さまざまな遊び方が追加されたシリーズ最新作
- ジャンル:
- メカカスタマイズアクション
- 発売元:
- 開発元:
- プラットフォーム:
- Xbox 360
- PS3
- 価格:
- 7,800円
- 発売日:
- 2012年1月26日
- プレイ人数:
- 1人~10人(オンライン対戦時)
- レーティング:
- CERO:B(12才以上対象)
株式会社フロム・ソフトウェアは、プレイステーション 3/Xbox 360用メカカスタマイズアクション「アーマード・コア V」(以下、本作)を1月26日に発売した。
本作は、1997年にプレイステーション用として発売された「アーマード・コア」以来、15年にわたってファンに愛され続けている「アーマード・コア」シリーズの最新作。「アーマード・コア」シリーズというと、豊富なパーツを組み合わせて、自分だけのアーマード・コア(以下、AC)と呼ばれるロボットを作り上げることができる楽しさで定評があるが、本作では、ネットワークでのマルチプレイを主眼においたゲームシステムとなっており、他のプレーヤーとチームを組むことでより楽しめる要素が用意された内容となっている。
本稿では、新たな魅力であるチームとしてのネットワーク越しのマルチプレイはもちろん、ストーリーや本作ならではのアクションのプレイ感覚などの内容についても紹介していこう。
■ レジスタンスの一員として強大な敵に立ち向かうストーリー
短かいミッションが楽しめるオーダーミッションも用意
本作ではプレーヤーは何らかのチームに所属してプレイすることになる。既存のチームを検索して入隊するか、自分だけのチームを新たに作るかは自由だ |
ストーリーミッションは10のチャプターに分かれており、各チャプター中にいくつかの目的を達成することで進行していく形式。ゲーム開始後に自動的に開始されるストーリーミッションはチュートリアル形式になっており、本作の基本的な操作方法を遊びながら学んでいけるようになっているため、「アーマード・コア」シリーズをプレイしたことがないという人もひと通りの操作方法は学べるつくりとなっている。
ストーリーはかつてシティの代表との戦いに敗れ、地下へと追いやられたレジスタンスに協力する1パイロットとなって、数々のミッションをこなしていく中で、レジスタンスのリーダーたちやレジスタンスに協力するミグラントのロザリィたちの信頼を得ていくとともに、シティの警備部隊や企業と対決していく、という内容となっている。詳しい内容はネタバレになってしまうため避けるものの、レジスタンスの現リーダーであるフランの成長を感じることができたり敵役である企業の主任などのキャラクターが立っているほか、各チャプターの最後には初見ではなかなかクリアできない内容のバトルが用意されており、やり応えのある内容に感じられた。ストーリーをクリアしていく中で報酬がたまり、新たなパーツを購入できるため、「アーマード・コア」シリーズをプレイしたことがないという方は、まずは一通りストーリーをクリアしたほうがいい。
ストーリーミッションは段々と強敵が出てくるなど、遊び応えのある内容になっていくが、ストーリーミッションの途中にはセーブポイントが設定されているため、撃破されてしまった場合でも、途中からやり直しが可能となっているので、アクションゲームが苦手な人でも再トライしやすい。チャプターごとのプレイ時間は、20~30分程度となっており、ストーリーミッション全体としてはつまることなく進行した場合は、5~6時間程度のボリュームとなっている。
・ 短時間で楽しめるオーダーミッションで世界観をより楽しめる
ストーリーミッションのほかに、オーダーミッションが用意されている。オーダーミッションは全部で80ミッション以上も用意されており、特定の施設や部隊を破壊する簡単なミッションから、CPUが操作するACと戦う実戦的なものまで豊富なバリエーションが用意されている。5分程度でクリアできる短めのミッションとなっているため、ちょっとした時間にプレイするのに最適な内容で、練習やお金稼ぎなどに利用するといい。
また、ストーリーミッションとオーダーミッションともに、メインとなる目標のほかに、ちょっとしたおまけの目標となるサブクエストが用意されている。サブクエストは必ず達成する必要はないものの、条件を満たすことでクリア時の報酬が増額されるなどのメリットがあるので、なるべく達成するように心がけたい。
ストーリーミッションおよびオーダーミッションは、オンラインならばチームのメンバーや傭兵を含めての2人での協力プレイも可能となっている。そのため、こういったアクションゲームが苦手という人もオンラインでプレイできる環境があれば、上手な人に手伝ってもらうことでクリアしやすい。ほかの人と一緒にプレイすれば、参考になる点が見つかることもあると思われるので、助けを求められたときには一緒にプレイしてあげてほしい。
■ 情報を集めるスキャンモードと戦闘モードの使い分けが重要に
ブーストドライブやブーストチャージなどの新アクションも追加
戦闘モードでは、目標をロックオンするためのロックオンサイトの近くに、残弾数数やACの体力を示すAPゲージ、残りエネルギーを示すENゲージなどが表示されるほかは、味方の位置や残り時間などの情報が表示される。敵や目標の情報を知りたいときはスキャンモードを使おう |
ここでは実際の戦闘アクションについて紹介していこう。本作で大きく変化した点として、アクションゲームをプレイ中の画面表示が、スキャンモードと戦闘モードの2つに分けられたことが挙げられる。
スキャンモードでは、武器を利用しての攻撃はできない代わり、敵のいる位置や性能を把握しやすく、エネルギーゲージ(以下、ENゲージ)の消費量が少ないといったメリットがある。逆に戦闘モードは、武器を使った攻撃ができる反面、障害物に隠れた敵をロックオンできないため、敵のいる位置を把握しにくく、ブーストを使った移動でのENゲージの消費量が激しくなっている。
このため、戦闘時以外はスキャンモードで索敵をして見つけた敵の情報を分析し、いざ敵と接近して戦う段階になったら戦闘モードへ切り替えて戦うことが基本となる。スキャンモードができたことでモードを切り替える手間は増えたものの、戦闘中に余計なデータが表示されなくなったため、画面がすっきりと見やすくなるメリットは見逃せない。また、スキャンモードを続けることで、ENゲージの消費を抑えることができるため、スキャンモードで敵へ攻撃をせずに回避し続けて相手のエネルギー浪費を誘い、エネルギー切れになって息切れした敵へ攻撃を仕掛ける、といったこともできる。
続いてACの操作感について紹介していこう。本作ではジャンプによる上昇については、比較的短時間で頂点に達するようになっており、ブーストをふかして上昇し続けることができなくなっている。ただし、壁や建物などを蹴って移動する「ブーストドライブ」というアクションが追加されており、これを連続使用することで、建物や壁などを伝いながら高い場所に移動できる。また、ブーストドライブはENゲージをあまり使用せずに横方向への勢いをつけることもできるので、横方向に往復しながら蹴り続けることで、ENゲージをあまり消費せずに回避行動がとれる。
もう1つの新アクションとして、ブーストを利用して高速でキック(体当たり)を行なう「ブーストチャージ」が追加されている。敵に接近する必要があるものの、武器を使用しないため、弾薬を節約しながら攻撃を仕掛けられるのが利点だ。動かない目標や動きの遅いACを攻撃する際に利用したい。
ACの左右の腕部には、ハンガーユニットと呼ばれる機構が用意されており、予備の武器をハンガーユニットに搭載できる。そして、一部の武器を除いて、プレーヤーの好きなときにハンガーユニットに搭載されている武器と交換可能だ(ハンガーシフト)。このため、単純に残弾がなくなった際の予備としてだけではなく、相手との距離や相性に合わせて武器を交換できるのも本作の特徴となっている。
アクションゲーム部分をプレイしていて思うのは、単なるジャンプで上昇できる高さに制限が加わることで、自由に空中を動きまわることはやりにくくなったものの、壁や障害物をうまく使うことでスピード感のある動きができ、地形に関する習熟がより重要になっているということだ。目標との高さや距離などの位置関係だけでなく、地形を意識して戦うことで生存率は格段に上がるので、周りの地形に頭を使いながら戦うことができれば、より面白く感じられることだろう。
脚のついていないタンクタイプは使用できないが、そのほかのLEGSを持っている機体で利用できるブーストドライブ。壁や障害物を蹴って上昇したり横方向への加速をつけられる | 脚を地面につけてにいるときのみにできる限定のアクション、「グライドブースト」。エネルギーを消費して長時間移動できる |
■ 領地を巡って行なわれるオンラインでのチーム戦
気ままな傭兵プレイやフリー対戦も用意
オンラインでのワールドメニュー画面。ここからストーリー・オーダーミッションを含む各種ミッションや、フリー対戦、傭兵登録などを行なえる。エリアごとに領地をもっとも多く持っているチームは、各エリア上にエンブレムとチーム名が表示される栄誉が与えられる |
本作では、プレーヤーは何らかのチームに所属(自分でチームを作成することも可能)して、チームメンバーの戦闘結果により、チームランクの変動や、領地の獲得ができるようになっている。チームのメンバーとは、ワールドメニューなどのメニュー画面でもテキスト/ボイスチャットできるため、チームメンバーがオンラインのときは何をするかを相談しやすい。
オンラインのチームならではの要素となっているのが、領地を巡ってチーム同士で行なわれる領地・決戦ミッション。ほかのチームの領地への侵攻ミッションを成功させると、領地の耐久値を減らすことができ、耐久値がなくなった領地は一定時間経過すると没収される仕組みになっている。
領地の耐久値を完全回復するための手段が決戦ミッション。決戦ミッションは、侵攻側が多くのチームポイントを、防衛側が自分の領地の所有権をかけて行なわれるミッションで、勝利したチームが総取りできるというルールとなっている。決戦ミッションは、必ずチーム同士の対戦形式になるため、チーム同士の対戦に慣れていることはもちろん、チームワークが勝利のカギとなる。
※2/29のアップデートで、通常の領地ミッション防衛で勝利しても一定量の耐久値が回復するようになった。
また、領地を所有するとチームの評価が上がり、ときおりワールドメニュー上に現われるエクストラミッションに出撃できる。いくつかのエクストラミッションには高いチーム評価が求められるものもあり、チーム評価が足りないと出撃できない。エクストラミッションを楽しむためにも、所属するチームの評価が上がるようにできるだけ貢献しておこう。
また、領地・決戦ミッションのほかに、チーム内のメンバー同士でチーム戦を行なえる模擬戦も用意されている。模擬戦では、チーム内のメンバー同士で侵攻側と防衛側に分かれて、気軽に対戦できるのが魅力だ。チームメンバーの戦術を互いに理解しあうのに役立つことだろう。
※現在エクストラミッションチャレンジキャンペーンが開催中だ。この期間中はチーム評価に関係なく、 エクストラミッションに挑戦することができる(~3/7の定期メンテまで開催中)。
チーム戦に同時に出撃できるACは4機までだが、5人目のプレーヤーも参加でき、その場合5人目はオペレータとなって戦場全体の情報を収集できる。オペレーションモードでできることは、一定時間ごとにチャージされるリコンを配置すること、敵機の情報をスキャンすること、目印となるビーコンやスポットを設置することの3つだが、出撃中のメンバーには戦場全体の情報を把握することは困難なため、チャットを利用して情報を伝達することにより、オペレーターの情報がチームを勝利に導くことも少なくない。的確なオペレーションでチームを勝利に導くことができれば、ACに乗って敵を倒すことに勝るとも劣らない喜びが味わえるので、機会があれば1度はチャレンジしてみることをおすすめしたい。
・ 傭兵としてさまざまなチームのミッションに参加も可能
知らない人と同じチームでチャットしながらのプレイに抵抗がある人には、傭兵としてのプレイという道も残されている。これは、傭兵として登録をしておくと、ほかのチームがミッションを開始する際に、出撃依頼を受けられるというもの。傭兵はボイスチャットで話すことも聞くこともできないので、気楽に戦闘にのみ集中できる。
このほか、チームや領地に関係なく対戦プレイが楽しめるフリー対戦も用意されている。フリー対戦のルールには、領地戦のように10人までのプレーヤーが2つのチームに分かれて戦う「チーム」のほか、1対1で行なわれる「デュエル」、8人までのプレーヤーが入り乱れる「バトルロイヤル」の3つのルールが用意されている。フリー対戦では、あらゆるチームからプレーヤーが集まって全員の準備が終わるとスタートする形式のため、いつくるかわからない相手を待つ必要がないのが利点。
傭兵として登録中は、チームからの依頼が来るまでの間はACテストで練習が可能だ。依頼が来たときに備えて機体の最終確認を行なおう | 傭兵として勝利するには最後まで生き残らなくてはならないが、見事勝利すれば報酬に加えて傭兵としての評価である傭兵ランクも上がっていく | フリー対戦にはどのチームのプレーヤーも参加できるため、常に盛況となっている。中でも多人数で遊べるバトルロイヤルとチーム戦は人気が高い |
■ 機体だけにはとどまらないカスタマイズ要素
見た目にもこだわれる要素が満載
ガレージメニューでは、機体のパーツを組み替えるアセンブルのほか、ショップでパーツを購入したり、カラーリングやデカール、エンブレムなどのカスタマイズを楽しめる |
本作では、自分の使用する機体はもちろん、ペイントやデカール、ガレージのほか、オンラインでの領地など、豊富なカスタマイズが可能となっている。ここからはこのカスタマイズの内容について紹介していこう。
まずは、「アーマード・コア」シリーズの醍醐味の1つといえる機体のカスタマイズについて。機体はHEAD、CORE、ARMS、LEGS、FCS、GENERATOR、BOOSTER、RECON UNITの8つの要素に、R ARM UNIT、L ARM UNIT、SHOULDER UNIT、R HANGER UNIT、L HANGER UNITの5つの武器の組み合わせによって構成される。
ACを構成するパーツのうち、もっとも機体の特色が出るのはLEGS。軽量・中量・重量の二脚タイプ、軽量・重量の逆間接、四脚、タンクの7種類があり、二脚タイプは平均的な能力を持ち、構えが必要な武器を使用時には防御力が上昇する。逆間接タイプはジャンプで高く上昇できるため、3次元的な機動が得意。四脚タイプは構え使用時の命中率と武器のリロード速度があがり、タンクタイプは構え武器を構えずに使用できるが、脚がないためブーストドライブができないと、それぞれ特色を持っている。これらの特長に加え、ACに搭載できる全パーツの積載量が決まるので、何をしたいかを考えながら、まずはLEGSから決めるのがいい。
そのほかのパーツも、機動性や武器の命中率、索敵能力などに関係するパラメータが設定されており、ゲームを深くやりこんでいくと、一長一短のあるパーツばかり。あれもこれもと性能のいいパーツばかりを集めていると、総積載量がLEGSの限界を超えて機動性が犠牲になってしまうことがよくある。
また、本作の武器の攻撃力はKE(物理エネルギー)、CE(化学エネルギー)、TE(熱エネルギー)の3つの属性に分けられており、パーツごとにそれぞれの属性に対する防御力も決まっている。そのため、ある性能に特化したパーツを集めると、一部の属性に対する防御力が低くなり、その属性で攻撃されるとダメージを受けやすいという弱点を抱えることになる。このあたりのバランスをどうとるか、機体の運用方法でカバーするかを悩みながら機体を作り上げていくことが、本作でもゲームの大きな醍醐味となっている。
・ 機体の見た目にもこだわれる要素も豊富
機体のパーツによるカスタマイズのほかに、カラーリングやデカール、エンブレムなどを施して、見た目にこだわることができる要素も用意されている。また、機体が格納されているガレージについても4種類の場所が用意されている上に、ガレージに追加して見た目を豪華にできるパーツも用意されている。
・ 武器には使い込んでいくと性能が変化する新要素も
左右の腕(R ARM UNITとL ARM UNIT)に装備できる武器は、ショップで購入した状態から、使い込んでいくうちに、性能が変化するようになっている。武器購入時に変化の方向性をある程度決定できるので、武器の特長や運用方法に合わせて決定していくといい。
性能変化した武器は、ショップに売ると一定以上の性能のものは、新着パーツとしてオンラインですべてのプレーヤーが購入できるようになる。ここで、多くのプレーヤーから購入されると、人気パーツとして長い間ショップのラインナップに残り続けるようになる。こうしたパーツには最初に武器を購入したプレーヤーの名前が記載されており、そのパーツが使われ続ける限り、ゲーム上に名前が残るようになっている。このため、現在に名の残る刀鍛冶たちのように、武器の性能を変化させる武器職人としてオンライン上に名前を残す、なんて遊び方も可能だ。
・ 領地をカスタマイズして侵攻されにくくする領地カスタムも用意
チームが所有している領地については、砲台などの施設を設置して侵攻されにくくする領地カスタムが用意されている。領地内の施設が設置できる場所はある程度固定されているものの、施設の向きを調整することはできるので、侵攻されにくい方角を作り出すことが可能だ。
このようにACのカスタマイズのほかにもさまざまなカスタマイズ要素が用意されているのも本作の特長となっている。ミッションや対戦を長時間プレイした後などには、これらのカスタマイズ要素をのんびりと楽しんで気分転換してみてはいかがだろうか。
領地カスタマイズでは、チームが所有している領地に砲台などの施設を配置できる。チームの戦術に合わせて配置する施設を決めていこう | 配置できる施設は、領土の評価とチームランクによって変化する。領土の評価を上げるには領地の防衛ミッションを成功させる必要がある | 強固な防衛網を作成しておけば、耐久値を減らされて決戦ミッションでの防衛時にも有利となる。領地を所有しているチームは領地を成長させることが重要だ |
■ 豊富なカスタマイズと遊び方が楽しめるボリュームたっぷりの1本
領地戦のマッチングにはさらなる改善を期待したい
ケタ外れの威力を誇るオーバードウェポン。起動にはさまざまな制約があるものの、その威力はAPの多いタンクタイプを1撃で葬り去ることができるほど。手に入れたらぜひ試してみよう |
本作の内容と魅力をひと通り紹介してきたがいかがだろうか? ストーリーミッションが1本道となり、1人用としてのボリュームはやや少ないと感じられるかもしれないが、80以上のオーダーミッションを含めると、10数時間は1人でも楽しめる内容となっており、個人的には十分なボリュームに感じられた。
しかし、やはり本作の魅力はなんといってもオンラインでのマルチプレイにある。特にチーム対戦で自分の状況や相手の弱点を伝えあい、決戦ミッションで見事に勝利したときの気分は格別だ。刻々と変化する戦場に即座に対応するにはボイスチャットでのコミュニケーションがほぼ必須となるものの、その価値に見合うだけの楽しさも味わえるので、ぜひともチャレンジしてほしい。
現状、残念ながら領地・決戦ミッションは防衛側のチームがいないと対人戦のマッチングが行なわれないため、その待機時間の長さがネックとなり、対人戦をプレイしたい人がフリー対戦に集まる傾向にある。また、マッチング待ちの間に何の情報も表示されず、ボイスチャットやテキストチャットで話をするぐらいしかできないため、とても暇になってしまう。傭兵登録時のACテストのように、マッチング待ちの間にチーム内で模擬戦ができたらいいのに、と思うプレーヤーは多いのではないだろうか。
ただし、発売後もアップデートパッチの適用により、ほかのプレーヤーの回線種別がわかりやすくなったり、領地の耐久値が0になった後の猶予期間が調整されたりと、状況は改善されつつある。チームでのマルチプレイは本作の目玉要素の1つのはずなので、今後のアップデートによるさらなる状況改善にも期待したい。
とはいえ、フリー対戦のチーム戦やバトルロイヤル、チーム内での模擬戦など、領地・決戦ミッションによる領地のやりとりにこだわらなくとも、マルチプレイを楽しめる環境は十分用意されている。領地・決戦ミッションの環境が改善されるまでの間は、これらで腕を磨いておくといいだろう。なお、2月29日のアップデートでは、領地ミッションにて、防衛側が勝利すると領地の耐久値が一定量回復したり、全ての領地に対して耐久値の調整が行なわれるなど手が入っているほか、パーツのパラメーターにも調整が入っており、随時改善は行なわれている。
以上のように、本作はチーム別の領地戦に関してはルールやマッチングシステムなどの点で多少の問題点はあるものの、マルチプレイの採用によりさまざまな楽しみ方が追加された、遊び応えのあるタイトルとなっている。また、これでもかと用意されたカスタマイズ要素は、シリーズを重ねてきた本作ならではの魅力といえるだろう。「アーマード・コア」シリーズなどのロボットゲームのファンはもちろん、細かいカスタマイズをして楽しむことが好きな人や、マルチプレイが好きな人にも手にとっていただきたい1本だ。
(2012年 3月 1日)