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【PS Plusフリープレイレビュー】今月のイチオシは「ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~」

宇宙船に乗って広大な宇宙を駆け巡る「Rebel Galaxy」も紹介

12月7日~1月10日(PS Plusへの加入が必要)

 当コーナーは「PlayStation Plus」で無料配信されているタイトルのうち、プレイステーション 4(以下、PS4)用のタイトルをピックアップ。その月に配信されるタイトルのなかで、とくに注目すべきものにスポットを当て紹介している。また、「プレイステーション オフィシャルサイト」で開催されている「PS Plus Challenge!」を達成するためのコツも解説していく。

 今回の「PS Plus Challenge!」の賞品は「PS Storeチケット」1,000円分。チャレンジを達成した全応募者から抽選で選ばれた100名にプレゼントされる。くわしい応募方法については、「PS Plus Challenge!」の公式ページを確認してほしい。

 なお、記事の後半では、大宇宙を冒険するアクションAVG「Rebel Galaxy」のレビューもお届けする。発売直後はさほど話題にのぼらなかったものの、そのデキの良さからしだいに周囲に知れ渡っていき、現在では多くのユーザーから高い評価を得ている1作だ。AVGやSFものが好きなプレーヤーは、とくにご期待いただきたい。

「ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~」の「PS Plus Challenge!」に挑戦

「PS Plus Challenge!」達成時間

30分

※時間は筆者が実際に挑戦して応募条件達成までにかかった時間

オープニングはアニメ調。登場キャラクターは可愛い子ばかりで、著名な声優がボイスを担当している。美少女ゲームが好きな層や声優ファンにもオススメだ
物語は基本的に、誰かの頼みを聞いてあげることで進んでいく。何をすればいいのかわからなくなったときは街の人たちの話を聞いてみるといい
キャラクターだけでなくモンスターまでもが可愛らしい。倒してしまうのは気が引けるが、トロフィーを獲得するためにも心を鬼にして攻撃しよう
調合は4×4のマス目に、採掘などで手に入れた材料を置いていく。仕組みがやや複雑なので、慣れないうちは深く考えずに直感で配置しても構わない
フィールドの様子は、時間とともに変化していく。特定の時間帯にしか出現しない魔物や材料もあるので、何度も訪れていると意外な発見があるかも?

 1997年5月に発売された1作目のヒット以来、約20年前にわたって新作をリリースしつづけている「アトリエ」シリーズ。いまやナンバリング(厳密には通しNoがある)タイトルだけでも20を超え、外伝的な作品まで含めるとかなりの数を誇る。今回ご紹介する「ソフィーのアトリエ」はそんな「アトリエ」シリーズの1つで、2015年の11月にPS3、PS4、PS Vitaの3機種で同時発売された(クロスセーブにも対応)。

 本作は大きくジャンルわけするとRPGに位置づけされるが、物語はやや特殊。世界を救うために冒険の旅に出るわけでもなく、人々を苦しめる魔王と戦うわけでもない(一応、最終的なボスは存在する)。ファンタジーRPGの世界観を持ちながらも、材料となるアイテムから新たなアイテムを錬成する錬金術士の日常を描いている。

 主人公はキルヘン・ベルに住む見習い錬金術士の少女ソフィー。ある日、彼女が古びた本に錬金術のレシピを書き込むと、なんと本がしゃべり始めた! “プラフタ”と名乗るその本は、自分の名前と錬金術に関すること以外は、何も思い出せないと言う。ソフィーはプラフタの記憶を呼びもどすため、新たな錬金術のレシピを発見してプラフタに書き込んでいくことになる。

 ゲームは基本的に「依頼を受ける→フィールドを探索→依頼を達成」をくり返すことで進んでいく。カフェにいるホルストに話しかけると、街に住む人たちの悩み(=依頼)を聞くことができる。依頼内容はさまざまだが、街を脅かす敵の討伐や特定のアイテムの入手が多い。フィールドに出て敵を倒したり、錬金窯でアイテムを生成したりして条件を満たしてから、ホルストに報告すれば依頼達成だ。

 魔物とのバトルはオーソドックスなターン制。コマンドを入力してからターンを開始すれば、パーティーメンバーが行動を開始する。本作のバトルでおもしろいと思ったのがスタンスシステムだ。キャラクターはバトル時のスタンス(戦闘態勢)を「攻撃」と「防御」の2つから選ぶことが可能。「攻撃」を選べば敵へ与えるダメージが増加し、逆に「防御」を選べば受けるダメージが減少する。敵味方ともにHPが少ない場合は、防御スタンスでダメージ軽減の保険をかけつつ、敵を攻撃といった選択肢もありだ。そのほか、サポートゲージが満タンのときには、攻撃スタンスで敵を追撃する“サポートアタック”が、防御スタンスで敵から味方をかばう“サポートガード”が、それぞれ発動する。

 そして1番のキモは、やはりタイトルにもある錬金術。複数の材料を合成して新たなアイテムを生成するのだが、単純に材料を錬金窯に入れて終わり……ではない。種類ごとに形が異なる材料を4×4のマス目で構成された錬金窯にはめ込んでいき、品質や効果を高めることができるのだ。材料同士が重なっても調合はできるが、その場合は生成するアイテムの品質・効果が上がりにくくなってしまう。材料の配置順や配置場所しだいで調合結果が大きく変化するため、ちょっとしたパズルゲーム感覚で錬金の過程まで楽しめるのだ。

 そんな本作の「PS Plus Challenge!」を達成するには、魔物のプニを倒して「プニプニしたアイツ」を獲得すればOK。物語を進めるうえで初めて素材を採取するさいに「雛鳥の林」に行くことになるが、そこでチュートリアルバトルが発生する。この戦闘では必ずプニが出現するため、「プニプニしたアイツ」のトロフィーはゲームを進めていれば自然と獲得できる。ちなみに獲得までの時間は、ふつうにプレイを進めて30分ほどか。

 RPGでありながら、錬金術士の日常に焦点を当てた1作。この姿勢は、シリーズ初代である「マリーのアトリエ」のころから変わっていない。スローライフゲームのような牧歌的な楽しさと、材料を収集してアイテムを生成するハンティングアクション的な楽しさを併せ持っている。前作との関連はなくストーリーも独立しているので、シリーズ未体験でもまったく問題はない。いや、むしろこれまでシリーズをプレイしてこなかった人たちにこそ知っていただきたい1作だ。

【スクリーンショット】

広大な宇宙を舞台に展開するアクションAVG「Rebel Galaxy」

長い旅路を経てラスト・シティへ到着した主人公だったが、そこに叔母ジュノの姿はなく、かわりにオーズと名乗る異星の住人が待っていた
宇宙船の操作感覚がとにかく秀逸。小舟が波間にたゆたうような動きは、まるで本当の宇宙空間を航海しているかのような錯覚におちいってしまう
向かうべき目的地には、マップやレーダーに「!」アイコンが表示される。ゲーム序盤は「!」を目印に航海すれば、スムーズに航海できる
戦闘は、海戦でよく見られる舷側戦闘。そのまま砲撃することもできるが、慣れてないうちはL2ボタンの長押しでエイミングして撃つと当てやすい

 「Rebel Galaxy」は2015年にPC用としてリリースされたアクションアドベンチャー。MORPGの先駆けとも言える「Diablo」の開発者が設立したDouble Damage Gamesから発売された。冒険の舞台は宇宙航海時代、主人公のもとに叔母のジュノからの謎めいたメッセージが届く。宇宙の片隅にあるステーション「ラスト・シティ」で会いたい、と。主人公は宇宙船を駆り、ならず者たちが集うラスト・シティにたどり着くが……。

 本作は、広大な宇宙空間に浮かぶ3Dモデルの船を操りながら、受けた依頼を達成していくミッションクリア型のAVG。依頼を遂行中に敵対する宇宙船と遭遇し、戦火を交えることもある。無事に依頼を達成すると、報酬としてクレジットを獲得することが可能。クレジットで新型の兵器を搭載したり装甲を強化したりして宇宙船をパワーアップし、さらにリスクの高い(そのぶん報酬も高い)依頼に挑戦していく。

 本作は広い大宇宙を冒険するだけあってか、やれることが非常に多い。基本的なストーリーは一本道なのだが、その合間に異星人との交易や宇宙海賊との交戦、隕石を破壊して貴重な鉱石を獲得したり賞金首を倒してクレジットをかせいだりと、サイドジョブ(サブクエスト)をあげ始めると枚挙に暇がない。メインミッションを遂行中に救難信号をキャッチし、本来のミッションを一時的に中断してサイドジョブに向かうなんてこともままある。こういった“やれることの多さ”が、うまく「宇宙を股にかけて冒険している感じ」を演出している。

 また、細部まで作り込まれたシステムも◎。たとえば、ミッションをこなすうえで必要不可欠な宇宙船の操縦だ。本作では宇宙空間を航海するので機体に独特の慣性がかかっており、自在に操縦するには慣れがいる。具体的な操作は、○ボタンで4段階までのスピードアップ、×ボタンで減速&停止、L3ボタンでブースト。また、惑星間移動などの超長距離を運行するときは、○ボタン長押しでワープもできる。操作方法が非常に多彩なので、最初のうちは宇宙船を操縦するだけでも楽しい。

 そして、敵艦との交戦。本作に登場する宇宙船のほとんどは船の側面に主砲がついており、前方=船首方向に向けての砲撃は行なえない(タレットによる副次的な攻撃は可能)。そのため、艦を横に向けた状態での砲撃が戦闘の基本となるが、これが先に述べた操作性と相まって敵艦との交戦を非常に深いものにしている。やや突飛なたとえ方になってしまうが、手綱を巧みにあやつり敵の背後を突いて寄せていく、騎馬戦にも似たおもしろさを感じた。この戦闘だけでも、本作をプレイする価値があると言っていいように思う。

 もう1つ、触れておきたいのがBGM。宇宙を舞台にしたSF系のAVGにもかかわらず、いい意味でまったくSFらしくない。これまた主観的なたとえになってしまうのだが、アメリカの西部開拓時代に酒場で流れていたのではないかと思うような曲が使われている。あるいは、広大な砂漠に建つ一軒のカフェにあるジュークボックスから流れる演奏のごとくか。そのアウトローかつアンニュイな雰囲気に、筆者はどうしても“荒野のガンマン”的な印象を抱かずにはいられなかった。

 画面に表示される情報が多かったり、チュートリアルの文章がややわかりにくかったりと、取っつきにくい部分もないわけではない。しかし、それらの問題はプレイを続けるうちに慣れてくるはずだ。また、AVGと言っても複雑な謎解き要素はないため、AVGが苦手な人にもオススメできる。傭兵、海賊、強盗団などが航海し、ときには戦艦同士の砲撃が飛び交う宇宙のフロンティア、この機会にぜひ冒険してほしい。

【スクリーンショット】