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世界最大のゲームカンファレンス「GDC 2015」が開幕
なんと任天堂が不参加! 各種VRテクノロジーやWindows 10関連の発表に注目
(2015/3/3 12:39)
ゲーム開発者向けカンファレンスGame Developers Conference 2015(GDC2015)が3月2日、米国サンフランシスコにおいて開幕した。会期は3月6日まで。
GDCは、その年のゲームトレンドを占う上で年々重要度が増しているゲームイベントだが、今回もっともインパクトが大きいのは、任天堂の不参加だ。任天堂は、ニンテンドー3DS、Wiiの時代から、岩田聡氏(任天堂取締役社長)や宮本茂氏(専務取締役)がそれぞれ複数回の基調講演を行ない、「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」、「どうぶつの森」など人気シリーズのセッションを行なうなど、イノベーティブさを好むGDCの顔として名実共に長年イベントを牽引してきた。
Wii Uのリリース以降は、全盛期ほどの存在感はなかったものの、毎年いくつかのセッションは実施し、GDCへのスポンサードやGDC Expoの出展は欠かさず行なっていたが、GDC2015では、そのすべての参加を取りやめるという形で全面的に手を引いている。その理由は定かではないが、昨年はGDCへの参加にもっとも積極的だった岩田氏の健康問題などもあり、その流れから今年は取りやめるという判断に至ったのかもしれない。いずれにしてもゲーム開発者向けのカンファレンスにプラットフォーマーの1社である任天堂が出展しないのは非常に違和感があり、2005年の基調講演「The Hearts of a Gamer」でデベロッパーの心をグッと掴んだ岩田氏の基調講演を知る人間の1人としては今回未出展は非常に残念だ。
また、任天堂の不参加に歩調を合わせるように、日本人スピーカーの数も減り、それに伴い、国産タイトル関連セッションも著しく減っている。理由を探ってみたところ、今年は日本人開発者にとって大きな助けとなっていた同時通訳セッション(正確には、原稿を読む逐次通訳セッション)がなくなっていることが一因として挙げられるようだ。その一方で、大量に増えた印象があるのが中国人開発者。かといって中国語セッションが新設されたわけではなく、その多くが英語を介し、英語でコミュニケーションをとっている。ここ数年でGDCの風景は
さて、今年のGDCで大きなテーマとして挙げられるのが、VR(Virtual Reality)とゲームエンジンだ。VRは、Oculus VRのVRヘッドセット「Oculus RIFT」の発表以降、Samsung、HTC、Valve、Razerなど様々なメーカーが独自のVRヘッドセットを発表し、NVIDIAもVRヘッドセットをリリースするという噂が絶えない。GDCではその多くのメーカーによる技術セッションが予定されており、ゲームVRテクノロジーの具体的な進展が期待される。
ゲームエンジンについては、Unityの登場に伴う、ゲームエンジンそのものの多様化、そしてインディーでも手軽に利用できるビジネスモデルの提案など、革新的な進化の続く分野。Epic Gamesは既報のように、「Unreal Engine 4」の無料化という先制パンチを繰り出すなど、話題の絶えない分野だ。会期中もEpic Gamesの総帥Tim Sweeny氏の講演をはじめ、Unity、Google等、様々なメーカーによる講演が予定されている。また、ゲームAPIの分野でも、Direct Xの最新バージョンDirect X12、OpenGLの後継となるglNextの発表が予定されている。これらの発表にも注目したいところだ。
ゲームプラットフォーマーの分野では、SCEは昨年のGDCで発表されたPS4用VRヘッドセット「Project Morpheus」、Microsoftは、Xbox Appを搭載することでXbox Oneとの親和性を高めた「Windows 10」が注目される。「Project Morpheus」に関しては、E3 2014以降となる具体的な発表が行なわれる見込みで、Windows 10についてはXbox事業のトップPhil Spencer氏をはじめ、複数のセッションが予定され、ゲームOSとしてのWindows 10の具体的な内容が明らかにされる見込みだ。GAME Watchでは、これらのセッションをできるだけ詳しくお伝えしていく予定なのでぜひご注目いただきたい。