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【GDC 2014】GDC 2014が米国サンフランシスコにて開幕

北米で品薄が続く人気ハードPS4関連や、AmazonやOcculus VRなど新興勢力のセッションに注目

3月17日~3月21日(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Convention Center

 世界最大規模のゲーム開発者向けカンファレンスGame Developers Conferenceが3月17日より、米国サンフランシスコにて開幕した。会期は5日間で、本日から2日間は、テーマを絞ったチュートリアルやサミットが実施され、3日目から通常セッションやExpoなどが開催される。

メイン会場のひとつであるMoscone West
入り口にはChoice Awardsがアピールされている。今年は「The Last of US」と「GTAV」の一騎討ちだ
好天に恵まれたサンフランシスコ
ニンテンドー3DSで遊ぶボランティアスタッフ。GDCにおける任天堂のプレゼンス低下はゲームファンとして残念なところだ

 グローバル規模のゲームビジネスにおいて、プロモーションの基点として機能してきたGDCだが、ここ数年はちょっとその方向性に変化が出てきている。これまでは任天堂やSCEA、Microsoftなどのプラットフォーマーが基調講演を実施し、今後のゲームビジネスのビジョンと、直近のプロダクトを披露し、それに関連したセッションが実施されるという形が通例だったが、GDCに基調講演がなくなって3年が経過し、その代わりとして用意されたカテゴリー毎の基調講演も今年は姿を消し、ゲームビジネスへの新規参入に名乗りを挙げる新興勢力の御披露目の場という印象が強くなってきている。

 今年注目なのはゲームプラットフォーマーとしてのAmazonやValve、昨年GDC Expoで初出展され話題を集めたOcculus RIFT、あるいはスマートフォンやタブレットの分野で勢力を拡大しつつあるARM、NVIDIA、北米進出を目指す中国Tencentなど、もともと名前は知られているメーカー達による新規ビジネスの提案だ。

 また、昨年ホリデーシーズンのローンチを成功させ、今年いよいよ一般層にも普及させたいSCEとMicrosoftは、共に精力的にPS4とXbox One関連のセッションを多数予定している。会期中に各社のエグゼクティブによる新規タイトルの発表も予定しているとしており注目されるところだ。

 一方、カジュアルゲームの分野では、ここ数年Free to Playのムーブメントにのって常に話題の中心といっても過言ではなかったZyngaやPlayFish、あるいはGDC Mobileの牽引役の1社だったNokiaといったメーカーが姿を消した。

 そして昨年はWii U向けのSDKや、ミドルウェアの対応等でデベロッパーへのアピールに余念がなかった任天堂も、今回は打って変わってニンテンドー3DS「とびだせ どうぶつの森」のセッションのみと寂しい状況になっている。任天堂は、2005年の岩田聡社長の基調講演でRevolution(正式名称Wii)を発表して喝采を浴びて以来、もっともプレゼンスが低下した年といえる。このままさらにフェードアウトしていってしまうのか、あるいは近い将来“Revolution 2”がありうるのか。GDCを長年牽引してきた同社の今後に注目が集まるところだ。

 さて、GDC 2014のビッグネームとしては、SCE World Wide Studios Presidentの吉田修平氏、Xbox事業のトップPhil Spencer氏というプラットフォーマーのトップを筆頭に、「パズル&ドラゴンズ」をグローバルでヒットさせた立役者であるガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜CEO、Kickstarterで「Mighty No.9」プロジェクトをスタートさせたcomcept代表取締役の稲船敬二氏、「FFXIV」のリローンチを成功させた「新生FFXIV」プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏、コナミの退社を発表したばかりの「悪魔城ドラキュラ」シリーズプロデューサー五十嵐高司氏、「Bioshock: Infinite」のクリエイターKen Levine氏、英国を代表するゲームクリエイターであるピーター・モリニュー氏などなど、今年も役者には事書かない。

 また、ゲーム開発者向けの各種プロダクトが公開されるGDC Expoや、ゲーム開発者が選ぶゲーム大賞「Game Developers Choice Awards」の開催も予定されている。GAME Watchでは上記セッションを含め、連日現地レポートをお届けしていくのでぜひご注目いただきたい。

GDC Expoは明後日19日から開催される
北米展開に注力するGREEの広告
Moscone Westの様子
初日もっとも人気が高かったのはマネタイズやリテンションを扱ったFree to Playサミット。GDCのメインストリームはモバイルにあると言って良いかもしれない

(中村聖司)