インタビュー

VR空間でアニメ制作!? エイベックス・テクノロジーズの次世代ツール「AniCast Maker」とは

短編映像をビジネスへ。元ミノリCEOの酒井伸和氏にその全貌を聞く

「CEDEC2020」ショートセッション「AniCast Makerを用いた、ライブセッション式アニメーション制作技法〜リモートワークによる制作事例〜」

講演日時:9月3日15時30分~15時55分

 VR技術を活用することで創作は加速するのか?という命題はVR元年を迎えて以来問われて続けてきた。VR空間の中に人が入って、そこでモノ作りを行なえばより効率的に創作活動が行なえるのではないか、という期待感は我々ユーザーの中にずっとあった。そこで、アニメ制作という分野で一つの答えを打ち出そうとしているのが、エイベックス・テクノロジーズと、エクシヴィだ。

 エイベックス・テクノロジーズとエクシヴィから2019年9月に「AniCast Maker」という“VRを活用した次世代アニメ制作ツール”の商用化が発表された。このツールは、VR空間を通じて演者が3Dモデルの中に入ることで、アニメ制作におけるキャラクターの演技やカメラワークなどを直感的に作れるツール。従来の手法では専門的なスキルやスタッフ間の細かな連携が必要とされたが、本ツールではそれらのコストを不要とし、人員の削減や作業効率の向上といったメリットをもたらすことができるという。

 「AniCast Maker」商用化の発表から約1年。2020年7月末に同ツールの実力を示す実証実験として公開された映像が「彼女は歌う、だから僕は。」だ。フル3Dアニメーションであり、このアニメを構成する絵(セル)は、すべて「AniCast Maker」のみを用いて制作されている。

【彼女は歌う、だから僕は。】

 アニメの発表と共に、制作の陣頭指揮を執っているのが酒井伸和氏だということが明らかになった。酒井氏はPCゲームブランド「minori」を手掛けるミノリ社の代表取締役として美少女ゲーム業界に深く関わってきた人物。

 2019年2月に、ミノリによるソフト制作の終了が発表された。それからしばらくの間、酒井氏を含めた元ミノリの開発チームはPCゲーム業界の表舞台から姿を消していた。「彼女は歌う、だから僕は。」の映像クレジットに酒井氏ら元ミノリスタッフの名前が並んだことで、ファンの諸氏も一安心というところではないだろうか。

 今回、「AniCast Maker」および「彼女は歌う、だから僕は。」のアニメ制作について、酒井氏にお話を伺う機会を頂戴した。「minori」ブランドを畳んでから現在に至るまでの経緯、「AniCast Maker」の狙いやアニメ制作の裏側といった部分を聞いてみた。

エイベックス・テクノロジーズ AniCast事業グループ AniCastユニット ディレクターの酒井伸和氏

 また、酒井氏は9月2日より開催の「CEDEC2020」にて登壇予定。酒井氏のセッション「AniCast Makerを用いた、ライブセッション式アニメーション制作技法〜リモートワークによる制作事例〜」は、9月3日15時30分より実施予定で、「AniCast Maker」の技術的な解説を行なう予定だ。本稿は、CEDECでのセッションの前段として同ツールの概略的な部分やプロジェクトの経緯を紹介するものとなる。

酒井氏に聞く「AniCast Maker」:少人数・短編特化型ツール

ミノリを畳んで隠居も選択肢だった

――酒井さんは以前、「ef - a fairy tale of the two.」などの美少女ゲームを生み出してきたミノリの代表取締役としてゲーム制作に深く関わってこられました。ミノリのソフト制作終了が発表されたのが2019年のことでしたが、そこから今回「AniCast Maker」のプロジェクトに至るまでの経緯を教えてください。

酒井氏:当時ミノリの制作ラインを畳むという発表をしてすぐ、いくつかの会社さんからオファーがありました。しかし、発表からわずか2、3か月という段階で次は何をするという話もご用意できず、当時はお断りしていたんです。

 ミノリのソフト制作終了は2019年2月28日に発表しました。終わること自体は、実は発表の5年ぐらい前には決まっていたんです。⻑年共に開発をしてきたチームの中で、「minori」としてやりたいことをやりきってしまっていたんですね。しかし、新しく入ったメンバーなんかもいる状態で、そこの責任を取らずに「じゃあやめます」ということはできなかった。当時の開発メンバーたちの次の行く先を決めるなど、整理にかけた時間が5年間だったということですね。

2006年に発売したminoriの代表作「ef - a fairy tale of the two.」は現在もダウンロード版が販売中。2007年にはTVアニメ化もされた

――ゲーム制作の一線から離れられて、次はアニメーションを手掛けられているわけですが、2019年以降は何をされていたんですか?

酒井氏:私は今年で49歳なんですが、当時もう50歳も近いということでゲーム制作はやりきったし、モノ作りからは離れてしばらくは隠居かなと考えてました(笑)。

 それで引きこもってゲームで遊んだり、漫画を読んだり、アニメを見たりしていたんです。そんな最中、aNCHORで「マブラヴ」シリーズの統括プロデューサーをされているtororoさんから連絡があったんですね。彼とは古い付き合いなんですが、「暇だったら話をしませんか」ということで、お引き合わせいただいたのが現エイベックス・テクノロジーズの岩永社⻑です。

 なぜ自分なのか?という理由を聞いてみたのですが、アニメとゲームの両方の制作経験がある人を探していたものの、なかなか見つからなかったので、自分にお声がけいただいたようです。実際に、岩永社⻑からエイベックスに来ないかと何度か誘われたんですが、もうモノ作りはしたくないということで、当初は断っていました。ですが、最終的にはエイベックスの社食の美味しさに釣られて了承することにしました(笑)。

――三顧の礼と言いますか、最終的には胃袋を握られたんですね。入社後は、具体的にどういった経緯で「AniCast Maker」のプロジェクトが始まったのでしょうか?

酒井氏:自分としても、今後「AniCast Maker」を会社としてリリースする場合、ツールにはチュートリアルがつきものですが、そこがすっぽり抜けているなということがわかっていました。つまり「何が出来るのか実際に見せないとユーザーは買うか買わないかの判断もできないだろう」ということです。

 そこで、まずは「AniCast Maker」を使ったアニメーションの制作工程を組み立てて、「AniCast Maker」によって効率化される工程や、「AniCast Maker」が得意とする映像とそのクオリティについて、実証実験を行う必要があるだろうということで、プロジェクトをスタートさせました。実験ということであれば規模を自身で決められますし、また、「AniCast Maker」というツールの特性を考えれば、工程の組み方によっては、従来のアニメ制作と比較して大幅に関わる人数を削減できるのではないかという目論見もありました。

「彼女は歌う、だから僕は。」6人で作ったって本当?

――「AniCast Maker」のプロジェクトが動き出して、エイベックス・テクノロジーズが最初に世に出した映像が「彼女は歌う、だから僕は。」でしょうか。

酒井氏:7月30日に「AniCast Maker」を用いた作例として公開させていただきました。「AniCast Maker」というツール自体はずいぶん前から存在していたんですが、このツールを使って何ができるのかという具体的なものを発信できていませんでした。そこで実証実験として作成したのがこの映像です。

「AniCast Maker」で制作された「彼女は歌う、だから僕は。」

【AniCast Maker 紹介PV】
2019年9月に公開された紹介PV

――「AniCast Maker」では“手軽に”、“誰でも”といった特長を掲げていますが、「彼女は歌う、だから僕は。」の映像はどんな制作体制で作られたのでしょうか。たった6人で作られたという情報もありますが。

酒井氏:アニメーション制作パートは6人くらいだと思います。設定や音響まで含めるともう少し関わっている方はいますので、正確に何人というのは難しい気がします。むしろ、何人月要したかと言う方が重要かなと。監督として私が脚本、設定、字コンテを担当しました。キャラクターデザインが和遥キナさん、キャラクターや小物の3D設計制作は、エイベックス・テクノロジーズの同僚の佐藤さん、背景はミノリ時代からのメンバーであるゆうろさんとBoCudenさんに外注しており、字コンテから絵コンテへの作業からコンポジットまでの工程は、ミノリ時代の同僚だった結城さんとオンラインで話しながら作っていきました。

 モーションは「AniCast Maker」で制作しており、オペレーターは周囲で一番動きが良かった、同僚の三石さんにお願いし、音響周辺は貞永プロデューサーにエイベックス社内で募って頂きました。制作工程の頭から最後まで関わり続けていたのは、僕と結城さんの2人で、それ以外は必要な時期に協力して頂いた感じになります。のべ人数に比べて、総人月は少なくなっているのが特徴です

 また、制作のほぼ全工程を、声優さんの収録も含めてリモートワークで行なっています。今回のプロジェクトを立ち上げた時期が、ちょうど年明けのコロナ禍での外出自粛が言われ始めたタイミングでした。「それならリモートで制作できると嬉しいよね」ということで、フルリモートでの制作に挑戦した次第です。

通常のアニメ制作ですと、音声は声優さんを一箇所(スタジオ)に集めて収録します。今回、声優さんへの発注は、ゲームと同じ要領で台本を作り、絵コンテを繋いだ動画コンテでおおよそのイメージを伝え、「秒数は気にせず、いい感じの演技で何パターンかよろしく」というアバウトな内容で、宅録で行ないました。セリフによっては何パターンか頂いたりして。ゲームの音声収録のイメージです。デジタル処理技術の向上によって、スタジオ品質には届きませんが、実用には十分耐え得るデータが揃いました。

 集まった音声のデータを私がドラマCDを作るイメージで編集し、それにあわせてそれぞれのカットの尺を決めました。おおよその尺さえ決まってしまえば、演技の収録に入れますので、今度は「AniCast Maker」の操作担当に「音に合うよう、いい感じで演技しておいてください」というアバウトな指示を出して、キャラクターの演技動画を回収。総ての素材が集結したところで一旦コンポジットして、あとはその仮映像を見ながら、それぞれのパートの検討をして、必要に応じて手直したものが今回のアニメです。実際の作業期間は3〜4週間で、特にトラブルもなくスムーズに完成に至りました。

 今回の制作のポイントは、必要以上にクオリティを追及せず、少人数で「このぐらいでいい」というレベルを満たせるか、という点です。その到達点がどのくらいのものなのかも、検証したかった部分です。

キャラクターのモーションは「AniCast Maker」で収録している。動作のソースが実際の人間の動きなので仕草が単調にならないのも利点だ

――背景などは特に綺麗に仕上がっているようですが、どのように作られているのでしょうか?

酒井氏:背景は、動画コンテの段階で、①写真または実写動画を加工すればいけそうなもの、②人の手で描かなければできないもの、今回は使っていませんが、③3Dでステージを組むものとわけておき、コスト感とスピード感の折り合いを付けました。元々、コンテの段階で背景は「こういう手順で揃えよう」と予め結城さんと相談しておき、写真と動画は主にスマートフォンのカメラで撮影しました。事前に絵作りの方向性は決めておき、必要な素材を割り出して、Google Mapsのストリートビューでだいたいの場所の目星をつけてから川崎へ行き、1日で取材をしました。これが制作中に顔を合わせた唯一の日です。

駅構内が映るワンカットなど、写真を活用したことが映像のクオリティアップにつながっている

――今回の映像制作においてこだわっている点はありますか?

酒井氏:アニメは、パラパラ漫画のように一枚絵を連続再生することでキャラクターを動かすのですが、今回は実証実験ですので、キャラクターを動かす段階では、「AniCast Maker」以外のツールを使わないという約束を設けました。

 「AniCast Maker」の操作はオペレーターの手腕に依存しています。VR空間で実際に動いてもらいながらモーションを作っていくので、私からの指示は「音声の雰囲気にあわせて演技して」という、まるで着ぐるみショーのようなものでした。

 こうして、「AniCast Maker」を使うと、映像制作のどの工程に影響が出るのか、分かりやすくお見せできる映像が完成しました。確かに、⼤規模なキャプチャシステムやMotionBuilderを用いれば、構図の縛りはなくなっていきますし、「AniCast Maker」から出⼒されたセルに一枚ずつAdobe After Effects等で⼿を⼊れていけば、更にクオリティを追及する映像を作ることもできます。ですが、今回はあくまで実証実験ですので、「AniCast Maker」をアニメ制作に適用すると、何ができるようになるのか、または、どういった構図の映像が「AniCast Maker」で作れるのか、といったことが明らかになったと思います。

「AniCast Maker」の狙いは“隙間”。

――最近のアニメ業界ではどんな課題があるのでしょうか。「AniCast Maker」で制作するアニメは、既存のアニメとどう違うのでしょうか?

酒井氏:最近のアニメ業界は、全体的にインフレーションしているんですね。これはゲーム業界にも通じる傾向なのですが、ゲームにおけるゲーム性というものは、スーパーファミコンの時代となる80年代までにほとんど出尽くしているんです。90年代以降はプレイステーションやセガサターンが出てきて、3Dゲームの時代が始まりますが、そこで行なわれてきたのは既存のゲームに新たな技術を追加していくという、技術面での進歩だと思っています。技術というのは分かりやすい指標で、コストをかければより良い作品を作れます。しかし、当然ながら、それを追及すればするほど、コストが無制限に増え続ける。

 同様のインフレは、ゲームの後を追うようにアニメ業界でも起きています。つまり、最終的に、他作品との差別化を推し進めていくと、嗜好的な部分においては「個人の好み」で決着してしまうので、必然的に「技術力」もしくは「物量」でしか語れなくなっていってしまうのです。画面解像度が上がった、作画クオリティが上がった、背景が緻密になった、プレイ時間何十時間オーバー、CG枚数1000枚以上、登場キャラクター100人。どれもこれもインフレ要素でしかなく、この戦いはいつしか消耗戦になってしまいます。

 中でもアニメの制作では、そういった技術を扱う人に加えて、監督や設定制作、プロデューサーなどとにかくたくさんの人手とお金がかかるようになっています。作品の規模が巨大化すれば、必然的に関わる人数が増え、分業が進みます。分業するには意思が確実に伝わる設計図、つまり、キャラクター設定、美術設定、絵コンテやタイムシートなどを用意して、できるだけリテイクをしないための準備をしなければなりません。制作のための準備が多くなればなるほど、コストは増大していきます。そして、そうしたコストの増加によるリスクの分散を行なうために、製作委員会という体制でアニメが作られていることは皆さんご存じだと思います。

――コスト増による停滞が課題となっているわけですね。

酒井氏:ゲーム業界に目を戻すと、ここ数年ではハイパーカジュアルへの回帰現象が起きています。もちろんフラッグシップ的な大がかりな作品も作られるのですが、シンプルなゲームや復刻作品もどんどん出て、それらを支持する層も出てきているという状況です。

 ミノリから発売したゲームも、実は古いタイトルがよく売れるようになりました。というのも、2000年代はパッケージ販売が主流でしたから、一旦売り切れてしまうと、ソフトの入手が困難でした。しかし、今はダウンロード販売が充実し、古いタイトルも安価でダウンロード版を入手できるようになっています。新しい作品を高い金額でプレイするリスクよりも、選別が終わっている旧作の良作を安価でプレイする方がいいという市場ができたということです。漫画やゲームソフトは、中古市場で既にこのエコサイクルが完成されていましたが、アニメも配信のおかげでそうなりつつあります。

 配信というプラットフォームができたことで、アニメに限らず動画は「⻑さ」という概念が崩れてきています。テレビの「枠」や映画の「⻑さによる金額設定」というフォーマットを維持しなくてよくなったため、ユーザーの裾野が広がったのではないでしょうか。

 こうしたユーザーの嗜好の変化はアニメ業界にもあると思っていて、最近は若年層を中心に短い映像が好まれるようになってるんですね。2時間の映画よりも、YouTuberの10分程度の動画なんかがよく見られるようになっています。また、Web広告でも短い映像が利用されるようになってきたことなど、短編映像の需要が増している状況です。

 しかし、短編アニメを作るというのは、意外と難しいんです。短編ならセルの枚数が少ないからそんなにコストはかからないわけではなく、先ほど述べたように映像を作り始めるまでの段階で、基本的な設計図を用意しなければなりません。従来のシステム内で制作する以上、結局その部分の手順は尺の⻑さに関係なく必要で、コストが大幅に下がるわけでもない。

 更に、現状の制作システムはテレビや映画に最適化されていますから、イレギュラーな制作には弱いわけです。つまり、「AniCast Maker」を使ったような、ざっくり作ってから細かい直しをするような方法はとれませんから、こういう作り方をしている限り、短編アニメをビジネスとして成立させることはできません。

――なるほど。「AniCast Maker」の掲げる“手軽に”、“誰でも”という特長は短編アニメ制作に向けたものでしたか。

酒井氏:そうです。「AniCast Maker」は、従来のお手本的な作り方をある程度崩しても、アニメを制作できるツールだと今回の実証を通じてわかりました。先にお話しましたが、「彼女は歌う、だから僕は。」の制作でも「AniCast Maker」を使うことで、厳密な設計図を用意しなくてもアニメ制作ができるということを検証しています。

「AniCast Maker」での制作の様子。VR空間でカメラや照明の配置を直接手で触って動かすなど、直感的な操作が特徴

 細かいところまで決めなくていいということは、そこを担当していた人員を削れる、ということです。少人数でもアニメ制作が可能になり、コストを縮小することで、映像をさまざまな用途に向けて作ることが可能になります。「ジャストタイミング、ジャストコスト、ジャストクオリティ」なアニメを制作するツールとして、⾔うなれば“早い、安い、旨い”⽜丼店のような思想でアニメを制作することを⽬指しています。

 具体的な用途としては、例えば漫画をアニメ化するという前段階でドラマCDというコンテンツがありますが、「AniCast Maker」を使えばここを映像で代替できます。ほかには、3Dゲームの販促用の短編アニメや、VTuberの動画制作などにも活用できます。3Dモデルの用意があれば、本当に1人でも短編アニメを制作できるので、提案から1日で納品というスピード感も不可能ではないと思っています。

 こうした短編アニメは、既存の作り方やツールを使用するとコストに見合わないので、ビジネスとしてはこれまで誰もやってこなかった領域なんですよね。「AniCast Maker」を使ったアニメ制作は、テレビや映画向けの高品質なアニメ制作に取って代わるものではなく、その隙間をほどよく埋め、アニメとコンテンツをもっと手軽に結びつけるツールとして皆さんにご活用いただければと思います。

――お話ありがとうございました。TwitterなどのSNSが普及したことで短編映像の需要はますます高まっています。そこにVRを合わせることで効率化できるというのはこれまでにない発想でした。今後の展開にも期待しています。

続きは「CEDEC2020」で

 以上、酒井氏へのインタビューをお伝えした。「AniCast Maker」はアニメ制作ツールとされるが、映像を見て分かる通り3Dモデルを活用したツールだ。トゥーンレンダリングを用いたゲームなど、3Dモデルがそのまま流用できるのであれば簡単に短編映像の制作が可能になる。TVアニメというよりもゲームの販促やスピンオフアニメの制作などにこそ活躍できるのではないかと筆者は感じた。

 冒頭でもお伝えしたが、本稿掲載の翌日9月2日より開催のイベント「CEDEC2020」にて酒井氏は登壇を予定している。本稿で語られなかった、「AniCast Maker」が技術的に何をどうしているのか、という部分を説明するセッションなので、ご興味をお持ちいただいた⽅は是⾮そちらも視聴いただきたい。