レビュー
「Fate/Samurai Remnant」レビュー
セイバーと共に駆け抜ける様々なサーヴァントが登場する新たな聖杯戦争
2023年8月18日 22:00
- 【Fate/Samurai Remnant】
- 開発・発売元:コーエーテクモゲームス
- ジャンル:アクションRPG
- プラットフォーム:PS5/PS4/Nintendo Switch/Steam(PC)
- 発売日:
- [PS5/PS4/Nintendo Switch版] 9月28日
- [Steam版] 9月29日
- 価格:
- [通常版] 9,680円
- [Digital Deluxe Edition] 17,028円
- [通常版 + フィギュア DX ver.] 41,680円
- [TREASURE BOX] 17,380円
- [TREASURE BOX + フィギュア DX ver.] 49,380円
9月28日発売のアクションRPG「Fate/Samurai Remnant(フェイトサムライレムナント)」は想像以上のボリュームとサプライズに満ちあふれている。
「Fate/Samurai Remnant」はコーエーテクモゲームスよりPS5/PS4/Nintendo Switch版が9月28日、Steam版が9月29日 発売予定の「Fate」シリーズの最新アクションRPG。江戸時代の日本を舞台に、願いをかなえる願望機“盈月(えいげつ)”を巡る戦い“盈月の儀”を主人公の剣士「宮本伊織」がサーヴァントの「セイバー」と共に戦う姿を描いた作品だ。軽快かつ豪快なアクションによるゲームプレイ、そして魅力あふれるキャラクターたちから「Fate」ファンの注目を集めている。
今回、発売に先がけてSteam版(PC)の本作をプレイすることができたのだが、内容の濃密さと「Fate」ファンを喜ばせる数々のサプライズに驚かされた。特にストーリー部分はさすが「Fate」シリーズという感じだ。各キャラクターの話や、本作の背景などをじっくり楽しんでいたら、第1章の途中までという物語序盤にも関わらず、気がついたらプレイ時間が5時間を超えていた。また、ゲーム部分についても、マップの探索やミッションなどのコンテンツが豊富に用意されており、長く楽しめるゲームという印象だ。
本稿では今回のプレイで体験することができた本作の魅力や、新しく知ることができたストーリーや登場キャラクターたちについて紹介していく。基本的なアクションなどは、デモ版のインプレッションでも紹介しているので合わせてご確認いただきたい。
手に現れた謎の痣から始まる物語
ストーリーの中心となっているのは、浅草の長屋に暮らす主人公の宮本伊織(以下、伊織)。彼はいわゆる浪人で、普段は奉行所の役人・助之進(すけのしん)から無頼退治や、用心棒などの依頼を受けて生計を立てている。そんなある日、かわらず依頼をこなしていた伊織の左手に謎の痣が浮かび上がる。その日から伊織の生活は一変する。
痣が浮かび上がった晩、伊織は謎の集団に襲撃されて絶体絶命の事態へと追い込まれる。相手の刃が振り下ろされようとした刹那、眩い光と共に古風な装いを纏った人物が突如現れ、伊織は窮地から脱出する。ここから伊織とセイバーの「盈月の儀(えいげつのぎ)」の戦いがはじまる。
手に突如浮かび上がる謎の痣、自宅に現れる襲撃者、絶体絶命かと思われた瞬間のセイバー召喚など、物語の序盤はまるで「Fate/stay night」をなぞるかのようにストーリーが展開されていく。おそらく何か意味があって過去作になぞった演出をしているのではないかと筆者は勝手に想像している。ストーリーを進めることで、その謎は明らかになっていくだろう。
今回体験できた物語で伊織たちは、ライダー陣営、ランサー陣営、バーサーカー陣営、そして最後にアサシンのサーヴァントと出会う。簡単にだが、登場した各陣営の人物を紹介していく。
7人のマスターと物語を彩る様々なサーヴァント
今回の聖杯戦争「盈月の儀」は、今までの過去作で行なわれたものと大きく違う点がある。それはサーヴァントが儀の中心になる7騎以外にも召喚されるということだ。7人のマスターがそれぞれ1騎のサーヴァントを従えて戦うというルールは同じだが、「盈月の儀」ではそれに加えて逸れ(はぐれ)のサーヴァントが召喚される。通常のサーヴァントはマスターとその令呪によって契約が行なわれているため、マスターとは運命共同体として行動する。だが、逸れのサーヴァントは霊脈をエネルギー源としていることから、マスターに依存することなく行動ができる。ただ、霊脈から魔力を補充しているため、召喚されたその地域に行動が制限されてしまう。逸れのサーヴァントが召喚されている理由については未だ謎だが、物語を勧めていくことで判明していくと思われる。今回のプレイでは「ギルガメッシュ」のようなキャラクターが登場していることを確認できた。
また、作中で流れるオープニング映像では逸れのサーヴァントと思われる7騎のサーヴァントの後ろ姿を確認できた。ここに並んでいない逸れのバーサーカーを入れれば今のところ確認されているのは8騎となる。現在把握できている逸れのサーヴァントは、「ギルガメッシュ」のようなキャラクター、「クー・フーリン」、「タマモアリア」、「アルジュナ」、「キルケー」、「李書文」の6騎。また、逸れのセイバーと逸れのバーサーカーに関しても、SNSなどで様々な真名予想が飛び交っている。筆者も「これなのでは」といった予想も立てているが、今後の展開でどのように判明していくのか実に楽しみだ。
セイバーに振り回される江戸の町
召喚直後は伊織に対してぶっきらぼうな態度をとるセイバーだが、物語が進み町を歩き始めるとその態度が一変する。町中の動物や出店などに魅了される姿はもちろんかわいいのだが、今回のプレイではストーリーを進めることで様々なシチュエーションで表情豊かに反応するセイバーを垣間見ることができる。セイバーの様々な表情を撮影したので、ぜひ確認してみてほしい。
セイバーだけでなく、各町も細部までこだわって作られている。例えば浅草では、サーヴァントが戦闘で破壊した家屋などが所々に残されており、それらに住人が集まるなど、そこに暮らしている人々の様子をみることができる。
キャラクターの強化
物語を進め、戦闘や依頼を重ねていくとキャラクターの強化ができるようになる。強化方法には自身のステータスや、特殊能力を追加する「スキル獲得」や、刀の鞘や鍔などのパーツを変更して強化する「拵入替」がある。特に「拵入替」では武器の見た目も変わるので、いろんなパーツを集めてみたくなるはずだ。
また、伊織が住んでいる長屋では「魔術工房」の強化や、「霊脈」への接続ができる。「魔術工房」は強化することでも自身のステータスの上昇や、店舗での売買額を増減させるなど、様々な効果を得ることができる。「霊脈」は霊地を広げて力を回収することで、伊織のMAT(魔術)ステータスを上昇することができる。
多種多様な敵との戦闘
サーヴァントをはじめ、本作では様々な敵が登場する。町中では無頼や怪異が蔓延っている場所があり、そこに行くことで戦闘が開始する。こうした敵を倒すことで、依頼の達成やアイテムを入手することができる。
ストーリーではサーヴァントとの戦闘が頻繁に発生する。今回はライダー、ランサー、バーサーカー、アサシンとの戦闘が行われた。どのサーヴァント戦も気を抜くとあっという間にやられてしまう戦いだ。
バーサーカー相手に通常の難易度で戦った時、攻撃2発で伊織が倒されてしまい恐ろしさを感じた。なかなかシビアな難易度に感じるが、普通の人間が英霊に立ち向かうとどうなるかをしかと体験することができた。とはいえ、クリアができないわけではない。敵の攻撃を受けないように注意して戦闘を行なえば、セイバーと協力することでいずれは勝つことができる。もちろん、難易度が高いと感じる方用にゲーム難易度の変更も行なえる。戦闘アクションが苦手な人でも安心して楽しめる作りになっている。
今回、「Fate/Samurai Remnant」をプレイして改めて感じた事だが、やはり「Fate」シリーズのストーリーは凄まじい。キャラクターたちはどれも魅力的なうえ、細かいところまでしっかりと考えられている。キャラクターたちの会話はボイスで聞くことができるので、じっくり楽しんでいたら時間があっという間に溶けてしまった。今回、筆者は1章の途中まで体験することができたが、それだけで5時間以上プレイしてしまうほどのボリュームが本作には詰め込まれていた。
本作は「Fate」シリーズのファンはもちろん、知らない方でもしっかりと楽しめる作品になっている。この機会にぜひ「Fate」の世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。
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