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合成、昇級、ガチャなど一切なし! 装備はドロップで集める”レガシーな”新作MMORPG「V4」

「インターサーバーシステム」で世界の垣根を超越

8月4日 事前登録開始

 ネクソンは8月3日、Android/iOS/PC用新作MMORPG「V4」のメディア向け発表会を開催した。発表会ではゲームの内容に加え、8月4日、つまり本日から事前登録が実施されることなどが発表された。

 「V4」は「HIT」、「OVERHIT」を開発した韓国のNAT GAMESが手掛けるMMORPGだ。Unreal Engine 4を使った美しいグラフィックスや、スマートフォンとPCで同じデータを使ってゲームをプレイできるクロスプレイシステム、そしてサーバーの垣根を越えて大規模戦闘を繰り広げるインターサーバーシステムなどが盛り込まれている。

 本作では特にMMORPGの楽しみである他のプレーヤーとの様々な交差が強く重視されている。一過性のものでも、単なるシステム的なものではない、本当の意味でのプレーヤー同士の繋がりである“ギルド”に重きをおいていたり、サーバーを越えて多くのプレーヤーが集まるシステム、そしてプレーヤーの努力の結晶である“装備”の価値を保持すること。多くのMMORPGファンが求めている要素が凝縮されている。

 そんな本作について開発元のNAT GAMESのパク・ヨンヒョン氏は「これまでのモバイルMMORPGに満足できなかったプレーヤーも満足できる作品で、これまで描いてきた完璧なMMORPGに近づくことができた」と自信満々に語る。本稿では発表会で発表になった情報を中心に、短時間ながらも実際に実機をプレイできたのでその様子をお届けする。

NAT GAMESのパク・ヨンヒョン氏が自信たっぷりに送り出す新作MMORPG
【【V4】Media Trailer】

モバイルMMORPGを次のステップへ上げる骨太MMORPG

 本作についてプレゼンテーションを行なったネクソンの中西啓太氏は、「今の日本市場でMMORPGで勝負していくことは簡単ではないと考えています」と前置きをした上で、「これまで多数のPC向けオンラインRPGのサービスを運営しており、モバイルタイトルにも力を入れてきたネクソンのノウハウを本作で最大限発揮できると考えています」とネクソンならではの強みについて話す。

 「V4」というタイトルには“Victory”と“For”という2つの意味が込められている。中西氏は「仲間と共に戦って勝利を目指していく、それぞれのプレーヤーがどういうコンテンツでどう勝利していくか、どのコンテンツで勝利を目指していくかを感じて欲しいです」と力強く語った。

プレゼンテーションを行った中西啓太氏と嶋村明彦氏
「V4」には“Victory”と“For”という2つの意味が込められている

 それでは「V4」にはどういうコンテンツがあるのか。運用ディレクターの嶋村明彦氏は、「MASSIVE」、「GUILD」、「INTER SERVER WORLD」という本作の核となる3つのキーワードを紹介した。

 ”MMO”、つまり「Massively Multiplayer Online Role-Playing Game」の「MASSIVE」とは「大規模」という意味だ。嶋村氏は自分がプレイしていても他のキャラクターが周りにいない、見えない状況は本当の意味のMMOではないと考える。多くのプレーヤーが交流する予想不可能な展開こそ真のMMOであり、本作ではかつてない規模のユーザーが一緒にプレイできるオープンフィールドを通じて本当の「MASSIVE」の価値を伝えたいと意気込む。

 そして「GUILD」。必要な時に結成され、必要なくなると解散される“パーティ”は一過性のものだし、システム的に分けられた“陣営”は機械的な存在だ。そのため本作では“ギルド”を中心としたゲームプレイが提案されるという。自分がピンチの時は助けてくれる、勝利した時は喜びを分かち合える。本当の仲間たちがいるギルドを通じて真のMMOのゲームプレイを完成させると語る。

 嶋村氏は「これらはPCMMOでは当たり前とも言える要素だが、モバイルでは実現されずに残っているもの」であると考えている。「V4」を発表することでPCのレベルに近づけることができたといえるかもしれないが、それだけでは不十分、ユーザー同士が繋がり合って生み出される経験が、これまで感じたことのないレベルまでに拡張されるべきと考えており、そのための3つ目のキーワードが「INTER SERVER WORLD」だ。

本作の重要なキーワードである「MASSIVE」、「GUILD」、「INTER SERVER WORLD」

 本作ではプレーヤーは1つのサーバーを基準にゲームをプレイしながら、同時に他のサーバーの一部のエリアに移動することがが可能になる。今まで出会うことがなかった他のサーバーのユーザーと同じ空間に集まり、大規模な戦闘を繰り広げることができる「V4」最大の特徴とも言える要素だ。

 具体的に言うと、「V4」には各サーバーに「シルナス」、「ルナトラ」という2つの空間がある。シルナスはメインクエスト進行などを行なう各サーバー固有の環境。ルナトラは他のサーバーのプレーヤーと相互に行き来ができる空間だ。

 「V4」は5つのサーバーを束ねて1つのインターサーバーワールドを構成する予定で、自分のサーバーのルナトラだけでなく、他のサーバーのルナトラを行き来することができる。またルナトラは一般フィールドに比べて良い報酬がドロップしやすくなっていたり、特定時間にフィールドボスが出現したりと、様々なメリットがある。他のサーバーのユーザーと争うか、平和的に共存するか。決められたルールはなく、プレーヤー同士が作っていく姿がインターサーバーワールドなのだという。

インターサーバーワールドにより、規模が大きく壁がないMMORPGの世界を体験できる

 本作の重要なキーワードはこの3つだが、重要なポイントとして装備品についても説明があった。装備品はフィールドでの狩りを通じてモンスターからドロップするのが主体で、装備品の昇級や合成などは存在しない。そのためフィールドプレイでアイテムを獲得する楽しさがあるのだという。また、装備品に関してはいわゆるガチャ要素は存在しない。説明会のあと嶋村氏に話を伺ったところ、「装備は完全にフィールドドロップでPay 2 Winにはなりません」と話してくれた。課金要素については時短やペットや乗り物といった要素を検討しているという。

 また、嶋村氏は「自らが努力した成果がしっかり成長に繋がるゲーム性、ユーザーの努力の価値を大切にし、その価値が守られることが重要と考えます。そのためにも素早いバランス調整・問題解決を行ない、信頼を得られるように運営面でも最善を尽くしていきます」と本作の運営面への意気込みを語ってくれた。

装備はガチャなどからは入手できず、モンスターからのドロップが主体。ドロップした装備は取引所を介してプレーヤー間でトレードが可能だ

直感的に操作できるわかりやすさ、美しいグラフィックスを満喫

 短時間だが会場でスマートフォン版の「V4」をプレイすることができたのでそのインプレッションもお届けしていこう。

 プレイできたのは斧と銃が一体化したような武器を持つキャラクターだった。サービス開始時点では全部で6クラスが用意される予定とのことで、クラスごとに異なる戦闘スタイルが楽しめそうだ。

 操作は左親指のバーチャルスティックで移動、右親指のバーチャルボタンで通常攻撃やスキルを繰り出していく。操作面は非常に直感的で、特に解説を聞くこともなくプレイできた。

 本作ではクエストを受けながらゲームを進行していく。ワンタップで目的地まで移動してくれたり、目的となるモンスターを自動で狩ってくれたりとストレスフリーな設計だ。印象的だったのはNPCとの会話シーンで身振り手振りしながら喋るNPCはその存在感を強く感じさせた。なお嶋村氏によるとNPCはすべて日本語によるフルボイスが実装予定とのことで、ゲームに対する没入感はさらに増しそうだ。

 そしてお楽しみがインターサーバーワールドだ。今回は成長済みのキャラクターで「ルナトラ」をプレイできたのだが、このエリアは出現する敵は強めで、その分リターンも大きいという“美味しい”エリアになっている。一方でここは対人戦が可能で他のサーバーのプレーヤーはもちろん、自分のサーバーのプレーヤーも攻撃することができるというMMORPGの醍醐味を味わえる。

 テストプレイでは他のサーバーのルナトラと、自分のサーバーのルナトラに行くことができた。同じ「ルナトラ」ではあるが、この違いについて話を聞いたところ、自分のサーバーであればいつでもルナトラに入ることができるが、他のサーバーについては入れる時間が制限されているのだという。他のサーバーからプレーヤーが侵入できる時間は特に熱い対人戦が繰り広げられそうだ。

 なお今回プレイできたのはモバイル版の「V4」だが、本作はPC/モバイルでのクロスプレイに対応している。嶋村氏によるとサービス開始時点から両プラットフォームでプレイができるとのことで、キャラクターデータなども同期されるという。これにより外出中は手軽なモバイルで、一方自宅では大画面のPCといった形で、それぞれのプラットフォームを生かした楽しみ方もできるだろう。

 本作の今後の具体的なスケジュールについては明かされなかったが、明日8月4日より事前登録がスタートし、サービス開始前にキャラクターネームを予約できるキャンペーンなども予定している。開発/運営ともに自信たっぷりに魅力を話す「V4」。実際にプレイできる日が楽しみだ。

【スクリーンショット】