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「セガ 3D復刻プロジェクト」がシンポジウム「3次元空間の知覚的歪みとコンテンツの再構築」に参加

「3D ファンタジーゾーン」、「3D ファンタジーゾーンII ダブル」の立体視のひみつがさらに明らかに!

10月24日 開催

会場:日本科学未来館

 日本科学未来館で行なわれている「デジタルコンテンツEXPO 2014」において、シンポジウム「3次元空間の知覚的歪みとコンテンツの再構築」に、本誌でおなじみの「セガ 3D復刻プロジェクト」の奥成洋輔プロデューサーと、エムツーの堀井直樹氏が登壇した。

 「デジタルコンテンツEXPO」は、日本のエンタテインメントコンテンツを国内外に幅広く紹介することを目的に2007年より開始された事業「コ・フェスタ」(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)のオフィシャルイベント。

 シンポジウム「3次元空間の知覚的歪みとコンテンツの再構築」は、認知科学・人間工学・デジタルコンテンツの観点による、立体視映像の最新の事例や知見を共有するもので、3D空間の知覚的歪みの分析とその応用に関する研究成果などの紹介を踏まえ、フロアを交えたディスカッションが行なわれた。

 まず、早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科 教授の河合隆史氏と、東京大学先端科学技術研究センター・准教授(認知科学)の渡邊克巳氏によって、「立体視」の歴史や、視差を使った3次元空間における時空間の知覚的歪みの特性の解明から始まり、現在行なわれている技術の使用、開発のガイドラインの作成や3D←→2D変換に関する紹介が行なわれた。また、その研究成果によって、日本画の立体視化が行なわれてきたり、昨今の3D立体映画にも活かされていることが紹介された。

渡邊克巳氏
河合隆史氏

「3D ファンタジーゾーン」、「3D ファンタジーゾーンIIダブル」のキャラクター立体化の仕組みが明らかに

 今回のシンポジウムに奥成氏や堀井氏が招聘されたのは、河合氏と渡邊氏は学生時代に「スペースハリアー」などをリアルタイムに遊んできた世代で、そのときの体験から「セガ 3D復刻プロジェクト」のタイトルに触れ、過去の2Dタイトルを3D立体視に対応させてきたこと、その過程に興味を持ったことが発端だという。

 奥成氏と堀井氏は、弊誌のインタビュー記事で掲載されてきた画像や、各タイトルの映像を見せながら、2Dで構築されていたゲーム画面を、いかに3D立体視に対応させてきたかを紹介。ちなみに、会場には「セガ 3D復刻プロジェクト」を実際にプレイしたことのある来場者が約半数ほどいた。

 発表内容に関して詳しくは、これまでに掲載してきた弊誌のインタビューをご覧いただければおわかりいただけると思われるが、奥行進行型の「スペースハリアー」を立体視に対応させたことにより、ゲーム中のオブジェクトの知覚力が上がり、ゲームの難易度が下がったと感じられたり、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の立体視化では、2Dグラフィックスではビジュアルとして手前、奥に配置してあるように描かれていたソニックの左右(画面上は前後)にある木などを実際に深度を持たせたことで、ビジュアルに奥行感覚が生まれたこと、消失点が狂っている背景であっても、オリジナル製作者たちの意図を想像しながら深度をつけていくことで、位置関係がわかりやすくなった「ベア・ナックル」などの事例を紹介していった。

 また、「ファンタジーゾーン」では、さらに1枚のスプライトキャラクタを横(画面上は手前や奥)にスライスし、深度を持たせることにより丸みを感じさせることができたことを新たに紹介。「ファンタジーゾーン オパオパブラザーズ」のときはキャラクターを2枚にスライスしていたが、「ファンタジーゾーンII ダブル」では表示能力の向上により、キャラクターを4分割してさらに立体感を感じさせることができるようになったことを新たに紹介した。

 さらに、12月18日に発売予定の「セガ3D復刻アーカイブス」で、「スペースハリアー」を再構築し、同じようにキャラクターを立体化させていることにも触れ(本誌でも先日インタビューを掲載中)、最後に、本日公開された「セガ3D復刻アーカイブス」の映像を紹介してプレゼンテーションを締めくくった。

 その後行なわれたディスカッションでは、河合、渡邊両氏からは、研究者の視点では、立体視においては、実際にポリゴンなどで細かくモデルを作って丸みを表現しないといけないと考えがちだが、「セガ 3D復刻プロジェクト」では、わずか数枚のオブジェクト分割によって、丸みが表現されていることに驚きのコメントがあった。また、学生時代に体験したセガのタイトルをプレイした際に感じた(実際には2Dだったが)立体感、そしてわくわく感を今の世代に伝えるのは難しいと感じていたこと、そして、プロジェクトにこれまで培った知見を使って、新たな作品、そして過去のタイトルの復刻を作り続けて欲しい、とエールが送られていた。

 奥成氏や堀井氏からは、開発中には現実とは逆に手前に小さなもの、奥に大きなオブジェクトを配して深度を逆につけることで、ゲームだからできるありえない映像を作る実験などを行なってみたり、いろんなトライが行なわれた結果、今の「セガ 3D復刻プロジェクト」の立体視化に結びついていること、そして河合、渡邊氏らの研究成果は現場のクリエイターにも通じるものがあり、今後、そうしたものを活かしたものが作れれば、とのコメントがあった。

奥成氏と堀井氏
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(佐伯憲司)