「WRC8」レビュー
WRC8 FIA ワールドラリーチャンピオンシップ
リアルな走りの感触に加え、チーム運営で“ラリー文化”を表現!
- ジャンル:
- レース
- 発売元:
- オーイズミ・アミュージオ
- 開発元:
- Kylotonn
- プラットフォーム:
- PS4
- 価格:
- 7,800円(税込)より
- 発売日:
- 2020年2月6日
2020年2月5日 00:00
「WRC」シリーズは、国際自動車連盟 (FIA) が主催する世界ラリー選手権、「FIA World Rally Championship(WRC)」の完全公式ライセンスを取得する公認のラリーレースゲームだ。そして、今回紹介するシリーズ最新作「WRC8 FIA ワールドラリーチャンピオンシップ(以下、「ERC8」)」のPS4向け日本語版が2月6日にオーイズミ・アミュージオから発売される。前作の「WRC7」が2017年11月発売のため、2年ぶりの新作となる。
本作の最大の特徴は、単にレースを勝ち進むだけでなく、メカニックやエージェントたちと共にレースに挑戦し、チームの管理や運営も楽しめる「キャリアモード」だ。ラリーレース以外にもイベントへの参加などのスケジュール調整やクルーメンバーの体調管理、チームの強化や資金の調達、メーカーの評判など、マネジメント能力も要求されるモードになっている。
そもそも本物のラリーレースがどのようなものかあまり知らなかった筆者だが、本作をプレイしてみて、その魅力の一端に触れる事ができた気がする。実際にプレイして感じた事だが、ラリーレースの環境はかなり過酷だ。走る先の地形やコースの細部などの情報を、同乗する「コ・ドライバー」が伝えてくれるナビゲーション情報のみを頼りに走行していく。解釈を間違えると想定より急なカーブが姿を現し、崖や谷底に真っ逆さまだ。ゲームだからこそコースに戻されて再開する事も可能だが、現実には大事故となり死亡する事もある世界だ。
また、他車と並走してトップを目指すという筆者のよく知るレースと異なり、WRCでは全てのコースにおいて単体で走行し、勝敗はあくまでもタイムでスコアを競うというルールにも驚かされた。レースにおけるドライバー同士の駆け引きといった物がなく、常に最上のタイムを目指して走るというストイックなスタイルは、実際の過酷な状況を考えれば納得できる。ゲームでも他車を気にすることなく、走りに集中することができ、競技性の高さを痛感した。今回はこの「WRC8」のキャリアモードを中心にその感触を語っていきたい。
2020年はオリンピックだけでなく、WRC日本ラウンド「Rally Japan」が愛知で開催される。今作では残念ながら日本のコースは収録されないが日本語版のパッケージはトヨタ車となる。WRCが大きく盛り上がることが期待される今年、本作でラリーの楽しさだけでなく、チーム運営など“ラリー文化”全体を予習しておくのも良いのではないだろうか?
豊富なモードとリアルな操作感が魅力
「WRC8」には様々なモードが用意されている。今作ではチーム全体のマネジメントも含むレース全体の雰囲気が楽しめる「キャリアモード」がメインだが、ひたすらラリーレースのみを遊べる「シーズンモード」も用意されるのでレースだけを集中して遊びたいならこちらもアリだ。また、シンプルに自分で選んだマシンとコース、天候で遊べる「クイックゲーム」、練習用に「テストエリア」、「トレーニング」などのモードも用意される。
マルチプレイでは最大8人のプレーヤーと対戦できる「オンライン」や他のプレーヤーと指定されたチャレンジのスコアを競える「ウィークリーチャレンジ」、最大2人で画面を分割してオフラインで対戦する「分割画面+」も用意される。
なお、メニュー画面はホーム、ソロ、対戦とそれぞれメニューが用意されており、最後にプレイしたモードが「最新アクティビティ」としてホーム画面に配置されるようになっている。デフォルトではキャリアモードがホーム画面に配置されており、その他にも対戦のチャレンジモードや、公式のWRC選手権の最新ニュースがチェックできる機能も備えており、公式ゲームらしさが感じられる。
ゲームの難易度設定としては、純粋なCPUの強さを示す難易度があり、そのほかにダメージを受けた車両がその影響を受けるかどうかの設定や、レース途中でのリトライ回数を制限するような設定もある。今回筆者は最も緩めのセッティングとして、難易度をイージー、ダメージを受けた車両の影響は「ビジュアルのみ」、リトライ回数を示す「永久クラッシュ」はオフとした。ちなみに、「永久クラッシュ」をオンにすることでイベントごとのリトライ回数を1に制限することもできる。今後やりこんで腕が上がればこうした難易度を変更することで、よりリアルなラリーの雰囲気が堪能できそうだ。
本作では、通常のラリーレースと同様に、プレーヤー自身がレーサーとなり、助手席に同乗するコ・ドライバーからのコース情報を頼りにラリーレースで上位を目指すわけだが、実際にコースの確認などはレース開始前しか行なえない。もちろんポーズをかけることでコースの全体図は確認する事ができるが、画面上にマップなどが表示されず、あくまでもレース中のコースの把握は自分自身の目視とコ・ドライバーのナビゲーションのみなのだ。
コ・ドライバーの指示は音声によるものに加えて、画面上部にアイコンでも表示される。アイコン表示では数字でカーブの度合いが示されており、数字が低いほど急なカーブとなり、直角90度のクランクや、ヘアピンなどには専用のアイコンが用意される。
このコ・ドライバーの音声指示がとにかく雰囲気満点なのだ。レース展開はスピーディなのでそれに合わせる形でガンガンとまくしたててくる。言語が英語のため、ヒアリングの弱い筆者には細部のディティールが伝わり切らない事が多く、指示アイコンだけを頼りに走っていると、想定外の角度で曲がり切れずにスピンしたり、崖の底に真っ逆さまになる事もあったが、慣れてくるとアイコン指示だけでも十分に走行できるし、ラリーレースの臨場感がたっぷり味わえる。
音声については効果音もかなりリアリティがあり、エンジン音は車両ごとに微妙にその音の出方が異なるので、エンジン音が好きな人にはうれしいところだろう。また、未舗装路のグラベル走行時は、小石や砂をタイヤが巻き込み、はねられて車両の裏側に当たるコツコツ音も再現されており、こうしたところからもさらに臨場感が増している。特にヘッドフォンを装備すると、BGM以上にこうした音があちこちから響き渡るので、ラリー世界にトリップできる。こういう細かいこだわりは歓迎したいところだ。
実際の操作感としては、ラリーゲームだけあって全体的に車の挙動がかなり敏感でリアリティのある感触だった。今回はオプションセッティングで、アンチブレーキングシステムをオンにし、トラクションコントロールをオフにしてプレイした事もあるが、とにかく車がよく滑るため、コーナーに差し掛かった時にオーバースピードだと、ブレーキングが間に合わずそのまま壁に突撃してしまう事が多かった。このような時は〇ボタンでサイドブレーキがかけられるので、ドリフトで車体を旋回させて、速度を維持したままコーナーを抜けるのがいいのだが、頭でわかっていてもなかなか感覚をつかむのが難しい。
また、本作ではデフォルトでギアはセミオートマになっており、速度に応じて自動でギアチェンジしてくれる。普段の走行は問題ないのだが、減速後の再加速などの立ち上がりでは速度が上がらないまま、回転数が高くなってしまうような場面も多く、このような時はXボタンによるシフトアップを使って手動でのシフトチェンジが役に立つ。逆にコーナーに差し掛かる前にエンジンブレーキをかけたいような時は四角ボタンでシフトダウンできるため、通常のブレーキと合わせて多用するスタイルになっていった。ギアについてはマニュアル操作も選択できるので、常にシフトの状態を自分で把握したい場合はこちらもいいだろう。
コース状況を把握しつつ、コ・ドライバーのナビと合わせて、うまくコーナーを抜けられた時の爽快感は苦労が多い分、達成感もひとしおだ。だがレースはかなり長丁場のため、こうした成功体験を積み重ねる必要があり、ドライバーとしてのラリーレースの過酷さを改めて実感できる。
ラリーレースらしく、多少コースから外れてショートカットするのは問題ないが、崖からの落下やギャラリーのところに飛び込んでしまうなど、明らかなコースアウトの場合は割と早めの判断で車は強制的にコース上に戻されてしまう。この場合は9秒のペナルティがタイムに加算され、レース展開がかなり不利になる。
1点気になったのは、他の車のタイム状況などがレース中は一切把握できないところだ。実際のラリーレースでもそうなのかもしれないが、全て走り終えてみないと、自分のタイムがどのあたりの順位かわからないのはちょっとストレスだ。自分の中でかなりうまく走れたつもりがゴールしてみると、思ったほど好タイムではなかったり、逆にクラッシュも多く、失敗したかな、と思うような状態でもゴールしてみるとトップだったりと、基準がわかりにくい。
本来のレースでは出てこない情報かもしれないし、コ・ドライバーからタイムについての話もされている可能性があるし、またはどこかに情報が出ていたのかもしれないが、レース中に自分の立ち位置がわかるような仕組みがあれば、ゲームとしてはよりわかりやすかったと思う。
レース中にタイムがわからないのは難点ではあるが、リトライを駆使してタイム改善ができるのは良かった点だ。難易度設定でリトライ回数を無制限にしておくと、うまくいかなかった場合に、最初からレースにリトライできる。リトライを繰り返せば多少苦手なコースもクリアできるし、タイムが伸びなかった場合なども、ゴール直後ならリトライも行なえるので、上位を目指して何度もリトライする方法もある。
他にもハンドルコントローラがあると、さらに楽しく遊べると感じられた。カーブでハンドルを切ったまま維持するのは、やはりコントローラでは味わえない醍醐味だ。車体を滑らせながらカーブをクリアするとき、両手でがしっとハンドルを握って耐えることが可能ならば、全身でラリーを体験できるだろうなと思う。さらなる臨場感を味わうためにハンドルコントローラが欲しいと思った。
「キャリアモード」は豊富なイベントが魅力だが解雇に注意
それではいよいよ目玉の「キャリアモード」を紹介していきたい。まずはドライバープロファイルを作成し、ここで名前と国籍を選択して次に進む。すると「ジュニアWRC」と「WRC2プライベーター」の選択肢が登場する。説明しておくと、WRCにもF1などと同様にクラス制が導入されており、最高クラスがWRCで、その下にWRC2、その下にジュニアWRCがあり、それらのクラスで好成績を収めることで、WRC2、WRCと昇格していく。
ここでの選択はジュニアWRCの場合、いきなりメーカーと契約してチームが結成され、ゲームがスタートするが、WRC2プライベーターを選択するとまずはトライアウトとして3回のリトライ回数でテストが行なわれ、メーカーと契約をこぎつけるところからゲームが始まるのだ。もし契約を勝ち取れれば、ジュニアWRCで実績を積むことなく、いきなりWRC2からデビューできる。
ただし、メーカーの契約を勝ち取るのはかなり厳しい。ここで書いたリトライ回数は文字通りシステム上のリトライ回数のため、やり直しが3回しかきかず、この試験に失格になると強制的にジュニアWRCへの参加となる。実際に試してみたが、リトライ回数を早々に使い切り、散々なタイムで契約は勝ち取れず、仕方なくジュニアWRCからの参加となってしまった。勝負の世界は過酷だ。
これはレースゲームに慣れた人や、これまでの「WRC」シリーズを楽しんできた人向けのショートカットと言ったところだろうか。メニューでも初心者はまず「ジュニアWRC」から参加するように説明されている。
ということでジュニアWRCを選択すると、次はメーカーとチームの選択となる。とはいえ、最初に選べるメーカーはFord1社のみで、異なる3チームから選択できる。チームの違いは一見するとわかりにくいので、車のカラーリングなど好みで選べばいいだろう。
こうしてキャリアモードがスタートする事になるのだが、キャリアモードの大まかな流れはメールをチェックしたり、スケジュールを調整したり、研究開発でチームを強化したり、クルー管理でクルーメンバーのアサインをしたり、セッティングを事前に行なったりといったチーム内の作業を一通り行なってから、イベント開始で、スケジュールに登録したイベントや、ラリーレースに参加する、といった感じだ。
メールでは次回のラリーレースの概要やメカニックたちからの修理費用の請求などが届く仕組みになっている。届いたメールに備えられた支払いボタンを押すことで、修理費用の支払いを行なう。他にも進捗状況などがメールで届く場合もある。
クルー管理ではチームに所属するクルーメンバーたちの仕事へのアサインを行なえる。と言っても細かい仕事の内容にまでは突っ込まず、あくまでも職業毎にその道のプロたちの中から1人をアサインして仕事を依頼するといった感じなので、こちらはあまり考えずに、ステータスの数値の高いメンバーを割り当てておけばいい感じだ。
ところが、メンバーに仕事をアサインしてアクティブにし続けていると、メンバーたちはだんだんと疲弊していくのだ。疲弊したメンバーをそのまま使い続けるとそのうち倒れてしまったり、チームを脱退してしまう事もある。クルー管理のポイントは、こうした疲労しているメンバーを休ませて、代わりに元気なメンバーをアサインしてやるといった文字通りのメンバーの管理だ。体調の状態はステータスの色で判断できるようになっているので、ステータスが赤くなってきたところで交代させてやれば問題ない。こういう気遣いもチーム運営の大事な仕事の1つというわけだ。
クルーに所属する職業は最初のうちはメカニックとエージェントのみだが、レースに参加するなど、経験値を稼いで職業をアンロックする事で参加できる職業とメンバーを増やしていくことができる。こうしたチームに参加する職業を増やしたり、スキルによるチームの強化が行なえるのが、研究開発だ。
研究開発では、4つのカテゴリから選択して強化が行なえる。最初のジュニアWRCでは「チーム」と「クルー」のカテゴリのみが有効で、WRC2に昇格すると新たに車の性能を強化できる「性能」カテゴリと、車の耐久性能を向上させたり、タイヤの摩耗を和らげるなど、安定した走行が期待できる「信頼性」のカテゴリがアンロックされる。
クルーのカテゴリでは、報酬を増加させたり、クルーメンバーの状態をより良くしたり、メーカーとの関係性を良くさせるものが多い。チームのカテゴリは、新たな職業のクルーをアンロックしたり、クルーの職業スキルの向上などが行なえる。新たな職業を増やしてメンバーを配置することで、レース展開がよりスムーズに行なえるようになるようだ。
こうしたチーム強化の恩恵だが、あるとないとで比較していないため、正直なところ実感がわきにくい。だが、最初のトレーニングでは思うように走れなかった路面が気が付くとスムーズに走れるようになっていくのは体感できる。これをチームの恩恵と取るか、自分の慣れと取るかの判断は難しいところだが、自分で選択してチームを強化していくのはRPGっぽい感覚で楽しい。
カレンダーでは、スケジュールの調整が行なえる。本番のラリーレースは既に確定事項のため、変更はできないようになっているが、レースまでの間の時間をどう過ごすのかは、自分で決められる。ここでは通常のラリーレースとは異なるイベントへの参加や休息など色々選べる。
例えばカレンダーのメニューから選べる項目の1つ、「過酷条件」では、車のコンディションも最悪、天候も嵐のような豪雨の降り注ぐ場所での過酷なレースに参加する事になる。指定の条件をクリアすると多額の報酬が手に入るため、金策にはもってこいだが、かなり困難なレースになる事が多く、プレーヤーの精神が疲労する。
他にも「歴史的レース」では、指定の伝説の車両を使ってレースに勝利する。報酬や経験値、またクルーの士気も高まるので、あまり気は抜けないがいつもと違う車で走れるので、気分転換にもなる。他にもメーカーの評判を上げるためのイベントとして「メーカートライアウト」もある。メーカーからの依頼を受けて、指定の車でテストドライブしたり、レースしたりするもので、ここで好成績を収めておくとメーカーからの評判が上がり、経験値も稼げる。
こうしたイベントはクラスが上がるほど増えていくほか、研究開発で新たなイベントを増やすことも可能。ゲームを進めるほど、色んなイベントが楽しめるようになる。
こうしてカレンダー通りスケジュールをこなしていき、いよいよ本番のラリーレースだ。本番では、公式ルールに則る形でレースが展開する。1日でレースが終わる事はなく、場合によっては昼と夜とを走行することもあり、いずれもクリアすることでタイムが加算されていく。レース主催者の指定した競技区間の走行は「スペシャルステージ」(SS)や、「スーパースペシャルステージ」(SSS)と呼ばれ、ゲーム内でもこの略称で表示される。また最終日の最終ステージには「パワーステージ」(PS)が用意され、順位によってボーナスポイントが獲得できる。
他にも一般道路を使って移動する「リエゾン」が含まれる場合もあり、いずれも総合タイムに加算されるため、全てのレースで上位を獲得する必要がある。
こうして全てのレースを走り終えた段階での総合タイムで順位が確定し、順位に応じて賞金がもらえるほか、メーカーからの評判が変化したり、チームメンバーたちの士気にも影響したりする。レースが終わった後はメールをチェックすると、レース中にかかった修理の費用が請求されているので、これを獲得した賞金から支払う。
毎回スケジュールに何か予定を入れて多忙な日々を送るもよし、休息を取って本番に備えるもよし、だがイベントはキャリアモードならではのユニークな仕掛けなので、見覚えのない新しいイベントが発生したら、1度はトライしてみたいところだ。
数週間、こうしたスケジュールを繰り返すと、メーカーとの再契約日にぶち当たる。ここでメーカーからの評判が良ければ、引き続き契約続行で次のクラスに進むことになる。だが、メーカーから契約を打ち切られる場合もある。この場合、同じメーカーに残り、引き続き下位ランクで挑戦するか、新たなメーカーと契約を結び、次のクラスに挑戦する事もできる。
この評価基準はデータで表示されているが、1度メーカーとの関係が悪化するとそれを回復するのはなかなか大変だ。というのも実際にレースでの成績が悪く、メーカーからの評判が落ちているという話が入ってきたので、必死になってメーカートライアウトをやって評判を上げてみたことがあった。データ上の評判は悪くないところまで回復できたかに思えたが、それでも契約は解除されてしまった。
その後再契約でメーカーを変更してみたが、すると研究開発で上げたクルーのカテゴリがリセットされてしまった。チームカテゴリは成長が無駄にならなかったので何かの条件があるのかもしれないが、この辺りはもう少しわかりやすい説明があっても良かったと思う。
ビジュアルも本格的なラリーレースの世界に飛び込め
「WRC8」は公式ライセンスの恩恵による、実在の車両に乗ってラリーレースを体験できるのが大きな魅力の1つだ。聞いたことのある車両の名前などを見かけると、思わずテンションも上がる。
ラリーレース自体の1回の走行時間はかなり長いため、リトライを繰り返してると時間がいくらあっても足らず、延々と遊んでいられる。筆者はプレイを開始して「キャリアモード」で最初に行なうシンプルなトレーニングコースだけで1日近くを費やしてしまったほどだ。
なお、筆者はほとんどデフォルトでトライしていたが、車両の個別のセッティングもWRC2クラス以降になると開放される。かなり細かくセッティングできるため、こうした調整を行なって自分にとってベストのセッティングをコースに応じて保存しておくことで、さらに切り詰めたタイムを叩きだせるようにもなっていて、やりこみ要素も十分だ。
今回は開発中のバージョンのため、マルチプレイが楽しめなかったのは残念なところだが、オフラインの分割2人対戦「分割画面+」の様子は確認してみた。ライバル車の位置が、邪魔にならない程度のゴースト表示されるので、これで8人対戦などが行なえたらかなり楽しそうだ。
ハンドルコントローラを所有しているようなガチのレースゲーム好きは元より、ラリーレースを体験した事がない人も是非1度プレイしてみてほしい。本作のビジュアルについては、大自然から田舎町、都会など色んな地域がコースとして設定されるラリーレースならではの豊富なコースの微細な描写も注目のポイントだからだ。
特に本作では天候条件がかなり豊富に用意されており、普通に晴天の時もあれば、狙いすましたかのような豪雨の中でもレースは実施される。雨天中止はありえない。また、晴天から急転直下で雨が降り出すような状況もあり、そんな天候の変化で、今までのグラベルの路面があっという間に水浸しの泥に変わっていく様子などもかなり精密に描かれており、リアルな描写に臨場感がさらに高まり、同時に緊張感が高まる。本物のラリーレースを実際に体験するのは大変だが、その雰囲気をゲームで体感するなら本作はベストチョイスの1つと言えるだろう。
(C)2019 A videogame published by Bigben Interactive S.A. and developed by Kylotonn Racing Games. Licensed to and published in Japan by Oizumi Amuzio Inc. An official product of the FIA World Rally Championship, under the license of the WRC Promoter GmbH and the Federation Internationale de l'Automobile. The manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game are trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners."WRC" and the WRC logo are registered trademarks of the Federation Internationale de l'Automobile. All rights reserved.