「ぷよぷよテトリス2」レビュー

ぷよぷよテトリス2

育成要素とスキルを駆使した新ルールが駆け引きをさらに熱くさせる!

ジャンル:
  • アクションパズル
発売元:
  • セガ
開発元:
  • セガ
プラットフォーム:
  • PS5
  • PS4
  • Nintendo Switch
  • Xbox Series X
  • Xbox One
価格:
4,990円(税別)
発売日:
2020年12月10日

 「ぷよぷよ」と「テトリス」が同時に遊べたら……という落ちものパズルファンは多かったようで、多数の新要素と共に「ぷよぷよテトリス」の続編が登場した。

 落ちものパズルのツートップをまとめて楽しめる最強のパズルゲームというだけではなく、キャラクター育成要素がある新ルール「スキルバトル」や、新ストーリーで描かれる「アドベンチャー」モード、世界中のプレーヤーと最大4人で遊べる「インターネット」モードなど多彩な新要素が追加されており、アルルたちおなじみのキャラクターの活躍もボイス付きで楽しめる。オールドファンからニューカマーまで誰もが楽しめる盛りだくさんな内容に更に磨きがかかっている。

 このレビューでは、一新された「アドベンチャー」モードと、新たに追加された「スキルバトル」などを中心に、本作の遊び方について紹介していきたい。

【「ぷよぷよテトリス2」プロモーションムービー】

いまさらだけど「ぷよぷよ」と「テトリス」について

 いまさら説明するまでもないが、念のため、「ぷよぷよ」と「テトリス」という偉大な2タイトルの概略を紹介しておきたい。「ぷよぷよ」は、「ぷよ」と呼ばれるスライム上のブロックを、同じ色を4つ以上つなげることで消していくゲーム。2つのぷよが連結しておちてくるので、左右に動かしたり、回して向きを変えながらくっつけていく。

 「テトリス」は、「テトリミノ」と呼ばれるブロックを横一列そろえることで消していく。テトリミノには四角形や棒、Z状などの形があるので、いかに隙間なく積んでいくかが重要になる。

 どちらも上からブロックが降ってくる、いわゆる“落ちものパズル”とか“落ちゲー”と呼ばれているパズルの始祖的な存在だ。そして、そんな2つのパズルをまとめて遊べるのが「ぷよぷよテトリス」なのだ。

 前作「ぷよぷよテトリス」は2014年2月6日にニンテンドー3DS/Wii U/PlayStation 3/PlayStation Vitaの4機種向けに発売された。2014年12月4日にはPlayStation 4/Xbox One版も追加されている。そして今作、アドベンチャーモードにRPG的な成長要素を加えたスキルバトルが加わり、やり込みがさらに奥深くなっている。

【ぷよぷよとテトリス】
「ぷよぷよ」。画面はメガドラミニ全タイトルレビューより
「テトリス」。画面はメガドラミニ全タイトルレビューより

スタート画面には3つのモード

 ゲームをスタートすると最初に表示されるタイトル画面には、「メインメニュー」のほかに、「ぷよぷよ」と「テトリス」というモードがある。この2つはそれぞれ「とことんぷよぷよ」と「マラソン」が即座に始まるモードで、とにかく一刻も早くパズルで遊びたいという人向けのモードだ。

スタート画面。下には3つのメニューが並ぶ
マラソン
とことんぷよぷよ

 「メインメニュー」を選ぶと、「アドベンチャー」、ソロとマルチプレイの「ドリームアーケード」、自分の成績やリプレイを見たり、オプション設定、チーム編成などを行なえる「マイデータ」、世界中のライバルと対戦できる「インターネット」、初心者が気軽に練習できる「レッスン」という6つのモードがある。

 「インターネット」以外のモードはCPUやローカル対戦も可能なので、ネット環境がない場所でも最大4人で対戦することができる。「とことん」ルールのパズル以外は、基本的にはCPUか他のプレーヤーと対戦することになる。

メインメニュー

RPG的な育成要素もあるアドベンチャーモード

 前作の「アドベンチャー」モードは、ストーリーを順に追っていくというものだったが、今作はマップが登場し、マップ上を道筋にしたがって移動することでストーリーを進めていくという形式に一新された。

 マップによっては、サイドストーリーが楽しめるマップや、攻略の順番を自由に選択できるようなエリアも存在している。マップ上のアイコンにキャラクターの顔が描いてある場所では、フルボイスのストーリーが始まり、相手が挑んできた戦いに勝利すると次のアイコンがアンロックされる。

アドベンチャーモード

 ステージのルールは最初はぷよぷよのみ、少し進むとテトリスのみと、腕試し的なステージを経て、最初のスキルバトルが発生する場所にたどり着く。スキルバトルは、マップ上で小さなカード型のアイコンが浮かんでいるマスで発生する。これは、スキルバトルに勝利すると「アイテムカード」が手に入るという意味だ。「アイテムカード」に関しては後述する。

アドベンチャーパート

 当初はパズルの合間にフレーバー的にストーリーが差し込まれるのかと思っていたが、伏線もある意外としっかりしたストーリーが展開していく。最初のスキルバトルが終了した後は、ステージによってぷよぷよで対戦したり、テトリスで対戦したりとバリエーションが出てくるので、飽きずに次々と進めていくことができる。

スキルバトルのシーン

 今回のストーリーは、前回とは逆に、りんごの住んでいる世界に突然空からティ、オー、エックスが降って来るところから始まる。エックスによれば、1度きちんと別れたはずのぷよぷよとテトリスの2つの世界がまた混ざってしまったという。どうやら前回世界が再び分かれた時に記憶を失ったらしく、りんごもティもお互いのことを覚えていない。今回、世界が融合したのは偶然ではなく誰かの意思を感じるというエックス。りんごとティたちは、仲間を増やしながら、どこかに潜んでいる黒幕を探していく。

スキルバトルのシーン

 アドベンチャーモードでは、最初はりんごを使ってティと戦うところから始まり、各ステージで倒した相手が仲間になっていく。仲間になったキャラクターはスキルバトルのチームに編成することができるようになる。

 パズルバトルは、何度でもリトライできるが、どうしてもクリアできないステージでは「おたすけクリア」を選択することで、無条件で次のステージに進むことができる。ステージの勝利条件は星3つまでのランクに分かれており、一度クリアしたステージもいつでも再戦することができる。

 難易度については、オプションで「オート難易度」のオンオフができるほか、どうしても勝てない場合はスキップも可能なため、パズルゲームが苦手な方でも先に進むことができる。

どうしても勝てない場合はスキップも可能

今作から登場の新ルール「スキルバトル」

 アドベンチャーでのバトルには、通常のパズルバトルの他に、「スキルバトル」で戦わなければならないマスがある。スキルバトルは、その名の通りキャラクターそれぞれが持つスキルを使って戦うパズルバトル。最初のスキルバトルはストーリー上で用意されたチームでのバトルになるが、その後はマイデータのチーム編成画面から10通りのパターンを登録することができる。

チーム編成画面
チーム編成のキャラクター選択画面

 チーム編成で設定できるのは「ぷよぷよ」か「テトリス」かのスタイルと、3人のキャラクター、そして4種類のカード。キャラクターは自動的に発動する「オートスキル」と戦闘中に任意のタイミングで発動できる「スペシャルスキル」を使える。最初に使えるスペシャルスキルは1種類だが、最大3種類まで覚えることができる。

 キャラクターによっては、「ぷよぷよ」または「テトリス」にのみ有効なスキルを持つ者がいる。アルルの「とうこん注入」のように、どちらのスタイルでも同じように効力を発揮するものもあるが、りんごの「まとめてへんか」は「下から2だんをあかぷよにかえる」というもので、スタイルが「テトリス」だとこのスキルは灰色になって使うことができない。チーム編成の際には、スキルとスタイルの組み合わせを考えつつセットする必要がある。

りんご 「まとめてへんか」下から2ライン分のぷよをあかぷよに変化させる
オー  「HPかいふく」HPを少し回復
ティ  「ねらいうち」下から2ライン分のテトリミノを消し去る

 スキルバトルでは、勝敗は「HP」ゲージで決まる。相手から攻撃を受けておじゃまぷよやブロックが落ちてくると、その数に応じてHPが削られる。ブロックが上まで積みあがると、HPが4分の1削られてからフィールドがリセットされる。HPが0になるとゲームオーバーとなる。

スキルバトル

 スキルの発動には「MP」を使う。スキルにはそれぞれ必要なMP量が決まっている。MPは時間で回復していくが、回復速度はかなりゆっくりなのでスキルは使いどころを考えつつ戦う必要がある。スキルの中にはHPやMPを回復できるものもある。また、HPやMPの量は「こうげき」、「ぼうぎょ」の量で変化し、「かいふく」が高いとHPとMPの自動回復量が多くなる。

 これらのステータスはキャラクター事に設定されており、チームを組んだ3キャラクターの合計がプレーヤーのステータスになる。アドベンチャーモードでキャラクターと戦うことで経験値を得ることができ、キャラクターを成長させることができる。

こうげきタイプのカード
MPタイプのカード

 スキルバトルに勝利すると、経験値の他にアイテムカードが手に入る。アイテムカードには「HPタイプ」、「MPタイプ」、「こうげきタイプ」、「かいふくタイプ」などの種類があり名前になっているステータスを底上げできる。カードにはレベルがあり、レベルの高いカードならタイプ名になっているステータス以外のステータスにもボーナスが付く。また、レベルの高いカードには特殊効果が付いているものもあるようだ。

アドベンチャーモードの「スキルバトル」で戦うことでキャラクターのレベルをあげたり、アドベンチャーモードでドロップするアイテムカードを装備することでチームのステータスを強化することができる。カード選択画面で、ステータスへの影響をみながら、上げたいステータスを強化していくことができる。

カード設定画面

 実際にプレイしてみると、例えばりんごの持っているスキル「まとめてへんか」は、おじゃまぷよがたくさん落ちてきた時に使用すると下の段2ライン分のぷよを即座に消すことができる、かなり便利だった。序盤ではスキルを使わなくても勝つことはできるが、スキルに慣れるためにも、どんどん使っていくといいだろう。

ランダムミッションで追加ボーナス

 アドベンチャーモードのスキルバトル開始時には、ランダムで「ミッション」が発生することがある。ミッションにはコンボを成功させる、テトリミノやぷよを一定数消すといった様々な条件があり、条件をクリアして勝利することで、通常よりも多くアイテムカードを入手できたり、入手できるアイテムカードのレベルが高くなったりする。発生は完全ランダムだが、一度発生すれば、そのバトルで負けた後のリトライでもずっと有効なままになる。

中央にランダムミッションの条件が表示される
ランダムミッションの報酬でカードを獲得

おなじみのルールは「ドリームアーケード」で楽しもう

 「ドリームアーケード」はメインメニューから選べるパズルのみを楽しめるモード。ソロプレイ用の「ひとりで」とマルチプレイ用の「みんなで」がある。

 「ドリームアーケードひとりで」では、定番ルールからスキルバトルなど7つのモードを選ぶことができる。

ドリームアーケードひとりで
キャラクター選択画面

「VS(ブイエス)」

 「ぷよぷよ」か「テトリス」かを選んでAIと戦うスタンダードなモード。1回のみと、次々に相手を倒していく連戦が選べる。

「スキルバトル」

 スキルバトルのルールでAIと戦うことができるモード。アドベンチャーモードと同じく、あらかじめセットしたチーム編成を使って戦うが、ドリームアーケードでは他のルールと同様に相手と自分の難易度やゲームのルールを選ぶことができる。

「スワップ」

 「ぷよぷよ」と「テトリス」が定期的に入れ替わっていく。どちらか一方が上まで詰まってしまうとゲームオーバーになる。

「パーティー」

 巨大ぷよや合体したぷよなどほかのルールにはないアイテムを使った派手な効果が特徴。パーティーという名前の通り、友達同士でワイワイと楽しみながら遊べるモードだ。

「ぷよテトミックス」

 ぷよとテトリミノが降ってくるモード。テトリミノがぷよの上に落ちると下にあるぷよを押しつぶしていき、直後に押しつぶしたぶんのぷよがそのまま上から降ってくる。下にテトリミノを積みながら、上でぷよを消していくというプレイになる。ぷよテト初心者の筆者には非常に難しく感じられた。

「ビッグバン」

 あらかじめ連鎖やブロックが積まれていて、効率よく連鎖やブロック消しをしていくことが目的のルール。ひたすら連鎖やブロック消しをするので爽快感がある。

「とことん」

 ひたすら積む、消すを続けたい人向けのルール。制限時間と難易度が選べるので、連鎖やブロック積の練習にも使える。

 「ドリームアーケードみんなで」は、「とことん」以外のルールをマルチプレイで楽しむことができる。コントローラーをシェアする「マルチ」か、2台以上のNintendo Switchを使う「ローカル」かを選択することができ、ローカルでは最大で4つのコントローラーを接続しての対戦が楽しめる。ただし、スキルバトルだけは画面に表示する情報が多いこともあり、最大2人での対戦となる。COMも参加できるので、人数が足りない時も4人プレイを選ぶことができる。

スキルバトルの対戦は2人まで、それ以外の対戦モードは最大4人まで参加できる

スキルバトルによってキャラクターを育てる楽しみが増えた

 前作からあるルールももちろん面白いのだが、やはり新しく登場した「スキルバトル」が面白い。キャラクター育成要素に加えて、アイテムカードを収集するという楽しみ方もあり、ストーリーを進めるのはもちろん、キャラクターの成長や新しいカードを求めて何度もチャレンジしたくなる。手軽に遊べるアーケードは、スキルバトルの練習にも使える。

 今回はインターネット接続をしてのプレイを試すことができなかったが、発売後には世界中のプレーヤーとスキルを競うことになる。一発逆転を狙える強力なスキルによって、これまで以上に戦略性の高いシーソーゲームが繰り広げられることになるのは間違いないだろう。