく扱ってくれるのは、私がメインで「ソニック」シリーズに関わってからは初めてなので、そういう意味でも感無量で感謝してます。

――「ソニック」シリーズというと、海外では大人気コンテンツですよね。

飯塚氏:確かに海外ではジェネシス(メガドライブの北米版)で任天堂さんのハードと戦ってた時期がありましたし、ジェネシスを代表する「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は、子供に向けたプロモーションではなくティーンエイジャーに向けて“このキャラクターはかっこいいんだよ”というプロモーションを大々的にうちまして、その結果ジェネシスは海外で大ヒットしました。

 それに合わせてソニックも、クールでかっこいいというイメージが30年たった今でも続いている。しかし、そのスタート地点が日本にはないんですね。なので、我々も毎回新作をつくるたびにそういうイメージ作りにトライしています。

――新しい世代のソニックということで、生まれ変わるという感じもあるわけですね。

飯塚氏:まさしくそうですね。1998年に誕生した3Dソニックという遊びは、今から入るには抵抗があるというお客さんもいると思いますので、日本市場のことも考えて従来のソニックを遊んだことがなくても、次世代のアクションゲームとして遊べる「ソニックフロンティア」という形で大きく進化をしよう、という目論見がありました。

 我々ソニックチームは日本在住の日本人スタッフが多いので、日本で大きく売りたいという悲願がありますね。実際に触っていただかないとゲームの良さがわからないので、日本の皆さんにも触っていただけるようなアプローチやゲームコンセプトを「ソニックフロンティア」では念頭においてスタートしています。

――そういう意味でのフロンティア=開拓者という意味もあるのでしょうか。

飯塚氏:ソニックというゲーム市場で今まで踏み入れられなかった、到達できなかったユーザーさんにも届けたいという意味が、“フロンティア”という名前にも含まれています。

――今作では、オープンワールド風のマップを採用しています。こういった形にしたのはなぜですか?

飯塚氏:最初の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は2Dドット絵の横スクロールで、1998年の「ソニックアドベンチャー」で3Dアクションという形に大きく進化しましたけども、それから現在まで3Dハイスピードアクションを形式的には維持してきました。

 それからもう20数年がたちますけど、次のソニックを作るにあたり更に10年20年戦える新しいフォーマットを生み出さないと、ソニックのゲームブランドとして将来を考えられない。そこで「ソニックフォース」が終わったタイミングで、チームメンバーには新しい次世代のソニックに挑戦してもらいました。さすがに31年がたってますので、ここで一つ大きな進化を遂げて、今後40周年50周年を迎えようと思っています。

――そこでソニックらしさを出すために意識したことを伺いたいのですが、その前に開発者が考えるソニックらしさとは何でしょうか。

飯塚氏:ソニック=速い、とは誰もがイメージできることですが、速いというのは単にプログラム上でパラメータを調整すれば誰でも速く走れるものなので、速いを面白いに変えなきゃいけないわけですね。

 それがソニックのゲームすべてに言えることなんですけれど、速く走ることが面白いと思ってもらえるかは、レベルデザインなんですね。例えば、まっすぐな高速道路を時速200kmで走ってていても全然速さを感じません。ジェットコースターのような、コースがあるからこそスピードに緩急がついて、一瞬のスピードが速く気持ち良く感じるのではないかと。ここが「ソニック」のゲームらしさに繋がるので、今作のオープンゾーンに関してもそこは重要視しています。

――速さと面白さが両立しなければならない。

飯塚氏:そうです。岸本たち開発チームも、最初は大きな島を作ってソニックを速く走らせようとしたんですが、オープンな島にはレベルデザインがないんですよね。そうすると、速く走っても全然面白くない。じゃあ、どうやってこの島で速く走って面白いレベルデザインにするか、そこが開発チームの努力ポイントでした。

――速さと楽しさを兼ね備えることがソニックらしさということで、それを出すために苦労したところはどこでしたか。

岸本氏:「ソニック」シリーズのメインストリームタイトルのディレクターを担当して10年以上たちますが、私を始め「ソニック」チームはソニックのスピード感、疾走感、それによる非日常感を、ゲームとして表現するのは簡単な事なんです。これまで何本も作っているので、これは普通にできる。

 むしろ今回難しかったのは、そのスピードは他のアクションゲームで育ってきたユーザーが触ると凶器になる、怖いスピードというところなんです。ソニックファンの方には痛快なスピードでも、そうじゃないファンの方には響かないというか制御不能のスピードで、怖い、操作性が悪い、になるんですね。

 彼ら彼女たちが安心して疾走感を楽しめる「優しい疾走感」にするにはどうすればいいか? というところまで踏み込まないと、次世代の、第3世代のソニックにならない。「ソニックファンの中のソニックゲーム」ではなく、そこまで響くような表現をしていかなければ絶対に世界に出て行けない、というところで試行錯誤しました。

プレイテストとフィードバックを繰り返した5年

――実現するためのレベルデザインは大変だったと思いますが、苦労した点はなんですか。

岸本氏:北米では、ソニックのメインストリームタイトルはプレイテストをやるんですが、今までのプロジェクトではαとβの2回だけ行ないフィードバックをもらって終了でした。今回の5年にわたるプロジェクトでは、3、4ヶ月に1回プレイテストを実施してお客さんにレビューしてもらい、フィードバックをかけています。そしてまた3、4ヶ月後にどうですか? と。

 再び、「面白い」「つまんない」「操作性が悪い」というのが返ってくるので、それをフィードバックして……というのを何度も繰り返してここまで来ました。最初こそ、自分がいるところから目的地まで速く移動するソニックを作って、「これが遊べるワールドマップだよね、目的地から次の目的地へ移動して遊べるんだから」としてプレイテストに出したら、“フィールドがすっからかん”、“ただの草原で緑だけだから退屈”、“飽きる”などと散々に言われました。

 そんな状態からスタートしたので、なぜオープンワールドではなくオープンゾーンという言葉を使ったのかというと、いわゆる「オープンワールドゲーム」は基本的に、自分のいる場所から目的地のクエストが与えられて、そこまで走ったり馬に乗ったり自動車で移動したりして、そこでクエストやイベントが起きて話が進むというのがほとんどだと思うんですよ。

 だけど、我々のプレイテストで出てきた課題というのは、この移動のがどう面白いか、なんです。イベントがあるところで面白い、では、ソニックユーザーは待ちきれないんですね。A地点からB地点に行く間にどれだけ楽しいことが起きるのか? が大事で、その間が退屈ですよと散々もまれた結果、遊べるワールドマップになったというのが今の形です。

 最初の頃はワールドマップを3D空間で自由に移動できるようにして、その中にステージを遊べるところがぽつんぽつんとある、フォトリアルな世界だったんです。そこから今の状態まで、5年かかりました。

――そういう意味では、5年間という時間がフィードバックをもらい、反映させる時間として機能したということでしょうか。

飯塚氏:今までの延長上のゲームを作るのであれば開発期間も予測できるのですが、我々が今回目指したのは、まったく新しい過去にないアクションゲームを作ろうというところだったので、開発期間に関しても延びて当然という気持ちで考えていました。

 なので、プレイテストを繰り返して良いものを見つけ出して、そこから製品にして仕上げていこうという考えでスタートしたプロジェクトですので、当初から5年かけようと思ってたわけではないです。ようやくゲームデザインの完成形が見えてきて、そこでついに2022年11月20日という発売日が設定された感じです。

岸本氏:プレイテストでフィードバックを密にかけるという作り方は、開発現場にとっては大変なんです。例えば、通常は1面を作ったら次は2面を作ればいいじゃないですか。そして3面を作る、というのがスケジュールだと思うんですが、今回は1面を作ってプレイテストにかけると、1面の作り直しが発生する。プラス、2面も作るというのを同時にやる。現場は誰も面白くないものを作ろうなんてまったく思ってないので、お客さんの反応がそんなに厳しいものじゃないと考えるんですよ。

 自信を持って作っているので。だから、1面2面3面と順当に作成するスケジュールになってるんですね。だけど、テストのたびに前のステージのフィードバックが必ず乗っかるんです。そのため、2面まで作ったら次は3面のスケジュールしかないのにも関わらず、フィードバックがきているので1面2面も作り直せと私が言うんです。これ、現場はホントにツラかったと思います。みんな本当によく着いてきてくれたと思います。今までの進行の比じゃないですよ。

 ただそれも、ソニックゲームをもう一度蘇らせて、ソニックファンだけじゃなく世界中のアクションゲームファンが「おっ!」と驚くゲームにする。そのためには絶対必要だからやるんだ! というふうに、何とかみんなを説得して進めたという感じです。

――試遊台でプレイしたのですが、疾走感が非常にうまく表現されていると感じました。ただ、シリーズをプレイし慣れていないユーザーには、ちょっと怖い感じもしたのですが、その辺はどうでしょうか。

飯塚氏:そこはまさしく岸本が話したように、安全にプレイできるハイスピード、優しい疾走感につながります。

岸本氏:オプションメニューには難易度を優しくするのではなく、優しいスピードを提供するためのセッティングをたくさん用意しています。なので、プレーヤーごとにどんどんチューニングして、自分なりの気持ちいい疾走感を見つけてもらえたらと思っています。

 これまでのアクションゲームというのは、開発側が最良の操作性を用意して“これで遊んでください”とシェフが提供するという形だったと思うのですが、今回に限ってはこれまでソニックシリーズを遊んできた百戦錬磨のユーザー、スピードも刺激も求めているお客さんと、スピードが怖いお客さんがどうしても相容れないので、そこをオプションとして設定できるようにしました。優しいスピードと非日常なスピード、自由にオプション設定で変えられるパラメータ設定できます。

飯塚氏:ゲーム起動時に、ソニックに慣れているプレイが良いか、それとも従来のアクションゲームのようなプレイが良いかの選択ができるようになっています。オプションで細かく決めることもできますが、ゲーム開始時にプリセットが2つ用意されていますので、それで最初に選んでもらえればと。

――敵のスピードはちょっと遅めで、ソニックのスピード感が際立っていましたが、これもやはり万人受けを狙ってのことでしょうか。

岸本氏:そうですね。そこもオープンゾーンの特徴の一つですが、バトルであったり謎解きであったりという、従来のソニックのプラットフォームアクション、ハイスピードアクションとは違う部分を用意することができるようになったんですね。

 それはなぜかというと、必ずしもすべてを遊ばなくても良いから。過去のソニックでもバトルに注力しようとしたタイトルがあるんですけれども、エネミーに耐久度を持たせてガッツリ戦闘をしてしまうと、どうしてもソニックのハイスピードな疾走感を殺してしまい相性が悪い。今回のオープンゾーンでは、必ずしもバトルや謎解きをしなくてもいいんです。

 だから、ゆっくりめというか、ちょっといつもと違うテンポのソニックゲームが、“ソニックらしいバトルとはこうです”、“ソニックらしい謎解きはこうです”という提案までいけるようになったんですね。その代わり、電脳空間ではソニックゲーマー御用達のリニアなステージをガッツリ用意してありますから、ご安心ください。逆に、そこだけ遊んでクリアしていただいてもいいですし、バトルや謎解きを重視してクリアしていただいても良いという感じに作ってあります。

――ソニックで謎解きと言われると、「おおっ!」という感じがしますよね。

岸本氏:ですよね!

飯塚氏:この島には、ランドマークだったり敵だったり謎解きなどが詰まっています。その中の、興味があるものにアクセスすることでゲームが進行するようになってますので、巨大な敵と戦うのが怖いと思ったら逃げれば良いし、その先に新しい興味のあるものが必ずあると思ってますので、それをこなしていくとゲームが進行する。どれを遊んでいただいても、ゲームが進むような設計になっています。

――プレイしたところ、ホーミングアタックが便利ですよね。

岸本氏:ホーミングアタックは飯塚さんが発明した、いかに3D空間の中でソニックらしいワンボタンで敵を倒して戦うかという攻撃方法なので、そこはもう3Dソニックとしてはありがたく使わせていただいているという感じです。

飯塚氏:今回はさらに、スキルツリーを使った新しいスキルをどんどんアンロックしていき、バトル用の新コンボをアンロックしてコンボを使い敵を倒すというのも入っています。従来のホーミングアタックだけではなくて、新しいバトルとしての面白さというのを盛り込みました。

――遊ぶほどにできることが増えて、プレーヤーの腕も上がっていく。

飯塚氏:そうですね。

――反対に、パリィは慣れている人向けと感じました。

岸本氏:パリィは、アクションアドベンチャーファンの方々にとっては当たり前の駆け引きの一つだと私は認識しています。パリィを用意することで、いわゆるソニックのリニアな遊びよりもバトルに重きを置いてプレイしてもらうときに、そちらでの深みでパリィが必要だったんですね。ただ、本作が採用しているパリィも、世の中にあるパリィと比較していただくとわかるんですが、どれだけハードルが低いか。

飯塚氏:実は簡単なんです。

岸本氏:ゲーム中に、ちょっとしたTipsなどを教えてくれるんですけれど、ものすごくハードルを下げてます。プレイしていて気がつくと、「パリィってこんなに簡単で気持ちよくできるんだ!」と。パリィというと上級者向けの印象がありますが、あれとはまったく違っています。

 実は、プレイテストでガチのパリィを1度作ったんです。すると難しすぎて、「なんでこんなのをやらせるんだ!」という話に(笑)。そこで、我々は原点に返るんです。ソニックらしいパリィとはなんですか、と。本作に実装されているのが、ソニックらしいパリィとはなんですか、に対する開発の回答です。

ゲーム内容と開発の苦労、すべてが込められた「フロンティア」

――今振り返って、一番キツかったことは何ですか?

両氏:きついことだらけでした(笑)。

岸本氏:先ほど言ったように、課題がどんどん増えていくけどスケジュールは決まっているので、その中で完成させないといけない。最初に、シンプルなところで遊べるワールドマップというオープンワールドのようなものを使い、次世代ソニックでアクションゲームの未来に一歩進もうよと言う提案、意気込みはあったんですが、それがここまで厳しいとは正直思ってなかった。

 例えば、今まで第2世代のソニックをずっと作っていたので、アドベンチャーシリーズなどのお手本が常にあるわけです。最良のソニックとは? ならここをアレンジしてみよう、こんなアクションを入れてみたらどうだろうと。今回は、そのお手本がまったく無いところで、0からのスタートだったんですよね。産みの苦しみというのは、やっぱりスクラップアンドビルドを何度も繰り返さないと見えてこないんですよね。

 自分のいるところから目的地までが面白くなったと言われたときに、飯塚さんとやったね! よかったね! と喜ぶ。でも次は、バトルがつまらないと言われている。じゃあバトルをソニックらしくしましょう! とし、今度は納得してもらえる。なのに、目的地への移動とバトルは面白いけど謎解きがつまらないと返ってくる。それらを、一つずつ切り崩して乗り越えていく作業という感じでしたね。

 飯塚さんはソニックチームの親分で開発全般を見てもらっていましたが、プロジェクトは牛歩で1歩ずつ1歩ずつとしか進まないので、上は「なんでぱっとオープンワールドのソニックができないんだ」という感じで来るんです。そこを飯塚さんが一生懸命現場に降りてこないよう止めてくれたので、現場としては制作に集中できて本当に感謝してます。

飯塚氏:作るにあたって、ゴールがなかなか見えない。これで大丈夫なんだ! というフォーマットができあがらない限り、発売日は決められない。最初の段階では、それらがなかなか見えてこないので、管理する方としては一番胃が痛いところでした。

――フロンティアというタイトル通り、開拓していくのは大変だったんですね。

岸本氏:本作は開発コードのまま開発が進んでいって、オープンゾーンのメドがついたところで飯塚さんに名付けてもらったんです。「お前たちのやってきたことはフロンティアだよね」と。ああ、確かに、と。

飯塚氏:いつもタイトル名はプロジェクトの後半につけるんですけれど、開発チームはもちろんマーケティング、PR部隊、すべての人間が“このゲームはいったいどんな中身なのか”というのがわかってからじゃないと決められない。みんなが理解した段階で、今回の「ソニックフロンティア」とつけました。

岸本氏:ソニックとしての新しい地平というか大地というところと、開発としての意気込みとしての新しい平野、という意味を汲んでくれるタイトルにしてくれたら嬉しいなと飯塚さんには思ってたんですけど、見事に命名していただいて本当に感謝しています。

 ちなみに豆知識なんですが、私がディレクションしているソニックのタイトルは必ず飯塚さんに命名してもらっています。私は、名前をつけたことがないんですよ実は。「こんなゲーム作ったので、飯塚さん名付け親になってください」という儀式をやってます(笑)。

飯塚氏:命名は毎回悩むんですけど、一言でシンプルにゲームをお客さんに伝えるためのワードであり、かつ開発の苦労とか、そこに至るまでのバックグラウンドとか、そういうのをすべて裏の意味として盛り込めるようにと常に思っています。

 そういった意味では今回、物語的にもソニックがまったく未知の島にたどり着いて何もわからないまま少しずつ開拓していく、という意味での「フロンティア」がお客さんに向けてのメッセージです。それと合わせて、我々ソニックチームとしての最先端のゲームであるという意味も、このフロンティアには含まれています。

――それでは、本作の発売を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします

岸本氏:ソニックファンの皆様には、メガドライブで速さで世の中を席巻した第1世代の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、3D空間であの2Dマップをループも含め表現して、まったく新しいレベルデザインという遊びを構築した第2世代の「ソニックアドベンチャー」、それに続く新しい世代としてオープンゾーンという武器を引っさげて、第3世代のソニックゲームを提案していきます。

 それと、今までソニックゲームに触れてこなかったお客さんたちには古典的なステージクリア型のアクションゲームに、オープンゾーンという武器を使って次世代のステージクリア型アクションゲームとはこういうモノなんですよ、と言う提案のつもりで作っています。ぜひ手にとって楽しんでみてください。

飯塚氏:「ソニックフロンティア」は、第3世代の新しいソニックゲームです。従来の第1世代第2世代に関しては急いで走る、急がなきゃいけないというのがゲームの根本にあったんですが、今作に関しては急いでも良いし急がなくてもいいし、戦っても良いし戦わなくても良い。

 その人の自由に、自分のやりたいように遊べる、まったく新しい従来になかったソニックタイプのゲームです。のんびりもできるので、従来のソニックゲームに抵抗があった方にも、ぜひ体験していただきたいなと思います。

――ありがとうございました。