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「World of Tanks」短期集中連載「突撃!戦車道」【第1回】

やろうぜ「World of Tanks」! 戦車戦の基礎をみっちり叩き込みます!!


【第1回】 戦車戦の基礎 ~基本概念、攻撃、連携~


戦友諸君! 私は栄光あるドイツ陸軍の戦車兵、アドルフ・エデルスハイム曹長である。日頃は本記事の中の人が操るティーガーIIの戦車長を勤めているが、今回は新兵教練を任された次第である。この私が指導するからには、いかな新兵であっても、やがては地獄の戦場に降臨する死神へと鍛え上げてみせよう。それまで諸君は敵戦車のエサだ!心して戦車戦の基礎掌握に務めるように!

 本連載では、話題のタンクバトルゲーム「World of Tanks」を始めたばかりの皆さん、これから始める皆さんのために、厳しい戦場を華麗に立ちまわるセオリーをお届けしていく。

 第1回となる今回は、本作のプレイを通じて鉄則となるゲームシステムの理解を通じ、高スコアを記録するための基本的ノウハウをお届け。FPS経験者でも戸惑ってしまうユニークなゲームだけに、あるポイントを知っていると知らないとでは大違いの戦果が生まれる、それが「World of Tanks」なのだ!

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ティア1~3を生き延びる! ~戦車戦の基礎を会得せよ~


諸君ら新兵はまずティア1の軽戦車に搭乗する。この段階では15対15の「通常戦」が基本ルールだ。基本的には自車両ティア±2の範囲でマッチングされるから、いきなり格上の戦車に遭遇することもある。まずは撃破されないことを目指せ。格上相手でもやりようはいくらでもあるぞ。

【通常戦】
敵味方双方に陣地が存在。敵陣地の占領、もしくは敵戦車の殲滅を目指す。

 初回プレイからしばらく遊ぶことになるティア1~ティア3の段階では、登場する戦車は大戦初期の軽戦車が中心だ。やられても損失は少なく、少しの工夫で大活躍できるティア帯でもあるので、この段階で本作のゲームシステムの基本を把握しておきたい。


・基本の1:戦場には体力回復も再出撃もない!

ティア1の試合模様。吹けば飛ぶような軽戦車たちのバトル

 低ティア帯で遊ぶことになる「遭遇戦」では、敵味方双方の出撃地点に存在する陣地が占領されるか、各チーム15両の戦車が全て撃破されるかで勝敗が決まる。タイムリミットは15分で、それまでに勝負がつかない場合は「引き分け」だ。

 この試合中、他のよくあるFPSのような体力回復や再出撃など、仕切り直しができる概念が本作には存在しない。ダメージを受けたらHP(ヒットポイント)は減りっぱなし、撃破されればそこで終わりだ。

 戦場では数の差がモノを言う。猪突猛進にて敵戦車の餌食となればかえって敵を利することになってしまうだろう。まずは無理押しせずにチームメイトと行動を共にし、生き延びることを考えて動こう。


・基本の2:手練の戦車乗りは撃っても撃たれない!

障害物を使って安全を確保せよ

 低ティア帯の戦車はHPが少なく、1発の被弾が非常に重たい。逆に言えば、1、2発を一方的に打ち込むことができれば敵をおおいに追い詰めることができるのだ。あと1撃、というところまで追い詰めれば、敵の選択肢は逃げるか、断末魔の1撃を放って死ぬかの2択になる。

 そこに持っていくためには常に敵との間に遮蔽物を置き、素早く隠れられる位置取りが重要だ。主砲の俯角が大きく取れる戦車であれば、稜線を利用したハルダウン戦術も効果的。撃ったらすぐに後退することで車体を完全に隠すことができる。敵にスキを見せないためにも、撃ったら即隠れる、これを徹底しよう。

撃つ!
隠れる!

・基本の3:弾がはじかれる? 弱点を突け!

初心者キラーとして有名なアメリカの駆逐戦車、AT18

 ティア1軽戦車同士の戦いでは、弾は当たればほぼ確実に貫通し、ダメージを発生する。ところがティア2~ティア3では、この段階としては非常に強力な装甲を持つ戦車が現われる。例えばアメリカのティア2駆逐戦車「T18」だ。

 初心者キラーと名高い「T18」は強力な装甲で車体上部の戦闘室を防護している。その厚みは前面50ミリ以上、側背面でも40ミリ以上とティア1~ティア2軽戦車の主砲に対しては鉄壁だ。正面からぶつかっても砲撃は全て弾かれ、逆に一方的にやられるだけとなる。

 しかし、T18は側背面が弱点だ。特に車体下部は20ミリ程度の装甲厚に過ぎず、ティア1軽戦車の主砲でも簡単に貫通できる。そこを攻撃できる角度をいかに取るかが勝負の鍵だ。例えば障害物を使って迂回。素早い動きで肉薄すればあっさり打ち勝てることも少なくないぞ。

前面装甲はまさに鉄壁。黄色い部分は20ミリ程度の装甲厚だが強い傾斜があるため正面からの貫通は難しい
側面と背面は車体下部の装甲が薄い上、角度が垂直となっているため脆弱だ。

敵を倒せば勝利が近づく! ~攻撃のセオリー~


いくつかの戦闘を経て基本操作に慣れてきたら、まずは攻撃の質を高めることを目指せ。戦車戦ではたった1発の砲弾が命運を分ける。砲の貫通力、威力、性質、敵の装甲、角度、弱点。全てを把握せよ。熟練兵は決して無駄弾を撃たない。的確な一撃で敵を追い詰めるのだ。


・攻撃の1: 自車両の砲性能を把握せよ!

ドイツティア1戦車のLTraktor。研究ツリーに複数の砲がある

 本作をプレイし続ける上でプレーヤーが絶対に把握しなければならないのは、まず自車両の砲性能だ。本作ではほぼ全ての戦車で複数の砲を選ぶことができ、それによって貫通力、発射速度、ダメージが変わってくる。

 有利に立ちまわるためには、ティア相当の貫通力が欲しいところだ。例えばティア1ならせめて30mmの貫通力が欲しい。それ以下であれば、敵の正面装甲を抜けない場合が多くなるため、立ち回りに工夫が必要だ。

 例えばドイツティア1軽戦車のLTraktorでは2cm機関砲を選ぶことができる。こちらを使用すると初期砲に比べ分あたりのダメージ出力(DPM)は向上するものの、貫通力が半減してしまうため、敵の側面・背後を取る立ち回りが必要になるほか、格上には手も足も出なくなる可能性が出てくる。砲の選択によって叩い方がガラリと変わってくることを把握しよう。

LTraktorデフォルト装備の「3.7cm KwK 36 L/46.5」。ティア1としては優秀な砲であり、通常AP弾にて40mmの平均貫通力を持つ。発射速度は26.09/分でAP弾使用時のDPMは939。
新砲塔を研究するとアクセスできる「2cm KwK 38 L/55」。口径が小さくなる代わりに連射力が高く、分速128.57発のAP弾が全て貫通すればDPMは2957にも達するが、貫通23mmでは弾かれる事が多く、リロード中のスキも大きくなる。

・攻撃の2: モジュール破壊を狙え!

戦車は複数のモジュールおよびクルーが機能を構成する
いわゆる履帯ハメ。敵は砲塔が建物の影に隠れたまま、こちらを撃てない

 戦車は人が動かす機械だ。その車内には様々なモジュールがあり、仕事を果たすクルーが存在する。そのどれかにダメージを受けると、対応する部分に機能不全を起こしてしまうのだ。代表的な部位と破壊による影響は以下のようになる。

 エンジン ─ 半壊で出力半減、全壊で行動不能。
 履帯 ─ 半壊で機動力微減、全壊で行動不能。
 弾薬庫 ─ 半壊でリロード時間増加。全壊で大ダメージ。
 砲身 ─ 半壊で射撃精度減。全壊で射撃不能。
 砲塔 ─ 半壊で旋回速度減。全壊で砲塔旋回不能。

 いずれのモジュールも、全壊すると自動修理が始まり、10数秒で半壊状態に戻る。その10数秒の間は機能不全が続くため、これを敵に強いることができれば大きな優位を得られるのだ。

 代表的な戦術は履帯切り。敵が無防備な状況を狙って履帯を切れば、一方的に攻撃できる事も多い。さらに、車体を貫通できない砲でも履帯は切れる事が多いため、格上戦車への対抗策として非常に有効だ。

 側面・背後の弱点を突くことができれば弾薬庫やエンジンを狙い、大ダメージを狙うこともできる。攻撃精度に自信があれば車長・ドライバー・砲手といったクルーへのダメージが狙える部位を叩くのも有効だ。

ティア3あたりで遭遇することがあるティア5重戦車「T1 Heavy」の例。正面は装甲が厚く簡単に貫通できないが、側面からなら各モジュール部位を狙撃できる。なお、各部位への射撃は“モジュール破壊を引き起こす可能性がある”。必ず破壊できるわけではないので、辛抱強く狙おう。

・攻撃の3:複数の弾種を活用せよ!

補給画面。あらゆる状況を想定して複数の弾種を持っていくのがオススメだ。
LTraktorで金弾を使用。格上を貫通、被害を与えた。

 大抵の戦車、大抵の砲は3種類の弾種を使用することができる。徹甲弾(AP)、対戦車榴弾(HEAT)、榴弾(HE)だ。

 AP弾は装甲を貫通してダメージを与えることに特化した弾種で、安定したダメージ出力が期待できるかわりに、敵の装甲が上回る場合全くダメージを与えられなくなるのが弱点だ。

 これに好対照を為すのがHE弾。これは弾頭に大量の炸薬を詰めた砲弾で、命中時の爆発によってダメージを与える弾種だ。貫通力が極めて低い代わりに、装甲の厚い相手に対しても一定のダメージを与えられるというメリットがあるほか、着弾点を中心に広範囲にダメージ判定があるためモジュール破壊を引き起こしやすい。

 HEAT弾は1発2~10ゴールドもしくは1,000~5,000シルバーを必要とする、いわゆる金弾。AP弾よりも貫通力が増強されており格上戦車にダメージを与えることが期待できる。ただしHEAT弾はモンロー効果によって装甲を溶かし貫徹するという特性上、装甲との接触角度が悪いとAP弾よりも貫通力が低下することがある。

 例えばティア4のドイツ駆逐戦車Hetzerでは、短砲身の10.5cm砲を装備することができる。AP弾では同格にも通用するか怪しい貫通力しかないが、HE弾は弾頭の大きさもあって最大500ダメージと強力。格下なら一撃、格上も屠れるほどの攻撃力を発揮できる。

筆者愛用のHetzer。ティア4としては破格の10.5cm砲はHE弾での運用で真価を発揮する。格下相手ならほぼフルでダメージが通り1発で爆散、同格・格上相手でも安定して100~200のダメージが与えられ、履帯その他のモジュールも破壊しやすい。

味方は君を利用する。君も味方を利用せよ! ~連携の基礎~


戦車戦は個人戦ではない。単独で動けば敵のエサだ。常に味方を視野に入れ、数的優位を確保することを意識したまえ。多数で少数にかかれば勝利は容易いのだから。ここでは諸君に索敵と連携の基礎を叩き込んでやろう。


・連携の1: 視界と索敵システムの基礎

近くに突然敵が見えてたいそうビックリすることがある。これは敵が障害物の裏から出てきたためだ。
通信範囲内の味方の索敵結果は自動的に共有される。前線に押し込んだ味方の視界を利用して、自分では見えない距離の敵に攻撃可能だ。

 見えない敵には攻撃ができない。チームプレーの第1歩は索敵からスタートだ。

 各戦車には「視界範囲」という概念がある。敵がこの範囲内におり、間に遮るがなければ基本的にその敵は“見える”。視界範囲の限界に近づくほど発見可能性は落ちていき、敵車両の「隠蔽率」が上回る距離では、範囲内でも見えないことがあることに注意が必要だ。

 ティア1軽戦車の視界範囲はおおむね300m前後だが、いずれも小型車ゆえにそれぞれ高めの隠蔽率を持っており、確実に見えるようになるのは200m前後の距離に入ってからだ。また、森や藪などのブッシュによって視界強度は減衰し、敵の隠蔽率は高まるため、植物の影に隠れている敵を発見できるのはもっと近づいてからであることが多い。

 要するに索敵というのは視界と隠蔽位率のせめぎ合いだ。このため、うかつな発砲が命取りになることがある。発砲することで隠蔽率が一時的に下がるほか、周囲の植物による隠蔽効果もしばらく帳消しになってしまうためだ。

 高ティアの戦車戦でもこの要素が試合の流れを支配することが多いので、まずは今の段階で視界・索敵の概念をよく把握しておこう。

索敵システムの概念図。視界の強度は最大距離に行くにつれて多少減衰するが、間に植物があるとさらに見つけにくくなる。障害物で視界が通らない場所については見ることができない。なお、発砲すると周囲の植物の隠蔽効果が一時キャンセルされ、突然見えるようになるので注意だ。

・連携の2: 同一の敵に攻撃を集中せよ!

味方と横列になり防衛線を張っている状況。見えた敵は次々に蒸発する

 本作においては1発の砲弾がもたらすダメージが非常に大きく、たいていの戦車が3~5発の貫通で大破する。いっぽう、ティアが上がるほど顕著になるが、強力な砲はリロードが長く、1対1の撃ち合いでは勝負がつくまで1分以上かかることも珍しくない。

 敵が1両だと油断して単独でモタモタ打ち合っていると、トドメを指す前に逃げられたり、敵の増援に逆撃を受けることも多い。見つけた敵はなるべく早く倒すべきだ。

 そのためには味方と共に行動する。互いにどこに射線が通っているかを把握しつつ動けば、発見した敵に攻撃を集中することができるのだ。2倍、3倍の速さで撃退できれば、自分が受けるダメージも少なくなり、さらなる優位が得られる!


・連携の3: 撃ち合いを利用し、大外から回り込め!

スピード狂の軽戦車にて前線の様子を確認。裏を取りに行く

 戦場では多数の敵味方が互いににらみ合い、正面から撃ち合うシーンがしばしば発生する。別の見方をするならばそれは、前線で戦う戦車が、敵を拘束しているという意味でもある。そこで、機動力の高い戦車に求められる役割が出てくる。裏とりだ。

 大抵のマップでは前線になりやすいポイントのほかに、敵の索敵を逃れて裏側へ回れるルートが存在する。速力の高い戦車に乗っているのならまずそのルートの安全を確認し、行動を起こしたい。また、敵の数がまだ多い試合序盤では、裏取り向けのルートも敵が見張っている事が多いため、敵の数がある程度減っていくタイミングを見極めよう。

 裏とりが成功すれば敵の背後から撃ち放題だ。側背面の弱点を狙える事が多いため、主砲はやや貧弱なものでもいい。敵の注意を引き始めたらチャット等で味方の前進を促すのもグッド。前から後ろからやってくる味方戦車に敵は大混乱、味方も大助かりで圧倒できること間違いなしだ。

敵の裏をとった。柔らかい車体後部に思うさま砲弾を打ち込む
敵陣深くまで入り込めれば、無防備な自走砲を撃破することも期待できる


今回は以上!低ティア帯でこれだけの戦い方を実戦できれば、新米戦車兵であっても秀逸な戦果を残せるはずだ。戦いに勝ち、クレジットと経験値を獲得したならば好みの戦車を開発し、次なるティアへ進みたまえ。ティア4~ティア6ともなれば重戦車も登場し、さらに緻密な戦術が要求される。それを踏まえ、次回の教練では車種別の戦い方を詳しく叩き込んでいくから、それまでできる限り実戦経験を積んでおくように!

(佐藤カフジ)