インタビュー

「アサシン クリード オリジンズ」はピラミッドに入って探索できる!

「エジプトはファンタジーへの引き金」。本作プロデューサーにインタビュー

6月13日~15日開催

会場:Los Angeles Convention Center

 E3に約2年ぶりに登場したUbisoftの「Asasin's Creed(アサシン クリード)」シリーズの最新作「Assasin's Creed Origins(アサシン クリード オリジンズ)」が舞台に選んだのは、古代エジプトだ。

 「Assasin's Creed Origins」では、紀元前49世紀の古代エジプト末期を舞台に、主人公Bayakの物語、そして彼がアサシン教団を組織していく過程が描かれていく。

 今回、E3 2017の会場で「Assasin's Creed Origins」プロデューサーのJullien Laferrere氏にお話を聞くことができた。本稿では、出展されていたデモの様子とJullien氏の話を交えながら、発表されたばかりの「Assasin's Creed Origins」の世界に迫っていきたい。

【Assassin's Creed Origins: E3 2017 Official World Premiere Gameplay Trailer [4K] | Ubisoft [US]】

エジプト世界の再構築が今作最大のチャレンジ!

「Assasin's Creed Origins」プロデューサーのJullien Laferrere氏
本作は広大なエジプトが舞台となる
バヤクの「目」となる鷹のセヌゥ。情報収集には欠かせない重要な相棒だ

 「Assasin's Creed Origines」の主人公バヤク。メジャイと呼ばれる歴代の戦士かつ警察官で、古代エジプト文化を守る立場にあるが、古代エジプト末期にあたる本作では、古代ギリシャと古代ローマの影響が押し寄せてきている状況下にもあるという。

 エジプトの土地は広大で、ピラミッドがあり、墓があり、ナイル川やそのデルタ地帯、アレクサンドリアやメンフィスといった都市もある。土地全土に広がる謎と強い神秘性も魅力的であることから、今作の舞台として決定された。

 ほかにも本作のオススメのポイントとして、Jullien氏は捻りの利いた物語、自由度の高いクエスト、カスタマイズ豊富な成長システムなどを挙げたが、最大のチャレンジは世界そのものを作ることだったという。

 本作の広大なエジプトはシームレスに繋がっているほか、見える場所のどの場所にも登ることができるという。ラクダなどの動物に加え、建築物など当時の状況はエジプトの専門家にも意見を聞きながら、エジプトをまるごと再構築していく作業になっていったそうだ。

 さらに世界に住む人々のAIも刷新していて、たとえば農家は昼間に作物の収穫、夜は家に帰って食事をして就寝、僧侶であればそれぞれが神殿の別の部屋でそれぞれの行動をしているといった具合で、住民1人1人がスケジュールどおりに動いているという。敵もそれぞれのスケジュールを持っているため、同じクエストでも昼間と夜ではまったく印象が異なるようになっている。

 またバヤクは、セヌゥという鷹を飼っており、ゲーム中はいつでもセヌゥを呼び出して、上空から敵の情報などを得られる。「ウォッチドッグス2」や「ゴーストリコン ワイルドランズ」のドローンのような機能を果たす要素で、戦略上もかなり大事だ。

古代エジプトの様々なロケーションが待ち受けている

戦闘システムは刷新。武器の種類が大幅に増えた

 実際のデモプレイでは、船の上にいる人物を暗殺するミッションを受けることができた。まずはセヌゥで様子を伺ってみると、ターゲットの背後ががら空きであることがわかった。ここでの選択肢としては、あえて正面突破で見回りと戦闘しても良いし、水中から船の裏手に回り込み、そこから船体を登って暗殺を狙うということも可能だ。

 水中や船内、また敵を倒した際などにはアイテムが獲得できる。アイテムには金銭や武器など様々なものがあり、特に武器は随時持ち替えながらプレイを進めていくことになるようだ。

 また実際に触れてみると、戦闘システムが大きく変わっていることがわかる。武器は近距離用と遠距離用(と盾)という分類があり、装備中の剣や弓矢は瞬時に持ち替えることが可能になっていた。武器は様々なサイズ、重さ、長さを持ったものが登場し、その分アニメーションも豊富に用意されているという。素早い回避も可能になっていて、戦闘は変化に富みつつ、スピード感が上がった印象だ。

弓矢や盾などを随時持ち替えながら、より素早くなったアクションで敵と戦っていく

「潜在的に危険なもの」として住まう動物たち。地元の人々もしょちゅう襲われている
ピラミッドに入り、宝を探索する要素もあるという

 さらに本作の世界には、セヌゥだけでなく様々な動物が登場する。具体的にはワニやカバ、フラミンゴ、ヘビなど多種多様で、初めて動物の姿を見たときは「ファークライ プライマル」のように動物を仲間にしていくのかとも思ったのだが、これらの動物は仲間にできないそうだ。

 当時のエジプト人にとって、動物たちは神にもなるほど大きな存在であることから登場しているという。そのため仲間にはならないが、世界の中で「潜在的に危険なもの」として存在することが本作での哲学なのだそうだ。

 なおデモプレイの中で、筆者はカバに襲われた。場面はまさに水中を移動しているときのことだったが、大きな口を開け、怒り狂った様子で突進してきて、それはそれはとても怖かった。思わず近くのボートに避難したが、ボートにも何度も体当たりをしてきて、なかなか攻撃をあきらめない。やむを得ず反撃して倒したのだが、そこら辺の敵兵よりもよっぽど恐ろしい存在だ。動物については、倒すことで資源を得て、装備を強化するという要素もあるそうだ。

 ほかにもJullien氏は「エジプトはファンタジーへの引き金」と語り、エジプトの遺跡やピラミッドといった秘匿の場所を巡る探索要素も重要視しており、ピラミッドの中に入って宝を探すような冒険も楽しめるという。

 今作ではアサシン教団の起源が描かれるため、「初めて『アサシン クリード』作品に触れるには良いタイミング」という。ストーリー上のポイントについては「ネタバレになるので詳しくは言えない」とのことだったが、変わりつつある古代エジプトで奮闘するバヤクの個人的な話でありながら、最終的にはアサシン教団を組織するという壮大な話に繋がっていくダイナミックさが面白い部分だとした。日本での発売予定は2017年秋となっているので、発売を楽しみに待ちたい。