ゲーミングPCレビュー

G-GEAR N1581J-710/E

GeForce GTX 870Mを搭載してGPUパフォーマンスがアップ

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発売元:
  • TSUKUMO
開発元:
  • TSUKUMO
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 先日、NVIDIAより新GPUの「GeForce GTX 800Mシリーズ」が発表された。そしてそれに合わせてツクモ eX.computerがリリースしたのが「N1581J」だ。「N1581J」は、ツクモ eX.computerのゲーミングPCブランド「G-GEAR」シリーズのノートPCの新製品。直接的には「N1580J」(以降、旧モデル)の後継モデルとなり、15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶に、クアッドコアCPU、高性能なアッパーミドルGPUを搭載する。このアッパーミドルGPUの部分に、GeForce GTX 800Mシリーズを搭載してリニューアルされている。

 新世代のグラフィックスチップにより、ゲームパフォーマンスが向上するのはもちろん、合わせて細部で搭載パーツやデザインも変更されている。こうした随所に改良が加えられた新モデルの「N1581J」を、実機とベンチマークを通じてチェックしていこう。

GPUがGeForce GTX 770Mから870Mに世代更新

G-GEAR N1581J-710/E
CPUCore i7-4700MQ(4C8T/2.4GHz/TB時3.4GHz)
GPUGeForce GTX 870M(GDDR5 3GB)/Intel HD 4600(CPU統合)
液晶ディスプレイ15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)、LEDバックライト、ノングレア
メモリ8GB(DDR3-1600/PC3-12800 DDR3L SODIMM)
SSD128GB(SATA III)
HDD500GB(SATA III)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
サウンドHDオーディオ(Sound Blaster Cinema対応)
有線LAN10/100/1000Base-T(Killer E2200)
無線LANIEEE 802.11 ac/a/b/g/n(Intel Dual Band Wireless-AC 7260)
その他無線Bluetooth 4.0
インターフェイスUSB 3.0×3、USB 2.0×1、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、ライン入力×1/出力×1、D-Sub15ピン×1、Mini DisplayPort×1、HDMI×1、マルチカードリーダー×1
バッテリー駆動時間未公表
外形寸法396×268×56mm(横×奥行き×高さ)
質量約3.5kg
OSWindows 8.1(64bit)

搭載されていたGeForce Experienceでは、基本設定のバッテリ項目からフレームレートターゲットを設定可能。そしてノートPCでもShadowPlayが有効化され、ゲーム画面の録画、ストリーミングが可能になった

 スペック上での主な変更点は、GPUと無線LANの2箇所だ。GPUは旧モデルのGeForce GTX 770Mから870Mへと進化した。GeForce GTX 870Mは、新しい800番台の型番ではあるが、GPUコア世代的にはGTX 770Mと同様のKeplerだ。ただし、CUDAコア数はGeForce GTX 770Mの960基から1,344基へと増強され、コアクロックも定格で811MHzから941MHzへ、メモリクロックも2GHzから2.5GHzへと向上した。ただし、メモリバスに関しては192bitから128bitへと落とされているので、これがどのくらい影響するのかがパフォーマンス面での注目だ。また、800シリーズの新たな機能であるBattery Boostにも対応する。Battery Boostは、バッテリー駆動時のゲームプレイ可能時間を最大化する機能で、指定したフレームレートに合わせてGPUクロックなどを調節するほか、AC駆動時とバッテリー駆動時を自動判別してゲームの画質オプションを変更し、この点でも消費電力を調節する。

Killer E2200の設定を行なう「Killer Network Manager」。メトロスタイル風のメニューに変更され、そのほかのUIも以前のものよりわかりやすくなっている

 無線LANに関しては、旧モデルはゲーミング向けの「Killer Wireless-N 1202」を採用していたが、「N1581J」では「Intel Dual Band Wireless-AC 7260」となった。Killerは低レイテンシなどゲーミング向けの特徴を持っていたが、一方のWireless-AC 7260は、IEEE802.11nの上位規格であるIEEE802.11acに対応しており、2×2アンテナで最大867Mbps(IEEE802.11nの場合、2×2アンテナの同等製品で最大300Mbps)という高速な無線通信が可能になる。

 また、無線で家庭のテレビに映像を出力する「Intel Wi-Di」(別途Wi-Diアダプタが必要)にも対応している。有線側は引き続きKiller E2200を搭載しているので、ガッツリとゲームを楽しむ際は机の上の有線で、リビングのテレビに繋いでリラックスしながらゲームを楽しむ際は無線で、といった使い分けができそうだ。もちろん、無線通信の安定性という面では、Intel製チップだけに信頼度が高い。

 なお、外観にも旧モデルからの変更点がある。例えば旧モデルではスピーカー周辺にレッドのリングを配置していたが、「N1581J」ではシルバーに変更された。外観で大きなデザイン変更は無いが、やや落ち着いたトーンになった印象だ。また、天板もフラットかつつや消し仕様になった。旧モデルは光沢仕様でいくつか角を設けた攻撃的なデザインだったが、ここでも一気に落ち着いた印象だ。デザイン上の変更は賛否別れるところだが、単にゲーミングノートPCが欲しいというニーズだけでなく、ノートPCでもディスクリートGPUを搭載しなきゃイヤだというハイエンドPC志向のユーザーも取り込むことができるだろう。

マットなカラーに、落ち着いたデザインとなった液晶天板。少しゲーミングノートPCっぽさが薄れたか
特徴的なスピーカーまわりのリングデザイン。従来モデルのレッドリングからシルバーリングへと変更されている

 「N1581J」シリーズのラインナップは、「N1581J-700/E」と上位モデル「N1581J-710/E」の2つ。基本構成での違いはストレージ構成で、「N1581J-700/E」は500GBのHDD、「N1581J-710/E」は500GBのHDDに128GBのSSDが組み合わせられている。なお、この上位モデルのストレージ構成だが、旧モデルの「N1580J-710/E」では128GB SSDがmSATA SSDだったところ、「N1581J-710/E」では一般的な2.5インチSATA III SSDに変更された。mSATAより2.5インチSATA IIIの方が転送速度が高いモデルが多いため(あるいは選択肢が多い)とのことだ。

ネジ6個をはずすだけで内部に手を入れられる。SSD、HDDともに2.5インチSATA IIIタイプとなり、将来的に容量不足となった場合でも簡単に交換可能だ

 底面を見ると左下にバッテリー、そしてそれを囲むように裏蓋がある。この裏蓋を6つのネジで取り外せば、内部にアクセスできる。内部には左上にSSD、右下にHDD、そして中央に2基のメモリスロットがある。メモリの最大搭載量は32GBとされているが、これは将来的に16GBモジュールが登場した場合のこと。現在可能な構成は、4GB×2枚の8GB、または8GB×2枚の16GBとなる。メモリスロットの上にはGPU、右にはCPUが配置されており、2箇所をヒートパイプで結ぶ大型のクーラーが搭載されている。

(石川ひさよし)