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「Vainglory」世界大会、日本代表DetonatioN Gamingが予選突破!

韓国代表Phoenix Armadaに苦しむも、“本来の実力”で次に繋ぐ

12月2日~4日(現地時間) 開催

場所:TCL Chinese Theatre

「Phoenix Armada」対「Team Secret」より。「Phoenix Armada」圧勝の試合となった
「DetonatioN Gaming」最初の試合はステージ上ではなく、いわゆる“裏”での実施となった

 開催中のAndroid/iOS用MOBA「Vainglory」初の世界大会「2016 World Championship」。日本代表チーム「DetonatioN Gaming」はやや緊張気味の発進となった。

 「DetonatioN Gaming」は今大会、初日となる12月2日に実施されたグループ予選のグループAの試合に出場。対戦相手は、韓国代表の「Phoenix Armada」、欧州代表の「Team Secret」。

 「Phoenix Armada」は、「龍虎杯 Vol.2」でも「ViVianne」として戦った世界王者経験を持つ実力者であり、「Team Secret」も欧州リーグ「EU Evil Eight」で1位を含む上位に入り続けているチームだ。

 この予選では総当りで2戦ずつを行なっていき、合計2試合で勝利数の多い上位2チームが2日目以降のトーナメント戦へと出場できることとなる。そのようなルールのもと、グループAで猛威を奮ったのは「Phoenix Armada」だった。

 「Phoenix Armada」は、レーナーのdruid選手を中心として、druid選手を守るようにMango選手とWilly選手が戦場を展開するスタイルが持ち味。druid選手は“ファーミングマシーン”の異名を持つほど正確無比の成長速度を誇っており、2人の庇護を受けたdruid選手のヒーローが育ちきったところで、一気に相手を蹂躙していく貫禄の戦術が見ものとなっている。

 その持ち味は本大会でも顕在で、そこにMango選手とWilly選手の堅実かつ正確、攻撃にも滅法強い操作スキルも加わって、対「Team Secret」では2-0で勝利、「DetonatioN Gaming」でも2-0で勝利と、一方的な展開で早々に予選突破を決めた。

 「DetonatioN Gaming」としては、「龍虎杯 Vol.2」でも対戦を行なうなどで「Phoenix Armada」と交流があり、手の内を知っている相手であるだけに1勝はあげておきたいところだったが、2試合ともMango選手のコシュカに序盤の戦場を制圧されてしまい、主導権を得られないところにdruid選手がやってくるという流れのまま、試合が終わってしまった。

 戦い方そのものは負けていなかったため、「コシュカにやられたな!」という印象の試合だったが、「DetonatioN Gaming」のマネージャー、STR1125氏は「Mango選手はコシュカを昔は使っていたが、ここ最近はそのイメージがなかった。対策をすればそこまで脅威のヒーローではないが、対応しきれなかったところがある。逆に、tatuki217選手のサムエルは相手が潰し方をしっかり知っていた」と、対策の隙を突かれた部分があると分析した。

1試合目の展開。コシュカにかき回される形で、結局1キルも取れないまま決着となる
2試合目。コシュカに10キルとられている。それにしても、druid選手のCS(ミニオンを倒した数)が174ととんでもない数になっている

「Team Secret」の試合前の「DetonatioN Gaming」メンバー。こちらにまで緊張が伝わってくる
1戦目こそ落としたものの、その後はタイブレークも含めて3連勝で見事勝利

 後がなくなった「DetonatioN Gaming」と「Team Secret」の対戦は、2戦共に勝利した場合はそのチームが勝ち抜けという状況だったが、1-1と引き分けたため、BO3(3戦2勝先取ルール)のタイブレークへと持ち越しになった。

 ここで負ければ初日敗退という緊張感が走る試合となったが、終わってみれば「DetonatioN Gaming」は危なげない試合展開で、2連勝を重ねて見事トーナメント進出を果たした。

 「DetonatioN Gaming」は「Team Secret」との試合前に、「相手(EUサーバーのトレンド)にあわせることなく、EA(東アジア)サーバーで培ってきたことを出し切ろうと話し合った」(tatuki217選手)と語ったが、2ラウンド目以降、タイブレークも含めて「いつもの実力が出せた」(ふみやっちょことPeaceRoyal選手)と笑顔で話してくれた。

 1ラウンド目はプレッシャーもあり、さらにこの日初めてステージ上での対戦となったため、少なからず緊張から動きが固くなってしまったところがあったそうだ。2戦目以降は、観戦していても不安なところがなく、相手の動きに対応した立ち回りから、金銭差とビルディングの差を徐々に開いていって、ここぞという場面で集中攻撃を仕掛けて勝ち切る、という堅実なプレイが徹底されていた。「Team Secret」は為す術なしという感じで散っていったので、その実力が垣間見えた1戦だったとも言えるだろう。

 一方の「Team Secret」は、ステルス能力を持つフリッカーと、十分に火力を育てたリンゴを組み合わせることで、奇襲攻撃によって「DetonatioN Gaming」を打ち崩す戦術がタイブレーク前の1ラウンド目にこそ見られたが、その後はまったく沈黙してしまい、ほとんど良いところなしで「DetonatioN Gaming」に勝ちを譲る展開が続いてしまった。

 トーナメント戦に進出した「DetonatioN Gaming」の最初の相手は、e-Sports大会「RAGE Vol.2」の特別ゲストとしても登場した「Hammers Velocity」となる。全米大会では優勝争いに加わるほどの実力者であり、PeaceRoyal選手も相手として「申し分ない」という。「DetonatioN Gaming」は「Hammers Velocity」に勝てるのか、そして勝ったとしたらどこまで成績を伸ばすことができるのか。明日の試合にますます注目だ。

勝利決定後、PeaceRoyal選手はこのガッツポーズ。この頃には緊張もほぐれていたようだ
この勝利により、トーナメント表の最下部「Group A Winner」に「DetonatioN Gaming」が飛び込むこととなった
こちらが対戦相手の「Hammers Velocity」。グループ予選では中国代表の「Hunters」を軽く捻って2勝。結局4戦全勝でトーナメント進出を決めた