インタビュー
「日本の空は美しい」。Head of Microsoft Flight Simulator Jorg Neumann氏インタビュー
日本語版も時期未定ながら準備中。ヘリコプターは2021年実装予定!
2020年9月24日 22:00
- 【Japan World Update】
- 9月29日実装予定
数年ぶりに行なわれた日本でのXbox Showcase。残念ながらオンラインでの開催となってしまったが、Xbox 360時代を彷彿とさせる日本タイトルに溢れたショウケースとなった。中でもユニークな日本タイトルが「Microsoft Flight Simulator」の日本向けアップデート「Japan World Update」だ。
今までとは違う日本に飛び立とう✈️
— Xbox Japan (@Xbox_JP)September 24, 2020
🗼東京
🏔️富士山
🏯姫路城
⛩️厳島神社#XboxJP#TGS2020pic.twitter.com/S3T7hlj6L8
詳細については下記レポートに譲るが、より精度の高い標高データを日本全域に取り入れ、6都市、6空港、そして様々なランドマーク、さらに新規コンテンツを活用した各種チャレンジも導入される。
今回は「Japan World Update」の発表を行なったHead of Head of Microsoft Flight Simulator Jorg Neumann氏に話を聞くことができた。短い時間だったが「Japan World Update」の魅力を皮切りに、日本語対応や、Xbox版、ヘリコプターの実装時期など、気になっていた部分について質問を重ねてみたのでぜひご注目頂きたい。
「Japan World Update」はアップデート計画のはじまりに過ぎない
――インタビューを始める前に1つ確認したいが、後ろにあるのは歴代の「Flight Simulator」のパッケージだろうか?
Jorg Neumann氏: そうだ! 左上から「Flight Simulator」の1作目、2作目、3作目、全部ある。ここに「Flight Simulator」38年の歴史がある。そういったタイトルに関わることができて本当に幸せだよ。
――DLCに日本を最初に選んだ理由を教えて欲しい。
Neumann氏: このアップデートは我々にとってはじまりに過ぎない。最終的なゴールは、我々のフライト経験を地球全体に広げることだ。ヨーロッパ、北米、オーストラリア、様々な地域が候補に挙がる中で、本来もっともっと人気が出るべき地域の中に日本も含まれていた。そして人気が出ていない理由は、その地域に根ざしたコンテンツが少ないこと、地表データが十分ではないからではないかと考えた。
そこでBing(※編注:Microsoft Flight SimulatorはBingの地表データをベースとして使用している)と共同して作業をする中で、私は日本をやりたいと伝えた。東京、横浜、仙台、徳島、高松などの6都市を対象に、新たな標高データを取り入れ、谷、山に関する正確なデータを実装し、日本の国土を作り替えた。それと同時に“楽しさ”も加えるために、手作り(※Bingのデータを元にしたプロシージャル生成ではなく空港のオブジェクトを1つずつ制作したという意味)の6つの空港を加えて、有名な橋や神社、お城といったPOI、もちろんミッションやランディングチャレンジも加えた。これで日本の皆さんにももっと楽しんで貰えると思うよ。
――地表データについては、現在のBingを用いたものも十分に美しいと思うが、現在のデータと、Japan DLCは具体的に何が違うのか?
Neumann氏: 各データの解像度が全然違うよ。たとえば、標高データは5メートル刻みまで細かくなり、高さがより正確に再現できるようになった。それによってプローシジャル生成される地形がより自然になり、建物とより馴染むようになった。
――多くの日本のフライトシムファンにとってビッグニュースだが、トレーニングをプレイして感じたが、やはり日本語版が欲しい。「MSFS」が日本語化される予定はないのか?
Neumann氏: 日本語のローカライズ作業は進んでいると把握しているが、現時点では「その予定はない」というのが正式な答えになる。「MSFS」のローカライズはAzureベースで行なわれていて、現在も様々な言語へのローカライズ作業が進められている。来年ぐらいには日本語も提供できるようになるのではないかと思う。
――初のDLCということでサイズ感を知りたい。
Neumann氏: そんなに大きくないから安心して欲しい(笑)。基本はAzureサーバーからストリームするのは変わらない。インストールサイズは10GBぐらいかな?
――無料配信という点も大きな特徴だと思う。DLCは今後も無料で提供されるのか?
Neumann氏: その点については明確に出来ないが、計画としては今後も更新し続ける。世界はダイナミックで、Bingのデータも更新され続けていて、日々新たなデータが生成されている。現在、ようやく北半球の目処が付いたので、今後南半球の開発に入っていく。
――Japan DLCで新たに盛り込まれるチャレンジはいくつあるのか? その中で気に入ったものがあれば教えて欲しい。
Neumann氏: たくさんある。気に入っているのは八丈島空港へのランディングだ(笑)。ランウェイはとても短いし、いつも強い風が吹いている。だから、キッチリ機体を制御してブレーキを掛けないとうまく着陸できないだろう。実際に八丈島空港はランディングの難しい空港として知られていて、このチャレンジではそれを実際に体験することができるんだ。
――日本のフライトシムファンにはどのような楽しみ方をして貰いたいと考えているか?
Neumann氏: ご存じの通り日本の国土は美しい。本当に美しい。私はほぼ2カ月間、日本の空を飛び回った。ゲームで飛ばしたり、たくさんのビデオを見たり、インターネットを覗いたりしてね(笑)。この美しい体験を、より現実に近いものにしたいと考えた。バーチャルツアーでぜひ日本の空を飛び回って貰いたいし、北は釧路から南は長崎まで、6つの空港を新たに用意したので、発着陸を試して貰いたい。そうそう、富士山も見物だからぜひ上空から眺めて欲しいね。パイロットになりたての人には、東京から長崎までのディスカバリーフライトも用意しているのでぜひチャレンジして欲しい。
――「Microsoft Flight Simulator」にはヘリポートはあるのに、ヘリコプターがない。ズバリ、いつ実装になるのか?
Neumann氏: 良い質問だ(笑)。いま頑張って開発しているが、来年になるだろう。
――日本にはXbox版を待ち望んでいるコンソールゲーマーも多い。Xbox版はいつリリースされるのか?
Neumann氏: もちろんXboxに向けても準備を進めていて、良い具合に仕上がってきている。リリース時期はまだアナウンスできないが、今のPC版に匹敵するようなものを、Xboxでも提供したいと思っている。付け加えるなら、Xbox Series XやXbox Series Sだけでなく、Xbox Oneでも遊べるようにしたいと思っている。どんなマシンでも動作するようために今開発を進めているところなので引き続き注目して頂ければと思う。
――日本のゲームファンにメッセージをメッセージを
Neumann氏: 私の願いは、今回の日本のアップデートにより、このゲームを試そうと思ってくれる日本人がふえることだ。世界は美しいし、中でも日本は美しい、空は美しい。ぜひ多くの方に空を飛ぶ体験をして貰えればと思う。
――Japan DLCの実装が楽しみにしている。ありがとう。