レビュー
「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」レビュー
「プレイする映画」がPS5でより一層パワーアップ。圧巻のグラフィックスで冒険を
2022年1月27日 00:00
- 【アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション】
- ジャンル:アクションアドベンチャー
- 発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 開発元:ノーティードッグ
- プラットフォーム:PS5
- 発売日:1月28日
- 価格:5,390円(税込)
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、プレイステーション 5用アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」を1月28日に発売する。価格は5,390円(税込)。
本作はプレイステーション4用ソフト「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」と「アンチャーテッド 古代神の秘宝」のリマスター版が収録されたもので、PS5向けにグラフィックスがアップデートされたほか、DualSense ワイヤレスコントローラー(以下、PS5コントローラー)の各種機能にも対応している。
本稿では、PS5の機能によって、ただでさえ名作のPS4版「アンチャーテッド」がどのように進化したのか、お伝えしたい。
PS5で映画感マシマシ。「プレイする映画」と称される人気シリーズ「アンチャーテッド」
まず、「アンチャーテッド」シリーズについて簡単に振り返っておこう。そもそも「アンチャーテッド」シリーズといえば、2007年に第1作がリリースされて以降、「Game Developers Choice Awards 2010」での「Game Of The Year」をはじめ、数多くの賞を受賞してきた人気タイトル。プレーヤーはトレジャーハンターの「ネイト」ことネイサン・ドレイクを操作し、様々な財宝を求めて冒険に挑むというのがシリーズに共通する筋書きだ。
どの作品も、常にリリース当時における最先端のハイクオリティなグラフィックスで広大な自然や遺跡が描かれている。それらを舞台にネイトが高い身体能力を活かして飛び回ったり、敵と銃撃戦を行なったりする、スケールの大きいアクションが魅力だ。
また、「インディージョーンズ」のようなアドベンチャー映画を思わせるストーリー展開や、個性豊かなキャラクターによるユーモア溢れる掛け合い、吹き替え映画を思わせる声優陣の名演に加え、ムービーパートとプレーヤーが操作するアクションパートがシームレスに移行することも相まって「映画をプレイしている」ような気分になるのが最大の特徴だ。今なお人気のシリーズであることは間違いなく、2月には実写映画の公開も予定されているなど、話題に事欠かないタイトルとなっている。
そんな「アンチャーテッド」シリーズだが、今回PS5向けにリマスターされるのは、シリーズの中でも最も新しいタイトルである「海賊王と最後の秘宝」と、スピンオフ作品の「古代神の秘宝」だ。
「海賊王と最後の秘宝」は、引退したネイトのもとに、死別していたと思われていた兄「サム」が来訪し、再び冒険へと誘われる物語となっている。海賊王の残した財宝を求め、海やジャングルだけでなく、町中や雪山までをも舞台に展開する。財宝探しだけでなく、ネイトの様々な葛藤を描くストーリーも魅力だ。
一方「古代神の秘宝」は、元々は「海賊王と最後の秘宝」のDLCとして制作されていたが、規模が大きくなったために単体作品としてリリースされたタイトル。シリーズに登場する人気キャラクターで、女性トレジャーハンター「クロエ・フレイザー」が、「海賊王と最後の秘宝」でネイトの前に立ちふさがった傭兵の「ナディーン・ロス」とタッグを組み、古代インドの神「ガネーシャ」や、クロエの過去をめぐる冒険を繰り広げる。「ネイト以外の女性主人公」を起用したこれまでにない作品だが、しっかりとシリーズの魅力が表現されている。
元々がDLCを想定していたということもあって、両作品ともシステムは共通している。どちらも崖をよじ登ったり、グラップルフックを用いたロープアクションといったトレジャーハンターらしいアクションで道なき道を進み、遺跡内ではパズルなどの謎を解く。時には敵対勢力と銃撃戦を行なったり、ステルスプレイで見つかる前に排除したりと、様々な面で自由度の高いアクションを行なうことが可能となっている。
PS5コントローラーの新機能に対応。PS5でブーストされ、よりリアルに体感できる「プレイできる映画」
PS5向けにアップグレードされた本作では、PS5コントローラーの各種機能への対応や、高速ロード、そしてさらなる高画質への対応などが行なわれた結果、元々あった本作の魅力がより際立ち、「プレイする映画」としての没入感が格段に増している。
まず、PS5コントローラーのハプティックフィードバックの振動は、様々な場面で体感することができる。敵を殴ったとき、銃のトリガーを引いたとき、崖から崖へと飛び移ったとき、全てのシーンで、異なる振動が伝わってくる。時に驚いたのがムービー中、携帯に着信がありバイブするシーン。かなりリアルな振動がコントローラーから伝わってきたため、コントローラーを握っているにもかかわらず、実際に電話が来たのかと驚いてしまった。また、ハプティックフィードバックと合わせて、アダプティブトリガーの抵抗が加わることで、ロープアクションや銃撃戦や、車を運転しているときなどに、よりリアルな感触を得ることができる。
さらに、3Dオーディオに対応したことにより、攻撃の方向や、キャラクターに話しかけられた時の向きもわかるようになり、実際にその場所にいるような感覚が得られた。ただし、3DオーディオはTV内蔵スピーカー(最新のPS5システムソフトウェアへのアップデートおよびキャリブレーションが必要)または対応ステレオヘッドホン(アナログまたはUSB接続)が必要だ。
また、PS5の高速ロードによって、ゲームの起動時や、各章の開始時、死亡から復活までの間までもロード時間を感じることは全くなかったので、ゲーム体験を損なわずにプレイを続けることができた。
そして、なんといっても、圧倒的な画質が本作最大の魅力となっている。PS4版の時点で、実写さながらの人物描写や、光や水の質感、細かい表情の変化や、水しぶきや砂埃といった細かいところまで描きこまれた圧巻のグラフィックスがさらに進化している。
本作では、自分のプレイ環境やプレイスタイルにあわせ、いくつかのモードにグラフィックスを変更することが可能だ。「忠実度モード」ではシャープな解像度を優先し、ネイティブ4K解像度、ターゲットフレームレート30fpsでプレイできる。フレームレートを優先する「パフォーマンスモード」では、ターゲットフレームレート60fpsでプレイでき、4K対応テレビではアップスケーリングされた4K画質を楽しめる。また、フルHD対応テレビでは1080p解像度でプレイできる。さらに「パフォーマンス+モード」 では、1080pの解像度でターゲットフレームレート120fpsでプレイが可能となっている(120Hz対応ディスプレイが必要)。
筆者は基本的に「パフォーマンスモード」でプレイしたが、それでもグラフィックスの質は格段に上がっている。
また、4K解像度では、圧巻のグラフィックスに驚かされた。風景や人物の描画がよりよくなったのはもちろんのこと、キャラクターの表情の機敏や、風に舞う砂ぼこりの鮮明さなど、細かなディテールがより際立った印象だ。広大な自然や、遺跡を舞台にしたアクションパートだけでなく、ネイトの葛藤を描くドラマパートも、グラフィックスの進化によってより引き込まれるものとなった。
このように、「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」と「アンチャーテッド 古代神の秘宝」をパワーアップさせた本作。PS4版でプレイした人も未プレイの人にも是非体験してほしい作品となっている。
なお本作は、すでにPS4用「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」、「アンチャーテッド 古代神の秘宝」または「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝&アンチャーテッド 古代神の秘宝 デジタルバンドル」のいずれかを所有している場合、1,100円(税込)でアップグレードすることができる。こちらも1月28日からダウンロードが可能。セーブデータの引継ぎもできるので、前作をプレイしている人でもそのまま楽しめる。
ただし、PlayStation Plus(PS Plus)加入者で、「PS Plus コレクション」より「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」を追加料金なしでダウンロードした人は、PS5へのアップグレードの権利は購入できない。また、「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」にオンラインマルチプレイモードは含まれていないので注意してほしい。
© 2022 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC. アンチャーテッド および アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの商標です。