【特集】

【年末特集】マウスにキーボード、この冬ゲーミング環境を見直したいPCゲーマーへおすすめのデバイスを一挙に紹介!

「SteelSeries APEX PRO TKL (2023)」

 年末年始は、諸般の事情もあり、再びステイホーム気味になりそうな雰囲気もあるが、まとまった休みはゲームをガッツリと楽しむチャンスでもある。そこで本稿ではゲームをより楽しむために、コントローラーやマウス、キーボードといった入力機器を中心とした周辺機器を紹介していく。ラインナップは、2022年の最新デバイスも押さえつつ、根強い人気を誇る名機など、筆者の独断と偏見で全7アイテムをピックアップした。

 2022年を振り返ると「VALORANT」などのシューターの人気もあり、キーボードやマウスへの注目がこれまで以上に高まった。なかでもテンキーレスよりもコンパクトな60%~65%キーボードが多く登場したことが大きい。これは用途がゲームのみに加えて持ち運びの容易さもあるだろう。また低遅延ドングルを利用したワイヤレスデバイスも目立った。ワイヤレス=遅延があるという見方が徐々に薄れつつあるのも面白い傾向だった。

キーボードはワイヤードもワイヤレスも豊富

 PCゲームをプレイしていて、キーボードに慣れてきたのであれば新しい沼への入口が待っている。ゲーミングキーボードは種類が豊富で、スイッチだけでもプレーヤー独自のこだわりがあるほどだ。とはいえ、まずはひとつゲーミングキーボードを使い込んでみて「なんかキーが重い」、「もう少し軽いほうが」、「もうちょっと反応が速いほうが」、「しっかりと押し込みたい」などと感じはじめたら、自分に合うゲーミングキーボードを探す頃合いだ。

 今回は比較的万人受けするゲーミングキーボードとして、「SteelSeries APEX PRO TKL(2023))と「Logicool G913」のふたつを紹介しよう。

「APEX PRO TKL (2023)」シリーズ

  • 発売日:2022年11月4日
  • 有線/日本語配列「APEX PRO TKL (2023)」
    参考価格:32,980円
  • 有線/英語配列「APEX PRO TKL (2023) US」
    実売価格:32,613円前後
  • 無線/英語配列「Apex Pro TKL WL (2023) US」
    実売価格:43,480円前後

 「APEX PRO TKL (2023)」は、世界最速の応答時間と10倍の速さのキーストロークを実現するOmniPoint 2.0キースイッチを採用し、入力を判定するアクチュエーションポイントをキーごとに0.2mm~3.8mmで調整できる。そのため、いち早く反応してほしいWASDキーは敏感仕様にしておき、逆に確実に入力をしたいキーは反応を深めにして誤操作を防ぐといった使い方が可能だ。また軽く押下したときと押し込んだときで異なる入力を割り振りもできる。

 押下感はリニアで静音寄りだ。そのため、カスタムするほど手に馴染む相棒となってくれるだろう。なお、日本語配列はワイヤードのみで、英語配列にはワイヤードとワイヤレスがあるほか、同キースイッチを採用した60%キーボードAPEX PRO MINIもある。こちらは日本語配列にワイヤードとワイヤレスの2種類アリ。

【APEX PRO TKL (2023)】

「Logicool G913」

  • 発売日:2019年8月29日
  • 参考価格:31,680円

 ワイヤレスでまずチェックしてほしいのが、ロジクールの薄型ゲーミングキーボード「G913」だ。厚み22mmの薄型ながらメカニカルキースイッチを採用する。キースイッチは3種類あり、明確なクリック音とフィードバックのGLクリッキー、ほどよい打鍵間とフィードバックのあるGLタクタイル、リニアなGLリニアの3つ。2019年の発売から定番の無線ゲーミングキーボードとして普及しており、店頭で試せることが多いモデルなのでフィーリングに合うスイッチを選ぶといいだろう。

 また、LIGHTSPEEDワイヤレスを採用し、1msの低遅延を実現しているため、ワイヤレスだからといって遅延を気にする必要はない。自宅だけでなく、持ち運びたい人にもオススメのキーボードだ。なお、テンキーレス版である「G913 TKL」もある。

【Logicool G913】

キーボード以上に好みが分かれるマウス

 キーボード以上に「どれがいいのか、わからん」となりやすいのがゲーミングマウスだ。サイズも違えば、形も違う。スイッチもDPIも違う。また、巨大なマウスパッドで大きくマウスを動かす場合と、そこそこの大きさのマウスパッドで操作する場合でマウスによって向き不向きがある。

 マウスもキーボード同様に入門に適した万人向けの2アイテムを紹介しよう。「Razer Viper Ultimate」と「Corsair SCIMITAR RGB ELITE」だ。

「Razer Viper Ultimate」

  • 発売日:
    [ブラック] 2019年10月31日
    [ピンク] 2020年11月27日
    [ホワイト] 2021年5月14日
  • 参考価格:16,980円

 「Razer Viper Ultimate」は、人気の高いマウスでクセが少ない。そのため、はじめてのゲーミングマウスにもいいし、無難に攻めていきたいゲーマーにもオススメだ。ワイヤレスであり、Razer HyperSpeed Wirelessで低遅延環境を実現するほか、バッテリーライフは70時間と長い。感度は20,000DPI、追跡速度は650IPSとセンサー性能も高く、マウススイッチは光学仕様。その応答速度は0.2msと快速だ。

 2019年の発売から時を経ているため、高性能ながら12月現在の実売価格は12,000円前後と検討しやすいのも魅力といえる。カラーリングはブラック、ピンク、ホワイトの3色が現在のラインナップだ。ボディは右利き、左利きの両対応になっており、両側面にサイドボタンを備えている。

「Razer Viper Ultimate」
充電をあまり意識したくない場合は、「Razer Mouse Dock Chroma」もセットで検討しよう

「Corsair SCIMITAR RGB ELITE」

  • 発売日:2020年2月22日
  • 参考価格:13,345円

 MMOやMOBAなどスキルやアクションを駆使するゲームをプレイする際におすすめしたいのが、「Corsair SCIMITAR RGB ELITE」だ。左側面に17個のカスタムキーを備えるだけでなく、その位置は微調整が可能で自分の親指に合わせた位置にキーを並べておける。マウスとしての性能も高くなっており、最大18,000DPI、1DPI刻みで調整できるほか、マウススイッチは5000万回のクリック耐性があるOmron製を採用。

 本体にプロファイル用のストレージを備えており、いつもの操作環境を持ち運べる点もポイントだ。ゲーム用の設定と仕事用の設定を本体に保存しておけるので、テレワーク向けでもある。ショートカット操作を多用する、ゲームと仕事の両面で役立つだろう。

マイクがREC中と視覚的にわかることは大事。「HyperX QuadCast S」

  • 発売日:
    [ブラック] 2020年10月26日
    [ホワイト] 2022年6月23日
  • 参考価格:23,430円

 最後はゲーミング向けのマイクだ。ボイスチャットあるあるである「ミュート芸」もしくは「ミュートのし忘れ」。ときにはクリティカルエラーにつながることもあるため、1度それを経験するとミュートであるか否かをしっかりと確認してしまいがち。録音性能が高く、ゲームプレイに向いている指向性があり、かつマイクがオンかどうかすぐわかる……それらを満たすのがゲーミングマイク「HyperX QuadCast S」だ。

 「HyperX QuadCast S」はUSB接続のスタンドマイク。カスタム可能なライトアップ機能に真っ先に目が行ってしまうが、これはマイクがオンになっている状態も示している。本体上部をタッチするとマイクはオフになり、同時にライティングも消灯する仕様で、視覚的にマイクのステータスを把握できる。このわかりやすさがとにかく便利で、筆者周辺のゲーマーではないテレワーカーたちも、この本製品を愛用している人が多い。

 マイクとして見ると、ショックアブソーバーにセットされた状態でパッケージングされているほか、ポップアップフィルターも内蔵するため、買ってすぐに良い音でボイスチャットを楽しめる。なお、LEDカラーが赤色のみの「HyperX QuadCast」も発売中。LED以外に性能や仕様の違いはないため、録音中といったら「赤」だという人は「HyperX QuadCast」もチェックしてみよう。

本体カラーはブラックと、2022年に新登場したホワイトの2色展開
便利なミュートスイッチはタッチ操作で天面の全体に判定がある

より省スペースに徹底したゲーミングなら左手デバイス

「Razer Tartarus Pro」
  • 発売日:2019年10月31日
  • 価格:17,980円

 かつてほどではないが、根強く支持されている周辺機器のひとつに左手デバイスがある。ゲーミングシーンでは豊富なプログラム可能なキーを用意したものが何度も登場しており、マウスとセットで完全専用環境を構築できる点が楽しい。キーボードでチャットはせず、ボイスチャットばかりであれば、操作環境をシンプルに集約できるため、一考してみるといいだろう。ただあまり選択肢はなく、「Razer Tartarus Pro」がもっとも店頭でチェックしやすい。

 「Razer Tartarus Pro」は左手での操作に特化した入力デバイスだ。32個のプログラム可能なキーを備え、キーパッドにはアナログオプティカルスイッチを採用。このスイッチはアナログで押し込み量を検知できるため、浅く押したときは歩き、深く押したら走るといったセッティングが可能だ。また親指で操作しやすい位置にはデジタルサムパッドと押しやすい2つのボタンがある。リストレストの位置は2段階で調整可能になっている。独特のクセがあるので、勢い任せで注文するよりも、まずは店頭で試してみることを強くオススメしたい。

本体カラーはブラックとホワイトの2色展開
32個のプログラム可能なキーを備える
親指で操作できるデジタルサムパッド。その周辺にもボタンを備える

多ボタンゲームパッドの入門に最適。サイズの「Flydigi / VADER2」シリーズ

「Flydigi / VADER2(ライトグレー)」。右下にあるものが追加ボタン
  • 発売日:2022年11月16日
  • 「Flydigi / VADER2(ライトグレー)」
    実売価格:5,300円前後
  • 「Flydigi / VADER2 Pro(ブラック)」
    実売価格:7,500円前後

 PCゲームではもっぱらキーボード&マウスがフィーチャーされているが、ゲームパッドはゲームパッドでコンソール感覚で遊べるため、PCゲーミングでも人気だ。そのなかで近年勢力を拡大しているものが多ボタンゲームパッド。ショルダーや背面にカスタム可能なボタンがあり、例えば左アナログスティックを操作しつつ、背面のボタンで十字キー操作を実行するといった使い方が可能だ。また、アナログスティックの押し込み操作が鬼門になっているのであれば、背面ボタンなどで代替できるため、多ボタンゲームパッドは強力な相棒になってくれる。

 サイズの「Flydigi / VADER2(ライトグレー)」、「Flydigi / VADER2 Pro(ブラック)」は、ロープライスながら正面ふたつ、背面に4つの追加ボタンを備えている。また左右のアナログスティックはALPSスイッチを採用しつつ、遊びは少なめ。シビアな状況にも対応できる設計だ。トリガーボタンはピーキーな仕様になっており、約0.1mmの押し込みで応答する。この点はFPSも遊ぶゲーマーであればチェックポイントになるだろう。なお、Flydigi / VADER2(ライトグレー)はワイヤードでWindows 10以降に対応。Flydigi / VADER2 Pro(ブラック)はワイヤレスでWindows 10以降に加えて、Nintendoスイッチ、iOS、Androidにも対応する。

「Flydigi / VADER2 Pro(ブラック)」
背面の追加ボタンレイアウト。指の長さや持ち癖と相談になりがちだが、すべて使うよりは都合のいい位置にあるボタンから使っていくのがオススメ

なにはともあれハンズオン

 ここまでおすすめデバイスを紹介してきたが、自分にフィットしているかどうかは、とりわけフィジカルな入力を伴う周辺機器の場合、実際に触れてみることが肝要だ。最近では量販店にもゲーミングデバイスコーナーが用意されており、吟味しやすい環境が整っている。本稿で気になる周辺機器があれば、この冬休みに是非ハンズオンしてみてほしい。その過程で頼れる相棒と出会えたなら、迷わず購入するといいだろう。