ダイアクロン「バトルバッファロー Mk.IV<ストライカー>」レビュー

バトルバッファロー Mk.IV<ストライカー>

無骨さを全面に押し出した、対ワルダー軍用の合体メカがロールアウト!

ジャンル:
  • アクションフィギュア
発売元:
  • タカラトミー
開発元:
  • タカラトミー
価格:
18,000円(税別)
発売日:
2018年12月25日

 タカラトミーは、「ダイアクロン」シリーズの最新アイテム「バトルバッファロー Mk.IV<ストライカー>」(以下、バトルバッファロー Mk.IVと略)を、2018年12月下順に発売した。

 2016年の「ダイアバトルスV2」、2017年の「ビッグパワードGV」に続く、ファン待望の大型アイテム第3弾となるこの製品は、これまでの同様の幅広いプレイバリューを持たせつつ、シリーズとの連動も強化した製品となった。この製品版のレビューをお届けしていきたい。

「バトルバッファロー Mk.IV<ストライカー>」パッケージ。他の大型アイテムより箱が薄め
パッケージ内ブリスター。パーツはそれほど多くなく、しまいやすい仕様だ

3機のメカが合体変形、無骨なデザインのロボットに

 ドーム状の頭部とそこから突き出た2本のツノのような意匠が印象的なこの機体は、旧ダイアクロンシリーズ中期の「第3次アタックシステム」が展開された1982年に発売された合体メカ「バトルバッファロー」がベースとなっている。

 月面を基地としたワルダー軍団に対抗するために開発された高速機動重戦闘ロボで、「バトルヘッダー」、「バトルブレスター」、「バトルレッカー」(“レッガー”ではなく、“レッカー”が公式表記となる)の3機が合体変形する。バトルヘッダーのキャノピーがそのままロボットの顔となる設計で、それまでの人間的な顔がデザインされたマシンとはひと味違う格好良さを備えていた。

「ダイアクロンEXPO 2018」に展示されたバトルバッファロー。赤と黒の色使いも渋め
バトルバッファロー Mk.IVはオリジナル同様、3機のマシンが合体して構築される

 今回発売されたバトルバッファロー Mk.IVは、ダイアバトルスVシリーズを支援する「バトルバッファロー Mk.III」をベースに、ワルダー機動歩兵駆逐作戦用に開発された多段戦術戦闘マシンだ。

 通称は「ストライクバッファロー」。多機能型戦闘機動マシン「ストライクヘッダー」、重機動攻撃機「ストライクブレスター」、重機動輸送トレーラー「ストライクレッガー」の3機のメカで構成され、合体した決戦モードではマシン全てのコクピットが近接位置に移動集結。3名のパイロットと総身制御コアブレインが同期する人気諧調型戦闘システム「G.O.D.-AI(Gloval Overload Drive-A.I.)が機動。通常の身体感覚を凌駕する、超次元の決戦機動を可能としている。

頭部となるストライクヘッダー。コクピットの左右にあるのは高性能センサーのアクティブレーダー
ストライクヘッダーは「メックモード:タウラス」へと変形。専用武器パルスビームライフルを装備
コクピットハッチを展開させてダイアクロン隊員が搭乗。座席中央のコントロールパネルは可動する
胸部と腕になるストライクブレスター。写真の台座にしているアクリルブロックは付属しない
ストライクブレスター中央部の機体「ボレットモジュール」は分離できる
ストライクブレスターが変形した2脚歩行メカ「メックモード:ファルコ」
脚部となるストライクレッガー。合計12輪のタイヤは可動し、コロ走行を楽しめる
ストライクレッガーのトレーラーを牽引する「ボレットビークル」。後輪上部のミサイルハッチが展開
ストライクレッガーが変形する「メックモード:パイソン」
主にストライクレッガーの武装として使用する「ツインブラスター」は4つ同梱される

 合体のプロセスを楽しむギミックももちろん搭載。設定にあるG.O.D.-AIを起動させるためのコクピットが集結移動する様子は、ストライクブレスターとストライクレッガーの合体時、上下に位置した両者のコクピットがスライドして左右に並び、下部にあるパネルが下がって合体が完了する。まるで実機が存在するようなリアル感を演出した設計は、ダイアクロンシリーズならではの醍醐味といえるだろう。

後述する「ブルガンナー」への変形プロセス。2つのコクピットが左右にスライドして、下側のコクピットがせり上がり、パネルが下がって合体完了する

 これまでの合体マシン同様、3機のメカは単独での変形や2機合体なども楽しめるほか、過去に発売されたシリーズとの連携も強化されたという印象を受ける。例えば腕や脚のジョイントがダイアバトルスV2と共通しているので、組み替え変形によるコンビネーションが可能だ。

 昨年の「ダイアクロンEXPO 2018」のトークショーにて話題に上がった「ヘッドユニットコネクター」のパーツを使用すれば、頭部にパワードスーツを合体させることができ、ストライクヘッダーを連結したときとは違うシルエットを楽しめるわけである。

ストライクヘッダーとストライクブレスターが合体した「スカイストライカー」
ストライクヘッダーとストライクレッガーが合体した「ランドストライカー」
メックモード:ファルコとメックモード:パイソンが合体した「ブルガンナー」
別売りの「パワードスーツマニューバ」に同梱される「レイドチェンバー」をジョイントで接続
ボレットビークルのコクピットを上げて、付属のジョイントをトレーラーに取り付ける
2個ずつジョイントしたレイドチェンバーを最大6個乗せられる

 2足歩行ロボットの形態となる決戦モードは、ストライクブレスターの「メックモード:ファルコ」とストライクレッガーの「メックモード:パイソン」が合体した「ブルガンナー」がさらに変形し、ストライクヘッダーが合体することで完成する。

 もちろん合体前後の余剰パーツはない。ダイアバトルスV2のヒロイックなシルエットとは対照的に、角張った部分が目立つ無骨なデザインが特徴だ。翼も存在しないため、地上戦を主体とした機体だということが予想できる。ヒジとヒザはクリック関節、その他の関節も固めで、アクションフィギュアとしてポーズも付けやすい印象があった。

ブルガンナーの脚部を回転させて、ヒザのパネルを上にスライドさせる
爪状の「ポッドクラッシャー」をスライドさせて、内部に収納された拳「パワーナックル」を出す
アームを後方に折りたたんだストライクヘッダーを合体させる
最後に頭部の「FZビームキャノン」を起こしてバトルバッファロー Mk.IVの完成
バトルバッファロー Mk.IV<ストライカー>(決戦モード)。脚部のパネルや後部のむき出しのタイヤが無骨さを強調している
頭部のFZビームキャノン、肩の「ガトリングマグナム砲」、「12連装ミサイルポッド」などで武装している
パワーナックルは親指と人差し指、残りの3指がそれぞれ可動
パワーナックルを収納してポッドクラッシャーを展開。ワルダー軍の「ワームポッド」に対抗する
太ももに装備された「多弾頭弾幕ミサイル」のポッドが展開する
装備武器は2丁の「ストライクFZライフル」。背部に懸架させることが可能
腕は水平まで開き、脚はここまで上げられる。足首の接地面が広いので、この状態で自立できる
足首は変形機構も兼ねた広い可動域を持っていて、幅広いポージングが楽しめる
合体メカながら、ここまで動きのあるポーズを付けられる
決戦モードから移動要塞のような姿に変形する「メガストライカー」
メガストライカーに「パワードシステムマニューバデルタ」の「アタックヘリモード」を搭載してみた
ストライクヘッダーを取り外して「ヘッドユニットコネクター」を装着。パワードスーツは脚部を写真のように格納する
パワードスーツと合体したバトルバッファロー Mk.IV。マニューバタイプも合体可能だ
共通のジョイントを使った、ダイアバトルスV2とのコンビネーション合体
付属のダイアクロン隊員は、バイザーを下ろした状態の3人が付属する
通常のダイアクロン隊員(左)との比較。バイザーはメタリックで塗装されている

 少し気になったのは、全体的に若干タイトに組み付けられているようで、腕のロールやボレットビークルの前輪タイヤなど、一部の可動箇所が固すぎるようにも感じられた。ユーザーの間では、シリコングリスのスプレーを使ったり、ネジを緩めたりするなど、細かな調整をしている人も多いようだ。もし気になるようなら、Twitterなどで「バトルバッファロー」を検索してみることを勧めるが、分解などを絡めた調整は自己責任となるのでそのつもりで。

 戦闘マシン、攻撃機、輸送トレーラーという構成と、変形後の無骨なデザインはダイアバトルスV2とは違った魅力を備えたこのバトルバッファロー Mk.IV。機体のプレイバリューはビッグパワードGVにも負けていないほどに感じられた。

 他のダイアクロンシリーズとの連携できる仕様や、部分的にタイトに感じられる部分があったことから、この手のハイターゲットトイを扱い慣れた人向けという印象は受けたものの、価格帯などを考えれば仕様的な違和感は感じない。タイトな部分も注意して触れば許容できる範囲であり、もしどうしても気になるなら、自己責任のもと調整してみるのもいいだろう。

シリーズが揃ってくると、他のアイテムと絡めた遊びががぜん楽しい

 シリーズとしても充実してきたダイアクロンの最新アイテムとして、筆者個人的には十分に満足のいく完成度の新製品だった。次の大型アイテムがどれになるのかを想像しつつ、この「バトルバッファロー Mk.IV」をこれまでのダイアクロンシリーズと絡めて遊び倒してみたい。