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「Vainglory8」EA決勝大会決着!Invincible Armadaが無敗で世界大会進出を決める

DetonatioN Gaming Vainglory部門は4位に

5月27日 開催

 Super Evil Megacorpは、Android/iOS用アクション戦略ゲーム「Vainglory」において、公式リーグ「Vainglory8」の東アジア スプリング・チャンピオンシップを5月27日に開催した。試合はOPEN RECスタジオで行なわれ、秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAにて観戦イベントが開催された。シングルイリミネーション形式のトーナメントにより、優勝者は韓国のInvincible Armadaに決定し、世界大会進出の権利を手にした。日本から唯一の出場チームであるDetonatioN Gamingは惜しくも4位という結果となった。

 蓋を開けてみれば、今大会はなんと初戦から3位決定戦、決勝に至るまで全ての試合が3-0で決着した。つまりInvincible Armadaは、東アジアの上位4チームが集う大会で1度の敗北もなく優勝を決めたということで、まさに世界王者の貫禄、伊達ではなかった。一方Invincible Armadaは頭ひとつ抜けていたとはいえ、その他のチームも「Vainglory8」においてポイントは僅差で、拮抗していたのである。

 しかし結果は2位Team pQq、3位ACE GAMING、そして4位がDetonatioN Gamingとなり、全てが3-0のパーフェクトゲームという試合結果からみて、明らかな格差がついた。明暗を分けたのは「Vainglory8」の結果がでてから東アジア スプリング・チャンピオンシップまでのわずかの間でどれだけ対策を練り、どれだけ成長できたかということで、そこにチームとしての地力が現れた結果であろう。

【出場チーム】
Invincible Armada
ACE GAMING
Team pQq
DetonatioN Gaming

DetonatioN Gamingは健闘むなしく4位に

トーナメント初戦のvsTeam pQq。0-2で迎えた3試合目、序盤を有利をとるが、キャッチ力と青リンゴに対策しきれず敗北
3位決定戦のvsACE GAMING。0-2のスコアから土壇場で調子を戻すが、勝利には届かなかった

 DetonatioN Gamingの初戦の相手はTeam pQqで、3位決定戦の相手はACE GAMINGであった。この3チームは「Vainglory8」において獲得ポイントは僅差となっており、トーナメント初戦の相手であるTeam pQqには圧勝した経験もあって、決して勝てない相手ではなかったように思われる。

 しかし、いずれの試合も最序盤から有利を取られ、そのまま集団戦で負けて押し切られるという結果が目立った。韓国の環境では序盤に強いヒーローを選択することが多いというが、彼らは序盤で握った有利を決して手放さず、堅実に攻めきってきた。

 DetonatioN Gamingもただやられっぱなしというわけではなく、非常に惜しい試合もあった。トーナメント初戦、0-2の崖っぷちで迎えたTeam pQq戦の3戦目では、小競り合いでゲーム最初のキルを獲得してスコアは2:1となり、序盤の主導権を握った。その後の連携も上手く決まり、集団戦ごとに着々と有利を築き上げていき、このまま勝ちきれるのでは、という雰囲気を感じさせた。

 しかし後半、Team pQqのTenaciTy選手のグレイヴ、pQq選手のアーダンの持つクラウドコントロールを盾に、StriVE選手がpickしたクリスタルパワービルドのリンゴが「地獄の火酒」の大ダメージを武器にして大暴れ。対策しきることができずに逆転を許してしまった。ここで勝ちきれていれば、勢いがついてまだ結果はわからなかっただけに、本当に惜しい試合であったと思う。

 敗北が決まった瞬間、会場でも落胆の声が漏れた。試合を見ていたファンに話を聞いてみると、「ホームのDNGを応援しにきた」、「本当に残念」など、日本代表であるDetonatioN Gamingへの期待の大きさが伺われた。今大会の結果をバネに、いつか日本代表の強さを世界に見せつけてもらいたいと切に願う。

王者の貫禄、Invincible Armada

トーナメント初戦、ACE GAMINGを下す。
ロナが回転しながら前線を支え、この後さらに止められない存在になっていく

 Invincible Armadaはとにかく強い。韓国メタはアーリーを重視するというが、彼らは本当にアーリーで得た有利を手放さないのだ。キャプテンのWilly選手はマップコントロールやイニシエートのタイミングが絶妙で、ジャングルのMANGO選手は取れるキルを決して見逃さない。そしてキャリーのdruid選手はもはや異常とも言えるファーム能力と、ダメージを最大限出しきって生存する集団戦の立ち回りが素晴らしい。各選手のハンドスキルは勿論のこと、戦術や戦略まで兼ね備えたまさしく最強チームである。

 扱えるチャンピオンプールの広さも彼らの強さの1つだ。2-0で迎えた対Team pQqの3戦目では、druid選手はメレータイプのロナをpick。。対するTeam pQqのStriVe選手もブラックフェザーをpickし、異色ともいえるメレーキャリー同士の戦いとなった。

 この試合でもInvincible Armadaは最序盤の集団戦を制し、MANGO選手のタカがゲーム最初のキルを獲得。ここからチームに勢いがつき、育ち始めたロナが前線を暴れまわることになる。ロナのUlt「赤い飛沫」は回転しながらダメージを与えつつ、1秒ごとに強化体力という、消耗しきるまでダメージを半減する追加HPを得るスキルだ。このスキルは相手の攻撃速度を下げる「アトラスの肩甲」の影響を受けないため、対策が難しい。しかも「蛇仮面」を購入したことにより大きなHP吸収効果を得た上、パッシブによって、ダメージを受けるとスキルをつかうためのリソースであるブラッドレイジを獲得して回転時間が増える。ダメージが痛くてしかも死なないという、もはや誰も止められないスーパーヒーローとなった。

 かといって回転しながら突っ込んでくるロナを無視することもできず、さらに後ろにはバーストダメージと追撃力に優れるタカが控え、それをWilly選手のライラが的確にサポートするという状態になり、もはや対策のしようもなくベインクリスタルまで押し込まれ決着となった。

Super Evil Megacorpビジネスディレクターのアンジー・ホー氏よりトロフィーが手渡された。

 こうして3-0でTeam pQqを下し、Invincible Armadaは優勝。世界大会への切符を手にすることとなった。試合後のインタビューでは、昨年よりも試合のレベルが高くて大変だったが、優勝することができてよかったと語り、また、なぜロナをpickしたのか?という質問に対しては。イドリスのカウンターとしてロナを練習してきたので、今回の構成ではpickすれば行けると思ったと答えた。今後も練習して王座を守りたいと語ってインタビューを締めくくった。

e-Sportsの未来は明るい!新たな交流も生まれる超満員の会場

 ところで、観戦イベントが行なわれたのは秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAであった。当日は朝から終了まで取材をしていたのだが、到着時点で会場は超満員で椅子は満席、立ち見はおろか会場外で入場待ちまでいるという様子だった。フロア奥には食事やドリンクを提供するカウンターがあったのだが、その近辺も大変に混み合っており、通過するのすら一苦労する状態である。

 皆ホームチームであるDetonatioN Gamingの応援にきているのだなぁと勝手に思っていたのだが、DetonatioN Gamingの試合が終わっても人数はほとんど減らず、熱気はどんどんと高まるばかりであった。当日は大会が別会場で行なわれていたため、モニターごしでの観戦であったのだが、試合中は皆モニターを食い入るようにみつめ、試合が動くごとに歓声や嘆息、時には怒号が飛び交っていた。会場にはある種の一体感のようなものが生まれており、Vaingloryの、ひいてはe-Sportsの盛り上がりを体感することができた。

 また、やはり試合の熱に当てられてか、来場者がスマホやタブレットを操作しているな、と思うとほぼVaingloryをプレイしている様子で、中にはどうやら初対面であろうグループで共にプレイしている様子も散見された。

 同じゲームをプレイするもの同士が集い、試合を観戦し、共にプレイする。こういった新たな交流が生まれるのがオフラインイベントの醍醐味であり、面白さだ。もちろんオンラインで相手を手軽に見つけることができるのは素晴らしいことなのだが、オフラインイベントならではの楽しみも必ずあるので、今後のイベントにも是非参加をオススメしたい。

超満員の会場。来場者は各所に設置されたモニターで試合を観戦していた。
選手の入場を待つ来場者たち
試合後、観戦会場のステージに登る選手たち