「モンスターハンター ライズ」レビュー

モンスターハンター ライズ

新要素でより快適に!スタイリッシュに!そしてストーリーと密接に関わる「百竜夜行」

ジャンル:
  • ハンティングアクション
発売元:
  • カプコン
開発元:
  • カプコン
プラットフォーム:
  • Nintendo Switch
価格:
7,990円(税込、ダウンロード版)
発売日:
2021年3月26日

 まもなく発売を迎える「モンスターハンター」シリーズ最新作「モンスターハンターライズ」。

 本作は和のテイストを強く押し出した独特の世界観と、「翔蟲(かけりむし)」や「オトモガルク」を始めとした数多くの新要素によって実現したスタイリッシュな狩りアクションが特徴的であり、加えて「モンハン」シリーズでは久々となる携帯ゲーム機での作品となる。

 最初の体験版の配信後は大きな注目を集め、最近ではメインモンスターとなる「マガイマガド」に挑戦できる体験版Ver2が配信された事も記憶に新しい。今回は狩猟解禁を間近に控えた本作の製品版を一足早くプレイする事ができたので、改めて本作の特徴や魅力をレポートしていく。

【Nintendo Switch『モンスターハンターライズ』プロモーション映像5】

和が彩る世界で翔んで!乗って!狩りまくる!本作ならではの特徴を一挙紹介!

 最初に本作の既存シリーズには無い多くの特徴についておさらいしていこう。まずは何と言っても今までに無いスタイリッシュなアクションについてだ。その一番の要となっているのがハンターに圧倒的な跳躍力を与える「翔蟲」の存在と、それを用いた技の数々である。「翔蟲」を用いて空へ飛び上がったり離れた場所へ素早く移動する「疾翔け」、攻撃を受け吹っ飛ばされた際に素早く態勢を立て直す「翔蟲受け身」、さらには各武器に用意された「翔蟲」を活用した新たなアクション「鉄蟲糸技(てっちゅうしぎ)」などがあり、どのアクションもハンターをより素早くスタイリッシュに動かす事が可能となっている。歴代シリーズの中でもこれほどまで縦横無尽に動き回るハンターはいなかったのではないだろうか。

「翔蟲」を飛ばす事でその方向へ素早く移動する「疾翔け(はやがけ)」は本作での基本動作となる
空中に向かって「翔蟲」を放てば飛び上がる事もできる。攻撃の回避やフィールド移動でも重宝するアクションだ
「疾翔け」で壁に張り付けばそのまま壁を走り回る「壁走り」に繋げられる。これによって高い段差や崖も軽々超えることが可能なのだ
撃に被弾してさらに追撃を受けそう……なんてときにも「翔蟲受け身」を使えば大丈夫。華麗に復帰して反撃開始だ
各武器に用意された「鉄蟲糸技」は大ダメージを狙える大技、カウンター技、各武器の特徴を伸ばす技など種類は様々。自分なりのスタイルを見つけよう

 さらに「翔蟲」を用いたアクションとしてモンスターを意のままに操る「操竜」というアクションが今作では追加されている。「操竜」状態になると大型モンスターに乗って操り、他モンスターを攻撃する事ができ、さらには「操竜」している大型モンスターを壁にぶつける事で大ダメージを与えることができたりもする。加えて他モンスターへの攻撃を上手く当て続けるなどで操竜ゲージを溜めるとモンスター毎に用意されたド派手な攻撃「操竜大技」を繰り出す事もできる。大ダメージは勿論モンスターによっては状態異常等の様々な追加効果も発揮されることもある。普段苦汁を舐めさせられているモンスターの攻撃を自分が駆使できる爽快感は堪らない。

モンスター同士の争いや「鉄蟲糸技」を当てることでモンスターを「操竜」可能な状態にできる
「操竜」するとモンスターを自由に動かし攻撃を行なえる。別の大型モンスターとぶつけて狩りを有利に進めよう
モンスターに攻撃を当て続けると「操竜大技」が発動可能に!各モンスターを代表するようなアクションを拝むことができる
他のモンスターに攻撃する以外にも壁にぶつける事で「操竜」中のモンスターにもダメージを「突進離脱」も行なえるので、「操竜」は積極的に狙うべきだろう

 スタイリッシュなアクションという事で忘れてはならないのが今作から登場した新たな犬型のオトモ「オトモガルク」だ。「オトモガルク」はハンターと共に攻撃してくれるだけでなく、ハンターを背に乗せて素早くフィールドを動き回れるオトモとなっている。加えて乗った状態で蔦や壁を上る事もでき、移動中は当然スタミナを消費する事も無く、さらには移動しながらアイテムも使用できるという活躍っぷりである。「翔蟲」でハンターのスピードも上がった事に加えて、「オトモガルク」による高速移動も可能となったため本作の移動に関するストレスは全くと言っていいほど無くなっており、むしろ「移動する事が楽しい!」と思えるほどになっているのは大きな特徴と言えるだろう。

「オトモガルク」に乗る事で広大なフィールドも爆速で進む事が可能。モンスターの場所も表示されるので目的のモンスターにすぐ出会える
ガルクに乗っている間はスタミナが減らずアイテムも使用可能。モンスターの移動に合わせて砥石を使いながら後を追えるので非常に効率的だ
もちろん一緒に攻撃も行なってくれる。持たせた猟犬具によってアクションが変わるのも特徴の1つだ

 次に取り上げたいのは、本作を紹介する上で欠かせない圧倒的なまでの「和」への拘りだろう。ハンターの拠点となる「カムラの里」はもちろん、モンスターやキャラクターの風貌、各場面に流れるBGMや世界観に「和」の雰囲気を感じ取る事ができる。例えばフィールドのあちこちに社の残骸があったり、新モンスターのモチーフが妖怪であったりと、プレーヤーをこの和の世界に没入させる細かい工夫が随所に見られるのだ。

 中でもモンスターの登場ムービーは特に世界観に合わせに来ており、素晴らしすぎて筆者は思わず感心してしまった。本作は新アクションによって格段にゲームスピードを向上させながら、「和」というテーマを上手く溶け込ませた今までに無いテイストの作品となっている。

ハンターの拠点となる「カムラの里」も古き良き日本を体現したような風貌をしている
今作で登場するモンスターの多くは妖怪がモチーフになっているため、どこかおどろおどろしさを醸し出している

「カムラの里」を舞台に新たなハンターライフが幕を開ける!

 実際のプレイにおいて、本作でハンターの拠点となるのは「カムラの里」だ。プレーヤーはこの「カムラの里」のハンターとなって狩猟を続けながら、里内のキャラクター達と共に50年に一度大量のモンスターが一気に押し寄せる「百竜夜行」という現象や、未知の生態を持つメインモンスター「怨虎竜マガイマガド」の討伐に挑むことになる。今作でも各登場人物がそれぞれしっかりキャラが立っており、本筋のストーリー展開も見逃せない要素となっている。

顔の細かいパーツまで弄れる豊富なキャラクターエディットが今作でも可能!自分の分身を作っていざ「カムラの里」へ!
里長「フゲン」や受付嬢の「ヒノエ」と「ミノト」など個性豊かなキャラクターがストーリーを彩る
ストーリーに合わせて解放される様々なクエストに挑戦し、ハンターライフを楽しもう

 里内には「雑貨屋」、「加工屋」、「食事場」、「集会所」などのシリーズではお馴染みの各施設が用意されており、里全体がそこまで大きいものではないことも相まってコンパクトに各施設を利用できるのが非常に好感触。そして面白いのがこの各施設にも和のテイストが加えられていることだ。例えばクエスト前にステータスの強化やスキルを付与できる「食事処」は今作だと「お団子屋」のような風貌になっている。既存シリーズにはない今作ならではのテイストを見つけてみるのも面白いだろう。

里内の各施設で狩りの準備が行なえる。この写真の位置から真っ直ぐの道沿いに様々な施設が揃っているため、迷う事も無くスピーディーに準備を進められる
ファストトラベルで里内の施設に直接ジャンプする事も可能。一瞬でアクセスできるので非常に便利だ
【クエストカウンター】
今作はソロプレイ用の「里クエスト」とマルチプレイ向けの「集会所クエスト」が用意されており、「ヒノエ」と「ミノト」の姉妹がそれぞれ受付嬢を担当している。通常クエスト以外にも基本操作を学べる「訓練クエスト」、各施設で利用できる「カムラポイント」を入手できる「フリーサイドクエスト」など様々なクエストが用意されている
【加工屋】
武器や防具の生成&強化を行なえる。里内と集会所の両方で利用可能なのが嬉しいところ
武器の強化では系統毎に強化ツリーを見ることができる。どのように強化していくかプランを立てておこう
「ウィッシュリスト」は作りたい武器&防具を登録しておくと必要な素材が揃った際にお知らせしてくれるという優れもの。素材が揃ったかわざわざ確認しに行く必要がなく、自分が作りたい物もまとめられるのもグッド
【雑貨屋】
狩りで利用するアイテム類を購入できる。こちらも里内と集会所の両方で利用可能だ
時おりセールや福引を行なっており、福引の当たりによってはより良いアイテムを入手できる場合も……!
【食事場】
今作の食事場では各種スキルを秘めたお団子を3つ選んで注文する。体力やスタミナの強化に加え、確率でお団子毎のスキルが発動する
お団子作りのムービーは必見。里内の食事場では茶屋娘「ヨモギ」の可愛いシーンが、集会所の食事場ではアイルーたちの愛らしい姿を見ることができる
【オトモ広場】
オトモ広場では各オトモの管理や訓練、オトモを活用したアイテム収集などが可能
「オトモ道場」ではクエストに連れて行っていないオトモ達のレベリングを行なえる
新たなオトモのスカウトや解雇も行なえる。シリーズ恒例の力の入った雇用ムービーも用意されている
「オトモ隠密隊」ではオトモを各フィールドへ送りだしてアイテムを収集してきて貰う事ができる。凧に乗って思いっきり飛ばされているが目的地にちゃんと着けるのだろうか……?
「交易船」ではオトモに交易を依頼する事でアイテムを増やしたり、各所で入手できるカムラポイントを使ってアイテム交換が可能だ
【修練場】
修練場では「からくり蛙」を的として各種アクションの練習を行なえる。本作ならではのアクションも多いので練習するのに最適だ
ダメージ量を確認したり、「カラクリ蛙」にアクションさせる事もできるので、カウンターの練習などもできてしまう