レビュー
「ダイイングライト2 ステイ ヒューマン」レビュー
2022年2月3日 00:00
様々な材料を集め、アイテムを作成。この厳しい世界で生き抜け!
「クラフト」は「ダイイングライト2」で重要な要素となる。文明が崩壊し自給自足の世界において、廃墟となった世界の残留物を組み合わせ様々なアイテムを造るのは「ポストアポカプリス」を扱った作品のお約束と言える要素だが、「ダイイングライト2」では生き抜くために必須だ。
特に「カモミール」と「蜂蜜」で作る回復薬は最も多用するアイテムだ。さらにカモミールと「UVキノコ」で作る「免疫力ブースター」も欠かせない品。エイデンはすでに感染者に噛まれており、UVライトがない場所では数分で抵抗力が低下し、そのまま放置していると感染者へ"転化"してしまう。免疫力ブースターは探索に欠かせないアイテムである。
カモミールや蜂蜜、UVキノコなどは街の住人達の命綱でもあり、サバイバーは様々なところでこれらを育成している。常に集めていつでも作れるようにしておきたいところだ。探索の合間に確保しておくのは、この世界を歩く基本とも言えるだろう。
さらに武器に取り付けるMOD、火炎瓶など戦闘関連のアイテムや、敵を引きつける爆竹を使った「デコイ」、「矢」など様々なアイテムを作ることができるようになる。これらは商店で設計図を購入することで作ることができるのだが、「アップグレード」をすることで、同じ素材を使ってより強力なアイテムを作ることができるようになる。
このアップグレードをするために倒れた感染者から入手できる「討伐の証」というアイテムが必要になってくる。「ダイイングライト2」において感染者との戦闘は本来避けるべきものだが、アップグレードには多くの討伐の証が必要となり、これを得るために火炎瓶などを活用し、多くの感染者を倒す戦いもしていく。
また材料となるアイテムを入手するためには「ダークゾーン」と呼ばれる場所を探索する必要がある。昼間は感染者が多数いるので、夜の探索が望ましいが……。戦闘力に自信があれば、あえて昼間に侵入し多くの感染者を倒すというのもアリかもしれない。正解は1つではなくどのように遊ぶかチャレンジしてみるのも「ダイイングライト2」の面白いところだ。
プレーヤーの選択で変わっていく世界。どのような未来が待っているのか?
街ではPKとサバイバーによる対立が起こっているがどちらの勢力も悪ではない。ストーリーを進めていく中で、プレーヤーはこの世界をより深く理解していくこととなる。エイデンをすんなり受け入れてくれたサバイバーだけでなく、PK側も感染者に襲われる人を助けたり、話のわかる人もいる。どちらもそれぞれの理想の元、勢力を拡大しようと、相手の隙をうかがっているような状況だ。
その中で様々な人物の思惑が交差する。ソフィーはPKを排除しようという過激な思想の持ち主。地域の勢力は元牧師で穏健派のカールが人望でまとめていたが、その説得も限界に来ている。ソフィーは弟・バーニーと共にバザールの実権を握り、PKに大きなダメージを与える計画を練っている。
PKとサバイバーのパワーバランスの鍵を握るのはエイデンだ。給水塔や変電所など、シティには何カ所か重要な施設がある。レネゲイトに占拠されている場所もあれば、稼動していない場所もある。これらの施設をエイデンが復旧させた際、サバイバーかPKに引き渡すかで展開が変わってくる。
物語だけでなく、「シティ」も変わっていく。サバイバーに施設を引き渡すと街にジップラインが張り巡らされたり、高所から飛び降りれるクッションが設置されたり移動に有利なオブジェクトが増える。PKに施設を与えることで戦闘に有利になるオブジェクトが設置される。どちらも街の探索に有用なものだ。あえてバランスを考えて施設を振り分けるという選択もアリなのだが……。そうなると、ストーリー展開が変わってくるという。これは何度もプレイしたくなるところだ。
今回筆者は最初の選択をサバイバーにしたところ、どんどんソフィーの行動が過激になり、それに従ってPK側に大きなダメージを与える展開になっていった。もしかしたらこの展開そのものも変わるのかも? ゲームはまだまだ中盤というところだが、早くも別の選択が見たくなってしまった。
さらにゲームの中盤にさしかかるところでは驚きの展開が待っている。ワルツとレネゲイトが徐々に姿を現わしはじめるのだ。エイデンのGREキーはワルツから奪ったもの。このキーでワルツは何をしようとしているのか? 物語は新たな展開を見せていく。
今回の先行プレイでは体験できなかったが「マルチプレイ」も興味深い部分だ。マルチプレイは本来は序盤で解禁され、ほとんどすべてのコンテンツを最大4人で楽しむことができるという。ここで興味深いのは、探索するフィールドがホストのものとなること。ホストと自身の選択が違う場合、街は違った表情を見せる。またホストと共にメインストーリーを見ていくことで、自分と違った展開を見ることもできるという。マルチプレイもとても楽しそうである。
「ダイイングライト2」は「ゾンビの街を駆け抜ける」という唯一無二のコンセプトを持つ作品である。今作では戦闘での駆け引き、より細かくなったパワーアップ要素に、極めるほど多彩な戦い方ができる戦闘システム、探索要素たっぷりのフィールドなどやりこみ要素がたくさんある。分岐するストーリーも含め、長く遊べるタイトルだと実感した。ぜひ手に取って欲しい。
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