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「FFXIV」のオフイベント「ファンフェスティバル 2016 TOKYO」が閉幕
7,000人が熱狂した「FFXIV」2度目のファンフェス東京会場を徹底紹介
2016年12月26日 10:53
スクウェア・エニックスは、「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」のファンイベント「ファンフェスティバル 2016 TOKYO(以下、東京ファンフェス)」を、東京ビッグサイトで12月24日、25日の両日にわたって開催した。
東京ファンフェスは、10月に開催されたラスベガスに続く2回目。ビックサイトでの開催は、「蒼天のイシュガルド」の発表に合わせて開催された第1回に続く2度目。参加者の定員は6,000人だが、両日で7,000人が参加した。
第1回の時には会場が狭く、あまりの人口密度に酸欠になりそうなほどの混雑ぶりをみせたが、今回は会場のサイズが2倍に拡大。手作り感が強かった前回に比べると、プロフェッショナルらしい作りで、「FFXIV」が安定期に入っていることを実感させてくれた。
イベントでは来年6月20日に発売される最新拡張パック「紅蓮のリベレーター」の最新情報や、1月17日実装予定の「パッチ3.5」についての情報が発表された。それぞれレポートにまとめてあるので、ぜひチェックして欲しい。
このレポートでは、イベントのアクティビティや会場の雰囲気をお届けしたい。
会場の広さは前回の2倍。アクティビティには長蛇の列
冷え冷えとした朝の空気の中、ビックサイトの入り口には、早朝から入場を待つ長い行列ができていた。前回のファンフェスは西3ホールのみだったが、今回は西3・4ホールをどちらも使い、「く」の字型の会場になった。ちょうど折れ曲がっている場所にステージが作られ、片側に物販と出張エオルゼアカフェ、無料のアクティビティ。もう片方の側には、アドレナリンラッシュ、蛮神ルーレット、プロトアルテマ討滅戦とスポンサーのコーナーなど、アトラクションの数もブースのサイズも前回を凌駕する規模で開催された。
ファンフェスは初日のハイライトである基調講演でスタートし、吉田氏による開会宣言が終わると、参加者は即座に目当ての場所へと散っていった。人気のアクティビティは、80分待ち、90分待ち、100分待ちといずれも長い行列ができていた。
無料で遊べるアクティビティのうち、1番人気は、イベント用に調整された24人用レイド「プロトアルテマ討滅戦」だろう。狭い断崖の上で、素早く繰り出される範囲攻撃を避けつつ、続々と現われる雑魚を倒していく。イベント用の敵なので、あまり難しいわけではないが、全体攻撃でガリガリ削られる局面もあり、勝利すると24人が一斉に上げる歓声が遠くまで響いていた。勝利すると、全員にステッカーが配られていた。
「蛮神ルーレット」はファンイベントではおなじみのコーナー。ルーレットを使って戦う蛮神と、ルールを決める。蛮神は、タイタン、ガルーダ、イフリートの三蛮神から最新の女神ソフィアまでほぼすべてを網羅。ルールは、タンク1縛りやパーティ情報非表示などから、ガチンコ極勝負まで全8種類が用意されており、組み合わせによってはかなりの苦戦を強いられる場合もある。
「アドレナリンラッシュ」のコーナーでは、4対4の「ザ・フィースト」がプレイできた。25日には、ステージイベントの対人大会「アドレナリンラッシュ」に向けた出場選手の募集と、予選大会が行なわれていた。
今回のイベントには多数の協賛メーカーが、プロトアルテマや蛮神ルーレットに機材を提供している。LenovoやGALLERIA、ARIENWARE、IO DATAなどの協賛メーカーはブースを出展し、それぞれにイベント限定アイテムやノベルティを用意して自社PCのプロモーションを行なっていた。
無料のアクティビティでスタンプを貯めてお宝をゲット!
来場者がもらうお土産袋の中には、アクティビティの説明などが書かれたパンレットが入っている。このパンフレットの裏面は「クロのスタンプ帳」になっており、ゲーム内と同じように無料アクティビティをこなすことで、スタンプを集めるとアイテムがもらえる仕組みになっている。さらにパンフレットを持っていくだけで「追従システム型ストレスボール」がプレゼントされていた。
スタンプ4つで1枚、抽選券がもらえる。スタンプは最大8個まで貯めることができる。両日ともイベントの最後に行なわれる抽選会では、「FFXIV」グッズのほか、ビデオカードやゲーミングヘッドフォン、ゲーミングPCなどの豪華な賞品が当たっていた。
無料のアクティビティは、決まった数の玉を何個ゴールに入れられるかを競う「モンスタートス」や、ゲーム内の「チョコボレース」を使って勝者を予想するダービー、射的風の「機工士ギルドの射撃訓練」、「ラムウ イライラ棒」など、どれも気軽に挑戦できるミニゲーム。ダンスエモートを見ながら実際に踊る「エオルゼアダンスマスター」は、周りの目が気になるのか遊んでいる人は少なかったが、たまに猛烈に熱いダンスを見せてくれる人が現われては聴衆の目を引いていた。スプリガンの石集めは、箱にはいった小さなクリスタルを、制限時間以内に箸で拾い集めるゲーム。宝石を鑑定しているような見た目から、女性に人気があった。
開発者との「交流コーナー」もファンイベントではおなじみの光景だ。今回は大規模イベントとあって、ずらりと並んだ開発コアメンバーが大勢のファンと会話を交わし、写真やサインに応じていた。この交流コーナーは、ファンの声を直接聞く重要な場所でもあり、ファンにとっても直接開発者に自分の思いを伝えられる貴重な接点となっている。こういった試みが、「FFXIV」の魅力であり、人気を底支えする要素なのだろう。
「FFXIVを見ないで描いてみた」のコーナーは、参加者が記憶だけを頼りにその場で描いた「FFXIV」のイラストが飾ってある。笑えるネタあり、力作ありで、プレーヤーの生の声がダイレクトに響いてくる楽しいコーナーになっていた。
「ファンアートコンテスト」の投票コーナーは、事前にイラスト、クラフト、スクリーンショット(加工あり・なし)の4つのエントリーに集まった力作が展示されていた。参加者は実際の作品を見て、気に入ったものに投票する。結果はステージで発表された。
出張エオルゼアカフェでは「エオルゼアカフェ in 大阪」のメニューを先行提供
イベントにつきものの、フードコーナーには、秋葉原にある人気のコラボカフェ「エオルゼアカフェ」の出張版が出店していた。スカイブルーの麺が強烈なインパクトを与える「水神リヴァイアサン 冷やし大海冷麺」や各種「ポーション」など、前回のファンフェスでも人気だった定番メニューに加えて、今回は、2017年1月11日にオープンする「エオルゼアカフェ in 大阪」で提供されるメニューが先行発売されていた。さらに「タイタンの岩石ポップコーン」と「モーグリのふわふわポップコーン」、「サボテンダーのグレーンカレー ~ナイツブレッド添え~」など、ファンフェスのみの限定メニューもあった。
さらに会場の外では、ケータリングカーがイベント特製メニューを提供していた。こちらは、「FFXIV」のシンボルマークが描かれたピザや、カフェラテを扱っていた。
「実演!飴細工職人のキャンディショップ」では、日本の伝統的なあめ細工で作ったカーバンクルが売られていた。こちらは大人気で、午前中には予定個数が完売してしまっていた。同じ場所で、ヒルディブランドとナシュの金太郎飴が、隣の「でぶチョコボのわたあめ屋さん」では、でぶチョコボがデザインされた袋に入ったわたあめを扱っていた。
物販コーナーは、24日に長蛇の行列がまったく途切れなかったからか、25日には時間ごとの整理券配布に変わった。25,750円という価格が話題を呼んだ、フォルタン家の盾をデザインしたシルバーアクセは、両日ともあっというまの完売だった。
25日はチケットを持っていない人も物販コーナーを利用できるようになり、チケットを購入した人だけがもらえるお土産の袋や、イベント限定Tシャツ、サイリウムなどを購入することができた。いずれも、午後には売り切れていた。
物販コーナーの横には、「リアルトレジャーハント」というガチャガチャコーナーが設置された。ガチャガチャの中身は缶バッヂ。ガチャケースを回収する机の周りでは、複数人で集団購入して、欲しいデザインをトレードしてる人たちもいた。「モーグリキャッチャー」は、チョコボとプロテスのブランケットが景品として入っていた。
コスプレからトークショーまで多数のステージイベント
ステージイベントは、拡張パックの最新情報を伝える基調講演や、パッチ3.5の情報を公開したプロデューサーレターLIVE、トークショー、PvP大会「アドレナリンラッシュ」とコスプレショー、ライブなどが開催された。情報が公開されたステージイベントについては、すでに別のレポートがあるのでそちらを参照して欲しい。
プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏がゲストとトークする「直樹の部屋」では、2月からスタートする「FF」30周年記念イベント「大迷宮バハムートからの脱出」をプロデュースするSCRAPの代表取締役 加藤隆生氏、ニコニコ生放送で放送中の「14チャンネル」に出演している秋乃けいさん、葉月ゆめさん、ともはさん、若木萌さん、そしてエンターブレインの代表取締役社長、浜村弘一氏らがトークのゲストとして登場した。
今回は、前回以上にコスプレの数が多いイベントだったが、両日開催されたコスプレステージも非常にクオリティの高い、内容の濃いものになった。早々と「紅蓮のリベレーター」のトレーラーに出てくる衣装を作ってきた人や、サボテンダーの着ぐるみ、ポーキー装備などもいた。ちょうどクリスマスだったこともあり、現在開催中の「星芒祭」でもらえるシーズナル装備の「スターライトローブ」を着ている人も多かった。
大盛り上がりだった対人戦ステージ「アドレナリンラッシュ」
「アドレナリンラッシュ」は、朝から行なわれた予選を勝ち残った4組がステージでの決勝に挑んだ。出場したのは「特攻野郎Aチーム」、「ピーアン」、「ぶた鍋くらぶ」、「吉田テンパード」の4チーム。
「FFXIV」の対人コンテンツ「ザ・フィースト」では、開幕にそれぞれ100枚ずつ持っているコインの奪い合いがカギを握る。倒されると手持ちのコインを半分落としてしまう。キルを取った方はコインを自分たちの手持ちに加えることができるが、持ちすぎると被ダメージアップのデバフが付いてしまうため、狙われやすくなる。
準決勝第一戦では「特攻野郎Aチーム」と「ピーアン」が対峙した。どちらもタンクが戦士、それ以外のジョブは、特攻野郎Aチームが占星術士、忍者、召喚士。ピーアンは白魔道士、モンク、吟遊詩人という構成。即席パーティで、しかもピーアン側の吟遊詩人はPvP初心者だったにもかかわらず、ギリギリの白熱した戦いに会場全体が固唾をのんだ。
準決勝2戦目は、「ぶた鍋くらぶ」と「吉田テンパード」との戦い。ぶた鍋くらぶは暗黒騎士、占星術士、モンク、召喚士、吉田テンパードはないと、占星術士、竜騎士、吟遊詩人と、ヒーラー以外は違う構成での戦いとなった。
勝負は吉田テンパードが息の合った戦いを見せた。第1戦ではコールドまであと1ポイントの599点まで迫ったが、そこからぶた鍋くらぶが怒涛の盛り返しを見せ、あと少しで逆転というところまで肉薄したが、あと一歩及ばず最終的には吉田テンパードが決勝へと歩を進めた。
決勝では、第3のDPSとして猛威を振るう「ピーアン」の戦士と、的確な「かばう」で味方を徹底的にフォローする「吉田テンパード」のナイトという好対照なタンクの戦いとなった。吉田テンパードの竜騎士が高DPSで次々に相手のDPSを落としていき、最終的に吉田テンパードが優勝した。
会場が感動と一体感に包まれたライブステージ
1日目の締めくくりにはピアノによるスペシャルライブが開催された。ピアニストのKeikoこと大嵜慶子さんと、「Answer」や「Dragonsong」を歌っているシンガーのSusan Callowayさんの素晴らしい共演や、サウンドディレクター祖堅正慶氏とKeikoさんとの連弾で心を打つ演奏が披露された。
2日目の最後のステージは、祖堅氏を中心に結成したスペシャルバンド「THE PRIMALS」による熱いライブがステージを大いに盛り上げた。アンコールでは機工城アレキサンダー起動編の1層から3層で流れる「ローカス」や、ラスベガスのファンフェスでは演奏できなかった起動編4層のBGM「メタル」を演奏。観客も、待ってましたとばかりの縦ノリで、分厚いコンクリの床が揺れるほどの興奮に包まれた。THE PRIMALSのライブは、その後に行なわれたインタビューも併せて、後日詳しくレポートしたい。
最後は開発スタッフが全員壇上に上がり、1人ずつ挨拶をした。今回が初のファンフェス参加となるメインシナリオライターの石川夏子さんは、大勢のファンを前に感極まって声に詰まってしまった。吉田氏はフォローしたが、いざ自分の番になると、今度は自分が泣きそうになり、後ろを向いてこらえる姿も見られた。
会場が一体感に包まれたまま2回目のファンフェスは幕を閉じた。祖堅氏は、翌日には「4.0」のボイス収録があるといい、一段落ついたとはいえ、開発スタッフにとってはこれからが本番だ。イベントが終了してからずいぶん時間がたった後も、ビックサイトの近くにある飲食店などで話し込んでいるイベント参加者の姿があった。
オンラインゲームのイベントは、普段ゲーム内でしか会わない仲間とリアルで出会うことができるチャンスでもある。ファンフェスは単にお祭りを楽しむだけではなく、仲間との出会いを楽しむ場所でもある。「FFXIV」が復活し、今も前進を続けているのは、ファンのコミュニティを重視し、一緒に楽しもうという姿勢があるからだと感じた。
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